日向坂46「君しか勝たん」CDレビュー~楽曲編~

コラム

 2021年5月26日に、日向坂46のシングル「君しか勝たん」が発売されました。

 ビルボード総合チャートは昨日の記事でも書いた通り、集計方法の変更もあって2位止まりでしたが、CD売上は50万枚超を記録しています。彼女たちが歌う曲が名実とともにヒット曲と言えるようになるまでには、やはりもっともっとストリーミングで再生される必要はありますが、とは言えファンとしてはやはりCDで購入したいものです。

 今回私は初回限定盤のTYPE-AからTYPE-Dまで、4枚買いました。これは握手会(今回はオンラインの個別トーク会ですが)目的ではありません。というよりメンバー交流が目的の場合、forTUNE music限定販売の通常盤購入する方が圧倒的に良いです。もっともこれも、今は限定された期間の抽選販売になっているみたいですね。詳しくはオフィシャルのこのページを見てもらえば良いのですが、慣れるまではなかなかややこしそうです。

 今回購入に至った動機は、ファンであることもそうですが特典映像が充実している予感があったからです。Youtubeのオフィシャルページに予告編動画もアップされていますが、見るからにクセが強そうな内容がいっぱいあります。冠番組を見ている人は分かると思いますが、日向坂46のメンバーは他の坂道グループや48系列と比較しても、総じてキャラが濃いです。ですので今回楽曲だけでなく映像もレビューした上で、ファン以外に各メンバーの特性も伝えられれば…と思った次第です。

 したがって今作は全部で3記事に分ける形になります。3つ連続のエントリを予定していますが、間に全く違うテーマの記事を挟む形にするかもしれません。まず最初は、CDに収録されている楽曲レビュー。配信もされているので勿論、TYPE-Aから通常盤までカップリングを含めて全て書いていきます。

・君しか勝たん(全タイプ共通表題曲)


 まずは表題曲ですね。

 タイトルのフレーズの濃さはいかにも秋元康氏という印象もあって、ついつい主張が激しい元気系の楽曲かとも思いましたが実際はそんなことなく。むしろコーラスワークやメロディーの作り方に長けた、昼下がりの喫茶店の風景が似合う落ち着いたサウンドになっています。そこに日向坂46のボーカルがうまく調和しているような印象ですね。”かわいい””元気な”とはまた違う新しい魅力を見出してくれた楽曲の出来は、お見事という一言に尽きます。

 MVも傑作と言って良いと思います。スタジオ撮影で出来る限りのアイデアを準ワンカット形式で見せていく流れが大変魅力的。加藤史帆がセンターですが、彼女を中心とした前列だけでなく後列のメンバーまでしっかり映しているのも高ポイント。色々遊んでいる割に、あくまでこの曲の振付を主体に映しているというのが何より素晴らしいです。日向坂46のシングルは過去4作、「アザトカワイイ」もそれに準ずる扱いと考えて良いと思いますが、表題曲は楽曲・映像含めて今までの中で一番の出来と言って良いのではないでしょうか。

・声の足跡(全タイプ共通カップリング曲、MVはTYPE-A収録)


 カップリングでキャッチーさを必要としないからこそ、作詞家・秋元康のライティング能力の高さを再確認できる楽曲だと思います。青春をアイドルにかける若い女性たちに歌詞を書き続けて40年近く経ちますが、まだ違和感なしに聴くことが出来るのは流石の一言。声がまだ熟成されていない彼女たちが歌うから余計に良いんですよね。もっともそれは日本ならではの感覚、とも言えそうですが…。

 MVは制服姿のメンバーが目をひく内容です。個人の特技をアピールしたショットも随所に取り込まれています。そして前身のけやき坂46以来一連の楽曲を彷彿とさせる場面も多々あります。したがってファン度が長いほど深いほど楽しめる内容で、ファンになったばかりの人でも確実におひさま度がアップする楽曲とも言えます。いずれにしても、かなり作り込まれた作品ですね。表題曲同様、こちらもオススメです。

・嘆きのDelete(TYPE-A収録、MV無し)

 表題曲のセンターも務める加藤史帆ソロ作品。TYPE-Aは彼女のソロショットがジャケットになっています。楽曲は80’s~90’s前半色やや強めの歌謡曲系ナンバー。あるいはひと昔前のジャニーズ系にも多かった内容とも言って良いでしょうか。

 あくまで歌声を聴いただけでの推測ですが、かなり体幹がしっかりしている声をしているという印象を持ちました。普段の喋り声とは全く違います。グループの楽曲が素晴らしいのは勿論ですが、こういったソロ曲も今後どんどん各メンバーに歌って欲しいとあらためて思いました。

・Right?(TYPE-B収録)


 上村ひなの・高橋未来虹・森本茉莉・山口陽世の3期生4人が歌う曲。上村以外の新3期生は2020年春加入なので、シングル自体今回初参加になります。とても新鮮です。楽曲は早口のパートが印象的な、若々しさとかわいさが溢れているナンバーと言って良いでしょうか。

 MVは4人の笑顔をメインに映したようなショット・雰囲気の良いロケーションによくありそうな挿絵を混ぜたような内容。したがって多少の既視感はありますが、4人の姿がその印象を打ち消してくれます。かわいいは正義。そして今後の成長のスタート地点としても、間違いなく価値のある映像です。

・どうする?どうする?どうする?(TYPE-C収録)


 1期生曲。メンバーそれぞれの歌声がよく目立っている佳作です。明るい雰囲気で、間違いなくライブで盛り上がる内容に仕上がっています。

 MVは普通です。竹中直人さんが思いっきり異彩を放っていてシナリオも明らかにおかしいのですが、普通です。そういえば元はと言えば竹中さんがコメディアンだということを、普通に忘れていました。そもそも日向坂46というグループ自体が…これ以上はやめときましょう。というわけで、普通に名MVだと思いました。いや迷なのかもしれないですが。こういう個性的なMVは、私としては大変好みです。

・世界にはThank you!が溢れている(TYPE-D収録)


 2期生曲です。各期の曲がフルコーラスで公式Youtubeにアップされていますが、一番再生数多いのはこの曲です。なお3曲とも既に100万超えを達成しています。楽曲は”Thank you”という言葉が耳に残る作品で、ラストサビ後に入るオーラスが聴きどころなのかなと思いました。

 MVはサーカスを意識したような内容。9人のショットはそれぞれのソロシーンも多く、見応えあります。河田陽菜のおでこを出す髪型は初めて見るような気がしますね。それにしても、1期や3期も素晴らしいですが2期メンバーのメンツの豪華さと来たら…。細かくは次回以降の記事で書く予定ですが、9人全員が揃う姿はあらためて壮観という一語に尽きます。

・膨大な夢に押し潰されて(通常盤収録、MV無し)

 全員参加曲、フォーメーションは公式サイトを見る限り表題曲と同様のようです。楽曲はややシリアス系統の雰囲気、どちらかと言うと日向坂より前に、ひらがなけやき時代に歌っていそうな楽曲だと思いました。あまり強いインパクトのある曲ではないのですが、通常盤カップリングMV無しという扱いを考えるとこんなものかな、とも。

・まとめ

 総じて魅力的な楽曲が揃っています。ただやっぱりどうしても楽曲オンリーよりMV映像で合わせて見る方をオススメしたい、という印象にはなります。とは言えやはり表題曲と「声の足跡」は素晴らしい出来です。

 次記事では特典映像の内容を書いていきますが、ここには各メンバーの個性だけでなく従来路線とは全く違うオリジナル楽曲も含まれています。実際書いてみないとどういう形に落ち着くか、自分でも分からない部分もありますが、もし良ければそちらもチェックしてください。

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