今週のビルボードチャート~7/20(Snow Man、OCHA NORMA、NiziU他)

今週のチャート総評

 Snow Man「オレンジkiss」が前作「ブラザービート」の80万枚から更に数字を伸ばし、85万枚のセールスを記録しました。順当に首位獲得、CDセールス・リッピングどころかラジオオンエアまで1位となっています。岩本照が主演する映画『モエカレはオレンジ色』主題歌、2作連続でメンバー主演映画のタイアップになりました。

 2位のOCHA NORMA「恋のクラウチングスタート」はハロー!プロジェクトの新ユニット。この曲でメジャーデビュー、CDは「お祭りデビューだぜ!」と両A面。通常盤と初回盤合わせて5種発売、9.2万のCD売上を記録しました。ダウンロード15位・ラジオ13位など他要素での積み上げが、CD売上だけでなく総合でも2位に押し上げる形になっています。


 6位はボイメンエリア研究生「BURNING DANCE -バニダン-」、こちらはほぼ6.8万枚売上のCDセールスのみでランクイン。ラジオやリッピングはおろか、ツイート数でさえも圏外です。連日イベントが組まれているとは言え、この規模でよくこれだけの売上を記録出来るものだと感心します。なおオフィシャルTwitterの公式フォロワー数は現在8323です。4種発売ですが、フォロワー全員が買ってるとしても1人辺り8, 9枚買っている計算になります。

 10位にNiziU「CLAP CLAP」が初登場。動画指標1位、1週間で1200万近く再生されています。ただダウンロードは6位、ストリーミングは35位ですがキャンペーン絡みです。もっとも来週はCDシングルセールスが集計に入るので、すぐに大きく順位が下がることは無いものと思われます。

 13位のKing Gnu「雨燦々」はダウンロード1位、金曜日の配信開始でありながらストリーミングも59位です。TBS系日曜劇場『オールドルーキー』の主題歌、「一途」「逆夢」「カメレオン」に続いて今作もロングヒットが見込まれます。NiziUもそうですが彼らも先週土曜日の『音楽の日』出演が体調不良のためキャンセル、スタートダッシュという点では少々順位を下げる結果になったかもしれません。

 ジョナス・ブルー「ドント・ウェイク・ミー・アップ feat. BE:FIRST」が16位に初登場。イギリスの音楽プロデューサーの楽曲にBE:FIRSTのメンバーが参加しています。ダウンロード3位・ストリーミング47位を記録。こういった形で、男女限らず日本のアーティストが海外の楽曲に参加するケースは今後も増えるのでしょうか。そういう意味ではこの曲がどれだけヒットするかも注目です。

 19位はGANG PARADE「シグナル」。CDセールス4.2万枚で同要素4位ですが、速報値より逆に数字を減らすという珍記録を樹立しています。この週刊補正についてはオフィシャルページで説明されています。言うまでもなくポイントはCD売上100%ですが、オフィシャルTwitterのフォロワー数は4.6万なので納得度はボイメンエリア研究生より高いです。

 36位にDa-iCE「Promise」が初登場しています。『仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズ』主題歌ですがリリースは昨年12月、THE FIRST TAKEライブの歌唱が200万再生で順位を押し上げる結果になっています。「CITRUS」のヒットもきっかけはTHE FIRST TAKEでしたが、レコード大賞を受賞した割に新しい曲の露出・再生数ともに大きく伸びていない印象は正直あります(「CITRUS」は今週も40位で根強くロングヒット中ですが)。

 38位にZORN「いたいのとんでけ」が初登場。ラジオオンエア無し、ストリーミングも完全圏外(というより未配信)ながら、ダウンロード2位・動画指標39位でランクイン。ジャニーズ・ハロプロ・山下達郎以外でサブスク未解禁のヒットはいまや希少価値と言っても良いですが、かなり反響を呼んでいる様子です。

 58位にTWICE「Celebrate」が初登場。金曜日公開ですが既にYouTubeは1000万再生突破、来週はさらに上位になるものと思われます。なお先日TWICEの再生数ランキング記事も作成しましたので、もし良ければこちらもこの機会に是非ご覧ください。その他63位にVaundy「走馬灯」、65位に優里「タイムマシン」とロングセラー候補が多く初登場しています。77位も新しいアルバム収録のドラマ『六本木クラス』主題歌[Alexandros]「Baby’s Alright」初登場、今週は新曲が特に目立つ週となりました。

 夏の特番出演が目立つSEKAI NO OWARI「Habit」は少しポイント落としただけで3位、同じくTani Yuuki「W / X / Y」はポイントを伸ばしました。FNS出演のAdo「新時代」も同様、『音楽の日』出演のMrs.GREEN APPLE「ダンスホール」は大幅に数字を伸ばして18位→11位となっています。

 一方出演キャンセルとなったOfficial髭男dism「ミックスナッツ」は1000pt近くポイント低下。ただコロナ禍における出演可否がチャートに影響を及ぼす結果になったのは、不可抗力で仕方がないこととは言え若干考えさせられる部分もあります。

 NAYEON「POP!」は少し落ち着いて5位→7位、wacci「恋だろ」は早くもピーク過ぎたでしょうか7位→12位。Novelbright「愛とか恋とか」も『音楽の日』で歌っていないので13位→18位、順位・ポイントを下げています。そんな中、K-POPの新星XG「MASCARA」は順調にポイントを伸ばして15位→14位、こちらは地上波テレビ出演があれば爆発的に数字が伸びる素地も出来上がっている雰囲気です。同じK-POPだと、aespa「Girls」も一気に支持を伸ばして94位→30位にジャンプアップしています。

 水曜日のカンパネラ「エジソン」も順位は1ランクダウンですがポイントは400pt上昇、引き続き上昇気流にあります。またAKB48「元カレです」は劇場盤発売によるものでしょうか、3.3万枚の売上で総合25位に再ランクインとなりました。Creepy Nuts「堕天」も79位→50位、順位を上げています。

今週のピックアップ曲

Snow Man「オレンジkiss」

 MVが867万再生で3分ほどですが、Dance Practiceは4分20秒ほどの長さで1130万再生。おそらく後者がフルコーラスということもあって、同じ曲でMVより別の映像が再生数多いという珍現象が発生しています。ちなみに「ブラザービート」はMVもDance Practiceも同じ構成なので、どちらも3600万・2100万という再生数です。

 今回の曲はメロディーのはっきりした王道系ラブソングで、少し前だとKing & Princeに提供していたような楽曲だと思います。ただこういった曲でも、Dance Practice動画で見ると一つ一つの動きにキレがあるのがよく分かります。メンバーそれぞれのソロパートも豊富にあり、よく作られている曲ではないでしょうか。

 SixTONESと彼らが登場する前のジャニーズ一番人気は間違いなく嵐だったわけですが、今回の楽曲は現在の人気があるこそ実現したという印象もあります。振り返ると嵐の楽曲はシングル曲だけでもありとあらゆる曲を歌っていて多種多彩、全員が高いフィジカル能力を持つSnow Manも今後はそれだけに留まらない楽曲が増えるのではないでしょうか。

OCHA NORMA「恋のクラウチングスタート」

 OCHA NORMAと書いて「オチャノーマ」、”お茶の間”と”ノルマ”をかけ合わせた造語だそうです。クールさの欠片もないネーミングセンスですが、過去のグループを振り返ると”それもハロプロの良さ”ということでしょうか…。

 楽曲はメジャーデビュー曲ということで、スタートを強く意識したような楽曲です。陸上競技場で撮影してるMVですが、編曲はディスコティックでどちらかというと屋内向け。笑顔が目立つメンバーだけでなく、そのギャップも新しいと思える作品だと感じました。

NiziU「CLAP CLAP」

 デビュー3年目、CDシングルも3枚目となるNiziUの新曲はストリートなダンサブル。ストレートでなくストリートと書いたのは、もちろんMVの雰囲気が理由です。

 「CLAP CLAP」というタイトルなのでみんなで盛り上がる系の楽曲を想像させますが、実際は9人のフィジカル面の強さを感じさせるナンバー。一緒に踊るには相当な体力と技量が必要で、これまでのヒット曲以上に難度は高いような気がします。歌の方もラストサビ前のNINAパートが極めて伸びのある声で最大の聴きどころ、今作に限ったことではないですが聴けば聴くほど・見れば見るほど沼にはまる作品ではないでしょうか。

aespa「Girls」

 SMエンターテイメント所属でデビュー3年目、メンバー4名は最近のK-POPグループだと少ない方のような気がします。韓国2日本1中国1、多国籍はガールズグループに関して言うともうすっかりスタンダードになりました。

 迫力のあるダンス・映像には、若干のギャルっぽさも感じます。少なくともTWICEやNiziU辺りの路線とは大きく異なる印象です。男性ファンよりも、若い女性ファンの方が確実に多くなるタイプのパフォーマンスに見えますが、どうでしょうか。有無を言わせないようなカッコ良さ、日本でもこういったグループがもっといていいと思うのですが…。

ZORN「いたいのとんでけ」

 タイトルからして従来のヒップホップらしさを逸脱していますが、歌い出しもまずはそのタイトルの連呼。もちろん楽曲はラップですが、歌詞はいかにもヒップホップといった野生味からほど遠い内容です。ただメロディーよりリズムに乗せることでリスナーへよりダイレクトに歌詞が伝わりやすいのがヒップホップの特性、歌詞そのものの共感性はむしろコアファンより普段こういった音楽を聴かない一般層の方が高いようにも感じました。

 特異なタイトルだけで再生回数が伸びやすい特性を持っていますが、それ以上の魅力も十二分に含んだ楽曲ではないかと思います。ストリーミング未解禁がどう転ぶかという面も含めて、今後のチャートアクションが気になる1曲です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました