Spotify Release Reader 新曲レビュー(1/15)

 SpotifyのRelease Readerは毎週金曜日更新。ということで今後金曜日はここから2曲ピックアップして感想を書く形にしたいと思います。

 年々味のあるバンドになっているような気がするBase Ball Bear。バリバリのロキノン系バンドとして颯爽と登場したのが2000年代後半、今では地に足をつけた骨のあるミュージシャンという印象が非常に強くなっています。1月11日に配信開始した「ドライブ」は、演奏される一つ一つの音から感じさせる貫禄と、普段の生活の延長線上で生まれたような歌詞が特色となっています。派手さはないですが一つ一つ共感できる言葉と、3人がバッチリ噛み合っている演奏。タイトル通り、ドライブで流すと気持ち良く運転できそうな楽曲に仕上がっています。レコーディング風景を映像にしたPVもオススメ。

 なんだか若い頃は当時の若い人に、今はそれこそ今の30代~40代くらいの人に。ベボベのファンは非常に多く存在しているのですが、良い意味で彼らのために楽曲を作っているという印象が非常に強いです。サウンドがここまで自然に変化するロックバンドも、珍しいのではないでしょうか。




 続いては三山ひろしさんの新曲「谺-こだま」です。作詞は「北国の春」などでお馴染みのいではく氏。そして師匠の中村典正先生が亡くなり、新たに曲を提供するのは「浪花節だよ人生は」「南部蝉しぐれ」などが代表作の四方章人氏。1月はじめの週に新曲をリリースするのはこれで4年連続となりました。年末のNHK紅白歌合戦に出場して、再びけん玉ギネス記録に挑戦することになるかどうかはまだ先の話となります。

 ”さよならと叫べばヨ さよならと”の歌い出しがすごく印象深いですね。演歌はメロディーがどうしても似てしまいますので、一度聴いて耳に入る歌い出しは非常に重要になります。そういう意味では個人的に、大変印象深い曲という感想を持つことが出来ました。これで少しは例年より、ワイプでけん玉をやられても歌が頭に入るのではないでしょうか(笑)。でも映像抜きでサウンドで聴くと、やっぱり三山さんは声がすごく良いですね。「四万十川」を歌ったのは2016年になりますが、それと似た様な清らかさを感じます。癖のある歌声ではないですが、それでも声を聴けば誰だか分かる歌声。演歌のみならずどのジャンルから見渡しても、非常に大きな財産だと思います。

紅白名言集解説・5

 このツイートが熊谷真実さんにいいね!されたということで。

 第30回NHK紅白歌合戦が放送されたのは1979年。その年の上半期に放送された連続テレビ小説は、『マー姉ちゃん』。紅組応援団長として登場したのが、ヒロイン・熊谷真実さんと田中裕子さん、早川里美さん、藤田弓子さん。その4人と白組応援団長(三波伸介さん)、白組歌手(布施明さん、郷ひろみさん、桑田佳祐さん)のやり取りが序盤にあったのでその一部を掲載したものです。全編は以下の通り。

藤田「三波さん、三波さん。お宅の白組には素晴らしい独身男性が大勢いらっしゃるそうですねぇ。うちの娘たちに紹介してやって頂けますか?」

三波「ああいいですよ、いいですよ」

早川「眉毛がゲジゲジなんだけど、とっても声が甘い方でいらっしゃるんですって?」郷「はーい、僕です」

田中「一見ハチャメチャな歌を歌うようで、とっても素敵な方がいるんですって?」桑田「はーい、僕です」

 その後に上記のやり取りがあって、3人が三波応援団長に叱られるものの、自分も白組歌手に「はーい、僕です」と返答してしまって終了するという内容でした。なおこの回の紅白歌合戦は、紅組司会・水前寺清子さんを中心というチームワークが光る紅組が勝利しました。この回のチータ司会に関するエピソードは紅白史に残る伝説ですが、それはまた別の機会に語ることにしましょう。

 それにしても郷さんや布施さんはともかく、桑田さんが独身ということにものすごく時代を感じますね。サザンオールスターズはこの年「いとしのエリー」で初出場、そもそも原さんに告白してこの曲を聴かせたというエピソードがあるので紹介しようにも既に遅いです。布施さんも翌年に結婚するオリヴィア・ハッセーとCMで共演後、もうそういう話には入っていたように思われます。ただ郷さんは有名な交際相手がまだデビュー前、当時は本当にフリーだったのかもしれません。

 女性側に目を向けると、マー姉ちゃんの主演が熊谷さん、田中さんは長谷川町子役のモデル。最終的には、歌手席に座っているジュリーを射止めるわけです。早川さんはWikipediaでも個別記事がなく、少し情報が欲しいところではあります。藤田さんは11年前の連続テレビ小説『あしたこそ』主演、その年の第19回紅白では特別審査員として出演しました。そして三波伸介さんといえば当時NHKの『お笑いオンステージ』でお馴染み。第23回から9回連続で紅白に応援出演、第24回からは2年おきに白組応援団長として出演していました。三波さんに関しては名言集にまだまだ掲載しているので、また語る機会も出来るかと思います。

2021.1.18 Billboard CHART

 今週のビルボードチャートはこちらです。1位~5位まで順位そのまま、上位はほとんど変動なさそうです。YOASOBI『THE BOOK』発売の影響で、収録曲が軒並みランクアップしていますが、それくらいですね。というわけで今回も注目曲を適当にいくつか。

 22位から13位にランクアップしたAdo「うっせえわ」。ユニバーサルミュージックから昨年10月にこの曲でメジャーデビューした女性ボーカル、2002年生まれの18歳。この手のイラスト系PVは同人系のアーティストで多い傾向がありますが、2年前からYoutubeで歌いました動画をアップしているので、そこから自然にメジャーデビューまで繋がった、という感じでしょうか。既に3000万回再生されていますが、メディア初出演は今年1月に入ってからのFM802のラジオ番組。本当の意味で、今年の大ブレイクが期待できそうな雰囲気もあります。

 楽曲は強烈な歌声・歌詞もそうですが、若干の懐かしさを感じさせる歌い出しもポイントでしょうか。昨年一昨年辺りから、同人系音楽が今後一番伸びる余地が高いかもしれないとは感じていましたが、今年はいよいよ音楽ファン以外にも広まる年になるような気がします。今後もおそらく、歌ってみた演奏してみた動画をきっかけにメジャーになっていくミュージシャンは増加の一途を辿るのではないでしょうか。

 もう一つは『バズリズム』の2021年コレがバズるぞ!ランキングで1位になったVaundyから「不可幸力」。2019年11月Youtube公開開始で2000万回再生しているので、既にそこそこバズっているようにも思いますが…。ただそれでも個人的にはほとんど聴いていないのであらためて。

 Spotify PremiumのCMソングとなっているこの曲は、聴き心地よいサウンドのロックミュージック。R&Bの要素も入っているような、決して明るくない仄かな光が似合うような雰囲気は、夜の都会の光景がしっくりくる感じがします。少なくとも上で紹介したAdoさんとは真逆の雰囲気で、通好みではありますが…。Suchmos辺りの流れがそのまま続いている音楽という印象もあって、通に高く評価されやすいとは思いますが音楽ファン以外にどう聴こえるか…というのが課題のような気もしています。個人的に、この曲を好まない音楽ファンを「音楽を分かってない人扱い」する一部界隈に存在しているような雰囲気はどうも好きになれません。

Spotify Release Reader 新曲レビュー(1/12)

 紅白名言集ばかりというのもあれなので、今回は自分用のSpotifyのRelease Readerから、適当に新しい曲をピックアップして紹介してみます。

 2020年12月28日配信開始のTHEイナズマ戦隊の新曲。明日リリースのアルバム表題曲となっています。この時代だからこそ、”生きてこそ”と連呼するサビの歌詞が耳に残ります。人生に悩んでいる人に、真っ先にオススメしたい1曲です。技巧を凝らした楽曲も勿論素晴らしいのですが、こういう愚直でストレートな曲がもっと広く世の中に伝わってもいいと思うんですよね。彼らの音楽を聴くたびに、そんなことをつい考えてしまいます。

 今年元旦に配信開始された四星球の新曲「ライブハウス音頭」。四星球はライブハウスでの活動を主体をしていてここまで活動を続けたロックバンド。カミコベとこなそんフェスで彼らのステージを見た時の感想は”メチャクチャ楽しい”、本当にその一言に尽きます。報道で必要以上にライブハウスがバッシングされる中で、ライブハウスがいかに楽しい空間であるかということを四星球ならではの表現で熱弁しているようなナンバーです。早く世の中が収まって、夏には全国のライブハウスとロックフェスでこの曲を合唱したいですね。そんな気分にさせられる1曲です。

紅白名言集解説・4

 今回取り上げたのは1968年、第19回紅白歌合戦における江利チエミのセリフ。

 紅白歌合戦で中継出演はもうお馴染みの光景ですが、本番中に会場外を飛び出して登場するというシーンは非常に少ないです。近年だと出場歌手がNHKホール外の中継で歌い、エンディングで戻ってきて合流するというケースもありますが、大晦日の東京の様子をリポートするために司会や出場歌手が飛び出したというケースはおそらくこの時だけだったのではないでしょうか。

 有楽町の東京宝塚劇場で行われた当時の紅白、年越しで賑わう神田淡路町のそば屋から総合司会の宮田輝アナが移動してリポートという形で登場。お客さんにインタビューした後に、北島三郎が蕎麦を運んだり、江利チエミが呼び込みを行ったりする設定の軽いコントが行われていました。冒頭で紹介した名言は、その江利さんが注文を受け付けて呼び込むという設定のセリフ。美声にリズムもついて聴き心地は大変良く、本人もそのセリフはお気に入りだった様子。

 なお舞台になったお店はかんだやぶそば。東京では江戸時代末期から続く有名な老舗で、今年で140年目を迎えるお店なのだそうです。2014年に新築されたそうなので当時と雰囲気は変わっているかもしれないですが…。