2017.4.22 Negicco SPRING 2017 TOUR~ライブハウスのネギ~ in 味園ユニバース

 今年で結成15周年を迎えるNegicco。初めて彼女たちのステージを見てから今年で5年目になりますが、応援したいという気持ちは現在もどんどん高まっています。まだ4月ですが個人的に早くも今年3度目・4度目となるNegicco現場は「ライブハウスのネギ」。新潟・名古屋・大阪・東京の4都市を回るツアーですが、各会場とも趣向を凝らしてかなり雰囲気の違う内容になっています。今回はその中から、4月2日・名古屋Electric Lady Land4月22日・大阪味園ユニバースに足を運ぶ形になりました。当記事では名古屋の様子も入れつつ、味園ユニバースのレポを中心に書いていきます。

 Electric Lady Land、味園ユニバースともに今回のツアーで初めて訪れる会場になります。Electric Lady Landは名古屋の繁華街・大須にあるライブハウスで、キャパシティは600人ほど。建物はビルになっていて、上階はもう少し規模の小さいステージ(ell.FITS ALL)。そちらでは同じ日にヴィジュアル系バンド・Kraが2回公演を実施していました。後方に段差があって見やすく・かつ音も良く。名古屋では非常に評判の良いハコになっています。

 一方味園ユニバースは千日前にある由緒ある建物、古くはキャバレーとしてお馴染みの場所でした。キャバレーがあった地下がステージに転用されるという形で、キャパは800人ほど。2015年にはここを舞台にした映画『味園ユニバース』も作られていますが、関西在住のアラフォー以上だとやはりサンテレビ等で多く放送されたコマーシャルが印象深いのではないでしょうか。

 設営されたステージは名古屋ELLが標準的なもの、味園ユニバースは浮島ステージも設置されているという形。後者は無数にあるミラーボール状の球体が独特の雰囲気を作りあげていました。双方ともメンバーとオーディエンスの距離が非常に近くなっています。また今ツアーも北海道から沖縄まで3人が出演するコマーシャルが全国でオンエアされている、サトウ食品が筆頭スポンサー。ライブ前はオリジナルキャラクターの着ぐるみが出迎えてくれたり、ライブ終了後にはサトウの切り餅も無料で配布されたりで、まさに全面協力です。

 今回は開演前にメンバーそれぞれ発案の企画が用意されてます。名古屋では入場するや否やMegu(以下ぽんちゃ)がDJブースで出迎えるという形。各所でDJ Meguとしても活動しているぽんちゃですが、Negiccoのライブで、となるとあまり前例がありません。初っ端から随分なサプライズ、マイペースにお気に入りの楽曲(Perfumeや南波志帆など)を流していました。大阪ではKaede(以下かえぽ)プロデュースで、「USJに行くには?」というタイトルでプレゼン。前日にミニオン・パークがオープンして、ミニオンのキャラクターが好きな彼女としては行きたくてたまらない、ただ実際にはなかなか行けないので行くにはどうしたらいいのかを、パワーポイントを使って理論的に説明していました。園内にネギパークを作って、そこでライブもやるのはどうだろう?といった具合。ちなみにライブ前日は仕事のため行けず、結局のところUSJに行くのは今後の目標のひとつとして頑張りたい、との結論になったようでした。ちなみに新潟公演はNao☆ちゃんプロデュースでウォーミングアップだったようです。

セットリストは今回SNS他で書かないようにとのお達しがありましたので、記事の公開は4月28日以降という形としました。ただ名古屋と大阪では一部を除いて内容はやや異なります。最初の2曲は共通で、今年2月に配信リリースされた「We are VR friends!」と昨年12月のシングル「愛、かましたいの」。バックはもはやNegiccoのライブに欠かせない存在になったネギホーンズの3名(永田こーせ(Sax)、真砂陽地(Tp)、前田大輔(Tb))。アイドルの中でも特に生音が映える曲が多いのもNegiccoの特徴ですが、「愛、かましたいの」では早速ホーンズの演奏が原曲以上に活きまくってます。大阪ではこの後に「虹」が入ります。浮島ステージにかえぽが移動して、笑顔とかわいさをこれでもかというくらいにふりまいていました。味園ユニバースのオープニングから最初に演奏された「We are VR friends!」は、オフィシャルでYouTubeにアップされています。

 最初のMCを経て演奏されるのはホーンズのソロ。アイドルのライブとは思えないファンキーかつ大人な雰囲気、迫力ある演奏に大きな歓声が挙がります。そこから繰り広げられる楽曲は「サンシャイン日本海」。大阪ではNao☆ちゃんが浮島ステージに移動、笑顔でオーディエンスに応える姿とかわいさはまさにプロフェッショナルそのものでした。女性アイドル界ではいよいよ最年長に近い存在となっていますが、輝きは失われるどころか増していくばかり。同い年の女優は堀北真希・新垣結衣・吉高由里子・戸田恵梨香・黒木メイサ・菜々緒など、AKB48だと大島優子に小嶋陽菜、そして何と言ってもPerfumeがいます。まさしく黄金世代そのものです。ネギホーンズがいることで、次の「マジックみたいなミュージック」の説得力は絶大なものになります。引き続き演奏されるのもアーティスティックな楽曲。大阪では「江南宵唄」、名古屋では確か「二人の遊戯」が選曲されていました。

 二度目のMC、名古屋ではこれまた前日オープンのレゴランドの話題と、両方とも共通していたのは何を食べたかという話題。名古屋の方は特にNao☆ちゃんのトークが大暴走していて、新潟ではとてもじゃないけど話せないようなことも色々と…。大阪ではどちらかと言うとオーディエンスが暴走気味。味園ユニバースは元キャバレーということもあって、宴会席みたいなエリアが後ろにあります。そこでお酒を飲み過ぎたと思える方々が必要以上にコール等を入れまくっていました。もっとも、勝手に会話に入ろうとするのは大阪会場の風土みたいなもので、どのアーティストにも共通しているのですが。

 MCの後に演奏されるのは「Good Night ねぎスープ」「矛盾、はじめました」の2曲。後者は大阪のみの選曲でした。名古屋ではここで「Do-De-Da~Trimondo Negimina~」「パジャマ・パーティー・ナイト」の2曲が選曲されます。この2つは名古屋本拠に活動しているバンド・ORLANDが携わった楽曲。「パジャマ・パーティー・ナイト」は『Rice&Snow』で編曲担当、これは今後他でも聴けるかもしれません。ただ「Do-De-Da~Trimondo Negimina~」は彼らのEP『LUV CONNECTION E.P.』収録曲。こちらは今後も演奏されるとしたらおそらく名古屋公演限定になるのではないでしょうか。


 ここで昨年から恒例?となったなおなお劇団のコーナー。Nao☆ちゃんのアドリブのもと物販で販売される商品を宣伝するというコーナーです。名古屋で紹介したのはかせきさいだぁがデザインを担当した葱娘Tシャツ。かえぽが化石発掘員に就職したという設定のもと、Tシャツを掘り当てるみたいな台本です。「崖の上のポニョ」のメロディーで”♪ね~ぎね~ぎねぎ葱娘~”とNao☆ちゃんが歌ったり歌わせたりするなどかなりやりたい放題、ホーンズのこーせーさんは素で大笑いしていました。アドリブにもしっかり対応している演奏も含めて、ほぼレキシの池ちゃんの領域に入っています。というよりそれを参考にしている部分もかなりあるような印象です。

 大阪ではネギライトを宣伝。わざわざグッズの中で一番売れているこの商品を宣伝したのは、先月になんばグランド花月の出演があったから。すっちー&吉田裕直伝のドリルせんのか~い!を披露していました。

 そんなユルいコーナーの後に演奏される楽曲は「土曜の夜は」。ギャップが凄いです。クールな踊りとハーモニーで魅了された後は、ぽんちゃのアカペラで入る「ライフ・イズ・キャンディ・トラベル」。最初だけでなく、締めもアカペラのコーラスで大変聴き応えのある内容でした。これぞまさしくNegiccoにしか出せない味です。

 名古屋ではここでMCになりますが、大阪公演最大のハイライトはこの直後。イントロが鳴った瞬間に、鳥肌が立った時に発せられる類の歓声が会場中に湧き上がります。わざわざumeda TRADやBIG CAT、なんばHatchでなくこの会場を選んだ時点で多少の予想は出来ましたが、ここで組み込まれるとは私も思っていませんでした。彼女たちの曲を実はほとんど知らない私でも、空気は瞬時に察知できます。歌い終わった後に、”同じ人見知りどうしで通じ合うものがありました”と話すそのグループはNegiccoを語る上でも外せない、南堀江を拠点に活動していたアイドルグループ・Especia。3年前にはコラボ作品も発売されていて、個人的にそのリリースイベントにも足を運びました。


 演奏されたのは「アビス」。Negiccoのどの曲よりも要求される音は高め。裏声も駆使しながらの歌唱は、とても優しくとても美しく。残念ながら3月末にEspeciaは解散してしまいましたが、気持ちはオーディエンスにもしっかり伝わっていたでしょうか。割れんばかりの拍手が歌い終わった後に起こります。”ありがとう!””Especia!”のコールも。NegiccoファンにもまたEspeciaを応援する方は非常に多く、むしろ後者に力点を置いていたファンもこの日多く訪れていたのではないかと思われます。大阪会場最大のサプライズでもあり、また最大のプレゼントだったとも言えるのではないでしょうか。

 名古屋・大阪それぞれご当地ならではの演出もあった後で、次に繰り広げられるのはルーレットコーナー。Negiccoが普段ライブでやらない曲をルーレットで選ぶという、昨年一昨年のPerfumeワンマンを参考したものと考えられる企画。もっともあちらみたいに3曲連続で方向も決めて、というほど大変な内容ではありませんが。

 選曲候補は5曲。選ばれた楽曲は名古屋が「アノソラヘ」(記憶違いあるかもしれません)、大阪が「Space Nekojaracy」。間髪入れずに続いて披露されるのは「自由に」。タイトル通りの自由さで、途中のコール&レスポンスも会場ごとに全然変わってくるという内容。フォーメーションも特に決まっていないので、ぶつかりそうになる場面も何度となく見受けられました。ハプニングさえもメンバー・オーディエンスともども楽しんでいて、ライブの醍醐味はまさにそれだと言わんばかり。

 本編ラスト前の「圧倒的なスタイル」では勿論ラインダンス。大阪ではメンバー3人とも浮島ステージに移動していたので、円状にラインダンスが繰り広げられるという珍しい光景が作り出されていました。アンコール含めラストのセットリストは流動的のようですが、とりあえず大阪の本編ラストは「恋のシャナナナ」、タオル回しの定番曲として確実に演奏頻度が高くなっているようです。

 アンコールでは新しい曲が初披露となりました。音源化は今のところ未定のようですが、タイトルは「くちびるにメロディ」


 イントロの時点で間違いなく名曲と感じさせるメロディー、メンバーによると”感謝の気持ちを込めた一曲”。Negiccoの3人がファンに贈るというより、長年携わっているConnieさんがNegiccoに贈ったという方が正確でしょうか。いずれにしても”愛”が非常に溢れている名曲で、音源化が待ち遠しいところです。

 大阪でのアンコールは「くちびるにメロディ」と、「ねぇ、バーディア」「さよならMusic」でした。名古屋での正確な曲順は記憶から飛んでしまいましたが、上記の3曲はいずれも後半で歌われてます(アンコールだったか本編ラスト近辺だったか…)。「ねぇ、バーディア」「さよならMusic」はもう終盤およびアンコールの定番として完全に外せない存在で、特に「さよならMusic」は彼女たちのライブに足を運ぶようになってから一番生で見ている楽曲のような気がします。

 盛り上がり最高潮に達した状態で公演終了。2時間ほどではありましたが、体感時間はその半分もあったでしょうか。特に名古屋公演は30分くらいにしか感じられない、これまで数多く見てきたライブの中でも屈指のスピード感でした。

 会場を非常に上手く使った演出と、経験の豊富さを感じさせるステージ運び。クールビューティーから明るい盛り上げ曲まで硬軟自在に使い分けるパフォーマンス。そしてMCと選曲、更には特典会に至るまでの有り余るくらいのサービス精神。贔屓目抜きに考えても、プロフェッショナルとはまさに彼女たちのことを指すと断言できる内容でした。もちろん全てが完璧というわけでなく、ちょっとしたハプニングや音程など課題はありますが、逆に言うとだからこそ余計にまた足を運びたくなる気持ちにもさせられます。よくよく考えると3人とも結構な年齢になっているのですが、4年前と比べても性格的な長所が変わっていないのは大変素晴らしいこと。いずれアイドルと呼ばれなくなる日が来るのかもしれないですが、彼女たちには10年後も20年後も当たり前のように、今のような活動を続けて欲しいです。今後も出来る限り足を運びたいと思っているので…。

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