2023.8.20 SUMMER SONIC OSAKA 2023 2日目 in 舞洲SONIC PARK

SKY-HI (MOUNTAIN STAGE)

 リハーサルから本人登場でマイクチェックなどを行っていましたが、観客席はあまりの暑さで救護室送りになる人が続出。したがって本番では段取り上煽るものの、とにかく熱中症にならないよう水分補給を何度も促していました。ファンとのやり取りは4年前のビバラで見た時と同様軽妙、酷暑という点以外では以前とそう変わりません。とは言え本番ではどの曲も抜群のリリックを披露、観客をおおいに盛り上げていました。

 AAAから数えて19年目となるラップ技術は相変わらずトップ水準、MCに心を打たれたのも同様。あの時は自分の夢を叶えるために躊躇をするなと話していたような記憶がありますが、彼はコロナ禍の中で1億円を投じて会社を設立。この日は5月にデビューしたMAZZELがOpening Actだったので、結果的にMOUNTAIN STAGEはBMSG所属アーティストが3連続。いまやプロデューサーとアーティストを兼任する、J-POP界屈指のプレイングマネージャーと化しています。AAAを含めると彼のステージを見るのは3回目ですが、見るたびに立場が大きく変わっています。次に彼を見る時に、周囲の状況はまた大きく変化しているのでしょうか…。

BE:FIRST (MOUNTAIN STAGE)

 5月のビバラで生パフォーマンスを見ているので、メンバーの能力の高さは既に経験済み。違いがあるのは屋内か屋外かという部分くらいかと思いましたが、この日の大阪は最高気温39℃という超酷暑。彼らも本番前のマイクチェックで顔を見せましたが、オーディエンスに向かってのお願いはとにかく水分補給熱中症対策。とにかく1人でも倒れる人を出さないよう気をかけています。

 本番はデビュー曲「Shining One」から最新曲「Smile Again」「Great Mistakes」まで含む計10曲。歌もダンスも素晴らしいのは3か月前に見た時と同様ですが、過酷なステージであることは観客だけでなく出演者側も同じ。夏を感じさせる衣装のセンスも良いですが、結果的にビバラより厚着になっているメンバーがいるのは少し気になりました。あとはかなり挑戦的かつ強気と感じた盛り上げが、全て水分補給のお願いに転化していたのが非常に印象的で新しかったです。特に「Smile Again」でRYOKIが”死ぬなよ”と一言添えたのはタイミングもこれ以上無いほど絶妙で抜群、ファンならずとも忘れられない名場面だったのは間違いありません。

Perfume (MOUNTAIN STAGE)

 サマソニ大阪には古くから何度も出演、初出演は2007年で今は無きDANCE STAGE。舞洲アリーナ内の体育館みたいなエリアで、今回クローク置き場になっていた箇所だと記憶していますが確証はありません。さすがにこの時のステージは見ていないですが、サマソニ大阪のステージは2011年から2013年まで3回拝見。特に2012年には雷雨中断というハプニングが発生、これもまた自分のライブ史を振り返る上で忘れられない場面になっています。

 スタンド席からアリーナエリアに移動しますが、観客の入れ替わりが非常に多いため入れ替えにかなりの時間を要しています。ただ次が人気K-POPアーティスト・ENHYPENということもあってステージ開始時点で入場規制が発生、見られなかった人も多かったようです。本番は16年前のサマソニ大阪でも披露した「ポリリズム」からスタート、そこから「FLASH」「Spinning World」「エレクトロ・ワールド」と立て続け。MCはこちらも暑さに気を遣って「ちゃっちゃと終わらすんで」という始末でしたが、「男子!」「女子!」で始まる声出しは盛んに行っていました。衣装は銀色、「巷ではイワシと呼ばれている」という自虐もあり。

 新曲「Moon」披露後、バッキバキの「FAKE IT」でジャンプを促します。この暑い中でなかなか攻めたセトリです。ただPTAのコーナーはあいにくの気温なので、「はみがきのうた」→「survival dAnce」→「ultra soul」という初期からの流れで早々に終了。ここまでシンプルに終わるPTAのコーナーは、10年ぶりぐらいに見たような気がします。ラストは 「チョコレイト・ディスコ」で締め。広島から上京して20周年となる今年ですが、人気と実力はまだまだ健在です。

TWO DOOR CINEMA CLUB (MOUNTAIN STAGE)

 サマソニ本来の主役は間違いなく海外アーティストで、今回もBLUR, KENDRICK LAMAR, LIAM GALLAGHER, EVANESCENCE, FALL OUT BOYなど豪華なメンバーが揃っています。ただ今回は完全に邦楽アーティストのみを見る予定になっていましたが、SONIC STAGE出演のずっと真夜中でいいのに。が早々に入場規制寸前。見るにしてもアリーナ後方でほぼ見えないことが予想されたので、予定を変えて彼らのステージに切り替えました。

 サマソニは古くからの常連、初出演は2010年とのことです。実は個人的に2011年と2013年に2回見ていて、2013年はSONIC STAGEのトリでした。ドラム・ギター・ベースのリズミカルな心地良さは12年前に初めて見た時と同じですが、10年ぶりに見るとやはり音圧が確実に大きくなっているという印象でした。当然その間に聴いていない曲もセトリに多く含まれてると思いきや、意外に2010年のアルバム『Tourist History』収録曲が10曲中5曲。個人的に彼らのステージを見てこのアルバムを物販で購入したので思い入れは深いですが、まさか12年後にこれメインのセトリでステージを見ることが出来たのは完全に予想外でした。10年後もサマソニに出続けるくらい活躍するという予想は当たっていましたが。

SEKAI NO OWARI (MOUNTAIN STAGE)

 SEKAI NO OWARIのデビューは2010年。当時はフェス出演も非常に多かったですがブレイクした2015年以降は海外を除くと激減。サマソニ出演は2014年以来9年ぶり、立て続けに大ヒット曲を連発して紅白歌合戦に初出場した年でした。

 彼らくらいヒット曲が多いアーティストになると、イントロで歓声が起こる曲ばかりになります。「炎と森のカーニバル」は2014年に何度聴いたことでしょうか。初期からの定番曲「虹色の戦争」は、近年もサブスク再生数が急増しています。「RPG」に至っては言うに及ばず、サビでFukaseさんがマイクを向ければオーディエンスが自然に大合唱するような楽曲です。

 体調が良くない中で締め切りに追われる極限状態の中で生まれた曲というMCを挟んで披露されたのは「Habit」、サポートも含めた厚みのある演奏はライブならではです。「RAIN」「umbrella」はあらためて聴くと歌詞の素晴らしさに感銘、ただ雨雲がやってくるという予報は惜しくも?外れという形になりました。希望を感じさせる歌詞が印象的な新曲「ターコイズ」も、今回のステージで聴きたかった2023年の名曲。ラストはかの有名な「Dragon Night」、サビで大合唱になったのは言うまでもありません。

 Nakajinさんはギターだけでなくキーボードを弾く場面もあり、DJ LOVE氏もDJプレイだけでなく太鼓を叩いたり手拍子で盛り上げたり。Saoriさんはグランドピアノ一本かと思いきや最後はアコーディオン。楽曲の引き出しの多さにメンバーのマルチプレイヤーっぷり、長くトップアーティストに君臨し続ける理由があらためてよく分かる名ステージでした。

YOASOBI (MOUNTAIN STAGE)

 今回サマソニ大阪に参戦した最大の目的は、このステージを見るためだと言っても過言ではありません。単純にYOASOBIを見たいということもさることながら、現在「アイドル」が前例のないレベルでのヒットを記録中。MOUNTAIN STAGE到着は前ステージのNIALL HORAN演奏中でしたが、外はスタンド・アリーナともにYOASOBI待ちの人々で溢れていました。

 何とかスタンド席に入れたものの、開演直前までにはどちらも満杯で入る余地無し。スタンディングエリアのアリーナは、この2日間他で見たことないくらいの埋まり具合です。ステージが暗転して大歓声、映像を経て最初に演奏されるのはデビュー曲「夜に駆ける」。バッキバキの重低音にikuraさんの澄んだ歌声、MVで見るのも良いですが迫力はその数万倍以上でした。続く楽曲も「祝福」「三原色」、序盤から曲調的にも盛り上がり知名度的にも極めて高いボーナスステージ状態です。次々に放たれるレーザー光線も視覚効果抜群でした。

 挨拶的なMC、メンバー2名ともテンション極めて高め。それもそのはず、サマソニ大阪は前年トリの予定が体調不良でキャンセルになったという経緯があります。夜にはなりましたが水分補給は大事ということで、ペットボトルで一緒に乾杯を促すikuraさん。その様子を初めて見たと呆れ気味にツッコミを入れるAyaseさんですが、これと全く同じような光景を前日miletのステージで見たことは特筆しておきます。

 「セブンティーン」から「ミスター」「もしも命が描けたら」、少しずつ聴かせる曲に移行します。澄んだ歌声でありながら全身を使い、一つひとつの言葉をしっかり聴かせるikuraさんの歌唱力はやはり高いです。ただこの声質はR&B由来のパワフルなボーカルとは異なるため、いわゆるうるさ型の音楽好きから評価されにくい傾向があるような気もします。とは言え幾田りらとして、多くのミュージシャンの作品に参加しているのが何よりもその答えではないかと個人的には思うのですが。

 バラードの「たぶん」はスマホライト点灯演出、視覚的に極めて美しい空間が作られます。「ハルジオン」からはいよいよ後半戦という雰囲気、すぐ近隣のUSJタイアップ曲「アドベンチャー」は、後ろの映像も凝っています。サマソニもUSJも非日常空間であることは共通ですが、ハートフルな空間は続いての「ツバメ」でも継続。現在のYOASOBIはどういうセットリストでも神セトリになる状況ではありますが、ここでは細かい構成の巧さも光っています。

 そこから「怪物」で思いっきり落差を見せます。ステージ最前部に仕掛けられた炎がクライマックスと言わんばかりに吹き上がりますが、YOASOBIはさらに「群青」で畳み掛けます。わずか3年前の曲ですがストリーミング再生数は6億回突破、もう国民的名曲と言って差し支えありません。1番Bメロとラストは言うまでもなく、観客ほぼ全員が歌詞も知っている大合唱状態でした。これで終了という雰囲気もありましたが、まだ演奏されていない曲がもう1曲あります。

 雰囲気たっぷりの映像・音楽・レーザー光線演出が施された後、アンコールのように演奏されるのは目下ビルボード総合J-POPチャート18週連続1位を記録している「アイドル」。テレビでもYouTubeでもTikTokでもプロアマ問わず多々カバーしていますが、紛れもなくこれは本家です。なんてことを考える間もなく、会場は異様な盛り上がりでなんとスタンド席も周囲全員総立ち。どんな素晴らしいライブでもフェスのスタンド席は座って見る人が多いもので、「夜に駆ける」「群青」でさえもそうだったのですが、それさえも飛び越える一体感です。手の動きもコールもほぼ完璧、椅子のある会場でこの空気はフェスで初めて体感しました。「アイドル」のパフォーマンスを見る機会は今後ワンマンなりフェスなりで訪れる可能性もありますが、2023年の「アイドル」を見ることが出来たのは今後間違いなく語り草になるでしょう。実際の演奏時間はオープニングを含めると約5分、ただ疾風のごとく駆け抜けたこの雰囲気は体内時計に置き換えると1分に満たないほどの短さでした。

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