2018.6.17 COUNTDOWN TOUR to the 15th ANNIVERSARY「Negicco with you」 in 味園ユニバース

ライブレポ

 先週のKYOTO MUSE同様、今週もNegiccoのワンマンライブに足を運びましたが、その間に7月10日発売のオリジナルアルバムについての発表がありました。


 タイトルは『MY COLOR』、楽曲提供に名を連ねるのは上田知華、中島愛、ミト、森雪之丞、ザ・なつやすみバンドなど今回も興味深いラインナップ。また、先行曲としてアイカツチーム制作の「キミはドリーム」が各サブスクサービスで配信も始まりました。アルバム新録曲の披露もKYOTO MUSEでありましたが、果たして今回の味園ユニバースはどんな内容だったでしょうか。その様子をレポしていきます。

 大阪のNegiccoワンマンは今年2月の梅田CLUB QUATTRO以来。それ以前だとumeda TRADやOSAKA RUIDOでの開催実績がありますが、味園ユニバースでの開催は昨年の4月以来で2年連続、また昨年末キリンジのワンマンのゲストとしてもこのステージに立っているので、Negiccoとしては3回目。キャバレーの雰囲気満載の照明や浮島を設置したステージはオーディエンスとの距離も近く、解散して間もないEspeciaの「アビス」披露もあったりしてファンの間でもおそらく特に好評の内容だったかと思われます。確かにここより大きな会場は大阪にも存在しますが、この雰囲気を出せる会場は他にありません。今回もステージ形状は同様でした。ただ若干昨年と比べるとオーディエンスの数は余裕があったでしょうか。一段上がったステージ周りのエリアはともかく、ソファーなどが設置されている周辺部は本来もっと観客がいても不思議ではないはず。

 構成自体は先週のKYOTO MUSE公演と大きな変化はありません。オープニングトークはEHクリエイターズ社長の熊さんが答えたNegiccoについてのアンケートを、3人が読み上げていました。彼については言うまでもなくNegicco15年の歴史の中では最も欠かせない存在、3人だけでなくファンからも非常に愛されている御仁です。トークを聴く限り、時間の概念は独自のものがあるようですが…(アンケートではぽんちゃの直して欲しいところと書いてましたが、熊さん自身がそうである模様)。また、『15周年の裏事件簿』とアンケートに答えるコーナーも実施されました。両方とも笑いの厳しい大阪では…という議論もあったようですが、内容についてはどちらも大ウケ。エピソードも話のつけ方もオチに関しても間違いなく先週の京都より上出来で、もしかすると一番自信のあるネタを大阪までとっておいたという形なのかもしれません。なお話していた細かい内容はその日ライブに来た人のみのお楽しみということで、あまり外では書いて欲しくないとのことでした。

 セットリストは先週とかなり変えています。大阪では最初に新曲「Never Ending Story」「キミはドリーム」を持ってきました。今回は後ろの方で見たため振付に関してはまた後々の機会でじっくり見たいところですが、コーラスワークについては多少の緊張もあるでしょうか、まだ改善できる余地もあったでしょうか。「Never Ending Story」はKeishi Tanakaが作曲、作詞は長年NegiccoをプロデュースしているConnie。「キミはドリーム」は人気アニメ『アイカツ!』の音楽を手掛けている面々。ですので後者は今までのNegiccoにはあまりない曲調、坂本真綾や中島愛辺りが歌っていても不思議ではない内容です。もう1曲披露されたのは「ネガティヴ・ガールズ!」。大阪ということもあってか、オーディエンスの歓声はいつもより声が大きめ。特に大きい声の方々は浮島ステージの目の前に固まっていましたが、3人がそこに移動するとたちまち大盛り上がり。歌いながら浮かべる3人の表情はとびっきりの笑顔。見ている方も幸せになります。

 味園ユニバースはNegiccoの3人も大阪で一番好きな会場だと話します。そんなトークを挟みつつ次に演奏されるのもアルバム収録の新曲「スマホに映らない」。思い出野郎Aチームが楽曲提供したナンバーは聴かせる内容で、ラストサビで転調するのが大きなポイント。京都ではその後に「江南宵唄」「ともだちがいない!」が演奏されましたが、こちらでは「ライフ・イズ・キャンディ・トラベル」。今回は最初から3人揃って歌う形でした。その後先述した15周年の裏事件簿コーナーに移ります。

 コーナー終了後も新しい曲「グッデイ・ユア・ライフ」。これは磐越道全通20周年記念ソングとして3月からライブで披露されています。ゆったりとしたテンポながら”♪ハロー、大阪~”といった具合にライブで歌詞をアレンジします。こういった曲調で、特に地方のライブ向けと思える楽曲はなかなか存在しないような気がします。もう1曲は「パジャマ・パーティー・ナイト」。コールもバッチリ揃っていて、会場の雰囲気にもピッタリ。ナイスな選曲です。

 アンケートに答えるコーナーは7通ほど読み上げていたでしょうか。かえぽの切れ味鋭い進行にNao☆ちゃんのボケとツッコミを自在に操るトーク力、そして占星術師・ぽんちゃの参考になるのかどうか分からないお告げの数々。適当な中にもしっかりとした流れのあるMC、長年やっているからというのも大きな理由ですが、女性アイドル全体を見渡しても一番抱腹絶倒・面白くて完成度高い内容であることは間違いないような気がします。MCにかなり時間をとったせいか、7曲しか歌っていないのにもう後半戦。自然と”えー”という声も出ます。「さよならMusic」「トリプル!WONDERLAND」、ラストは「圧倒的なスタイル」。間違いのない内容ですが、先週の京都と比べても少し気になってしまう本編の曲の少なさです。

 ただアンコールは4曲用意されていました。キリンジの堀込高樹が提供、昨年末にこの場所でも歌った「愛は光」を浮島ステージで歌います。3人がそれぞれ3方向に向かい、ラストは向かい合わせで微笑み合います。阿吽の呼吸と言いますか、お互いの信頼を感じると言いますか。大変美しい光景が繰り広げられたところであとはアゲ曲。「ときめきのヘッドライナー」「トキメキ☆マイドリーム」と続いてラストは「ねぇ バーディア」。”夢に向かって走り続けたい”と未来を歌った「トキメキ☆マイドリーム」は2009年の楽曲。当時は全国ツアーどころか活動さえもままならない状況だったことを考えると、胸が熱くなります。来月にはついに朱鷺メッセのステージ、展示ホールAではなくBではありますがそれでも県民会館より収容人数は多く、結成してから10年くらいの間では全く想像できなかった会場。私は仕事とスケジュールの都合で残念ながら行けそうにないですが、新潟在住の方々やNegiccoを応援している方々は本当に出来る限り足を運んで応援してあげて欲しいと、あらためて願うところです。間違いなくNegiccoの歴史の中で、大きなハイライトになるはずなので…。

 というわけで今回のライブも間違いのない内容でしたが、心配事もあります。ここ数年ぽんちゃの高音の出が良くないのは本人も気にしているところでありましたが、この日は目に見えて調子良くなさそうでした。女性歌手としても、20代後半~30代くらいは声の調整が難しくなる時期で、過去大ヒットした歌手でもこの年代で大幅に歌唱力が落ちたり歌い方を変えたりという事例は少なくありません。それに伴い、朱鷺メッセ以降の活動もやや気になり始めているところです。

 来年1月には既に私立恵比寿中学とのジョイントライブが決定していて、私も行く予定にしていますが、その後はどうでしょうか。新潟では既に一定の地位は築いているので地元のテレビやイベントに出なくなることはまずないと思いますが、歌手活動という点を考えるとやはり少し気になります。

 ここ最近女性アイドルグループの活動休止・解散もしくは脱退が目に見えて増えていますが、個人的には音楽・歌声に定評がある方々はアイドルという冠を外してもそのままグループとして続行して欲しいと強く願っているところです。Negiccoはここまでものすごい名曲と類稀なキャラクター、何よりファンだけでなく同業者からも極めて強く愛されているグループです。恋愛・結婚・出産を挟んでも続けて欲しいと個人的には強く願っています。ひとまず来月のアルバム、そして朱鷺メッセワンマンの成功を願うとともに、これからのNegiccoのことも。30代・40代、可能ならみんな60代になっても3人揃って、集まった人全員でラインダンスが出来るようなライブを見に行きたいです。活動15周年はまだまだこれから、次回行くNegiccoのライブもあらためて楽しみにしたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました