今週のビルボードチャート~4/13(BIGBANG、ITZY、IVE他)

今週のチャート総評

 先週予測した通り櫻坂46「五月雨よ」が順当に首位獲得。初動売上45万枚は前作「流れ弾」より5万枚増えました。昨年の今頃と比べて2期中心にテレビ番組出演が増えている印象で、その効果が現れたということかもしれません。実際ミーグリも完売数が増えているようです。一方でストリーミングやYouTubeといった再生指標は数字を見る限りやはりもう少し欲しいという印象もあります。一応ストリーミングは27位ですが、これは明確にLINE MUSICキャンペーンによるものです。

 7位にBIGBANG「Still Life」が初登場。Billboard Global 200でも9位という好スタートを切っています。こちらでもダウンロード2位・ストリーミング17位を記録して高順位。YouTubeは国内4位ですが、全体では8日間で4000万突破という数字です。4年ぶりの新作・デビューから15年以上経っているものの、人気はまだまだ高いことがよく分かる結果になりました。

 11位は星野源「喜劇」。アニメ『SPY×FAMILY』のエンディングテーマになっています。ダウンロード1位、ただ配信開始が金曜日という関係でストリーミングの順位は59位です。Spotifyの再生数は早くも100万超、今後のロングセラーにも期待がかかります。MVはまだ制作されていないですが、源さんの場合はMVより配信が先になる傾向があります。そのうちYouTubeにもアップされるものと思われます。

 16位のITZY「Voltage」は5人組のK-POPガールズグループですが、韓国語ではなく日本語の作品です。今作で日本デビューとなりました。TWICEの妹分という触れ込みで、現在YouTubeの再生数は約1000万。ポイントは約4万枚のCDセールスが8割を占めています。ストリーミングが集計されていませんが、Spotifyの再生数は3/23配信開始で386万でした(海外からの再生メインの可能性が高そうです)。少ししっくり来ない部分もありますが、まだまだ固定ファン中心の状況であることは間違いなさそうです。

 19位のJO1「Move The Soul」はアニメ『群青のファンファーレ』OPテーマになっています。ストリーミング10位ですが、これもLINE MUSICキャンペーンによるものです。キャンペーンの有無については一応毎回調べていますが、Spotifyの再生数を調べればほぼ明確に分かることです。Spotifyで100万を切っていてストリーミング上位ならば、現状はほぼキャンペーンありきの上位と考えて間違いないと言い切って良さそうです。CDには5月発売のアルバム収録、YouTubeは100万再生突破で、今日現在人気急上昇中の音楽でも12位にランクインしています。

 22位にもK-POPのガールズグループ・IVE「LOVE DIVE」が初登場。ストリーミング16位・ダウンロード17位、YouTubeでは1週間で5000万再生となっています。26位は『うたの☆プリンスさまっ♪』でおなじみST☆RISH「マジLOVEスターリッシュツアーズ」、CDセールス4位で相変わらずの人気です。70位には久々の新曲、Superfly「Voice」も初登場。その他MORISAKI WINiScreamずっと真夜中でいいのに。Novel Core星街すいせいがHot100初登場となっています。iScreamはラジオ指標1位でした。

 先週1位のSnow Man「ブラザービート」は今週も3位、YouTube1位で約25%分・1400ポイント加算されているのが大きく物をいっています。INI「CALL 119」は3週連続4位・ストリーミング1位。LINE MUSICキャンペーンの内容は別の物に変わっているようです(オフィシャルサイトより)。再生数絡みのキャンペーン終了後も熱狂的なファンが引き続きLINE MUSICで再生し続けている、という可能性もありそうですが…。なおYouTubeでは現在400万突破、一方Spotifyではいまだに75万止まりという状況です。

 Tani Yuuki「W / X/ Y」がついに初のベストテン入り、9位となっています。ストリーミングも今週2位にまで上昇、1位がキャンペーン有りのINIなので実質1位とまで言って良いかもしれません。本日現在、日本におけるSpotifyの再生数は1位、2位「ベテルギウス」との差もやや大きいです。強力な新曲が登場しなければ、今年の春はこの曲がチャートを牽引する状態になりそうです。

 ロングセラーはSaucy Dog「シンデレラボーイ」BTS「Butter」「Dynamite」Da-iCE「CITRUS」がポイントを伸ばしています。BTSの「Butter」は500ポイントも増加、その数はTani Yuukiよりも多いです。初登場以外でも、今週はK-POPの躍進が非常に目立つ結果になりました。

 乃木坂46藤井風あいみょんMr.ChildrenMrs. GREEN APPLEなどはポイント・順位ともにダウン、なかなか新しい曲がこの流れに乗れない状況が続いています。どうしたものでしょうか。

今週のピックアップ曲

BIGBANG「Still Life」

 4人組になってから初めての作品。BIGBANGは自分の中ではワイルド系・ゴリゴリのイメージですが、今作はそれと全く違うバラードです。とは言えラップパートは、こういう曲調からだと全く想像できないヒップホップ色強めの声質なので、安心すると言いますかギャップがあると言いますか…。実際のBIGBANGはソロワークも含めてバラードも数多く歌っているのですが、近年ビルボードにランクインするK-POPは多くがダンスナンバーなので、その点でも妙な新鮮さがあります。

 ハングル文字のタイトルは、「春夏秋冬」を意味しています。K-POPを普段聴かない立場からすると、日本語詞でも聴きたくなる楽曲というのが素直な感想です。

ITZY「Voltage」

 こちらは日本デビュー曲、楽曲も韓国にはないオリジナルです。そのため海外含めた再生数は多いですが、日本国内のデータが集計されるビルボードではCDセールス中心の初動型になっているのが実情のようです。

 プロポーションの良さにカッコ良さが加わっていて、完成度は高いです。「TT」みたいな分かりやすさ・キュートさを排してる分、まずはITZY持ち前の長所を日本向け関係なくそのままアピールしているという状況でしょうか。そういう意味では、今作はあくまで「日本語で歌ってみた」が一番の目的なのかもしれません。韓国のファンにとってどうかは分かりませんが、日本人的な感覚では特に違和感なく楽しめる作品のようには思いました。

JO1「Move The Soul」

 JO1はPRODUCE 101出身なのでK-POPからの影響もおおいにあるはずなのですが、意外とこれまでの楽曲はJ-POPらしさ全開というのが自分の中の印象です。ただ今作はK-POPの中に入っていても日本語以外は違和感のないストレートなダンスナンバー。センターを中心とした歌声も洗練されていて、バタくささ・ダサさを全く感じさせません。

 意図的なダサさを入れるのも戦略の一つとしてはアリですが、今のJO1には必要ないように思います。そういう意味だと今回の楽曲は大アリも大アリ、アニメタイアップきっかけに従来のファン以外にも知られるきっかけになってほしいです。

IVE「LOVE DIVE」

 ハート型の弓矢がインパクト強いMVです。メンバーは他のガールズグループと比べて子どもっぽいルックスに見えましたが、調べるとやはり平均年齢は若く全員10代。最年少は15歳です。6人組ですが、そのうち1人は韓国ではなく日本の名古屋出身。そこから渡韓してグループ加入→デビューという形になっています。

 キレの良い動きというより、一つひとつの振付を丁寧にこなすという雰囲気の楽曲です。重低音の響きがやや目立つ、いわゆる”魅せる”内容と言うべきでしょうか。ただラストサビ前の間奏の振付は他であまり見れない動きで、難易度もおそらくはかなり高め。昨年デビューですが基礎体力はかなりありそうで、今後さらなる躍進も期待できる雰囲気です。

Superfly「Voice」

 Superfly久々の新曲ですが、出産を控えているので次の作品もしばらく間が空くと思われます。そういう意味で今作は非常に貴重な作品になりそうです。

 今回の楽曲は今まで以上に大人っぽい魅力に満ちていて、一つ一つの音がズシリズシリと響きます。大量のダンサー起用が、曲にシリアスな説得力を与えています。メッセージ性の高い歌詞は、現在の越智さんの心情をそのまま表現した内容にも聴こえます。レーベルは変わりましたが、新しい楽曲のクオリティの高さは今後も変わりなく続きそうです。

 

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました