NEGiFES2017・2日目は後昼祭という形で行われました。前日もそうですが、主催アーティストであるNegiccoは挨拶から始まり、コラボステージや出店紹介など各所で登場します。今回のフェスは出店にかなり特徴があって、全て新潟に因んだものになっています。
まずはイタリアン。焼きそば風の太麺にトマトソースやカレーソース、ホワイトソースなどをトッピングした食べ物です。新潟万代バスセンターにある『みかづき』からの出店、気軽に食べられる味です。私はこの道中、会場で2回・バスセンターで1回・計3回食べました。
万代バスセンター1F・万代そばで売られているカレーです。大変庶民的で懐かしい味でした。
ぽっぽ焼。黒糖をメインにしたシンプルな味は、新潟県民のソウルフードなのだそうです。
麻婆麺。いわゆる中華料理の麻婆とラーメンのコラボ。新潟はラーメン処でもあるようです。限定で海老寿久坦々麺・豆乳坦々麺も発売されましたが、こちらは残念ながら体験できず。
かえぽが通う新潟薬科大学・スイーツラボが作ったネギ氷。ネギをイメージした色はキウィとヨーグルト風味。シロップの味以上に、頭がキーンとならないフワフワな食感が素晴らしかったです。
両日とも1組目のパフォーマンス後に、それぞれの店の代表がステージで各商品をアピール。その様子は、お昼の情報番組みたいな状況でした。だからと言うわけではないのですが、今回2日間で7食食べた形になりました(飲み物除く)。個人的にフェスではあまりフードを楽しまないタイプなので、かなり異例です。そういえば2年前に足を運んだ音楽と髭達は、全くタイムスケジュールに合間がなかったので結果現地で何も食べなかった記憶が…。
CHAI
トップを飾るのは個性的ガールズバンド・CHAI。ピンクの衣装を身にまとった4人は、フロントで主にボーカルを務めるキーボード・ギターが双子姉妹。したがってこの2人のコーラスワークが半端ないわけですが、声質はハイトーン。それでいて声色も自在に変えることが可能。矢野顕子をイメージすると分かりやすいでしょうか。そこで歌われる歌詞は、独特の視点に基づいたユニークなもの。今年4月のEP『ほめごろシリーズ』収録曲がメインでした。
2曲披露後、物販を「shake it off」(Taylor Swift)の替え唄、自らを「We Are The World」のアカペラで”We Are The CHAI”と称して紹介。そこからイケメンは大体セコいという、偏見極まりないながらもなぜか共感できる「ボーイズ・セコ・メン」に入る流れが特に面白かったです。喋りはなぜかルー大柴チック、壁ドンを”ウォール・ドン”というのに大爆笑。それ以外でも「ヴィレヴァンの」「Sound&Stomach」と言った、常人の発想では作れない楽曲が連発。と言いつつも10月発売の初フルアルバムに初めて収録される新曲「N.E.O.」は、化粧品メーカーのタイアップ辺りに起用されていてもおかしくない軽快なサウンド。あるいは20年くらい前の、キューピーマヨネーズ・ドレッシングでも良いでしょうか。ラストはNegicco3人も登場して「sayonara complex」をコラボします。
終始このステージを楽しんでいた彼女たちですが、見ているこちらとしては類稀なる才能とものすごい数の引き出しにただただ驚嘆。思わずミニアルバムも購入してしまいました。物販コーナーでは、かなり長い間メンバーも登場してサイン・撮影にも協力。前日からそうですが、会場では普通に出演者が一般客と一緒にフードを並んで購入するという報告が多数。アイドルイベントでは間々あることですが、そうでないフェスだとかなり珍しい光景ではないでしょうか。
それはともかくこのCHAIというグループ、完全初見では4年前のTIFで見た大森靖子以来に感じた強い衝撃。FM局やスペシャでパワープッシュでもされようものなら、一気にブレイクして日本中を席巻する可能性もあります。平成以降のガールズバンドでは間違いなく今までにない唯一無二の存在で、来年のブレイク候補No.1と言っても良いのではないでしょうか。今後の活躍が非常に楽しみです。
Homecomings
京都出身のバンド・Homecomingsも新進気鋭の注目される存在。男性の中に女性が1人入るというバンドは多数ありますが、女性3人+男性1人の編成もまた珍しいです。全編英語詞・ブリティッシュ系の知的なサウンドは、やはり京都出身のthe brilliant greenを彷彿とさせます。新潟はフェスの前日辺りから寒くなり始めたということで、メンバーはそこそこに厚着の服装で登場。ところがこの日の天気は雲ひとつない快晴。前日の出演者もそうでしたが、特にこのバンドはMCで暑いという言葉を連発していました。
Negiccoとの縁は、先日ベストアルバムに提供した「ともだちがいない!」。というわけでコラボステージは当然この曲の生演奏。ステージ終了後のトーク、作曲したボーカル・畳野彩加はRadioheadの「Creep」にインスパイアされて作ったという話(MCではもっとざっくりした言葉使っていましたが、一応)。作詞したギター・福富優樹は”良い意味で、友達が少なそうな”というかなり誤解を与えそうな表現で、Negiccoをイメージして作ったということを説明。当然ながらしどろもどろなトーク、そういえば本編のMCでも積極的に喋っては畳野さんにあしらわれることが複数回ありました。ものすごく愛されている良いキャラクターのようです。機会があればまた是非、彼らのステージも拝見したいです。
THE Miceteeth
個人的には初見かつ初聴ですが、キャリアは十二分に重ねたアーティスト。過去にはCOUNTDOWN JAPANにも出演している実力派です。スカをメインにした音楽性は、この場で初めて聴く立場としても十二分に楽しめる内容でした。Negiccoとの繋がりは、ネギホーンズで演奏しているトロンボーン・前田大輔がこちらに参加している部分が大きい模様。その彼は、リハで笑点のテーマを演奏していました。
Negiccoとのコラボステージは中盤・「圧倒的なスタイル」。一昨年の末にNEGi BAND ver.として再リリースされましたが、それとはまた別のアレンジ。この曲はメンバーへのコールもお馴染みですが、2番歌い出しを担当したボーカル・次松大助には”つぎちゃーん!”とコールされました。間奏のラインダンスも普段とは違う2回繰り返しver.で大変豪華。歌い終わった後の次松さんの感想は、”子どもが大きくなったらこのビデオ見せようと思います””良い思い出になりました”とのことでした。
新潟でのライブは10年ぶりだという彼ら。暑い中でも、少し照れくさそうに動き回りながら歌う次松さん。普段のライブだとおそらくあまりないであろうコールを浴びた彼にとっては、間違いなく忘れられないステージになりそうです。
Negicco
後昼祭のステージを前に、場を繋ぐのはNegiccoのマネージャー・熊さんこと熊倉維仁氏。人気のあるアイドルは自然とマネージャーにも支持が集まるものですが、彼はまさしくその典型です。以前からNegiccoのライブやイベントでも必ず見掛ける存在でしたが、この2日間会場内で彼の姿を見る機会は非常に多かったです。関係者だけでなく、多くの来場者と積極的にコミュニケーションをとっていました。ステージに立って話している様もそうですが、本当に人情派です。個人的に本祭ではバス待機列の最後尾近くに並ぶ形になりましたが、その時にも積極的にファンを誘導して見送る姿に感銘を受けました。誰よりもファンと大切に接する、そんなマネージャーだからこそNegiccoの3人も長く愛されていると感じた瞬間でした。
本編は「ねぇ バーディア」からスタート。前日からNao☆ちゃんの調子は良くないですが、この日はぽんちゃの調子もあまり良くありません。というより今年に入ってから、高音の出が少し苦しくなりつつあります。ですが、だからこそよりステージに立つ3人を応援したくなる気持ちが生まれます。彼女たちを初めて見てからもう4年近く経ちますが、この間に見る側としてNegiccoから得た部分も個人的にはとてつもなく大きいです。「愛、かましたいの」を経て、MCを挟んだ後は聴かせる楽曲。「おやすみ」「くちびるにメロディ」「虹」「ライフ・イズ・キャンディ・トラベル」。「ライフ・イズ~」では声の調子が良くないぽんちゃをかえぽがフォローする場面もありました。
終盤は盛り上がり曲。すっかりタオル曲となった「ときめきのヘッドライナー」「恋のシャナナナ」、そしてNegiccoの現場では絶対に欠かせない曲となっている「さよならMusic」。4年間で彼女たちのライブに足を運んだ回数はもうかなりの多さになりましたが、何度聴いても格別な気持ち。楽曲の良さと、もうこの楽しい時間は終わってしまうのだというちょっとした寂しさ。もっとも1ヶ月経たないうちに、またツアーに足を運ぶ形にはなりますが…。
前日のMCで、昨年好評だった苗場の1泊2日イベント『私をネギーに連れてって』が今年も出来たらいいなぁと話していましたが、本日その情報が解禁。12月2日・3日に開催されることが決定しました。昨年足を運んだ人の評判によると、ものすごく楽しく充実したイベントということで、ファンの人には是非足を運んで欲しいです。
関西・関東・名古屋でもNegiccoのステージは見ていますが、やはりご当地新潟で見るNegiccoは格別でした。そして何より最高だったのがロケーション。田園に囲まれた中で、歴史のある建物の側でライブを楽しめる場所は、東京や大阪ではまず考えられません。決して大きくないステージが余計に、周りの風景とすごく調和しています。地元名物をメインにした食事を含めて、本当にこの上なく素晴らしい環境でした。冗談抜きで来年も再来年もそのまた次の年も、Negiccoが継続する限りこの場所この時期にNEGiFESを開催し続けて欲しいです。Negiccoがこれまで歌ってきた楽曲が証明している通り、あるいは3人の人柄が自然とそうさせているのでしょうか、彼女たちに関わるミュージシャンは全員素晴らしい人ばかりなのですから…。
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