2021.12.7 Perfume Reframe TOUR 2021

ライブレポ

 昨年の2月にPerfumeのドームツアーを見に行って以降、コロナ禍のためコンサートに行くのが非常に難しい状況になりました。ライブレポも配信を数回見たのみで当ホームページで取り上げる機会がめっきり減りましたが、ようやく現場へ見に行くことが出来ました。今回は2018年・2019年に開催されたReframeの全国ツアー版。12月7日に神戸国際会館こくさいホールで開催された公演について書きます。

開演前の様子

 全国5ヶ所のホールで行なわれるReframe公演は、席がS席とA席に分かれていました。S席の入場が終わった後に、A席の入場が始まります。私はA席を購入しましたが、1階席8列目という思わぬ前方でビックリ。もっとも席は右端に近く、実際の公演ではセットに隠れて見えない場面もありました。S席が充てられた位置はおそらく、1階席中央のエリアで間違いないと思われます。

 入場は今回紙チケット無しで、全員が電子チケットの認証式でした。本人の顔とチケットのQRコードをかざして入場するシステムは新鮮ですが、おそらくホール・アリーナ主体のJ-POP系は今後このスタイルが主流になっていくのだと思います。実際、Cloakを活用した電子チケットの導入は数年前から既に大きく進んでいます。

 座席は1席おきではなく、全て埋まる形になりました。下の写真にもある通り、この公演は完全着席・マスク着用・声出し禁止。そのため50%以内の収容にはならない形です。Reframe自体がそもそもそれを前提としない公演です。2年前に行った時も、P.T.A.のコーナーやチーム分けなどはありませんでした。

 グッズは公演後のMCによると、ライゾマティクス全面監修のようです。普段はメンバーがグッズ内容を決めているようですが、のっちが喋った話では「ファンの俺が決めたグッズ」ということです(笑)ラインナップは写真に撮りましたので、ご覧ください。確かに言われてみると、女性向きのかわいいグッズの少なさが、普段と一番違う部分なのかもしれません。


主な前半の公演内容

 セットリストなど、主な内容は2年前と大きく変わりません(当時のナタリーによるレポ)。ただ次々と新しい事柄に上書きされた初見時と比べると落ち着いて見ることが出来たので、一つずつ感想を書いていきたいと思います。

 スクリーンに流れるオープニング映像から「DISPLAY」のパフォーマンスで公演が始まります。映像はこれまでの歴史を振り返る内容で、結成時の3人がインタビューを受ける場面も含まれています。その後に大きなセット上でスタンバイする3人の姿は、本当に実物なのかな?と一瞬思いました。1年10ヶ月ぶりに生で見たからという理由もありますが、それだけ映像と地続きのパフォーマンスであったことは間違いありません。

 マイクテストさえもパフォーマンスに昇華する演出は、2年前も見ましたがやはり只者ではありません。「ア、ア…」の声に合わせて映像が反応しているように見えますが、本当は映像に3人が合わせている演出です。

 「リニアモーターガール」など過去曲の振付を次々披露するメドレー演出では、「Time Warp」や「Challenger」などの新しい曲もしっかり追加されていました。2019年の紅白歌合戦にも流用された演出の「FUSION」を経て、次の曲に入ろうとしたところで静寂が発生します。

Reframe公演初のハプニング発生

 舞台暗転、前方に座っていたこちらにはスタッフの声が聴こえます。段取りの間違いでしょうか機材に何かあったでしょうか、会場に少し緊張が走ります。

 ただ観客のどよめきはありません。声出し禁止なのでそれをしっかり守っている結果でもありますが、随分落ち着いた様子です。一方演者の3人も暗転の中、フォーメーションを作って待っています。やや間は空きましたが、なんとか次の曲「edge」のイントロが流れ始めて一件落着。事なきを得る形になりました。

 終演後のMCではあ~ちゃんがこのハプニングに言及。本来ならザワザワしそうな所をじっと待っていたお客さんを指して、自分たちのことを信頼していたと捉えたようです。長年各アーティストのライブを見ていると、Perfumeのライブは演者とオーディエンス間の親和性が特に高いことが本当によく分かります。今回の件も間違いなくその一つで、話しながらあ~ちゃんが感動で涙を流していたのは言うまでもありません。そして、ファンも含めた経験値の高さを強く感じさせる場面でもありました。

後半~アンコール

 「シークレットシークレット」のステージはこれまでのReframe同様、途中から歌詞をカットアップして楽曲を再構築する編曲になっています。2008年に発表されたこの曲のMVはインディーズ期からブレイクまでの足跡を暗示した内容でした。そう考えるとReframeで演奏される楽曲としては実に自然です。

 大掛かりなセットがいくつも登場する中で、レーザー照明のみの広い舞台でパフォーマンスされる「無限未来」。シンプルな演出によって、Perfumeの強いフィジカルがアピールされています。本編ラストはLEVEL3ドームツアーのアンコールでも印象的だった「Dream Land」。オーロラをイメージした布が天井でヒラヒラしている中で、ハンドマイクを持って歌うパフォーマンスで締めます。

 アンコールは新曲「ポリゴン・ウェイヴ」。どちらかと言うとじっくり見るタイプの楽曲だと思いましたが、冒頭から手拍子を入れている人がいます。少しずつその人数は増えますが、よく見るとあ~ちゃんが振付の合間で器用にそれを促しています。というわけで終盤は会場ほぼ全員の手拍子が入るパフォーマンスになりました。

ラストのMC、感動の結末かと思いきや…

 普段の公演ではダラダラ長々盛り沢山のMCですが、今回はラストで3人それぞれの挨拶があるのみ。あ~ちゃんはReframeの内容について軽く説明、今回のツアーをやるにあたって1年前から準備していたことを話します。上で書いた通り、一番のメイントピックスは公演中に起きた静寂のハプニングでした。

 かしゆかも一通りホールを埋めた観客と公演に関わった全ての方々に感謝の言葉を述べた後で、のっちの喋り。彼女は時にあ~ちゃん以上に突拍子も無いことを話しますが、この日は特にそれが強く出た形になりました。

 いつも常に凄い演出をしてくれるライゾマティクスの関係者に感謝の念を述べた後、今回のグッズがライゾマ監修であることを説明。そのまま「お帰りにグッズを是非買ってください」という宣伝に繋がってひと笑い起きた後に、最後の締めの一言。

「そんなところで失礼させて頂きます」

 グダグダな終わり方に場内大爆笑。あ~ちゃんは「電話してるの?」とツッコミを入れながら大笑い、かしゆかはこれまでに見た記憶がないくらいツボに入ってしまいました。

次はやはり声ありのステージを…

 ただやはり、観客としては声を出したいものです。メンバーを呼ぶ声、ファンとの会話、恒例のチーム分け、PTAのコーナーにイントロが流れた時の歓声…。それが一切ない公演も結果的に全く悪くはなかったですが、やはり寂しさはあります。それはパフォーマンスする側も同じで、あ~ちゃんが「次に会う時は皆さんの声も聴きたい」という内容のことを最後に喋っていました。

 コロナ禍直前の2020年2月のドームツアーも、ほぼマスク越しとは言え声出しはOKという状況でした。日本では一時期と比べて新規感染者は大きく減っていますが、海外ではまだまだ収まらずそれどころかまた新しい変異種が生まれる始末。これではいくら個人の対策をしたところで、なかなか元に戻りようがありません。

 とは言え1年前の今頃と比べると前進しているのは間違いなく事実で、うまくいけば来年の今頃にはこれまでのようなコンサートが出来る雰囲気もあります。もっともこれが実現するにはもはや行動様式の変化より医薬品の開発具合に拠る部分の方が大きく、1人1人が出来ることはワクチン接種などの感染対策防止を続けることくらいで限度があります。

 これ以上深堀りすると少し面倒なので書きませんが、少なくともファン・チームとしての目標はただ一つ、昨年初頭までのコンサートが実現できること。Perfumeに限らず、各アーティスト・各団体が同じ想いを持っていると思います。もちろんチケット購入や入場方法などはそのままでも良く、このご時世だからこそ新たな発見・試みも生まれたのでそれは継続で問題ありませんが、来年にはやはり全国各地・ライブやフェスの開催自体が批判されないような世の中に戻ることを切に願いたいところです。

 

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