紅22(全体48):MISIA(3年ぶり3回目)
・1998年デビュー 第63回(2012年)初出演
・1978年7月7日生 長崎県対馬市出身
・タイトル:「アイノカタチ 2018」
楽曲1:「アイノカタチ (feat. HIDE GReeeeN)」(2018/8/22 シングル)
詞・曲:GReeeeN
楽曲2:「つつみ込むように…」(1998/2/21 シングル)
詞・曲:SATOSHI SHIMANO
Key:重実 徹 Dr:TOMO Ba:JINO Gt:吉田サトシ Sax:鈴木明男 Org/Cho:佐々木久美 Cho:ギラ・ジルカ Perc:ASA-CHANG Str:弦一徹ストリングス
踊り:STEZO、TAKUYA、YOSHIE
・歌唱前テロップ:デビュー20周年 ドラマ主題歌がヒット!「アイノカタチ」
・歌唱中テロップ1:作詞作曲GReeeeN 大ヒットドラマ主題歌
・歌唱中テロップ2:20年前のデビュー曲
・演奏時間:5分12秒
紅白の出場は3回目ですが、NHKホールで歌うのは今回が初。また、GReeeeNの曲が紅白で歌われるのも初。佐藤健が出演していたTBS系ドラマ『義母と娘のブルース』主題歌として支持された楽曲、フルコーラス歌うかとも一瞬思いましたが意外にも1コーラス半。この流れでいくとやや演奏時間短いかなと思ったら、なんともう1曲。ダンサーが登場して、度肝を抜かれる超高音で始まるデビュー曲「つつみ込むように…」の演奏が始まります。正直2曲やることもこの曲を歌うことも完全に予想外だったので、ビックリしました。
圧倒的な歌唱力は前日のレコ大でも話題になっていましたが、この日はもうそれ以上のステージでしょう。ラストの16秒にわたる超超ロングトーンはおそらく、日本ではMISIA以外出せる人がいないのではないでしょうか。圧倒されました。このステージに、司会者3人も大感激。
(ウラトーク)
「どの仕事も頑張っていきたい」と来年の抱負を述べて、宮野真守が退席します。
MISIAのステージについては、「CD何枚持ってるか、ですよ」「超モノマネしていました、学生の時」。一応手を振りますが、「MISIAくらいになるとこっち見ませんよ」と既に伊達さんは達観。「みんな世界観が凄いね」「同じステージで行なわれてると思えないですよね」「切り替えがちゃんと出来るから凄いんだよね世界観同士でね。さすが一流アーティストだよね」。
「つつみ込むように…」の演奏が始まると、「これ歌うんだ!」「あの声出せない!」とウラトーク席も大興奮。伊達さんも直美さんもこのCDを持ってるみたいです。伊達さんはイヤモニを外し始めました。「後ろの人が昔の木の実ナナさんみたい」と富澤さんはこの状況でもしっかり仕事しています。直美さんはモノマネで思いっきり熱唱し始めました。
超ロングトーンを披露している間にaikoがウラトーク席に登場します。やはり最初は雨宮アナが泣いていたという話題になりました。
(解説)
・圧倒的な歌唱力に比べてヒットした曲は意外に少なく、特に2000年代後半以降の代表曲は「逢いたくていま」「オルフェンズの涙」などのドラマ・アニメ主題歌が目立ちます。「アイノカタチ」も同様でドラマ『義母と娘のブルース』主題歌、ドラマ自体も高評判で最高視聴率を記録したのは最終回でした。
・GReeeeNの提供曲が紅白で歌われるのは初ですが、ヒット曲の提供は意外に多いです。NEWS「weeeek」にAAA「虹」、氷川きよしにも「碧し」という楽曲を提供しています。
・松任谷由実や福山雅治など、この年から生演奏のステージには原則演奏者の名前がクレジットされるようになりました。弦一徹ストリングスは「ひこうき雲」のステージにも登場しています。ちなみに弦さんの本名は落合徹也で、かつて第41回(1990年)にインストゥルメンタルバンド・G-クレフのステージで紅白歌手(といっても演奏のみでしたが)として出場しています。
・「つつみ込むように…」は1998年2月に発売されたメジャーデビューシングルです。ラジオやCSでのオンエア、タイアップになっているCMがあるたびにCD売上を伸ばしていました。かくいう私も、リアルタイムで歌い出しのロングトーンに強い衝撃を受けた一人です。
白22(全体49):ゆず(4年連続9回目)
・1997年デビュー 第54回(2003年)初出場
・41~42歳・2人組 神奈川県横浜市出身
・楽曲:「うたエール」(2018/2/9 配信)
詞:北川悠仁 曲:北川悠仁・蔦谷好位置
・歌唱前テロップ:北川悠仁直筆歌詞とともに「うたエール」
・歌唱中テロップ:直筆歌詞で全国へ届けるメッセージ
・演奏時間:2分56秒
ここで桑子アナが訂正アナウンスのために登場。AKB48の映像で紹介されたタイの王女の名前が間違っていて、正しくはウランボットではなくウボンラット王女ということです。
7月6日に起こった西日本豪雨。その時ゆずは翌日行われるライブのため広島にいました。公演は中止、急遽関東に戻って「うたエール」を弾き語りでレコーディング、その収益を全て広島に届けたというVTRが流れます。歌前には北川悠仁がコメント。延期公演で歌った時には「みんなにやっと会えたねという、そんな思いを確かめるように歌ったことを今でも思い出します」と話しました。
完全弾き語りステージ、歌詞テロップと曲名クレジットは全て北川悠仁の直筆。勿論他にある演出も照明くらいのもので、まさしく純粋に声と音だけで聴かせる内容でした。Cメロからのサビはマイクからも離れて直で歌唱、客席から手拍子も自然に入ります。”ありがとう平成最後の大晦日 始まる新たな時代へ 届け 僕らの声”、ラストはまさしくこの紅白のために作られた歌詞。本当に見事でした。2019年は史上初となる弾き語りでのドームツアー開催決定、こちらも相当素晴らしいものになりそうです。
(ウラトーク)
「直美さんがカブトムシの時にライト振ってくれてたのめっちゃ嬉しかった」と直美さんに直接報告。雨宮アナは「動いているaikoさん見ているだけでもう十分です」。「ナキ・ムシ」「桜の時」などもカバーしていたようです。「泣いてたんです、aikoさん歌ってる時」「ありがたい、助かります本当に」「助かります?」aikoさんの一言に伊達さんが反射的にツッコミを入れています。雨宮アナが非公式ながらも結婚することを伊達さんが報告、「ああ、じゃあちょっと、歌いに」…。「いや、ちょっともう、はい…。聴けるだけでいいです」。ただマジメなVTRの中で結構な大声だったので、前からうるさいというクレームがあったようです。
さすがに司会席の所でウラトークの声は聴こえていないようです。ただ客席に一番近い審査員席の野村萬斎には聴こえているようで、「ちょいちょい萬斎さん睨まれるんですよ」「殺すぞ、というな目で見てる」。aikoさんも「言うてました、目が言うてました」と話しているので、結構な声量であることは間違いなさそうです。
「楽屋隣なんですよ」「外で岩沢くんがギター弾いたりとかしていましたね」。ゆずとaikoはオールナイトニッポンきっかけに交流あり、「ラジオで時間の、10時~12時、1時~3時みたいな」という説明をここではしています。
ユーミンとの共演は1度「ひこうき雲」を歌ったことがあるようです。悠仁さんと一緒に、お正月にユーミン家を訪れて手作りの紅白なますを頂いたこともあるそうです。ただ家でも緊張はしたままのようです。
さすがにアカペラに入ると空気を察して少し静かになりました。その後出場歌手が集まっている様子も伝えます。ここでaikoも合流のため写真撮影して退席。雨宮アナはこの時だけ一緒に写真に入ってきました。
(解説)
・この年の豪雨は「平成30年7月豪雨」と気象庁に命名されています。西日本中心に被害は甚大で、死者263人は平成以降最多、昭和に遡っても1982年の長崎大水害以来の数字でした。広島では2014年と同様に土砂崩れが相次ぎ、岡山県は特に倉敷市真備町の冠水被害が大きくなりました。
・ゆずは7月7日・8日に広島グリーンアリーナ公演開催予定でしたが中止を決断。レコーディングしてすぐの20日に「うたエール」の弾き語りバージョンが急遽デジタルリリースされます。VTRにもある通り、収益金は全額広島県に義援金として寄付されました。
・CDシングル「マスカット」、他に「公園通り」「マボロシ」のリリースもありました。「マボロシ」はNHKドラマ『昭和元禄落語心中』のテーマソングでしたが、この年のエピソードを重視して「うたエール」が選曲されたという経緯があります。
・歌詞および曲名テロップが全てアーティストの直筆手書きで表記されるのは、紅白歌合戦始まって以来初めてのことでした(曲中のみは第49回(1998年)さだまさし「北の国から ’98」演奏中の直筆メッセージあり)。ただ曲名テロップは第39回(1988年)まで手書きフォント、歌詞テロップは第33回(1982年)以降の制定で初期は手書きで書き直したと思われる箇所も存在しています。
紅23(全体50):石川さゆり(35年連続41回目)
・1973年デビュー 第28回(1977年)初出場
・1958年1月30日生 熊本県熊本市出身
・楽曲:「天城越え」(1986/7/21 シングル)…2年ぶり11回目
詞:吉岡 治 曲:弦 哲也 ギター:布袋寅泰
・歌唱前テロップ:和楽器&布袋寅泰と届ける「天城越え」
・歌唱中テロップ:ギター布袋寅泰と届ける”日本の心”
・演奏時間:3分58秒
「皆さんにも私にも今年は色んな日がありましたけど、でもやっぱり、日本って、歌って、日本人っていいよねぇって思って頂けるそんな歌を歌ってみたいと思います」。歌前にさゆりさんがこうコメントします。一方内村さんに振られた出川哲朗は「これこそホントのヤバイよヤバイよ」「いつもそんなにヤバくないから本当は」。曲紹介は「過ぎゆく時代、残るは人の心。石川さゆりさんで「天城越え」」。
紅組ラストは布袋寅泰との共演ステージ。第59回(2008年)でマーティ・フリードマンが冒頭だけギター演奏したことがありましたが、今回はイントロだけでなくラストまで終始ギターで盛り上げます。2番に至ってはさゆりさんの横でガンガンギターの音を鳴らしていました。それ以外でも今回は尺八や箏・琴などの和楽器要素が強く、オリジナルとかなり違うアレンジになっています。内容はもう高値安定で、特に言うことありません。相変わらずの鬼気迫る熱唱でした。
3年連続で紅組トリですが、「津軽海峡冬景色」も含めて独自色は年々強くなっているようです。だったら別の曲に…という気持ちも当然ありますが、よく考えるとカラオケランキングでは何十年もずっと年間ランキング上位に入っています。「津軽海峡・冬景色」「天城越え」2曲の強すぎる支持を考えると、この12年間繰り返しの選曲になるのも致し方ないのかもしれません。布袋さんは第57回の夫婦共演以来12年ぶりの紅白ですが、彼にもれっきとしたヒット曲が多くあります。どこかの機会で、歌手としてのステージも紅白で見たいところです。
(ウラトーク)
宮城中部で震度3という情報に気をかけるサンドの2人(テロップも入りました)。布袋さん出演の情報にまたビックリ。「ちょっと皆さんの目が冷たくないですか?大丈夫ですか?」「萬斎さんもうブチ切れです今」。伊達さんがその時の萬斎さんを顔マネ、「それで怒られますよマジで」。「あとでちゃんと謝りに行かないとね」とさすがに反省する伊達さん。
「ちょっとごめんなさい、これは聴きます」。ちなみにサンドは番組企画でこの前天城越えして、浄蓮の滝にも行ってきたそうです。「越えるか?越えるか?越えた!」担当が変わってもこのくだりは健在でした。
さゆりさんの横に立った布袋さんの大きさに、一同全員でツッコミ。「生で見るとめっちゃデカい」。ラストの決め顔にも魅了されますが、「野村萬斎さんこんな顔してましたからね」という一言はさすがに余計だったかもしれません。
(解説)
・布袋寅泰は妻の今井美樹と共演した第57回(2006年)以来12年ぶりの紅白出場になりました。BOOWYのギタリスト以来実績は絶大で、「POISON」「スリル」「バンビーナ」など1990年代中心にヒット曲も多数。ただ紅白での歌披露は、第72回(2021年)でようやく実現する形になりました。
・「天城越え」「津軽海峡・冬景色」が交互に選曲されるようになったのは第58回(2007年)以降のことです。前年に前半トリで「夫婦善哉」を選曲しましたが、その時の個人視聴率があまり良くなかったという事情もあるのかもしれません。それ以前の紅白では「能登半島」「風の盆恋歌」など、例の2曲以外の過去曲が選曲される機会も時々ありました。
・3年連続紅組トリは第26回(1975年)の島倉千代子以来43年ぶり、美空ひばりを含めて史上3人目の記録です。また3回とも大トリではない連続トリは、第22回(1971年)の森進一以来47年ぶり2回目のケースでした。9回のトリは現在美空ひばり・北島三郎・五木ひろしの13回に次ぐ歴代4位で、森進一と並ぶ回数になっています。
・なおサンドウィッチマンが天城越えした番組は2018年6月に放送された『帰れマンデー見っけ隊!!』のようです。この年4月からゴールデンに進出して現在に至ります。他、水森かおりと共演したのは東北放送の『サンドのぼんやり~ぬTV』、三浦大知との共演はSTVテレビ『熱烈!ホットサンド!』。テレビ・ラジオ含めた現在のレギュラーは10本を軽く超える本数になっています。なおSTVの番組は2021年3月にレギュラー放送終了となりました。
白23(全体51):嵐(10年連続10回目)
・1999年結成・デビュー 第60回(2009年)初出場
・35~38歳・5人組
・タイトル:「嵐×紅白スペシャルメドレー」
楽曲1:「君のうた」(2018/10/24 シングル)
詞:ASIL 曲:多田慎也・A.K.Janeway
楽曲2:「Happiness」(2007/9/5 シングル)…2年ぶり3回目
詞:岡田実音 曲:Wonderland
・歌唱前テロップ:5人が訪ねた福島の映像・写真とともに
・歌唱中テロップ:次の時代に新たな一歩を
・演奏時間:5分13秒
大トリですが、VTRが用意されています。福島県の飯舘村をメンバーが訪れた映像です。来春から牛の放牧を再開する農家、花の栽培を再開した農家、避難指示解除後すぐに店を再開したうどん屋…。訪れた5人が感じたのは、”あたりまえの尊さ”のようです。
VTR終了後、「ふるさと」のインストをバックに、嵐の5人がステージでそれぞれ話します。
相葉「あしたに向けて歩み出した飯舘村の皆さんと出会い、ありふれた日常のありがたさを実感しました」
松本「飯舘村は今年から3月11日を、当たり前をありがたいと思う日に制定しました。そして村の人の声をもとに、宣言を発表しました」
大野「あの日なくした当たり前が恋しくて恋しくて泣いて、そして気づいたのです」
二宮「当たり前と思っていた毎日は、たくさんの尊い営みや思いやりや愛情で、大切に紡がれていたのだと」
櫻井「阪神淡路・新潟中越・東日本…、多くの災害に見舞われた平成。明日が、そして新しい時代が希望と優しさにあふれることを祈って歌います」
メッセージソングとして歌われるのは2018年の新曲「君のうた」。日常の大切さを描いた歌詞は、こういう形で聴くと大変説得力のある内容です。過去の持ち歌でなく、新しい曲をこういった形で選曲するのは大変意義のあることで素晴らしいです。
メドレーのラストはライブで盛り上がる定番曲「Happiness」。「さあラストはみんなで会場の皆さんも、そしてテレビの前の皆さんも、笑って新しい年を迎えましょう!」という二宮さんの呼びかけが入ります。「日本全国ご唱和ください!」と呼びかける櫻井さんは、ウラトーク席にも盛り上げを促していました。5人がそれぞれNHKホール中を駆け回るステージも、紅白3度目の歌唱となるともはや定番の演出と言えるでしょうか。あらためて振り返ると、国民的アイドルグループがやるべきステージを見事に体現したという内容でした。
(ウラトーク)
「萬斎さんマジどんな顔なんすか」とtwitterのメッセージを読み上げます。伊達さんがその顔を披露したようですが、本当に怒られないかこちらも心配になってきます。さすがに映像の内容が内容なのですぐVTRメインに話を移します。「嵐は本当に東北の被災地に寄り添ってくれるんですよ、本当にありがたい」。うどんの映像を見てお腹がすいたというタイミングで「明日また7時入りですからね、俺らNHKに朝」と突然文句を言い出す伊達さん。ですがラストは「よし、今度食いに行こう!」。サンドウィッチマンの東北に寄り添う気持ちは、本当に一貫しています。
トリで集まる出場歌手の話題になり、YOSHIKIやHYDEの名前も挙がっています。そして「武田はいないんですね」「帰っただろ」「強制的にね、帰らせられてる」。こんな形でまた武田真治が話題に挙げられてます。ステージは「いい笑顔だなぁ」としみじみ。櫻井さんと二宮さんが手を振ってくれたことに大喜び。「振ってくれたら笑顔になった、嬉しい」「みんなを笑顔にする嵐、素敵」「元気もらいました、嵐ありがとう」「ありがとう嵐」「LOVEだよ」。
「Happiness」ではこちらも立ち上がります。「床がボヨンボヨンしてるけど大丈夫かな」「そろそろマモノが出てくるかな」。紙テープはウラトーク席にも降り注いで、顔に直撃したようです。
(解説)
・飯舘村・浪江町・葛尾村…。これらは福島第一原発事故によって全域が計画的避難区域に指定されました。避難指示は2017年3月に解除されましたが、震災前の人口6000人は現在1000人近くの数字になっています。
・「君のうた」は相葉雅紀が主演したドラマ『僕とシッポと神楽坂』の主題歌でした。相葉さん主演作品がなかなか紅白で選曲されない状況が続いていましたが、このタイミングでようやく初めて歌われる形となっています。なおこの年の他のシングルは「Find The Answer」「夏疾風」がありました。
・「Happiness」のCD売上は意外とあまり高くなく、2007年の年間売上でも15位止まりでした。ただ後年ライブや歌番組などで披露する機会は非常に多く、紅白で歌われた回数も最終的には一番多くなります。高校野球の応援で演奏される機会が多いのも、この傾向に拍車をかけているのかもしれません。
特別5(全体52):サザンオールスターズ(4年ぶり5回目)
・1978年デビュー 第30回(1979年)初出場
・62~64歳・5人組
・楽曲1:「希望の轍」(1990/9/1 アルバム『稲村ジェーン』)
・楽曲2:「勝手にシンドバッド」(1978/6/25 シングル)
詞・曲:桑田佳祐
・歌唱前テロップ:新たな時代へ!願いをこめて
・歌唱中テロップ:次の時代へ希望の歌を
・演奏時間:8分50秒
特別枠ということですが、最終審査は次のステージが終わってからということです。今年デビュー40周年を迎えたサザンオールスターズがいよいよ登場。コメントを求められた桑田さんは「何年経っても緊張しちゃいます」「お茶の間の皆さまも会場の皆さまも、盛り上がって楽しくなって頂ければと。頑張ります」。35年ぶりのNHKホール、衣装は正装でビッシリ。過去3回のラフ過ぎる服装とは全く違います。
VTRでも過去のヒット曲とともにこれまでの足跡を振り返ります。「いとしのエリー」は第30回の紅白映像、ただ「チャコの海岸物語」は紅白でなくレッツゴーヤングでした。他に「勝手にシンドバッド」(レッツゴーヤング)、「LOVE AFFAIR~秘密のデート~」(ポップジャム)、「TSUNAMI」(同)、「東京VICTORY」(SONGSスペシャル)、そして2018年の「壮年JUMP」(クローズアップ!サザン)の映像が流れます。曲紹介は内村さんが担当。「平成という時代への感謝の思い、そして次の時代が希望に満ち溢れることを願って。サザンオールスターズの皆さん、お願いします!」
松田弘のドラムの音から始まる生演奏、楽曲は1990年に発表された「希望の轍」。数多くあるサザンの楽曲の中でも特にとびっきりの名曲です。昭和だけでなく平成でも非常に多くのヒット曲があるサザンですが、これまでNHKホールの紅白で歌われる機会は全くありませんでした。単純に、いま大晦日にNHKホールでサザンが歌っているという事実に酔いしれる時間となっています。思えば中継とは言え、特別ゲストとして桑田佳祐が紅白に戻ってきたのは2010年・第61回。気がつけばそこからでも8年経ってます。前回の紅白は朝ドラの小芝居にも参加したりするなど、年々紅白歌合戦に積極的になってはいましたが…。
間のコール&レスポンスを経て、サンバのダンサーが一斉に登場してデビュー曲「勝手にシンドバッド」の演奏が始まります。気がつけばNHKホールは観客席も完全総立ち。桑田さんも舞台から降り始めて、完全にスイッチが入り始めました。どさくさ紛れに岡村隆史がけん玉に成功、2番サビからは歌手もステージに全員集合します。
まずは北島三郎と握手、「ありがとサブちゃん!」と歌います。更にaikoが引っ張り出すような形で松任谷由実が桑田さんに抱きつきます。ここからは一緒に腰まで振るわデュエットするわで、怒涛の光景が目の前で繰り広げられます。完全にあり得ないレベルの祝祭感です。「ララララララ、ユーミンさん」「ララララララ、桑くん」。2人がテレビで共演するのは31年ぶりのことらしいです。この感覚は、ジャンルは違いますが『笑っていいとも!』の最終回に近いです。ラストはウッチャンに、翔さんに、桑子さんに、すずちゃんに、サブちゃんにそれぞれ感謝。そのまま舞台上で仰向けに倒れて金テープが放射されるフィニッシュでした。
「NHKホールすげーぞ!」「すご~い!最高!」「なんだか幸せです!」紅白歌合戦のみならず、日本の流行音楽史・テレビ史に残る映像として、間違いなく何十年もその先もずっと永遠に、後世に語り継がれる伝説のステージです。
(ウラトーク)
チコちゃんの隣りにいる武田真治を雨宮アナが発見、直美さんが何度も声をかけます。「女と喋ってる」ようです。伊達さんはあえてVTRに集中。結果、「一回ガッツリ目合ったんですけど無視されました」「俺らここで文句言ってるの伝わってるんじゃないの」。
ステージが始まると当然立ち上がって観客モード。直美さんは「ちょっとイヤホンはずしまーす」。伊達さんは「うわー生歌だ。ちょっと感動しております今」。富澤さんは「武田がこっち見てるよ」。武田真治はボルテージが上がり過ぎて、今にもステージに行きそうな状況になっているみたいです。野村萬斎が笑顔になっていることも確認。ステージは大盛り上がり、「もう床がブヨブヨだけど落ちてもいいや」という言葉まで出てきました。
「勝手にシンドバッド」前のコール&レスポンスにも参加。直美さんはずっと独特のリズムでノリノリの声がマイクに入ってます。「これ、副音声聴いてる人は何を聴いてるんだろう」。ドサクサに紛れてけん玉をする岡村さんにも注目。
「ヤバいんだけどマジで」。このタイミングで萬斎さんからレスをもらったみたいです。ユーミンと桑田さんのデュエットには完全に大興奮。終わった後の感想は「なんだこれは…」。
(解説)
・サザンオールスターズが白組歌手として出場したのは第30回・第33回・第34回。そのうち過去映像で取り上げられたのは第30回のみでした。第33回は三波春夫をパロディーしてNHKからこっぴどく怒られた伝説のステージ、第34回は「東京シャッフル」を楽器無しで踊るという内容だったので、VTRで振り返るには少し違うといった所だったのかもしれません。
・「希望の轍」は1990年に発表された、桑田さん監督の『稲村ジェーン』挿入歌。主題歌「真夏の果実」とともにサザンの定番として長く歌い継がれている楽曲です。結果的にこの曲が、平成の紅白最後に歌われた平成の曲になりました。
・「勝手にシンドバッド」は昭和53年・1978年発表のデビュー曲ですが、実は平成のヒットソングでもあります。2003年に12cmマキシシングルで再発売された際にオリコン週間ランキング1位を獲得、30万枚近くも売り上げました。
・桑田さんとユーミンの共演はスポーツ紙の記事でも真っ先に取り上げられました。直接共演したのは1987年の『Merry X’mas Show』以来31年ぶりだったようです。両者ともJ-POPの歴史を作り上げたと断言できる最重要人物で、紅白どころかこうやって一緒に歌うこと自体が非常にレアなことでした。後ろでMISIAや石川さゆり、YOSHIKIやHYDEまで一緒に盛り上がっていることもこの瞬間の価値をおおいに高めています。
エンディング
興奮醒めやらないまま最終投票。サザンオールスターズは白組でなく特別枠なはずなのですが、見ている方は正直そんな事情はよく知りません。ゲスト審査員は9対2の大差で紅組ですが(白に入れたのは長谷部誠と小平奈緒のみ)、観客席はやはり白の方が多そうです。恒例となっているステージのダイジェストを経て、桑田さんは「夢の中にいるようです」とコメントしてますが、おそらく見ていた人も同じ感想だったのではないでしょうか。
結果発表、ゲスト審査員は先述した通り紅組。会場は1176 vs 1453で白組。視聴者は、240537 vs 411931で白組。今回は各項目別の勝敗で決める形なので、結果は2対1。白組優勝です。野村萬斎が櫻井さんに優勝旗を授与。ちなみに桑子アナが「紅組に優勝旗が渡されます!」とかなり盛大に間違えています。
白組勝利の嬉しさとともに、紅組も含めて感謝を述べる櫻井翔、「悔しいですけど楽しかったです」と話す広瀬すず。ラストは都倉俊一の指揮で「蛍の光」の合唱です。
都倉さんの後ろで大笑いしている星野源他数名、引きの絵で確認する限り視線は一斉に胸に手を当てて歌うものまねJAPANでしょうか。真後ろにいるのも刀剣男士なので、この周辺のカオス度が凄いことになっています。イカ大王もやはり目立ってます。
aikoとMISIAが隣同士で一緒に歌ってます。紅組歌手としても出演したYOSHIKIは白組側、宮本浩次はオープニング同様紅組側でした。特別出演の桑田佳祐と北島三郎がツーショット。そしてやはり昔の仲間ということで、トリ以降岡村隆史と武田真治はチコちゃんも含めてずっと一緒でした。ラストは第九のアレンジが入ります。最後は内村さんがまとめます。
「いろんな奇跡が起きました。そんな紅白歌合戦でした。平成最後の紅白でした。2019年素晴らしい年でありますように!」「皆さん、良いお年を!」
(ウラトーク)
「全日本の白と紅ですよ」と伊達さん。最終審査、直美さんは「紅がんばれ♪」とやや紅組寄りの模様。ハイライト映像を見て「すごい前のことみたい」「なんか終わって欲しくないねぇ」。
「ウラトークのおかげで人生初めて通しで紅白見た。さすが平成最後、豪華で面白かった!」とのメッセージも届きました。
最終結果については「ゲスト審査員と視聴者の温度差ね。ゲスト審査員だって圧倒的に紅だったもん」「まあでもね…。紅組も白組も優勝ですよ!」「朱色!ピンクです!今年はピンクでした!」。
「蛍の光」に入ります。「わあ、ものまねJAPAN腹立つわあれ見て」。ラストの感想は「いいもの見れた」「最高でした」、そして一同「みんなありがとう」「良いお年を!」。
(解説)
・全投票数を集計することで視聴者審査の比重が9割を超えた前回までと違い、この回と次回はゲスト審査員・会場・視聴者ごとに勝敗を決める形になりました。なおこの年の会場審査も麻布大学野鳥研究部の集計ですが、テロップでの紹介はありません。
・AKB48や乃木坂46に欅坂46といったグループにカメラが向けられるシーンは多かったですが、反面紅組の若手ソロ歌手がほとんど映らず参加か不参加かも判別がつきにくい状況です。TWICEはゲスト審査員前、引きでようやく確認できる場所でした。あとは出川哲朗が裏番組に映るか映らないか位の時間帯なので、一足先にステージから引っ込んでいるようです。なお合唱団やダンサーは不参加、階段上の両端で純烈と欅坂46の5人(渡辺梨加、守屋茜など)が良い位置で目立つ形になりました。
・EXILEも例のごとくCDTVスペシャルのトップバッターのため不参加。ジャニーズも今回は大トリの嵐のみで、東京ドーム移動後でした。白組も人数は多いですが不参加アーティストも紅組と比べてやや多め、その中でSuchmosのメンバーが律儀に残っているのが印象的でした。
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