今週のビルボードチャート~10/20(櫻坂46、King Gnu、LiSA)


 櫻坂46「流れ弾」が1位獲得。40万枚のCD売上は前作より少しアップ、ダウンロードも3位で好調です。前作圏外のストリーミングが今作29位に上がっていますが、LINE MUSICキャンペーンの影響もあるので多少差し引いた方が良さそうです。ちなみにSpotifyではまだ17万再生という状況でした。またCDリッピングは2位、先週総合1位のキスマイの方がまだ順位高いです。

 Stray Kids「Scars」もCDセールスを伸ばして2位につけてます。18万枚の売上は、1年4ヶ月前のシングルの約3.5倍という数字になりました。着実にファンの数を広げています。こちらもLINE MUSICキャンペーンの影響でストリーミング20位、ただ10月6日配信開始でSpotify270万再生なのでキャンペーン無しでも高い数字が出てると捉えて良さそうです。

 13位にKing Gnu「BOY」が初登場、ダウンロード2位につけています。先週のMステSPのパフォーマンスも衝撃でした。またロングセラーになる可能性が高そうです。ダウンロード1位は22位初登場のLiSA「往け」、こちらは劇場版『ソードアート・オンライン-プログレッシブ- 星なき夜のアリア』主題歌になっています。来月は『鬼滅の刃 無限列車編』の「明け星」「白銀」が両A面シングルでリリース決定、10月以降のLiSAはまたまた最注目アーティストになりそうです。

 その他29位にENHYPEN「Tamed-Dashed」、35位は登坂広臣が名義を変えたOMI「You (Prod. SUGA of BTS)」が初登場。またラジオ2位のあたらよ「嘘つき」が総合で83位に登場しています。

1位 櫻坂46「流れ弾」


 櫻坂46に改名してから3枚目の表題曲になりますが、作品のクオリティーは再び上がり始めているような気がします。スピード感のあるトラックと迫力あるダンスは見応えも聴き応えも抜群。メロディーもサビがキャッチーで憶えやすく、非常に印象に残りやすい楽曲に仕上がっています。2016年~2018年の欅坂46のシングル表題曲は今振り返っても傑作揃いですが、今回の曲は十分そのレベルに値する作品と言って間違いありません。一時期にあった暗い雰囲気はもう無く、それでいてクールな色もしっかり残っています。坂道系や48系がここ1ヶ月で立て続けにリリースしていますが、一番完成度が高いのはこの曲かもしれません。

 センターの田村保乃を筆頭に現在の主力メンバーは好キャラクター揃い、一度低迷期を経験していることが今後の伸びについてむしろプラスになっている部分もあると個人的には感じています。日向坂46のように前のめりな雰囲気の明るさではないですが、お嬢様・上品さに天然な面も多く感じさせる彼女たちも楽曲とのギャップも合わせて魅力的です。今もしかすると、坂道系で最も伸びしろのあるグループは彼女たちかもしれません。「Dead End」など、カップリング曲のクオリティーも高いです。今だからこそあらためてお薦めしたい、そんな気持ちです。

13位 King Gnu「BOY」


 先日のMステでのパフォーマンスは衝撃的でした。今回のMVにはメンバーがそれぞれ子どもに扮して演じていますが、トークからパフォーマンスの途中で彼らがそのままメンバーを演じた事例は過去にないと思います。海外のMVではかなり昔にそういった曲もあったようで、いわばオマージュではありますが…。特に井口さんに扮したメインの少年はコメントも良い意味で憎らしく、将来間違いなく大物になりそうな雰囲気がありました。

 MVだけでなく楽曲も童心をテーマにした歌詞になっています。いや、楽曲がそうだからMVもそうなったと言った方が正しいですね。そのせいかどうかは分かりませんが、今回の曲は尖った部分が今までになく少なめで歌声が優しく聴こえます。間奏のドラムや電子音は激しいですが、全体を通すと今までになく温かい気持ちになるような、そんな印象です。いずれにしてもKing Gnuの新境地を味わえる内容で、これまで彼らの音楽を敬遠していた方にもお薦めしたい楽曲です。

22位 LiSA「往け」


 LiSAといえば『鬼滅の刃』、と答える人は現在多いと思いますが、2018年以前に一番の代名詞だったタイアップ作品は『ソードアート・オンライン』でした。「crossing field」「シルシ」「Catch the Moment」「ADAMAS」「unlasting」、その中には彼女の知名度を高めた出世作もあります。個人的に彼女の存在を知ったのは、2012年の「crossing field」でした。

 というわけで、今作はタイアップが決まった時点で名作確定という安定の内容です。以前と少し違う部分があるとすればやはりメロディーで、今回YOASOBIのAyaseが作曲提供をしています。そのメロディーはAメロやサビなど各パート間の差が抑えめで、全編のストーリー性を重視した構成になっているのが特徴的。ただダイナミックなLiSAさんのボーカルを活かした内容であることは共通しています。ラストで歌い上げるシーンは鳥肌モノですが、そこに至るまでの前フリがしっかり作られている証でもあります。

 今年のLiSAは配信・フィジカル合わせて新しい曲が非常に多く、そのどれもが”挑戦”という言葉で表現可能になっています。『鬼滅の刃』タイアップは12月以降Aimerに譲る形になりますが、彼女の活動は来年以降も非常に楽しみです。

 

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