2018.5.4 私立恵比寿中学 SHAKARIKI SPRING TOUR 2018~New, Gakugeeeekai of Learning~(新・学芸会のすゝめ) in 大阪国際会議場

ライブレポ

 結成当初は5人、そこから最大12人規模になるもののメジャーデビュー期には9人で活動していた私立恵比寿中学。9人時代のエビ中も2013年に見ていますが、色々変遷があって現在は6人。3月のファンクラブイベントで個人的には既に見ているものの、1月4日の武道館公演に足を運んでいない人は今ツアーでおそらく初めて6人体制の私立恵比寿中学を目の当たりにする形ではないでしょうか。

 というわけで毎年恒例、通算で5回目となる春のホールツアーに足を運んできました。大阪公演はこれまた恒例の大阪国際会議場・グランキューブ大阪でGWという時期も3年連続で共通。かほりこにとっては4年前に私立恵比寿中学のメンバーとして初めてステージに立った記念すべき場所。2日公演でしたが、今回は2日目の方に足を運んで来ました。では早速どうぞ。

 エビ中の春ツアーは毎回何かしらのテーマが決められていて、今回もそれに合わせて凝ったセットが作られています。”New, Gakugeeeekai of Learning”というわけで本・学問をテーマにしていますが、セットだけでなく降りている幕もオリジナル。色々なタイトルの本が並ぶ中で「小林歌穂画伯の…」という文字が非常に目をひきます。彼女の独特な絵のタッチと類稀な発想力は、公式ブログのこの記事あたりを見てもらえばよく分かるかと思いますがどうでしょうか。ちなみに彼女が描くキャラクターに「平凡人」というものがありますが、私は彼女ほど非凡なアイドルはいないのではないかと密かに思っています。

 オープニングのブザーが鳴り、メンバーの一人が幕から出てきて懐中電灯で客席を照らします。今日登場したのは美怜ちゃんですが、これもまた会場によって色々変わるようです。その後にいつもの「ebiture」が流れます。サイリウムもバッチリ光り、”うりゃおい”の声もおおいに響き渡ります。幕が開いた向こうのセットにも、大きな本が多く並び積まれています。メンバー6人は勿論ですが、水色の制服をモチーフにした衣装も非常にかわいいです。

 オープニングを飾るのは「EBINOMICS」。シングル「シンガロン・シンガソン」のカップリング曲。


 現在のところ今ツアー全てで最初に演奏される曲になっているようで、もうライブ定番曲になったと言って良いでしょうか。最初からアクセル全開で飛ばします。外国人っぽい歌声をぽーちゃんが全力で口パクしている姿は一つの芸みたいなものです。演じている最中も勿論ですが、その後に見せたドヤ顔もまた完璧でした。やはり彼女は極めて非凡な存在です。

 その後に続くのは昨年のファミえんを思い出させる「HOT UP!!!」、3曲目にして早くも投下してきた「サドンデス」。「サドンデス」もここ最近の学芸会で何通りものバリエーションを見ていますが、セリフパートが音源通りのバージョンは初めて見た気がします。代わりに?喋ってるシーンで水を飲むなど、この曲を作った人みたいなパフォーマンスをやっていました。

 「フォーエバー中坊」を経て最初のMC&自己紹介。ぁぃぁぃが抜けた時点で懸念はしていましたが、最初から彩ちゃんが噛みまくり、りったんがなぜかファンに圧力をかけたりして当然のようにグダグダな内容。ただ自己紹介はさすがにしっかり決まっていました。ひなたは本日も必死のパッチというフレーズを入れています。ぽーちゃんの自己紹介は今回関西で有名なたこ昌のCMソングを流用していましたが、そのCMは関西以外で流れているのでしょうか…。ツアー中のホテルでふと流れて知ったとか、たこやきレインボーを通して知った可能性も十分ありそうですが。

 ライブ再開、次に披露するのは「U.B.U.」。レキシの池ちゃんが提供してくれた名曲ですが、ライブで遭遇するのはかなり久々のような。続いてはお馴染み「仮契約のシンデレラ」。9人→8人→7人→6人、振り返れば4通りのフォーメーションで見ている曲になっています。人数の多い4846系では珍しくないですが、他でこれだけ多くのパターンを見られるのはモー娘かアンジュルム位ではないでしょうか。りななんが一番好きな曲だった「全力☆ランナー」は、サイリウムを青色にする人もチラホラ。

 次に流れる音楽は、どうも今までに聴いたことのないような内容。メンバーが脇から大きなジョウロを持ってきました。するとステージに木が育ち始めます。またの名をセット転換・曲間のインターバルを経て披露されるのは「誘惑したいや」。演奏が進むに連れてスケールが大きくなるこの曲は、今回のセット転換直後に選曲するには最も相応しい楽曲のような気がしました。

 そこから繰り広げられる「アンコールの恋」「春の嵐」「さよならばいばいまたあした」は個人的に今回の学芸会最大のハイライト。昨年と比べても一段とパワーアップしている「春の嵐」は歌唱といい楽曲といい振り付けといい、もはや芸術作品を見ているかのような光景。真山ソロからアウトロを経てそのままイントロ→真山ソロから入る「さよならばいばいまたあした」は、譜割りが少ない分?一つ一つの言葉に込められた感情が溢れ出そうなりったんのソロと、全員が笑顔で一緒に歌うラストパートが特に印象的でした。

 MC。一旦オーディエンスを座らせます。昨晩焼肉やかすうどんを食べたら翌朝むくみが全員酷かったという話、ついでに彩ちゃんは真山さんが酒を飲むと顔のむくみがすごくなるという話を暴露。相変わらず自由かつ脈絡なしでまとまりの欠片もなく、質の高いステージのパフォーマンスとは全然違います。10分くらい続くかと思いましたが、結構短時間で再びオーディエンスを立たせてライブ再開。次に披露される曲は6月6日に発売される新曲「でかどんでん」


 今までにないタイプの楽曲で、力強いイメージでしょうか。Aメロは「どうにもとまらない」を彷彿とさせる部分もありました。かなり癖のある楽曲という印象もあって、あまり一般ウケするタイプの曲ではないかなとも感じましたが、よく考えると「仮契約のシンデレラ」「Go! Go! Here We Go! ロック・リー」といったメジャー初期のシングルは斜め上に突き抜けた楽曲が結構多かったです。そう考えると初心に戻った楽曲と言えるのかもしれません。いずれにしても、攻めた楽曲だという感想をかなり持ちました。その思い切りの良さは、非常に素晴らしいことです。続く演奏曲が「制服”報連相″ファンク」というのも、ポイントが非常に高いです。

 「参枚目のタフガキ」はあまり多く披露される楽曲ではないイメージなので、非常に嬉しい選曲。ただ聴き慣れてないせいか会場の音響のせいなのか、個人的には流れる音に若干の違和感。メンバーのイヤホンに流れる音は間違いないはずなので、この辺りから耳はほとんど歌声のみに神経を集中させる形にしました。あらためて聴くと、彩ちゃんが一番そうですが正確にピッチを取れるメンバーばかり揃っているのは本当に心強いです。「禁断のカルマ」も真山さんがメインなので、楽曲の良さも含めて全く間違いのないステージ。会場もおおいに盛り上がります。

 ちょっとしたMCを経て、ぽーちゃんのフリで次の曲。いつもリンゴを持って紹介しているらしいのですが今回はパイナップルを持参。”pine-apple”ということですが、普段と全く違う展開で横にいたりったんは完全に困惑していました。披露するのははtvkで放送された、ぽーちゃんが主演のドラマ『また来てマチ子の、恋はもうたくさんよ』の主題歌「日記」。吉澤嘉代子がエビ中に提供した曲は「面皰」がありますが、この曲もやはりほのぼの。ですがその一言だけでは収まらない魅力のある楽曲でもありました。それにしてもぽーちゃんの歌声は本当に癒されます。声量も以前より確実に上がっていて、何より声色を少し使い分けることが出来るようになった気がしました。何度でも書きますが、ぽーちゃんの非凡さと多才さ、何よりも性格の良さ。本当に素晴らしいものがあります。

 『エビクラシー』収録曲の中でも特にライブ映えする「君のままで」、この曲も歌声を聴くたびに好きになる一曲です。そこから「シンガロン・シンガソン」「ハイタテキ!」、ラストは「YELL」。それぞれに歌詞と深くリンクしている振り付け・そもそもの歌詞の良さ・更に言うと楽曲の良さ。勿論6人の歌声の素晴らしさも言うまでもなく。こう完璧な楽曲が3曲も並ばれるとやはり圧巻ですね。気がつけば自然に体が動いてしまうような、そんな最終盤でした。

 アンコールは3曲。アゲ曲の中ではトップクラスの人気で個人的にも大好きな「ちちんぷい」「ポップコーントーン」、結構な回数を見ているはずですが何回見てもテンションが上がります。もう1曲、最後はやはりこの曲でした。1月4日の大学芸会で初披露となった6人体制最初の曲、「響」


 完璧に締まった内容ですが、ラスト挨拶前のMCがまた緩いのもエビ中らしさ。昨日行った焼肉屋の店員がひなたのファンだったらしく、それを知ったメンバーが急にフレンドリーに接するようになった話をしていました。飲食業をやっている方は是非報告してもらって、プライベートでのグループの食事会(=オランウータン会)で行きたいとのことでした。その他MCというより楽屋でやるような話ばかりなので、ラストはさすがにぽーちゃんがツッコミを入れる形に。告知もそろそろ発表されそうなファミえんについても特になく、来月のシングル発売くらいと翌日行われるあべのキューズモールのフリーライブくらいでした。深々と全員で挨拶して、手を振りながら笑顔で舞台袖にはけます。ラストまで残っていたのは美怜ちゃんでした。色々な意味でフリーダムな性格ですが、締める時に一番しっかり締めるのは間違いなく彼女のような気がします。

 あらためて今回は、自分がなぜ私立恵比寿中学を好きになったか・応援するようになったか・何度も繰り返し足を運ぶようになったかを再確認させられたライブだったような気がします。楽曲の良さは他と比べても大変素晴らしく、おそらく今日ほとんどの曲を聴き慣れていない状況で行っていたとしても大半がお気に入りの曲としてまた聴きたいという感想になったことでしょう。歌の上手さは以前からですが今は更にパワーアップしていて、それだけでなく表情の良さも印象的でした。みんな本当に良い表情で歌っていると心から感じられるライブだったように思います。それを見ることが出来ただけで、繰り返し何度も足を運びたくなると心から思えた学芸会でした。

 また2ヶ月以内に…と言いたいところですが現状ファミえんの発表はまだなく、7月に西武ドームで行われるスタダアイドルの祭典「夏S」は別公演と重なっていて行けそうにありません。新春に行われることが決定しているNegiccoとのジョイントライブ・エビネギは間違いなく行くことになるはずですが、それまでは少し間が空くかもしれません。ただ次にライブで見るまでに、更に魅力的になっているのは間違いないでしょう。それを楽しみにしたいです。

 

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