今週のビルボードチャート~1/5(紅白効果、King Gnu)

今週のチャート総評

 フィジカルの集計が加算されたKing Gnu「一途」が順当に1位を獲得しました。CD売上4.7万枚は構成比の25%程度で、基本的には配信系に支えられての首位獲得です。というより、仮にCD分が加算されていなくても1位になるポイント数です。両A面の「逆夢」はCD分が加算されていないですが、ダウンロード首位が大きく1位。ストリーミングも4位で、こちらも相当のポイントを稼いでます。『呪術廻戦』の影響は今週かなり色濃く出ていて、TVアニメ1期OPテーマのEve「廻廻奇譚」が22位にランクアップ。今年の大晦日の話をするにはあまりにも早いですが、2022年はもしかすると『鬼滅の刃』ではなく『呪術廻戦』が大きくクローズアップされる年になるのかもしれません。ただKing Gnuの「逆夢」よりAimer「残響散歌」が上になる辺り、まだまだ鬼滅の人気は根強いです。

紅白&年末番組効果

 今週は何と言っても紅白効果です。さらに今回は紅白に関わらないアーティストが多く出演したレコ大効果もあります。年越しのCDTVスペシャルも含めて、順位を上げた楽曲をピックアップしました。

アーティスト 順位 先週順位 ポイント 紅白 レコ大 CDTV
マカロニえんぴつ なんでもないよ。 6位 13位
(7ランクUP)
4931
(375 UP)
◎新人
Da-iCE CITRUS 7位 42位
(35ランクUP)
4875
(2315 UP)
◎大賞
藤井 風 きらり 9位 37位
(28ランクUP)
4824
(1975 UP)
Awesome City Club 勿忘 10位 34位
(24ランクUP)
4757
(1747 UP)
YOASOBI 怪物 13位 19位
(6ランクUP)
4083
(137 UP)
◯特別
YOASOBI 群青 16位 24位
(8ランクUP)
4006
(575 UP)
Ado 19位 23位
(4ランクUP)
3902
(300 UP)
◯特別
LiSA 明け星 24位 35位
(11ランクUP)
3150
(260 UP)
平井 大 Stand by me,
Stand by you.
35位 67位
(32ランクUP)
2304
DISH// 36位 56位
(20ランクUP)
2284
LiSA 37位 52位
(15ランクUP)
2283
Ado うっせぇわ 43位 60位
(13ランクUP)
2176 ◯特別
MAISONdes
feat. 和ぬか, asmi
ヨワネハキ 44位 57位
(13ランクUP)
2095
Ado ギラギラ 57位 70位
(13ランクUP)
◯特別
YOASOBI もしも命が描けたら 58位 66位
(8ランクUP)
◯特別
AKB48 根も葉もRumor 59位 Hot100圏外
AI アルデバラン 62位 95位
(33ランクUP)
INI Rocketeer 63位 79位
(16ランクUP)
◯新人
YOASOBI
with ミドリーズ
ツバメ 65位 Hot100圏外
星野 源 不思議 70位 Hot100圏外
あいみょん 愛を知るまでは 75位 Hot100圏外
NiziU Take a picture 79位 Hot100圏外
millennium parade
× Belle
U 80位 Hot100圏外

 年末番組で一番色濃く出たのはやはり日本レコード大賞を受賞したDa-iCE「CITRUS」でした。パフォーマンスや楽曲の良さの他に、ストリーミング1億再生のデータの割に知名度が高くないという部分も大きかったと思います。レコ大の内容については明日あらためて記事にする予定ですが、ポイントでいうと一番伸ばしたのは間違いなく彼らでした。

 紅白効果が最も大きかったのはやはり藤井風「きらり」。こちらはアルバムランキングでも顕著で、2020年作品ですが『HELP EVER HURT NEVER』が63位から8位にアップしています。また大トリでピアノを披露した「Higher Love」収録のMISIA『HELLO LOVE』も38位から18位にアップ。アルバムで順位を上げた紅白出場組は他にSnow ManNiziUYOASOBIケツメイシ関ジャニ∞などがいます。レコ大特別賞のBank Bandや大瀧詠一(松本隆作詞)もランクインしました。

 昨日調査した紅白歌合戦ティーザー再生数ではバラードの反響の少なさが気になりましたが、ビルボードの方では逆にアップテンポ以上に登場する楽曲が多い傾向にあります。Awesome City Club平井大DISH//AI星野源あいみょんは紅白再生数だとそこまで目立っていなかったですが、Hot100にはしっかり入る結果になりました。一方楽曲単体よりもアーティスト単位で人気のあるジャニーズ系や坂道系は、アルバムで僅かに上昇があっただけで分かりやすい現象は見られません。特に前者はストリーミング未解禁なので、余計に曲単位の順位上昇が難しくなっている印象もあります。

 レコード大賞も大賞受賞となると別ですが、YOASOBIの曲で見る限り特別賞よりは、3倍近い数字を誇る視聴率の紅白の方がやはり効果が大きいようです。紅白歌合戦も歴代最低視聴率がしきりに記事にされていますが、これだけ分かりやすい数字が出ている間はまだまだ音楽界にとって必要不可欠な番組と考えて間違いありません。

今週のピックアップ曲

King Gnu「一途」「逆夢」


 疾走感のある激しい「一途」はオープニングテーマ、壮大なバラード「逆夢」はエンディングテーマ。「一途」はほとんど歌よりも激しい演奏がメインという印象で、特にリズム隊は全編聴きどころと言っても良い芸術的な内容です。「逆夢」は弦楽器から始まるイントロに2000年代後半の香りを一瞬感じましたが、バンド演奏が入るとやはり彼らの持ち味。従来のバラードらしいバラードとは一線を画す、転調多数で予測できない展開が大きな聴きどころで、「白日」に次ぐ代表曲になりそうな雰囲気もあります(今の時点でほぼ全曲代表曲という勢いではありますが…)。双方ともKing Gnuの凄さを最大限に感じられる内容で、早くも2022年の音楽シーンで外せない曲になりそうです(リリースは2021年12月ですが…)。

 

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