2016.10.22 & 11.3 Perfume 6th Tour 2016「COSMIC EXPLORER DOME Edition」 in 京セラドーム・ナゴヤドーム

 4月6日に発売されたアルバム『COSMIC EXPLORER』、このアルバムを引っさげてツアーが始まったのは5月3日・宮城セキスイハイムスーパーアリーナ。そこから静岡・福井・徳島・幕張・和歌山・北海道を周るアリーナツアー、さらにロサンゼルス・サンフランシスコ・シカゴ・ニューヨークの4都市を周る全米ツアーがここまで開催されました。そして追加公演として決まったのが大阪・名古屋・福岡を回るドームツアー。京セラドーム大阪での開催は3年ぶり、ナゴヤドームと福岡ヤフオクドームでは初開催。この記事では、大阪1日目とナゴヤ1日目の様子を記載することにします。

 

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 普段はオリックスバファローズの本拠地として使用されている京セラドーム大阪と、同じく中日ドラゴンズファン本拠地のナゴヤドーム。どちらも各球団色満載でした。京セラドーム大阪は行くたびにオリックス関連のポスターが多くなり、名古屋はナゴヤドーム前矢田駅からドームまで完全にドラゴンズで埋め尽くされています。両球団とも最下位に終わったのが非常に残念ではありますが…。なおイオンモールが存在しているのは両方とも共通しているようです。今回は京セラドームはアリーナ、ナゴヤドームはスタンド席からの観戦になりました。

 

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 開演時間5分前になるとどこからともなく手拍子が始まり、その音は徐々に大きくなります。Perfumeのワンマンではいつも通りお馴染みの光景ですが、考えてみると他のワンマンライブでは記憶がありません。勿論全員が全員手を叩いてるわけではないのですが、それが半分くらいだとしても1万人は超える人数。特にアリーナにいるとものすごい雰囲気でした。おそらくステージに立つ3人は自分よりもはるかに強くそう思っていることでしょう。

 というわけでオープニング、宇宙船を模した形の映像。そこでは3人が飛行士になって操縦しています。スイッチを押して出てくる映像は、これまでのツアーでどこを回ったか、そしてこの日のツアーの場所と日程はどこなのかという内容。後者は当然ながら会場ごとに変わるという形になります(選択肢の違いだけなので、大きく異なるわけではありませんが)。
バックに流れる曲は「Navigate」、そこから「COSMIC EXOLORER」のイントロが流れて、3人が宇宙船をイメージしたセットで登場。4方向に向けて作られたステージの中で、大きなビジョンが背後にある外野側から徐々に真ん中のメインステージに向けて動き出します。歌う3人は直立不動。真ん中に到着して3人が降りて、あ~ちゃんが”Say!”と声を出して、拳を振り上げるポーズ。非常に絵になる場面です。アリーナツアーでは後半の最初でしたが、ドームでは一番最初に登場するこの場面。この大掛かりな演出は、やはりアリーナよりもドームの方が広々としている分、迫力もパワーアップしていました。

 「Pick Me Up」「Cling Cling (Album-mix)」、冒頭から会場をおおいに盛り上げます。「Cling Cling」はアリーナで見た時にも感じたことですが、こちらの方がよりライブ仕様で音がバッキバキという印象をあらためて持ちました。定番曲「ワンルーム・ディスコ」は7年前の曲ですが、セットリストに組み込まれる率は未だに高いです。ただ当時と違うのは、今回の舞台が360度型ステージであるということ。1曲の中でかなり細かく4方向に向けて踊っている姿に、長年の経験と凄さをあらためて感じたのは言うまでもありません。

 ここで最初のMCに入ります。大阪1日目の話題は3人のオフ。中村勘九郎が主演した『真田十勇士』を観劇したあ~ちゃん、道頓堀を観光して吉本新喜劇を見に行ったかしゆかの2人に対して、デパ地下のステーキ丼の店員にときめいてそのまま買って戻って食べて寝ただけののっちは何年経ってもそのままです。むしろデパ地下に行っただけでここまで話を膨らませられることに、話術の成長を感じました。ただのっち→かしゆか→あ~ちゃんの順で喋る以上、直後のチーム分けで反映されるのはあ~ちゃんの話。勘九郎氏の体の柔らかさ、とりわけ舞台転換の際に腰を落として足を広げたまま袖に移動するという場面に感動したということで、「かん」「く」「ろう」というチームで観客を3つに分けるという形になりました。

 名古屋1日目では、まずはCBCで売れる前にラジオをやっていたことなどで第2の故郷的な存在という話をした後、観客席で「ビタミンドロップ」のコスプレをした3人を発見。本人たちと会話できて感動で泣いている3人に自己紹介のポーズを強要。なかなかスパルタです。リリース当時はものすごく暑い中で衣装は汗だらけ、その衣装は1着しかない綿素材で木の枝に干し、誰もステージなんか見やしないという具合で、本当に辛かったらしいです。というわけでチーム分けは「ビタ」「ミン」「ドロップ」、かなり無理矢理でした。おそらくコスプレした御三方にとっては生涯特に忘れられない日になりそうです。もしかしたら来年のツアーのセットリストに組み込まれるかもしれません。ライブでは『GAME』ツアーの横浜BLITZ1日目・アンコール以来全く歌われてないみたいですが…。

 続く曲は「next stage to you」。メルセデスベンツのコマーシャルソングです。間奏でみんなで運転する振り付けは「コンピュータードライビング」以来ではないかと思います。そしてドームになって装いも新たに”Perfume Medley~DOME Edition~”。「Relax In The City」「ナチュラルに恋して」「マカロニ」「透明人間」「Twinkle Snow Powdery Snow」「セラミックガール」「心のスポーツ」「Sweet Refrain (Album-mix)」、アリーナツアーからいくつか曲も変えてきました。「マカロニ」はフェスだと選曲される機会もありますがワンマンは2009年以来、「心のスポーツ」も収録されたアルバム『JPN』ツアーの2012年以来セトリに入ってないのでかなり久々。そして「Twinkle Snow Powdery Snow」は今回フェイクでなく、間をあけて歌もサビだけですがしっかり入ります。昨年のツアーでは歌われた日もあったのですがあいにくその場に遭遇せず、個人的に生で聴けるのは初めて。MCで言ってた”裏切りの裏切り”は、まさしくこれを指していたのではないかと思います。その後に「Baby Face」で温かい手拍子と生歌唱。ただウェーブはドームだと広いこともあって無しでした。

 一旦ステージが暗転した後に、ドームエディションとして新たに作られた「Perfumeの掟」。中田ヤスタカが作るサウンドと、大規模な舞台演出の中で3人が踊るというPerfumeのライブならではのコーナーですが、よくよく考えるとこれを見るのもかなり久々な気がしました。ここ数年で導入された網戸スクリーンがメイン。卓越した演出も見事でしたが、今回はそれ以上に3人の動きが映えている印象でいた。

 「FLASH」「Miracle Worker」を経て、お待ちかねP.T.A.のコーナー。声出しから始まって、いつものように”上の歯、下の歯~”と歯磨きの歌を歌うわけですが、ここでサンスターOra2・くちもとBeuatyのコマーシャルが決定したとのご報告。


 会場前には特設のセットが設けられていて、近隣のイオンではPerfume×Ora2の特典品も限定発売されていました。当然あっという間に売り切れたようですが…。やはり歯磨きのCMは3人にとって念願だったようで、ファンの皆さんのおかげですとあらためて感謝していました。

 ポケモンGOにハマっている3人、アメリカでしか捕まえられないモンスターも捕まえて3人とも捕ったモンスターの数は三桁に達してます。というわけで大阪ではスクリーンに出てきたモンスターを捕まえる演出、名古屋ではみんなで「ポケモン言えるかな?」を歌う形になりました。ポケモンコーナーを経てサバイバルダンスからウルトラソウルに至るのはいつも通り。ただジャンプ禁止の京セラドームでは、”4回跳びます”といつものっちが言うところを”4回はしゃぎます”と言い換えていました。

 続いてはバッキバキの盛り上げ曲「FAKE IT」。当然ながらジャンプせずにはいられない曲ですが、京セラドーム大阪はジャンプ禁止。ただあ~ちゃんは思わず”ジャンプ!ジャンプ!”と促していました。なおナゴヤドームでは、”跳べるって最高!”とMCで話していたことを特筆しておきます。なんだか次にドームツアーを開催する時は、大阪だけ外されそうな気がしてなりません。続いてもジャンプ曲「エレクトロ・ワールド」。本塁側ステージがせり上がりになり、高く狭いエリアでパフォーマンスします。さらに「Party Maker」も盛り上げ曲。4方向に伸びているステージの3つにそれぞれ分かれて踊り歌い、観客への盛り上げを手で促していました。

 外野側サブステージで「だいじょばない」。MCなしで激しく踊る楽曲がこれでもかというくらいに続きます。そして京セラ1日目ではセトリに入ってなかったですが、翌日以降加えられた「パーフェクトスター・パーフェクトスタイル」。この曲が発表された2006年当時はいつ契約が切られて解散になってもおかしくない状況、それだけに何万人も動員されるドームで歌うのはやはり格別といった感。2010年の東京ドーム初ワンマンで歌われていますが、それ以来ワンマンではJPNツアーの宜野湾公演のみでかなり久々の選曲になりました(フェスや対バンでは歌われていますが)。

 そしてやはりPerfumeのライブでは外せない「チョコレイト・ディスコ」。今回のアリーナツアー・あるいは昨年のツアーはサイコロ選択曲という形になってついにセトリから外れましたが、あらためて復活です。ラストは「STAR TRAIN (Album-mix)」。イントロが始まる前のベース音に乗せて3人が挨拶する形。両日ともにあっという間の一日だったこと、そしてこれからもPerfumeは続いていくことと、応援してくれるファンに多大なる感謝を述べていました。”応援してくれる人がいるから私たちも頑張れる””(満員のオーディエンスに向かって)明日からもまた頑張ろう”と話すあ~ちゃんは、やはりアーティストの鑑と言って差し支えないように感じます。

 エンドロールが映像に流れる中で、満員のオーディエンスに手を振ってステージを去るのはアリーナツアー同様。ただ今回は規制退場を案内する影アナも張り切って?いました(「Bブロック、「Baby crusing Love」のBの皆さん…」という具合)。さすがに自分の番になると退場しましたが、これを聴くためにあえて最後まで残った人も複数いるのではないかと、軽く想像できました。

 というわけで4月から続いたツアーは11月まで続く形。今回は今まで以上にネタバレ禁止が徹底していて、ツアー最終日までレポがアップできない形になりました。

 JPNツアーからワンマンに足を運ぶようになって5年目、ロッキンで初めてステージを見てから今年で9年目。本当に長いこと見ていますが、毎年最高のステージを更新しています。今年もそうなりました。今回特にドームツアーに関して言うと、演出やMC以上にパフォーマンスがアップデートされている印象を強く持つ内容になりました。踊りもさることながら、ステージの3人の目線、そして生歌が多くなった歌唱力。特にあ~ちゃんは顕著で、ナゴド公演はブレスの音もしっかり入っていて本当に思いを込めて歌っていることを実感。これまでPerfumeのライブで感動したのは、オーディエンスとの一体感やMCでの挨拶による部分が多かったのですが、今回はそのひたむきなパフォーマンスに感動しました。

 もちろん演出他あらゆる面において凄いのはこれまでと同様ですが、それを実現させるのが3人のアーティストとしての実力かつ人間性。今回ほど3人の成長を感じたツアーは他にありません。これは昨年のツアーだけでなく、今年前半のアリーナツアーと比べても顕著でした。日本ではない苦労も多かった海外の経験がやはりそうさせたのは、言うまでもないでしょう。

 来年も再来年もそのまた先も、おそらくPerfumeが続く限り彼女たちの最高の場面は更新されていくことでしょう。勿論3人だけでなく、裏方・オーディエンス全てを含めて。そう考えるとファンクラブ・PTAに入っている自分のチームの一員なのかもしれません。チーム・Perfumeが作り出す最高の景色を体感できることを、来年以降もまた楽しみにしたいです。

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