Spotify/YouTube再生数ランキング・5 いきものがかり

 第5弾、今回はいきものがかりを取り上げます。2023年1月20日にデータ更新しています。

 いきものがかりのストリーミング解禁は比較的遅く、2020年9月23日でした。ソニーは良くも悪くも傾向が分かりやすく、自社内のコンテンツを充実させることに積極的な反面、他社と歩調を合わせる点ではやや消極的な部分もあります。配信でも自社運営のmoraそのものは充実していましたが、iTunesへの提供は他社と比べてもかなり遅かったような…。そう考えると最近は本当に良い方向に進んでいるように思います。というわけでまずはSpotify再生回数ランキングですが、なかなか興味深い結果になりました。

 タイアップ情報はアニメゲーム映画ドラマCM&企業報道&スポーツその他で色分けしています。また、紅白歌合戦歌唱曲もカラー表記しています。

Spotify再生回数ランキング

楽曲再生回数楽曲発売日主なタイアップ(発売当時)収録作品
1.ブルーバード17952万2008/7/9テレビ東京
『NARUTO-ナルト- 疾風伝』OPテーマ
Sg.「ブルーバード」
Al.『My song Your song』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
Sg.「BAKU」(2021 Remasterd)
2.熱情のスペクトラム7425万2014/10/15毎日放送『七つの大罪』OPテーマSg.「熱情のスペクトラム」
Al.『FUN! FUN! FANFARE!』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
3.ホタルノヒカリ4848万2009/7/15テレビ東京
『NARUTO-ナルト- 疾風伝』OPテーマ
Sg.「ホタルノヒカリ」
Al.『ハジマリノウタ』
Sg.「BAKU」(2021 Remasterd)
4.SAKURA1924万2006/3/15NTT「DENPO115」(東日本エリア限定)Sg.「SAKURA」
Al.『桜咲く街物語』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『バラー丼』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
5.ありがとう1198万2010/5/5NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』主題歌Sg.「ありがとう」
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『バラー丼』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
6.BAKU1138万2021/1/18テレビ東京『BORUTO-ボルト-
NARUTO NEXT GENERATIONS』OPテーマ
Sg.「BAKU」
Al.『WHO?』
7.YELL1011万2009/9/232009Nコン中学生の部 課題曲Sg.「YELL/じょいふる」
Al.『ハジマリノウタ』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『バラー丼』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
8.HANABI953万2006/5/31テレビ東京『BLEACH』EDテーマSg.「HANABI」
Al.『桜咲く街物語』
9.気まぐれロマンティック920万2008/12/3フジテレビ『セレブと貧乏太郎』主題歌Sg.「気まぐれロマンティック」
Al.『My song Your song』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
10.ラストシーン721万2016/8/24東宝『四月は君の嘘』主題歌Sg.「ラストシーン」
11.笑顔627万2013/7/10東宝『劇場版ポケットモンスターベストウィッシュ
~神速のゲノセクト ミュウツー覚醒~』主題歌
Sg.「笑顔」
Al.『I』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
12.じょいふる612万2009/9/23江崎グリコ「ポッキーチョコレート」Sg.「YELL/じょいふる」
Al.『ハジマリノウタ』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
13.ハルウタ425万2012/4/25東宝『劇場版名探偵コナン
~11人目のストライカー~』主題歌
Sg.「ハルウタ」
Al.『I』
14.帰りたくなったよ338万2008/4/16東宝『砂時計』主題歌Sg.「帰りたくなったよ」
Al.『My song Your song』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『バラー丼』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
V.A.『情熱の2000’sベストヒッツ35曲!~Epic35~』
15.風が吹いている288万2012/7/18NHK『ロンドンオリンピック・
パラリンピック』テーマソング
Sg.「風が吹いている」
Al.『バラー丼』
Al.『I』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
16.茜色の約束284万2007/10/24au「LISMO」Sg.「茜色の約束」
Al.『ライフアルバム』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『バラー丼』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
17.コイスルオトメ271万2006/10/18日本テレビ
『恋愛部活(ラブカツ)』EDテーマ
Sg.「コイスルオトメ」
Al.『桜咲く街物語』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『バラー丼』
18.キミがいる264万2010/8/4日本テレビ『ホタルノヒカリ2』主題歌Sg.「キミがいる」
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
19.歩いていこう221万2011/11/23TBSテレビ
『ランナウェイ~愛する君のために』主題歌
Sg.「歩いていこう」
Al.『NEWTRAL』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
20.うるわしきひと203万2007/2/14日本コカ・コーラ
「アクエリアス ビタミンガード」
Sg.「うるわしきひと」
Al.『桜咲く街物語』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
21.WE DO197万2019/1/1SoftBank
「新CMシリーズ第1弾~しばれるな篇~」
Sg.「WE DO」
Al.『WE DO』
22.いつだって僕らは190万2012/1/18ユーキャン2012年キャンペーンSg.「いつだって僕らは」
Al.『NEWTRAL』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
23.花は桜 君は美し181万2008/1/30au, Sony Ericsson「W61S」Sg.「花は桜 君は美し」
Al.『ライフアルバム』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
24.青春ライン163万2007/8/8毎日放送
『おおきく振りかぶって』第2期OPテーマ
Sg.「夏空グラフィティ/青春ライン」
Al.『ライフアルバム』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
25.心の花を咲かせよう141万2008/12/24日本テレビ『第87回全国高等学校
サッカー選手権大会』テーマソング
Al.『My song Your song』
Al.『いきものばかり~メンバーズBESTセレクション~』
Al.『バラー丼』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
26.1 2 3 ~恋がはじまる~131万2013/6/5カルピスウォーターSg.「1 2 3~恋がはじまる~」
Al.『I』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
27.笑ってたいんだ130万2011/7/20日産自動車「新・日産セレナ」Sg.「笑ってたいんだ/NEW WORLD MUSIC」
Al.『NEWTRAL』
Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
28.キラリ118万2014/12/10東宝『アオハライド』主題歌Sg.「キラリ」
Al.『FUN! FUN! FANFARE!』

Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』
29.SING!117万2019/4/1フジテレビ『めざましテレビ』Sg.「SING!」
Al.『WE DO』
30.ラブソングはとまらないよ114万2014/7/9カルピスウォーターSg.「ラブソングはとまらないよ」
Al.『FUN! FUN! FANFARE!』

Al.『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』

 「ブルーバード」が1億再生突破で、圧倒的な数字を記録しています。2位「熱情のスペクトラム」が『七つの大罪』、3位「ホタルノヒカリ」も「ブルーバード」同様『NARUTO-ナルト-』で、アジカンの「遥か彼方」でもあった通り異常な強さになっています。少し調べると、こういったアニメ関連曲は日本だけでなく海外での再生数も相当多いようで、「ブルーバード」は2020年海外で最も聴かれた楽曲4位になっています。

 2021年も『BORUTO』OPテーマ「BAKU」で、シングルのカップリングに「ブルーバード」「ホタルノヒカリ」のリマスターが収録。再生数も6位で上位に入っています。アニメだと『BLEACH』の「HANABI」も当時のCD売上と相対的に比較して再生数多く8位。逆に映画版ポケモンの「笑顔」やコナンの「ハルウタ」は特別伸びている状況ではありません。あとは「ラストシーン」も当時のCD売上以上に再生数が伸びている印象で、こちらはコミックの実写版映画『四月は君の嘘』の主題歌でした。

 ベストアルバムのリリースは多いですが、再レコーディングは今のところまだ少なめ。ランクインしている曲では「歩いていこう」が『バラー丼』のpiano intro versionで28.3万、「コイスルオトメ」が『超いきものばかり~てんねん記念メンバーズBESTセレクション~』の激情編で27.6万、「ふたり」が『ハジマリノウタ』新録で16.7万がある程度。多少の入れ替わりはありますが、大勢にはあまり影響ないようです。それにしても、45曲も収録されているメジャー10周年ベストに再生数の多い「ホタルノヒカリ」「HANABI」「ハルウタ」が入っていないのはあまりにも意外です。

YouTube再生回数ランキング

楽曲再生回数楽曲発売日配信開始日主なタイアップ(発売当時)
1.ブルーバード3322万2008/7/92020/8/21テレビ東京『NARUTO-ナルト- 疾風伝』OPテーマ
2.YELL2369万2009/9/232020/3/262009Nコン中学生の部 課題曲
3.ありがとう1485万2010/5/52020/3/26NHK連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』主題歌
4.熱情のスペクトラム1352万2014/10/152020/8/24毎日放送『七つの大罪』OPテーマ
5.SAKURA1122万2006/3/152020/3/26NTT「DENPO115」(東日本エリア限定)
6.気まぐれロマンティック1041万2008/12/32020/8/21フジテレビ『セレブと貧乏太郎』主題歌
7.ラストシーン815万2016/8/242016/8/3東宝『四月は君の嘘』主題歌
8.生きる669万2020/3/202020/3/20漫画『100日後に死ぬワニ』コラボムービー
9.風が吹いている650万2012/7/182020/8/23NHK『ロンドンオリンピック・パラリンピック』テーマソング
10.じょいふる648万2009/9/232020/8/22江崎グリコ「ポッキーチョコレート」
11.笑顔555万2013/7/102020/3/26東宝『劇場版ポケットモンスターベストウィッシュ~神速のゲノセクト ミュウツー覚醒~』主題歌
12.ホタルノヒカリ467万2009/7/152020/8/22テレビ東京『NARUTO-ナルト- 疾風伝』OPテーマ
13.BAKU409万2021/1/182021/1/18テレビ東京『BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS』OPテーマ
14.帰りたくなったよ356万2008/4/162020/8/21東宝『砂時計』主題歌
15.ハルウタ282万2012/4/252020/8/23東宝『劇場版名探偵コナン~11人目のストライカー~』主題歌
16.キミがいる279万2010/8/42020/8/22日本テレビ『ホタルノヒカリ2』主題歌
17.いつだって僕らは178万2012/1/182020/8/23ユーキャン2012年キャンペーン
18.笑ってたいんだ172万2011/7/202020/8/22日産自動車「新・日産セレナ」
19.茜色の約束169万2007/10/242020/8/21au「LISMO」
20.花は桜 君は美し163万2008/1/302020/8/21au, Sony Ericsson「W61S」
21.HANABI155万2006/5/312020/8/20テレビ東京『BLEACH』EDテーマ
22.コイスルオトメ128万2006/10/182020/8/20日本テレビ『恋愛部活(ラブカツ)』EDテーマ
23.歩いていこう125万2011/11/232020/8/23TBSテレビ『ランナウェイ~愛する君のために』主題歌
24.あなた123万2015/5/132020/8/24日本テレビ『7daysTV~かぞくって、なんだ?』キャンペーンテーマソング
25.きらきらにひかる112万2020/8/312020/8/31テレビ朝日『未解決の女~警視庁文書捜査官~』主題歌
26.夏空グラフィティ99.4万2007/8/82020/8/20日本コカ・コーラ「アクエリアス ビタミンガード」
27.ラブソングはとまらないよ95.9万2014/7/92020/8/23カルピスウォーター
28.うるわしきひと94.9万2007/2/142020/8/20日本コカ・コーラ「アクエリアス ビタミンガード」
29.ノスタルジア93.5万2010/3/102020/8/22スタイルジャム『時をかける少女』主題歌
30.ふたり91.0万2009/5/272020/8/21TBSテレビ『ぼくの妹』主題歌

 YouTubeでのフルコーラスMVが見られるようになったのも最近で、主要曲4つを除くと2020年8月20日以降となっています。それ以前だと「風が吹いている」以降のシングルはshort ver.が発売時にアップされていますが、集計からは外しました。唯一、いきものがかりOfficial発足前にソニー本体のチャンネルでフルコーラスMVがアップされた「ラストシーン」は合算してます。また、ほとんどフルコーラスが発売時にアップされた2015年の「ラブとピース!」は453万再生でした。2019年の「WE DO」「アイデンティティ」は現在もshort ver.のみのアップとなっています。

 いきものがかりは基本かなり日本人好みのJ-POPアーティストというイメージでしたが、その認識はランキング特にコメント欄を見る限り改める必要がありそうです。「ブルーバード」「熱情のスペクトラム」「ホタルノヒカリ」「BAKU」など、アニメタイアップのトップコメントはほとんど外国語で占められていました。その流れは他の曲にも出始めていて、アニメとは無縁の「SAKURA」「YELL」でさえも外国語のコメントが多くなっています。「BAKU」をシングルで出すにあたって、「ブルーバード」をカップリング収録の上テレビでパフォーマンスする機会も増えていましたが、データを見る限りソニーとしては極めて妥当な判断だと思います。というより、もう「SAKURA」「YELL」「ありがとう」よりもそちらの方をメインに移す段階に入っているのではないでしょうか。

マイベストランキング

楽曲SpotifyYouTube楽曲発売日
1.YELL1014万2369万2009/9/23
2.笑顔627万555万2013/7/10
3.SAKURA1950万1122万2006/3/15
4.風が吹いている314万650万2012/7/18
5.花は桜 君は美し181万163万2008/1/30
6.コイスルオトメ298万128万2006/10/18
7.笑ってたいんだ130万172万2011/7/20
8.夏空グラフィティ70.2万99.4万2007/8/8
9.気まぐれロマンティック953万1041万2008/12/3
10.ブルーバード18048万3322万2008/7/9
11.ありがとう1198万1485万2010/5/5
12.じょいふる612万648万2009/9/23
13.GOLDEN GIRL86.4万52.5万2014/11/12
14.KISS KISS BANG BANG20.3万19.5万2012/2/29
15.1 2 3 ~恋がはじまる~131万87.0万2013/6/5
16.秋桜13.9万2009/12/23
17.ホタルノヒカリ4848万467万2009/7/15
18.いつだって僕らは190万178万2012/1/18
19.茜色の約束290万169万2007/10/24
20.プラネタリウム111万76.3万2008/10/15
21.BAKU1203万409万2021/1/18
22.うるわしきひと203万94.9万2007/2/14
23.ラブとピース!48.8万31.5万2015/11/3
24.歩いていこう249万125万2011/11/23
25.帰りたくなったよ350万356万2008/4/16
26.キミがいる264万279万2010/8/4
27.マイサンシャインストーリー65.0万2013/7/24
28.恋愛小説13.9万2013/7/24
29.流星ミラクル20.6万39.9万2006/12/6
30.ハジマリノウタ~遠い空澄んで~52.8万2009/12/23

 更新のたびに順位を入れ替えているマイベストですが、いきものがかりの1位「YELL」・2位「笑顔」は今後もほぼ変わらないと思われます。特に「YELL」は21世紀以降でくくっても最上位に入る名曲中の名曲で、アンジェラ・アキ「手紙~拝啓 十五の君へ~」とともにNコン課題曲の価値を大きく高めた楽曲でもありました。

 この中だと「秋桜」はあまり馴染みない曲ではないかと思いますが、2009年のアルバム『ハジマリノウタ』に収録されています。マイナー調のコード進行とハーモニカの音が切なく響き渡る隠れた名曲ですが、データ的には本当に隠れてしまっているようで…。これは『I』収録の「恋愛小説」にも共通しています。

 大作バラードから前向きポップソング、明るい王道からマイナー調まで、幅広くクオリティーの高い楽曲が作れるのはやっぱり強いです。放牧からの再始動後やや過小評価され始めてる感も否めないですが、データ的にはむしろ再評価される流れが出始めている印象があります。

 「SAKURA」の時点で長く活動し続けるグループになるという直感は、結果的には大当たりでした。メンバーが還暦くらいを迎えても、新曲を常時発表してヒットし続けるグループであって欲しいと心から願います。

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