2019.1.28 エビネギ the FINAL~二次会と打ち上げのあいだ~ in Zepp Tokyo

ライブレポ

 1月24日・26日に東京および新潟で開催された私立恵比寿中学とNegiccoのジョイントライブ・エビネギ。こういったアイドル同士の共演イベントが時期を変えて、また複数の箇所で行われるという例は決して多くないと思いますが、その後28日に「二次会と打ち上げのあいだ」として急遽4度目の開催が決定しました。2017年の大宮を含めて何から何まで異例づくしのイベントですが、FINALと銘打たれたラストはそれをはるかに凌駕するような、二度と見られないような内容になりました。その様子をレポしていきます。

開演前

 会場は4日前のエビネギ2と同様Zepp Tokyo。ただ形態は大きく違って、今回はオールスタンディングではなく着席の椅子が用意されています。売れ行きは当初あまり良くなかったようですが、エビネギ2・3以降一気に売れたとかなんとか。ちなみに新潟で行われたエビネギ3は個人的に生で行けずにニコ生でタイムシフト視聴しましたが、Negiccoが「感情電車」を歌ったり8人全員で「愛は光」を歌ったり感極まってNao☆ちゃんが泣いてしまったりと、エビネギ2に負けず劣らずもしくはそれ以上の神ライブでした。レポはナタリーで詳しくありますので、是非そちらも参照してください。

 舞台上には幕がなく、カラオケボックス調のセットが作られています。もうこの時点で(と言うよりタイトルやポスターからしてそうですが)今回のコンセプトが「打ち上げ」であること、すなわちまず普通のライブとは違う異質な内容になることが想像できます。場内SEは夢眠ねむ→Tomato N’Pine→Cheeky Parade→チャオ ベッラ チンクエッティ→GEM→妄想キャリブレーション→バニラビーンズ→PASSPO☆→Dorothy Little Happy→ベイビーレイズJAPAN→アイドルネッサンス。FINALということで活動休止・解散した女性アイドルの楽曲が勢揃い。この5年でこんなにも解散したのか…という思いにもなりましたが。

 

オープニング

 場内暗転して、これまで同様今回もオープニング映像からスタート。今回のエビネギのために撮影された、喫茶店での女子会の続きが映し出されます。打ち上げはやっぱりカラオケに、という流れ。藤井校長の謎のワンショットで一笑い。映像からリンクする形で、衣装も全くそのままで入口のドアから8人登場。思い思いにドリンクを注文します。ぽーちゃんが冷やし飴、りったんが胡瓜ジュースを頼むという独特な一幕も。ドリンクが揃ったところで全員乾杯。なお頼まれた注文を持ってくる店員は、お馴染みNegiccoの事務所社長・熊さんこと熊倉維仁氏でした。半分以上プライベートモードと言って良さそうな自由な空間、ただ壁の向こうにオーディエンスがいるという設定でいくのかどうかはやや曖昧。一応ガラス張りのカラオケボックス、という形で落ち着いた?ようですが…。

 最初は両者ともにお世話になったあの人の曲ということで、池ちゃんことレキシ大先生の「きらきら武士」をみんなで。ここはごく普通に楽しそうに、プライベートでも実際ありそうな光景を観客参加型で見せているような状態です。その後もMCと言っていいのか分からない雑談タイム。衣装はメンバーの私服だそうで、テーマなどを発表していました。蛍光に光る靴をポイントにしているひなたは色合いが派手で、結果的にすごく目立つ形。ぽーちゃんは頭の被り物がポイント、彩花ちゃんは目の前にあった白3点をそのまま選んだということらしいです。

 次はお互いの楽曲をそれぞれ歌うようです。まずはNegiccoが「朝顔」、次にエビ中が「虹」。さらにもう1曲交換で「制服”報連相”ファンク」「楽園の余韻」を歌います。

 「朝顔」は昨年のファミえんテーマソングで配信限定リリース、個人的には大好きな曲です。定番になるかどうかは今後の学芸会次第ですが、このテーマソングが定番になる確率は低くありません。「虹」はアルバム『ティー・フォー・スリー』収録曲、ワンマンでそこそこ披露されるくらいの楽曲と言って良いでしょうか。「制服”報連相”ファンク」は『エビクラシー』収録曲、りったんのファンキーが売りの楽曲です。3曲とも、普段のNegiccoやエビ中が絶対歌いそうにないタイプの楽曲なので大変新鮮です。Negicco目線では「朝顔」のセリフと「制服”報連相”ファンク」のラップが聴きどころ。3人とも見事ですが、特にDJ Meguとしてもお馴染みのぽんちゃの出来が抜群。「虹」はエビ中メンバーが歌っているのをあらためて聴くと、随分と歌うのが難しい楽曲だなぁと思いました。

 本当にビックリしたのは「楽園の余韻」。シングル「矛盾、はじめました。」カップリング曲ですが、よく考えるとこれまで結構な回数行ってるはずのNegiccoワンマンでも見た記憶が全くありません。実際過去ほとんどリリイベでしか歌っていないようです。それをまさかのエビ中メンバーが披露。ほとんど擬音と猫の擬態で構成されているような歌詞、ひなたの舌が回らなくなって「コロコロコロネ」と歌ってしまう場面も。ちなみに偶然なのかどうか分かりませんが、猫か虎か豹かのイラストを私服のポイントにしているメンバーも今回2名ほどいました。

 テーブルにはくじも用意されています。ぽーちゃん主導で適当に席替え、通算すると3回はあったでしょうか。あとNao☆ちゃんのダチョウ倶楽部的なノリも数回、すっかりエビネギの持ちネタと化しています。安本さんのオゴりという流れになり、なぜか財布の中にバナナが入っていないのでNao☆ちゃんが「そんなバナナ~」と言う大変分かりやすいノリもありました。この時点でMC含めて相当ディープなイベントですが、次からは想像を絶するくらいの内容になってきます。

まさかの選曲連発のカラオケボックス

 次に歌われるのは真山りかとNao☆のデュエットで「アンタ」。全くもって初聴の曲ですが、これは昨年1月に卒業した廣田あいかが「スナックのママと流し」というユニットでヒャダインと歌ったムード歌謡。ライブではメジャーデビューした2012年と、2015年FCイベントくらいでしか歌われていないので超レア、というより卒業したメンバーのソロ曲をまさか歌うとはほとんどのファミリーも予想外だったはず。最年長コンビ、真山さんがスナックのママに扮してNao☆ちゃんが中年の流しの男性を演じるというミニコントのような光景。終いには大きなツケを残したまま帰っていく流しに、ママがうなだれるというオチでした。ご丁寧に、ラストはNao☆さんドアの外にまで移動します。ちなみに男役を演じたNao☆ちゃんは1オクターブ下げの超低音で終始歌唱、これもまた普段のNegiccoライブでは聴けない内容でした。

 次はぽーちゃんのソロ曲バラード「ぐらりぐら想い」をひなたが歌うという、あまりの貴重さにファミリー大歓喜の内容。Negiccoファンのリアクションは少し難しそうな所ではありましたが。これまた元のバージョンを聴いていないので何とも言えないですが、ひなたさんは相変わらず見事なくらいの熱唱でした。声の伸びが本当に見事です。

 席替えMC後、この場に参加できなかった美怜ちゃんに届け!ということで彼女のソロ曲「キミに39」をNao☆ちゃんが歌います。極めてレアかつ粋なステージです。勿論会場のサイリウムは、ネギライト以外ほぼ全員ピンクに合わせていました。歌い終わった後の表情が、この曲を歌うことにあたっての美怜ちゃんへの想いの強さを物語っていました。ノリが良ければ踊ると宣言していた安本さん、この曲では高まって前に出て創作ダンス?を踊るという一幕も。

 続いては、「ともだちがいない!」をりったんソロで歌います。ここ2年自身の生誕祭でNegiccoの曲を選曲している彼女ですが、もしかすると今年はこの曲を歌うのかもしれないですね。決して美声ではない彼女の歌声ですが、その分ものすごくパワフルで声に込められる気持ちはよりダイレクトに伝わります。ぽーちゃんの優しい歌声もそうですが、彼女もまた天性の歌声の持ち主であることがあらためて分かるパフォーマンスでした。

 これに負けじと?Negiccoのぽんちゃとかえぽがデュエットで披露するのは「スウィーテスト・多忙。」こちらはあまり違和感のない出来。のびのびとリラックスした表情で歌う2人がとても良かったです。

 『MY COLOR』収録曲のうち、エビネギで歌われていなかった「She’s Gone」を今度は安本彩花が披露。低めの音程でクールに歌うこの曲もまたエビ中ではまず歌わないタイプの楽曲ですが、彼女の歌声には大変合っていました。で、メンバー内では彼女の弟子ということになっているぽーちゃんが、今度は師匠のソロ曲「またあえるかな」を披露。更に続くのは、Kaedeがソロ曲としてカバーしている「それもきっとしあわせ」を真山りかとデュエット。極めつけは鈴木さん安本さん名義のユニット曲「たそがれシアター」を安本さんとぽんちゃのそっくりコンビで披露。鈴木さんこと鈴木裕乃は2014年に卒業、これもはっきり言ってまさかの選曲。エビ中のFCイベントではレア曲ばかりを選曲する「エビマニ」がありますが、明らかにそれ以上のレア度です。ちなみに元々エビ中ファンであるぽんちゃ、そのキッカケはタワレコの映像で「たそがれシアター」を歌う安本さんだったという話を曲後にしていました。

 みんなで歌おうということで選曲されたのは、かの有名な「ロマンティック浮かれモード」。藤本美貴の代表曲は、今となればヲタ芸が認知されたキッカケとも言われる21世紀アイドルソングの教科書みたいなナンバーになっています。メインでうたうのはひなた・ぽーちゃん・りったんにNao☆ちゃん、サビ後半ではみんなで例の有名な振り付けで踊っていました。

 電話がなってあと5分、ラストは「エビネギ・オーライ!」。これもまた2年前のエビネギ以来歌ってないはずで、大変嬉しい選曲でした。

アンコール

 これで締めですが、アンコールもあります。ですがセットがセットなので「延長!(エビ)」「延長!(ネギ)」というかなり独特のコールでした。最初に声を出した人がグッジョブです。その間にセットが撤収され、メンバーも舞台衣装に着替えて登場。映像が流れます。「歌とは?」「ファンとは?」「アイドルとは?」などの質問をメンバーにしています。やはりエビ中とNegicco、考え方も共通している部分が多いです。エビ中のファンはファミリーと呼ばれていますが、Nao☆ちゃんが「ファンとは?」という質問に即答で「家族」と答えたのが何よりもそれを象徴していました。

 ステージは過去3回互いに持ち歌を変えて披露されていた「ねぇ バーディア」「頑張ってる途中」を、今度は本家が歌ってもう片方がバックダンサーを務めるという形でした。超定番曲のバーディアはともかく、「頑張ってる途中」はエビ中の学芸会で必ず歌われているほど定番というわけでないので、Negiccoの方がむしろ違和感なく聴けたような気がしました。おそらく私だけだとは思いますが。そして本当のラストは「ベイビィ・エビネギ・ポップ!」。この5日ほどですっかり聴き慣れたナンバーですが、次に生で聴けるのはいつ頃になるでしょうか…。そしてメンバー全員に今回の感想を聞いてカーテンコール。3回にわたって行われたジョイントライブは、無事幕を閉じました。

エビネギ感想

 メンバー8人が口を揃えて話していたのは「すごく楽しかった」「またやりたい」、りったんに至っては「毎年1月空けといてください」とまで宣言。真山さんは「次回は9人でやりたい」とハッキリ話していました。今回は本当に素晴らしい夢のような内容でしたが、唯一残念だったのはやはり美怜ちゃんが出演できなかったこと。特に今回の演出は彼女の強烈な個性が最も生きる場面だったので、尚更その想いは強かったです。FINALと銘打っていますが、誰ひとりFINALという気持ちで話していなかったのが素晴らしかったです。おそらく会場にいた人もほとんどがまたこの共演を見たいと思ったことでしょう。

 Negiccoも私立恵比寿中学も実はかなりの人見知りグループ。ですがよく考えると、この2組ほど多くのミュージシャンに楽曲提供を受けているグループはほとんどいません(エビ中と同事務所のももクロとしゃち位でしょうか)。自ら主催でミュージシャンを呼ぶフェスもNegiccoはここ数年恒例、エビ中も2019年の初開催が決定しています。MCやインタビューを見ていても、彼女たちは単純にかわいいだけでなく、本当に心の底から人間性が優れているメンバーが揃っていると感じます。だからこそ打ち解けると、ここまで仲良くなれるのかなと感じるわけです。

 かくいう私もNegiccoのファンになった後にエビ中ファンになったわけですが、よくよく考えると音楽的に好きになったタイミングはどちらも2013年中頃で大きくは変わりません。ももクロが全盛期の中でアルバム『中人』におけるエビ中の潜在能力の高さに着目し、Negiccoも他にTIFで見つけた優れたアイドルがいる中でいつの間にか楽曲にハマって好きになっていたり。今思うと、こうやって2組を重点的に注目する形になっているのも、そもそもジョイントライブが複数回開催されるのも必然な気がしてなりません。

 今後もこの2組に関しては可能な限り注目して足も運びたいとともに、またこうやって共演ステージを見られることをただただ楽しみにしたいです。本当に素晴らしい内容でした。エビネギ、次回第5弾もおおいに期待したいです!

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