NHKプラスのサービスで、1週間以内でしたら容易にNHKの音楽番組を見直しすることが出来ます。というわけで毎週、とは言いませんが、気が向いた時にNHKで放送された歌番組の感想を今後書くことにします。今日は先週の火曜日になりますが、1/19放送のうたコンを見て感じたことを書くことにします。
・オープニングは「天城越え」から
紅白歌合戦では鬼滅の刃アレンジで大変凝っていましたが、年に1度の行事とは違ってうたコンのアレンジは概ね通常通り。はっきりと違っているのは生演奏であること。ですので演奏の迫力は、紅白よりも直に見る方に伝わるような気がします。
近年地上波歌番組でのフルコーラスを歌唱する割合も以前より増えてきましたが、今回の放送は2コーラス。紅白歌合戦では10回以上歌われていますが、ラストサビの歌詞は1986年以来一度も歌われていないんですね。テレビで「天城越え」を見るたびに、何となく勿体ないと思ってしまうのは私だけなんでしょうか。
・再び無観客での生放送~氷川きよし・水森かおりと紅白トーク
この状況下またお客さんを呼べなくなった為ホールは少し寂しい風景ですが、その分落ち着いて見られると捉えることも出来ます。氷川きよしと水森かおりを迎えて2020年紅白歌合戦を振り返るトーク。氷川さんのステージはやはり司会者・谷原さんにも好評でしたが、当の氷川さんは高所恐怖症なのだとか。水森さんはフワちゃんと初対面ですが、お茶の間やSNSとは違い礼儀などはちゃんとしているそう。「営業破天荒」という言葉を使う谷原さんですが、私もそうなんだろうなぁという予感はしていました。今の時代、本当の意味で破天荒過ぎる人はメディアに出ることは不可能ですよね…。
そこから作詞家・なかにし礼さんの追悼も込めて氷川さんが「母」を歌います。そして水森さんは、「松島紀行」以来11年ぶりに宮城県を題材にしたご当地ソング・「鳴子峡」を歌います。
「母」はなかにしさんの歌詞もそうですが、それ以上にかつて自ら「吾亦紅」をヒットさせた杉本眞人さんのメロディーにグッと来ました。そして2021年の新曲「鳴子峡」はイントロからいつもと違う作り。相変わらず弦哲也氏の作曲ですが、弦楽器の演奏からいきなりサビに入る展開は小柳ルミ子「星の砂」を彷彿とさせます。CD音源でどうなのかは分からないですが…。氷川さんもそうですが、ストリーミング解禁していないので気楽にすぐに聴けないのは非常に大きな難点です。
歌詞もいつもならば逃避行ですが、亡くなった恋人をテーマにしているのも今回大きなポイント。作詞家のかず翼氏は一応過去「きよしのドドンパ」なども手掛けてはいますが、これまで強く目立った実績はあまりない方ですね。そのため新鮮さが余計に際立ちます。おそらく2021年の紅白でもこれが歌われると思うので、今から予習ですね。衣装や演出はまだまだ不明ですが…。
・相変わらずよく喋るIKKOさんと「飢餓海峡」
『うたコン』ファンのIKKOさんを迎えてトーク。相変わらずの調子でよく喋ります。2020年のベストステージを3つ振り返った後に、石川さゆりさんの「飢餓海峡」が好きだと。1/20に誕生日を迎えるIKKOさんには格好のプレゼントになります(後ろで座っていた細川さんの”あ~めでたい”もありましたが)。
「飢餓海峡」は1994年の紅白歌合戦でも歌われた名曲ですが、当時の演歌がこういう本格的な楽曲を求めていなかった時代ということもあって、あまりヒットしなかったのが大変惜しいです。本来なら紅白でも2度3度歌われて然るべき名曲なのですが…。弦楽器のみのシンプルな演奏に大変映えるステージを展開しました。本気の歌声と表情は、「天城越え」の”越えた瞬間”以上の迫力があります。普段演歌を聴かない人が見ても、異口同音に凄いという言葉が出るパフォーマンスだと思うのですが…。生でステージを見たIKKOさんは号泣していました。
・自分たちのステージを楽しみにしている人の為に走り続ける純烈
ファンのために2020年は色々な活動を模索した純烈。ドキュメンタリー映像が流れます。年明け紅白終了後リーダーの酒井さんが向かったのは、これまで何度もライブをやってきた相模健康センター。ここは今年1月に閉店するそうです。そのため自分たちの原点だった場所を訪ねて、2021年の活動の第一歩をここで踏み出すという決意を話していました。ステージを前に紅白のステージも振り返ります。色々軽妙にふざけたやり取りもしていますが、ファンのためにという気持ちは間違いなく本物です。放送では「プロポーズ」を歌っていましたが、また新しい曲が決まったらその時のステージを楽しみにしたいですね。
・恩師を偲んで歌う「北酒場」
なかにし礼・中村泰士両先生を偲んで歌う「北酒場」。さゆりさんも「風の盆恋歌」『長崎ぶらぶら節』でなかにしさんには非常にお世話になったので、思い出を話していました。40年近く経った細川さんは随分恰幅良くなりましたが、明るさと歌の上手さは当時よりも上でしょうか。
・ラストはモーニング娘。’21の新曲
新年一発目は演歌歌謡曲が多数を占めましたが、ラストはまさかのモーニング娘。’21。曲も「ギューされたいだけなのに」という具合で、流れから考えるとさすがに浮きまくっています。一般層にとってはあまりプラスのプロモーションになっていないような気もしますが…。ただパフォーマンスとつんくさんのクリエイターとしての才能は健在で、”ウサギちゃんシンドローム”なんてフレーズを生み出せるうちはまだまだ大丈夫そうな気がしますね。この辺は20年近く前から一貫しているもしくは一旦脇にそれたものの原点に戻っている、どちらなのかは近年あまり追っていない以上ハッキリ言えませんが、すごく素敵なことだと思います。
ハロプロ勢はYoutubeに関して言えば昔から充実していますが、ストリーミングにはなぜか消極的。確かにここ10年ほど”分かる人に分かればそれで良い”くらいのプロモーションをしている印象もあって、そういう意味ではストリーミングに拘る必要もないのかもしれませんが(以前インタビューで配分などに課題があるともつんくさんは仰っていましたし…)。
コメント