2019.1.24 エビネギ2 ~バンドで一緒に仲良く演ろうね~ in Zepp Tokyo

ライブレポ

 2017年1月3日に開催された、大宮ソニックシティの私立恵比寿中学×Negiccoのジョイントライブ。当時既にNegiccoのファンであった私も足を運びましたが、それはそれは超が何個あっても足りない位の神ライブでした。あれ以上の多幸感は、本当に他のライブでは味わえないものでした。それまであまり面識のなかった2組は、これをきっかけにすっかり仲良し同士に。LINEグループも即座に作られて、イベントで共演するたび写真を撮影したりお互いのライブに足を運んだりするなど親密な関係を築きあげていきます。個人的にはこれを機に私立恵比寿中学のファンにもなり、これ以降は2~3ヶ月に1回のペースで現場を見に行く程にまでなっています。

 メンバーも運営もファンも、ついでに言うと私も。待望していたこの2組のジョイントライブが再び決定したのは昨年4月22日のこと。同日に行われたライブ会場同士で電話を繋げて、新春1月に東京新潟公演の開催が決定。早速新潟のチケットを取りましたが、仕事の関係上個人的に残念ながら行けないことが確定。そのため急遽24日のチケットと、12月前後に開催決定した28日のFINALに足を運ぶ形にしました。というわけで、この2会場の様子をレポしていきます。まずは24日、生バンドを迎えてのパフォーマンスから。当日のニコ生中継もタイムシフト視聴で参考にしながら振り返っていきます。

 TOKYO IDOL FESTIVALと、それ以外の用事でお台場に来た回数も多くなってきましたが、Zepp Tokyoに足を運ぶのは2013年に始めて行ったTIF以来5年半ぶり。思えば、Negiccoを初めて見た場所はまさしくここでした。エビ中に関しても初めて見たのは2013年9月のZepp Nambaなので、場所は違えども系列は同じです。整理番号順で発行されたのは1500~1600くらいまででしょうか、当日券も発売されました。特にエビ中に関しては毎年首都圏のアリーナ会場を満員にしているので、平日とは言え少し意外な集客数という感もあります。会場で流れたSEはlyrical school→ライムベリー→清竜人25→アンジュルム→BiSH→Task Have Fun→フィロソフィーのダンス。いずれも耳の肥えたアイドルファンから好かれるタイプのナンバー。Task Have Funやフィロソフィーのダンスは2016年辺りから目にする機会も増えてきて、ここ最近少なくなっている女性アイドルグループのブレイク候補まで呼べる存在になりつつあります。

 若干風邪気味?の場内アナウンス後、開演5分前というのに間違って一瞬暗転。そんなハプニングもありつつ、今回のテーマソング「ベイビィ・エビネギ・ポップ!」のインストが流れた後にオープニングムービーが始まります。

圧倒的に鮮やかなオープニング

 開演3日前にMVがYouTubeで公開されましたが、その映像をもとにメンバー9人とそれぞれのマネージャーが芝居しています。オシャレなカフェの店長はNegicco運営の熊さんこと熊倉維仁氏。そこに9人が集まって貸切で女子会という流れ。撮影担当の真山りか、先に待っているのは安本彩花とMegu。「今日も似てるね」という真山さんのセリフ、ニコ生で事前放送されたトーク番組エビネギ1.5では思いっきりネタにされていました。レコードがたくさんあるお店、なぜかDJがいます。言うまでもなくエビ中校長の藤井ユーイチ氏。会場には大きな笑いが起こります。こちらは元のPVには未登場でしたね。
 小林歌穂に柏木ひなた、Kaedeも集まります。星名美怜とNao☆の手には、それぞれエビとネギが。そして2年前の映像でも爆睡していた中山莉子、今回はいち早く店に来て2階で寝ています。らしいと言いますか何と言いますか。真山カメラマンで8人で記念撮影…やはり彼女も写りたかったようで9人揃って一枚。メインディッシュは、やはりネギの上にエビをまるごと乗せたもの。会も進み、DJ藤井校長に曲をリクエスト。

かえぽ「ねえ、何の曲がいい?」
ぽー「仲良くなれる曲がいいよね」
Nao☆「じゃあ」
真山「あの曲かな?」
肩を組んで全員で「圧倒的なスタイル」

 映像がそのまま曲フリになります。スクリーンの向こうでは早くも楽しそうな8人の姿。なお昨年12月末の大学芸会リハーサルで怪我をした星名美怜は残念ながら欠席、エビ中は5人でのパフォーマンスでした。冒頭で「圧倒的なスタイル」は、2015年に見たPerfumeフェス以来でしょうか。当然ながら、2コーラスCメロ後で全員ラインダンス。開始8分で、早くも会場が完全に温まります。その後で演奏されるのは、なんと「永遠に中学生」。2年前行われたエビネギのアンコールと同じ構成にビックリ。その直前、2016年末の学芸会で演奏された時に肩を組んでるファミリーが少なかったことにガッカリした運営が、エビネギで全員ラインダンスしているのに思わず感動したというエピソードがある曲です。勿論この日は、ラインダンスする部分で全員が肩を組んでいます。圧倒的大団円感ですが、これはあくまでまだオープニング、幕開けの2曲です。

 自己紹介は「永遠に中学生」の中で済ましたような形で、あらためて挨拶とバンドメンバー紹介。演奏は岡本啓佑(Dr/黒猫チェルシー)・千ヶ崎学(B / KIRINJI)・設楽博臣(G)・末永華子(Key)・sugarbeans(Key)。昨年11月24日のNegicco中野サンプラザ公演と同様です。今回はMCもそこそこに次のパフォーマンスに移ります。

今回も2組交互にパフォーマンス

 Nao☆ちゃんが「今日はね、積極的に」ということでNegiccoから。「じゃあいってらっしゃい(ぽ)」「なんでやねん(Nao)」というベタなボケが大変テンポ良く?決まります。ですが曲に入るとガラッと雰囲気変わって「光のシュプール」。Negiccoのみならず、2010年代女性アイドルを代表する冬の名曲です。今回バックにコタツは置かれていませんが、両サイドに応援席?みたいな感じでエビ中の5人が二手に分かれて楽しんでいます。昨年を代表する名曲「カリプソ娘に花束を」、あらためて本当に素晴らしい歌詞で完全に聞き惚れます。ラストサビ入りのNao☆ちゃんのアカペラ、バッチリ決まって大喜び。屈託のない表情に”ドラムス、カモーン!”と合図する彼女は、紛れもなく現役アイドルそのものです。

 次はエビ中ブロック。ここで演奏されるのは「ほぼブラジル」。夏曲な上に最近の学芸会でもそんなに演奏されない楽曲、かなり意外な所を攻めてきました。生バンド演奏なので、レア度は更に高くなります。それにしてもぽーちゃんの声がすごく良くなったなぁ、と思ったところで次に披露されたのは「感情電車」。天性の声質や存在感は以前から抱いていた印象ですが、今は本当に表情からも自信を持って歌っていることが非常に伝わります。エビ中全員がそうなのですが、その中でも彼女は特に「唯一無二のボーカリスト」という言葉がしっくりきます。

 

新しいナンバーとレア曲の応酬

 MCは長椅子で8人横一列になりながら。後ろのテーブルにはケーキがあって、早速食べたのだとか。オールスタンディングなのに「ゆったり見てください」と言ったりするなど、安本さんの進行がやや手探り。そのせいか、「皆さん楽しんでますかー!」のかえぽの呼び掛けが普段のワンマン以上に反応良かったです。次もNegiccoのパフォーマンス、明らかにファン目線で楽しんでるぽんちゃの喋りにかえぽが「共演者ですよ」と冷静にツッコミを入れる辺りが通常モード。楽曲は昨年7月のアルバム『MY COLOR』から「Tell me why?」「そして物語は行く」。音源と生演奏の間にある親和性の高さ、ステージで見るとこのアルバムは今まで以上に生音を重視して作られていた作品なのだろうと直感。よくあるアイドルソングに存在するコールなどの盛り上がりはないですが、その必要性は特にありません。3人の声に聞き惚れる、そんな展開を自然に作ることが出来るNegiccoはやっぱり凄いグループなのだと再認識。普段行き慣れているワンマンライブと違う空間だからこそ凄さを実感するのは、先日の@ JAM EXPOのエビ中もそうでしたがこの日の彼女たちもまさにそうでした。

 一方のエビ中は、シングル曲の割にカップリングの方が見る機会多い気がする「バタフライエフェクト」。マイクが原因なのでしょうか、彩ちゃんの調子が若干良くない感じもあります。そういえばエビ中を生バンド編成で見るのは今回が初めて。ここ2年秩父で生音メインのライブ『ちゅうおん』を開催していますが、考えてみればそれ以外は大学芸会もファミえんも生バンド演奏ではありません。言うまでもなくレベルは高いですが、嵌り具合はもう少しでしょうか。ただ次の「テブラデスキー~青春リバティ~」は見事でした。これを生演奏で表現するのは相当なリズム感が必要で、バンドならではの迫力が普段以上に出たステージになっていました。というより近年バンド演奏が映える楽曲が増えている彼女たち、ツアーはともかく大会場のワンマンあるいはロッキン級のフェスは生バンド主体にした方が良いような気もします。

 ここまで両者5曲ずつ演奏、Negiccoからしたらエビ中はカッコ良さもかわいさも全部持っていて、Nao☆ちゃんが「みんなずるいぞ!」とジャンプ。それに合わせて他8人が跳ぶというダチョウ倶楽部みたいなことをやってます。サイリウムの話題、実はNao☆=黄、かえぽ=ピンク、ぽんちゃ=水色のメンバーカラーがあるようです。そこから赤いネギは実在するという話に。調べたところ山形の庄内地方にあるのだとか。

魅惑のシャッフルコーナー

 前回のエビネギでも好評だったシャッフルコーナーが今回もあるようです。まずはかえぽ・真山・柏木・中山チームで「ともだちがいない!」。先日発表されたCDショップ大賞にノミネートされたHomecomingsがNegiccoに提供した楽曲は、振り付け無しで思いっきり歌い上げる楽曲。エビ中メンバーの歌唱力の高さは過去に何度も書いた通りですが、いつの間にかかえぽが思いっきり上手くなったことにしみじみ。5年くらい前に見た、少し自信なさそうな表情で歌っていた時のことが嘘のようです。もう1つはNao☆・ぽんちゃ・安本・小林で歌う「イッショウトモダチ」。ほとんど初めて聴くレベルのレア曲ですが、前の曲からの繋がりを考えるとまさしく最適解。「ともだちがいない!」も良い歌詞ですが、この曲もまた違うベクトルで本当に良い歌詞です。お互い人見知りなグループだけに、余計に両曲ともに説得力が生まれます。

 

後半で少し聴かせる展開に

 「皆さん疲れてませんか?」ということで次は落ち着いた楽曲のブロック。Negiccoが披露するのは「江南宵唄」「雫の輪」。前者は思いっきりクールなナンバーで後者は3人の声がガッチリ嵌るバラード、両方ともエビ中が歌って来なかったタイプの楽曲です。女性アーティストだけでなくアイドルについてもかわいいよりカッコ良いを優先する私ですが、「江南宵唄」については本当にNegicco以外には出せないタイプのカッコ良さがあります。「雫の輪」も見事なハーモニー。囁くように歌うぽんちゃの声が特に印象的です。ライブで歌われるたびに成長する楽曲は他にも多くあるかと思いますが、『MY COLOR』に収録されている楽曲はそれがより顕著に表れるナンバーが多くを占めているかもしれない、そんなことを聴きながら感じたところです。

 エビ中が歌うのは「さよならばいばいまたあした」、これもまたストーリー性の高い変遷を経てきたエビ中だからこそ映える歌詞。一人ひとりの伸びのある歌声に、細かい音まで気を配っていることがよく分かる演奏。珠玉という言葉が、まさしくしっくりくるパフォーマンスです。もう1曲は「大好きだよ」。これまたここ最近の学芸会でほとんど演奏された記憶がない、えらくレアな選曲。かわいい振り付けで聴かせるステージでした。

終盤は定番曲で畳み掛ける

 早くもライブ終盤ということで畳み掛けに入ります。Negiccoが歌うのは新しい定番曲になりつつある「キミはドリーム」、この曲が演奏されると終盤の合図とも言える「さよならMusic」、そして思いっきりアゲ曲の「トリプル!WONDERLAND」。振り返ると、今回のNegiccoで「圧倒的なスタイル」「光のシュプール」以外でコールが入るような楽曲はこのブロックのみ。数年前から既にそうではありますが、女性アイドルとしてNegiccoはもう別の次元にいる存在であることを、あらためて感じる内容です。

 私立恵比寿中学のラストブロック、まずは「大人はわかってくれない」。真山やひなた、りったんの迫力ある歌声が思いっきり響き渡っています。曲中のセリフ…、そういえば2年前に見たのが個人的に最後だったことをふと。その後に彼女が一番好きだった「全力☆ランナー」という流れがまたものすごく熱いです。ラストはようやくとも言える超定番盛り上がり曲「ラブリースマイリーベイビー」。メンバーだけでなくバンドも後ろにいるNegiccoの3人も勿論オーディエンスも、全員笑顔で大団円でした。

 ラストということが信じられない表情にも見える8人。お互いがお互いのファンを褒め合います。「江南宵唄」がお気に入りなったというひなた、毎年生誕祭でNegiccoの曲を歌うりったんは9ヶ月後に歌いたい曲が早くも決まったそうな。一旦挨拶してはけた後に、勿論アンコール。手拍子、アンコールの声に自然にネギ!という掛け声も、Negiccoファンよりむしろエビ中ファミリーの方から大きく挙がります。

アンコール(エビ!ネギ!)

 アンコール、それぞれのメンバーの似顔絵が描かれたTシャツに着替えています。ステージが明るくなって登場したのはNegiccoの3人、ですがイントロはエビ中の楽曲。ですがそれはNegiccoの曲と言われても何一つ違和感がありません。2年前のエビネギ同様、今回もレキシの池ちゃんが提供した「頑張ってる途中」をNegiccoが歌います。Cメロの歌詞に関してはむしろエビ中よりNegiccoの方がキャラ合ってるかもしれないというくらいの。歌声・振り付け・演奏だけでなく、いつもはエビ中メンバーに挙がるオーディエンスのコールまで完璧でした。

 したがってエビ中が歌うのも「ねぇ バーディア」。この曲のあまりの出来の良さに、メンバーだけでなく運営までもNegiccoに嫉妬したというエピソードがあるナンバーです。毎年当ブログでベストソングをランク付けして決めていますが、2015年に関してはこの曲以外あり得ないというくらいにブッチギリの1位でした。今年中に平成全体のランキングも作る予定ですが、おそらくそこでも相当な上位になるはずです。そしてセリフパート。

りったん「ねぇ、バーディア、覚えてる?」
ぽーちゃん「あの、大宮の日の出来事!」

 私自身、2017年1月3日は自分が見てきたライブの中でも五本の指に入るくらいに強く思い出に残るライブだったのですが、もしかすると各メンバーにとってもそうだったのかもしれません。仮に5本とか10本とかランクをつけなくても、その日がなければエビ中とNegiccoの交流が現在まであったかも分からないですし、少なくともこの日もう一度開催されたエビネギはなかったでしょう。もしあったとしても、今日のようなストーリー性は生まれて来なかったかもしれません。また、冒頭書いた通りその当時既にファンで何度も足を運んでたNegiccoに対して、エビ中に対する思い入れは好きということ自体間違いないとしてもアルバムを購入して過去2回だけライブに足を運んだ程度。ここはファミリー目線になってしまうのですが、大宮の日の出来事はNegiccoと出会えた日でもあり、私立恵比寿中学のメンバーが8人であった日。目の前の人数が変わってパフォーマンスが成長していても、それが揺るぎのない現実として繋がっているメッセージが今の一言に込められてると書くと明らかに言い過ぎですが…。ただ少なくともぽーちゃんがアレンジしたセリフで、思わず感動してしまったことは間違いありません。

 メンバーの顔が書かれているTシャツは、ステッカーくじで当たった人のみが貰えるそう。というわけでアンコールもラスト、本当にあっという間です。ラストは勿論「ベイビィ・エビネギ・ポップ!」

 Negiccoの曲を多く手掛けているconnieさんが描く曲のセンスの良さは、PIZZICATO FIVEの小西貴陽さんの影響を強く受けています。この曲が1996年に発表された「ベイビィ・ポータブル・ロック」にインスパイアされていることは、曲名だけでなく楽曲を聴いてもよく分かること。個人的にも中学時代好きだったこの曲、「アイドルばかり聴かないで」から興味を持ってネギヲタに至ったのは今考えるとあらためて必然だったのかもしれません。曲がちょうど終わったところで紙テープ演出、出てきたテープの数枚にはメンバーの直筆メッセージが書いてありました。それにしてもNao☆ちゃんが楽しくて1曲しかやってないというコメントを残しましたが、本当に楽しくて恐ろしく体感時間が短かったです。2時間半くらいの演奏時間が15分くらいしか感じられない空間も、滅多にないような気がしました。

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