2022年アルバム～優里『壱』

リリース：2022年1月12日
前作：なし（1stアルバム）
通算枚数（フルアルバム）：1枚目
楽曲数：16曲
うち先行配信済：10曲
レーベル：アリオラジャパン

楽曲解説

ベテルギウス

先行配信：2021年11月4日
MV：あり（YouTube）
演奏時間：3分50秒

　現在大ヒット中のラブバラード。星座をテーマにした名曲は古くから数多くありますが、この曲もその一つになっています。

 

ドライフラワー

先行配信：2020年10月25日
MV：あり（YouTube）
演奏時間：4分46秒

　2021年ビルボード年間1位に輝いたラブソング。シンプルなメロディーに乗せられる歌詞が人々の共感を呼び、カラオケではもう1年近くずっと1位という状況です。今回のアルバムでは一番演奏時間の長い曲でもあります。

 

花鳥風月

先行配信：なし（新曲）
MV：無し
演奏時間：3分25秒

　「ベテルギウス」「ドライフラワー」とは違う雰囲気の演奏です。ベースラインを筆頭に小気味良いリズムの曲ですが、”wow wow wow…”の部分には少し前、いわゆるロキノン系バンドの雰囲気も若干感じさせる部分もあります。

 

ミズキリ

先行配信：なし（新曲）
MV：無し
演奏時間：3分28秒

　ピアノ演奏メインのラブバラードです。サビで裏声を駆使するなど若干キー高め。タイトルに反してミズキリが”水切り”、逆にその直前の後ろ向きが”ウシロムキ”と表記されています。

シャッター

先行配信：2021年7月7日
MV：1コーラス・リリック（YouTube）
演奏時間：4分8秒

　Twitterやインスタが歌詞に登場する、別れをテーマにした楽曲。夏の光景を思い出させる儚い内容です。

 

ミザリー

先行配信：なし（新曲）
MV：無し
演奏時間：4分2秒

　リズムの使い方が特徴的で耳に残る楽曲です。ギターの見せ場が多い曲なので、ライブだと歌詞以上に演奏に耳を傾けたい楽曲かなとも感じました。

 

レオ

先行配信：なし（新曲）
MV：あり（YouTube）
演奏時間：3分58秒

　これまでのJ-POPでは珍しい、犬をテーマにしたと思われる楽曲です。Aメロに入る直前の音は、犬の鳴き声にも聴こえます。ビルボードチャートでもレビュー済。

ピーターパン

先行配信：2020年8月9日
MV：あり（YouTube）
演奏時間：3分34秒

　他の楽曲ではあまり聴けない、強く訴えかけるような歌声が非常に印象的な楽曲。バンドの編曲はついていますが、アコースティックで歌うとより迫力のある内容になりそうな雰囲気もあります。

 

スマホウォーズ

先行配信：なし（新曲）
MV：無し
演奏時間：3分49秒

　ややダークめな雰囲気の楽曲で、「ベテルギウス」「ドライフラワー」とは対照的な内容です。アルバム1曲目から順番に聴いていくと、少しずつ雰囲気が変わっていって最終的にはここに行き着くという印象もあります。

 

夏音

先行配信：2021年9月19日
MV：1コーラス・リリック（YouTube）
タイアップ：Hulu配信ドラマ『ドライフラワー -七月の部屋-』第1話挿入歌
演奏時間：3分59秒

　明瞭なストーリー性のある歌詞とそれを盛り上げる演奏は、今回のアルバムの中で一番の内容だと思います。個人的には「レオ」とともに、それこそ「ドライフラワー」「ベテルギウス」以上にお薦めしたい楽曲です。

 

背中

先行配信：なし（新曲）
MV：無し
演奏時間：3分57秒

強く歌い上げるシーンが印象的な楽曲です。若干昔の長渕剛さんみたいな雰囲気もあります。

かごめ

先行配信：2020年2月28日
MV：あり（YouTube）
演奏時間：4分32秒

　「かくれんぼ」「かごめ」はメジャーレーベル移籍前にインディーズから配信された楽曲で、YouTubeでもインディーズレーベル・JMSTV1からの配信です。

　強い気持ちで訴えかけるような歌詞と歌声が印象的です。メジャーデビュー以降とは全く違う作風で、大ブレイクした今は書けそうならこういった曲をまた作って欲しい、という気持ちにもなる内容です。

 

桜晴

先行配信：2021年2月19日
MV：1コーラス・リリック（YouTube）
演奏時間：3分58秒

　「ドライフラワー」ヒット中のリリースですが、それにかき消された楽曲というのが当時の印象です。ただ高校や大学を卒業する人にとっては、決してそうではないと思われます。卒業生のスピーチとしてもそのまま流用できるかもしれない、聴かせるバラード。

 

インフィニティ

先行配信：2021年1月23日
MV：無し、弾き語り動画あり（YouTube）
タイアップ： 朝日放送制作アニメ『SK∞ エスケーエイト』エンディングテーマ
演奏時間：4分5秒

　アニメタイアップあり、そのため先行シングルでは唯一CD化された作品です。ややレゲエの色が入るサウンドは、当時の優里さんにとっては新機軸だったかもしれません。実際今回のアルバムでも異彩を放つ楽曲になっています。

飛行船

先行配信：2021年4月17日
MV：あり（YouTube）
演奏時間：3分15秒

　BUMP OF CHICKENリスペクトに溢れる、疾走感たっぷりのサウンド。実際よく聴いていたアーティストの一組として彼らの名前を挙げています。

 

かくれんぼ

先行配信：2019年12月1日
MV：あり（YouTube）
演奏時間：4分31秒

　ソロデビュー曲が今回のアルバムラストを飾る曲になりました。

アルバム全体の感想

　「ベテルギウス」「ドライフラワー」から始まり、同じような曲が続くアルバムかと最初は想像しましたがさにあらず。聴き進めていくと中盤からどんどんサウンドや音に変化が見られ、終わってみると非常に面白い内容という感想を持てる作品でした。ヒット曲多数なのでベストアルバム的側面も強いですが、曲順通りに聴くとやはり立派な「オリジナルアルバム」であることがよく分かります。

　メロディーや音の作り方は影響を受けたアーティストにインスパイアされている部分も強く、特別強い個性を感じさせる部分はありません。ただ言葉の使い方は人生で様々な経験をしているからこそ出てくるという部分もありそうで、非常に上手いと思いました。週刊誌の記事が昨年話題になりましたが、それ以上の恋愛経験は相当ありそうな感じで、ソロ転向前もバンド活動で何度もストリートミュージシャンとしてライブをしていたようです。若い女性ファンが多いというイメージがありますが、確かにルックスや楽曲だけでなく自身のYouTube他における生きざまを支持している様子がコメントを見ても容易に推測できます。というよりYouTubeの優里ちゃんねるだけを見るとYouTuber的側面もかなり強そうで、そこから支持が生まれている可能性も高そうに見えました。

　どうしても30代モテない男性的になかなか刺さらないアーティストであることは確かなので、聴く前は正直…という気持ちもありました。ただ実際聴いてみるとラブバラードだけでなく「かごめ」みたいな骨のある楽曲もあり、言葉の発想力も間違いなく確かなのでとても良かったです。軸がはっきりしているとともに、そこから曲の世界がどこまで広がっていくかの期待も持てる作品でした。今年発表される楽曲、あるいは次のアルバムも楽しみです。

 

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