紅白名言集解説・3

 平成の紅白名言集は年を明けても更新中で、先日ようやく第62回(2011年)分を追加しました。この年は東京まで出向いて、ふれあいホールで4Kの映像で見る形でした。開場前のNHKホール周りの様子を間近で味わえたというのは、大変良い経験だったように感じます。この年はRADIO CRAZYを29日に見に行って、ブログで簡単なライブレポを書いた後に数時間の睡眠で青春18きっぷで移動して、色々な方にお会いするなど…。まだ20代、今から考えるとやや強行軍です。

 当時リアルタイムで見た感想としては非常に見応えがあって、見終わった後は言葉が出なかったです。大変素晴らしい内容だと思いましたが、久々にあらためて見ると非常にドキュメンタリータッチで、堅い紅白だったようにも思いました。もっともこの年の3月に起こった出来事を思い返すと、そうなるのは当然の摂理で無理もありません。ただ、ある意味似たような状況である2020年の方が軽妙さという点では上だったように思います。正直申し上げますと、この年ほどくだけた発言・迷言が存在しない、笑える場面のない紅白も珍しいです。

 今回取り上げたのは、震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市の門脇小学校から中継出演した長渕剛さんが、この紅白のために作ったという「ひとつ」を歌う前の名言。128字制限があるのでTwitterではこれだけしか収録していないですが、当時書いたブログでは全文載せています。非常に感動的なステージでした。ただ2分44秒にわたる喋りは、おそらく本来の予定より長め。直後の数ステージは、曲紹介がかなりカットされたと思われるやり取りが展開されていたというオチがつきました。

紅白名言集解説・2

 今回は昭和の紅白から取り上げてみましょう。1976年、白組司会の山川静夫アナがあおい輝彦「あなただけを」を曲紹介するワンシーン。

 限りなく…に近い、というフレーズは村上龍の小説『限りなく透明に近いブルー』からくるもの。村上龍はこの作品で小説家デビュー、第75回芥川賞を受賞。1976年を代表するベストセラー・話題作となっています。この年の話題・世相をテンポ良く曲紹介に取り入れる山川静夫アナウンサーの喋りはまさしく名人芸。今の紅白歌合戦の司会も決して悪くはないのですが、1970年代のような軽妙さはもう今後見られないのだろうな…とは感じます。ある意味では、当時の歌唱曲よりも時代を感じさせる一幕とも言えそうです。

 なおこの曲紹介の際に、一緒に応援する白組歌手にマイクを向けたつもりが、小道具の星を間違えて向けて一瞬静寂の時間を作ってしまったというハプニングがあったそうです。再放送でその様子を見た記憶がないのですが、当時カットされたのでしょうか。ちなみに平成前期にやっていた『想い出の紅白歌合戦』での1976年紅白再放送は、1度のみでした。

 あおい輝彦の紅白出場はジャニーズ時代の第16回(1965年)を除くとこの回のみ。翌年の「Hi-Hi-Hi」や、1971年の「二人の世界」などもヒットしているので、そういう点では少し意外なような気もします。ここの曲紹介ではもう一つ名言を収録しているので、ステージの細かい内容などはまた別の機会に…。

YOASOBI『THE BOOK』

 2021年は、これまた何年かぶりにアルバムレビューも何週かに1本ペースで書こうと思ってます。と言っても以前みたいに1曲1曲ガッツリではなく、あくまで商品紹介の延長線上という感じで簡単に。状況次第では、2020年や2019年のアルバムもこの機会に書くことがあるかもしれません。

 最初はやっぱり話題作からいきましょう。1月6日CDリリース、これが初めてのCD作品となるYOASOBI『THE BOOK』。

 「夜に駆ける」を筆頭とした7曲収録(「Epilogue」「Prologue」を除く)のミニアルバムは、Youtubeやストリーミングでまだチェックしていない人々のYOASOBI入門盤として打ってつけの作品。勿論ストリーミングでも全編聴けますが、CDではCDでしか楽しめない世界が、特にジャケットにあるようです。詳しくは買った人のお楽しみ、ということで…。

 この作品で、配信も含めて初出しとなる曲は「アンコール」。他の曲は全てYoutubeでもフルでアップされていますが、この曲は今回のアルバムのみに収録される形になります。メロディーの使い方が抜群に上手いと感じさせるバラードは、大変聴き心地良い内容に仕上がっています。

 Youtubeのアップロード順で聴くと、第一章が最も有名な「夜に駆ける」、第二章が「あの夢をなぞって」。アルバムだとまた全然違う曲順になっているのが面白いです。小説をモチーフとしたという触れ込みなので、評判になっているのはおそらく歌詞だと思いますが、あらためて通して聴くとメロディー、特に派生音の使い方も抜群に良いです。これまでのJ-POPだと、aikoやSHISHAMOに通じる上手さが存在しているように感じました。新機軸・新時代のアーティストと言われているユニットですが、本質的には多くの人々に愛されるJ-POPをそのまま受け継いでいるアーティストのような気もします。

 パフォーマンスの凄さは、先日のNHK紅白歌合戦で明らかになりました。今月は18日にCDTVスペシャルライブでのパフォーマンスも決定しています。テレビがオールドメディアと言われて久しいですが、それでもコアな音楽ファン以外に広く知ってもらうにあたって地上波はまだまだ有効。2021年もまだまだYOASOBIの時代は続くどころかますます強固になる、いや2020年代はYOASOBIが最も活躍した年代、遠い将来そう言われる存在にまでなるような、そんな予感が早くもしているところです。CD発売と同日に、新曲「怪物」も新たに配信。このフットワークの軽さも、2020年代はより大きな要素になるのかもしれません…。

紅白名言集解説・1

 Twitterでは紅白名言集を編集してbotとして運用しています。昭和版が@kouhakumeigen1、平成版が@kouhakumeigen2で、まだ追加途中ですが概ね1000くらいにはなるかと思います。というわけで今年は当ブログ、週2~3回くらいのペースで名言集から1つピックアップして解説する記事を作ることにしました。

 第1回は比較的近い年にしてみましょう。昭和・平成に分ける前から運営していた名言集で、ポルノグラフィティのファン間で反響が大きかったこの名言から。

 第57回(2006年)、ポルノグラフィティが「ハネウマライダー」を歌った際の間奏でボーカル・昭仁さんがギターの晴一さんを紹介したシーンです。この回は歌前に、因島に住む新婚のポルノグラフィティファン夫妻宅から中継がありました。ポルノだけでなく、その後の紅白の歴史を含めても、ファンの自宅から中継が入ったのはこれが唯一のケースだったりします。「ハネウマライダー」がライブで盛り上がるヒット曲、また前年の「ジョバイロ」が曲紹介まるまるカットされた末にラストで歌詞間違え発生したこともあるのか、この年のポルノの紅白は特に張り切っていた印象でした。

 この年以降、一部の年を除いてステージでの昭仁さんのMCは恒例になります。間奏中、イントロ、アウトロなど入る箇所はそれぞれ代わり、内容も年によってはものすごくユニークなケースが発生します。これはまた、適当なタイミングでまた取り上げることが出来れば、と考えています。

2021.1.11 Billboard CHART

 今年は3年ぶりにビルボードチャートレビューを再開したいと思います。と言いましても、非常に各要素事細かに詳細に分析している方は他にいらっしゃいますので、こちらとしましては気になった所を適当にピックアップして、あれこれ思ったことを書く形にしたいと思います。

・2020年の紅白効果

アーティスト順位先週順位ポイント
備考
LiSA12(1ランクUP)18834(2517UP)レコード大賞も受賞
YOASOBI夜に駆ける36(3ランクUP)11893(2442UP)テレビ初披露
LiSA紅蓮華69(3ランクUP)8156(1142UP)
NiziUMake you happy811(3ランクUP)7695(1440UP) 「Step and a step」は3ランクUPの5位
あいみょん裸の心1016(6ランクUP)5841(1193UP)
瑛人香水1117(6ランクUP)5558(947UP)
Official髭男dismI LOVE…1321(8ランクUP)5536(1376UP)
カイト1536(21ランクUP)5226(2599UP)メドレーでフルコーラス披露
King & PrinceI promise2412(12ランクDOWN)3463(2318DOWN)
櫻坂46Nobody’s fault3737(KEEP)2334(287DOWN)
MISIAアイノカタチ43Hot100圏外2065大トリで歌唱
GReeeeN星影のエール44Hot100圏外2044テレビ初披露
GReeeeNキセキ70Hot100圏外テレビ初披露
Happiness77Hot100圏外メドレーのラストで披露
SixTONESImitation Rain83Hot100圏外
miletinside you84Hot100圏外
乃木坂46Route 24686Hot100圏外
日向坂46アザトカワイイ97Hot100圏外

 2020年の紅白歌唱曲でHot100にランクインしたのは以下の顔ぶれです。ポイント数を比較して一番反響が大きかったのは、メドレーでフルコーラス披露された嵐の「カイト」でした。配信ライブを一旦中断停止して紅白で披露する形ということもあって、個人視聴率でも堂々のトップを記録しています。

 LiSAも先週からのポイントが大きくアップしていますが、こちらは紅白に限らず日本レコード大賞受賞、さらに先週までに6度1位を獲得するロングセラー中であることも加味する必要があります。

 YOASOBIも紅白効果があったでしょうか、大きなポイントアップを記録しています。昨日記事に挙げた通り、NHK公式のティーザー動画で比較した反響度はトップを記録しました。年明けて本日1月6日は初のCD作品『THE BOOK』をリリース、その反響も大きいようで、早くも2021年は更なる活躍になりそうな勢いです。

 キンプリ、櫻坂46は紅白出演にも関わらず数字を落としていますが、これは12月リリースによる反動によるもの。逆に言うと紅白出演がそれほどプラスになっているわけではない、と置き換えることも出来そうです。

 Hot100圏外からアップした紅白歌唱曲は8曲。大トリを務めたMISIAが最も順位を上げる形になりました。

・その他注目曲

7週連続TOP10入り中、今週4位の優里「ドライフラワー」。既に大ヒット曲になっていて、Youtubeでの再生数は2800万超。カラオケでもTOP10にランクインし始めています。  名前とPVからてっきり女性アーティストかと思いましたが、男性ソロボーカルです。THE FIRST TAKEにも投稿、またまたソニー・ミュージック所属アーティストですね。デビューは2019年12月「かくれんぼ」、その女性目線としての位置づけらしいです。ブレイクのきっかけはTikTok、ここ発のヒットがこの数年で非常に増加していますね。素敵な歌詞と素敵な歌声、ものすごく目新しいという印象ではないのですが、いつの時代でも共感があって愛されるタイプの楽曲なのかな、という気はしています。CD未発売、ストリーミングや動画再生で上位、ダウンロードでさえもそこそこでラジオオンエアもほぼ圏外。音楽への接し方が、もうCDメインを知る世代とそうでない世代に完全に分かれ始めていて、後者の人口がどんどん増えていってますね。レコードからCDに移り変わる昭和・平成の境目に近いこともしくはそれ以上の変革が、進行している象徴の一つとして位置づけられるヒット曲になりそうです。


 もう1曲ピックアップするのは26位にランクインした川崎鷹也「魔法の絨毯」。ギターの弾き語りをメインにした、昭和の時代だとフォークソングにカテゴライズされそうな楽曲です。”自分には何もないけど君が好きだから愛したい”というメッセージが込められた歌詞もまた、いつの時代でも聴く人をキュンとさせる内容ですね。親近感のあるルックスも、曲にプラスの説得力を与えているような気がします。動画再生数は1500万回超で、こちらも既に多くの人々に聴かれている楽曲となっています。ストリーミングで20位台をずっとピーク、そしてここ何週かはカラオケでも11位~15位と、支持を受けています。




 こんな感じで、来週以降も原則水曜日はビルボードチャートから数曲引っ張り出して、色々書いていければと考えています。出来る限り、自分が過去あまり聴いていないアーティストを最低でも1組書くようにはしたいです。