この3年、紅白歌合戦ではすっかり常連ゲストと化した岡村さんですが、彼が初めて紅白に登場したのは第57回(2006年)。12月31日の各スポーツ新聞紙面で初めて発表されるというサプライズゲストとしての出演でした。

 当日は、前半の企画『みんなのうた45年!キッズショー』のNHK東京児童合唱団に紛れ込む形で登場。一旦子どもたちと一緒に舞台裏に戻りますが、企画エンディングでステージど真ん中に再登場。ブレイクダンスで完全に会場を自分の空気にし、コーナー終了後マイクを渡されて大演説。白組司会・中居正広の「もういいですよ」という声を尻目に、ゲスト審査員に次々と握手して、客席の階段を昇っていきますが、その去り際に生まれたのが上記のやり取りです。

 この場面、中居さんには全く事前に知らされていなかったそうです。呆気にとられたと同時に、多少引きつっていた顔がそれを物語っていました。ですが先に書いた通り報道はされていて、会場の出演者でそれを全く知らなかったのは実は(おそらく)中居さんだけ。これは『めちゃ×2イケてるッ!』企画「日本一周健康になれる旅」の一環で、前日からこの日にかけてフジテレビのスタッフとナインティナインの2人に日本各地を連れ回されていました。ですので報道を知る機会がなかった、というより知る機会を作らない為にこういった企画を作ったというのが真相なのだそうです。この様子は、年明けのめちゃイケでしっかり放送されていました。

 30日にNHKホール不在というのは司会者にとって相当大変だと思うのですが、それを可能にしたのが中居さんの技術とこの年のスタッフの思い切り。企画コーナーの必然性という点では議論あるものの、この年の紅白は盛り上がる場面も名曲も比較的多く、平成の中でも確実に上位に入る出来でした。あらためて見返すと、この年の中居さんの司会は他の年と比べて、台本以上に自分の言葉・その時の感性で話す場面が多かったような気もします。平成以降の紅白は台本も分厚くなり、予定調和の場面も多くなりますが、生放送だからこそのライブ感とハプニングもそれと相対する魅力として大きくなりました。SMAPは解散しましたが、どこかの機会で仮に歌手や司会でないとしても、平成の紅白歌合戦に多大な貢献をした人物として、また中居さんを紅白で見られる時が早く来て欲しいと願います。