2017.7.8 私立恵比寿中学 IDOL march HALLTOUR 2017~今、君とここにいる~ in 松山市民会館

 4月22日から始まった私立恵比寿中学のホールツアー「今、君とここにいる」は、今月16日の東京国際フォーラムでファイナルを迎えます。

 2公演目のグランキューブ大阪に足を運んだ際はアルバム『エビクラシー』が発売される1ヶ月前。最初のツアー・八王子で披露された「なないろ」が公式YouTubeにアップされていた以外は情報のみで、完全にまっさらの状態で臨んだ形でした。やはりアルバムリリース後で聴き慣れた状態だと見える景色は変わるはずで、大阪公演後もう1本足を運ぼうと考えた次第。本当はファイナルの7月16日が理想でしたが、関東公演は一般だと即日完売。結果選んだ会場は、自分が足を踏み入れたことのない愛媛県の松山公演。個人的に7月は誕生月、特急を含めた四国の鉄道3日間安く回れるバースデイきっぷの存在が大きかったのは言うまでもありません(3日で9500円)。8日~10日にかけて四国一周しましたが、その8日に足を運んだ松山市民会館公演の内容を書いていきます。

 愛媛県松山市内のホールライブ会場は、ひめぎんホール(愛媛県県民文化会館)と松山市民会館の2箇所。より大きいのは道後温泉に近いひめぎんホールでキャパ3000人、松山城が見える松山市民会館は約2000人。前者は1986年開館、ただし2019年度は工事のため休館予定だそうです。一方後者は耐震化工事をしたとは言え、開館は1965年。コンサートでの稼働率はひめぎんホールより高いようですが、実際足を運ぶと老朽化が目立っていた印象がありました。ロビーが狭くて少し暗く、音も正直ホールとしてはあまり良くなかったです。

 というわけで、こちらも県庁所在地駅としてはかなり古めかしいJR松山駅が高架化他で再開発の暁に、新しいホールも建てる計画があるようです。もっとも完成予定は2024年、駅を見る限り工事はまだ始まっていません。松山のライブ事情はまだしばらく大変そうで、特に2019年度は場合によると47都道府県ツアーでない限り四国公演は香川のウエイトがより高まりそうな…。そういえば高松駅に降りると、目の前にサンポートホール高松の文字がありました。極めて便利なアクセス、見るからに新しそうな建物。JR四国は明らかに松山よりも香川に力を入れている状況ですが、人口は松山市の方が高松市より多め。頑張って欲しいところであります。

 さて、エビ中のライブの話に戻りましょう。開演時間の17時になり、自然と客席から声が挙がります。間もなく舞台袖、マイクに入る7人の声。円陣を組んで気合い入れ。幕が上がって、大きな旗を振っているのはぽーちゃんこと小林歌穂。客席からは若干驚きの声もありました。流れる行進曲はアルバム『エビクラシー』1曲目の「ゑびすとてたまわんせむ」、続いて演奏されるのもアルバム同様「制服”報連相”ファンク」。今までにない曲調で初見の際は戸惑いもありましたが、今はもう慣れたものです。センターのりったんこと中山莉子の歌声は、これまでにも増してパワフル。メンバー7人とも声量はかなりのものがあるグループですが、この日は一番良い声が出ているような気がしました。

 最初のブロックは「CHAN-CHARA-CHAN」「金八DANCE MUSIC」「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」。4曲ともかなり激しい動きが要求されるステージで、飛ばしまくってます。「金八DANCE MUSIC」は合間にコント仕立てのコマーシャルが入るのですが、ぽーちゃんとりったんが寸劇を披露している間他のメンバーは休憩しています。ステージ階段上で思いっきり寝転んで、サビという名の本番直前のフォーメーションに慌てて加わるぁぃぁぃこと廣田あいかの動きが個人的にツボでした。

 今回もいつも通り4曲ごとにMC。最初は勿論自己紹介と、それに派生するあれこれ。見るたびに天然度合いが増しているような気がする安本彩花さん、他メンバーに最高潮を”さいこうしお”と読んでいたことを暴露されていました。というわけでこの日は全員最高潮を”さいこうしお”と呼び、パワーワードに。彩ちゃんは普段”はい、ひなた!”と丁寧に次のメンバーに振るのですが、この日は”ひなた!”とかなり雑なフリ。まあそれだけテンション上がっているということで…。

 どこで何を喋ったかという記憶がないので、合計4度あったMCはここでまとめて記します。まずぁぃぁぃと安本さんがキャンペーンで松山に来た時の話。ラジオ番組における独特の挨拶、隣にあるNHK松山放送局のゆるキャラ目当てに人生初の出待ちをしたという話題でした。翌日名古屋で行われるサイン会の話では、かほりこの2人は初めてなので緊張、どのグッズにどう書く?という話を展開。その流れで、飛行機でたまたま一緒に乗ってた生誕祭グッズの帽子を見て、客席に自分の帽子を置き忘れずに済んだという星名美怜ちゃんのエピソードもありました。あとは数年ぶり出演となるTOKYO IDOL FESTIVAL、アイドルフェスの話題。大先輩・高城れにがプロデュースしている奥澤村の名前が複数回出ていました。それくらいでしょうか。とりあえず言えることは、相変わらずエビ中のMCはまとまりがないのでレビューするのが大変ということ…そこが魅力でもあるのですが。この日は特に中学生感が強かったような気がしました。

 ステージ、次の4曲は「フォーエバー中坊」「ちちんぷい」「MISSION SURVIVOR」「まっすぐ」。大阪公演1日目では「まっすぐ」が「スーパーヒーロー」になっていましたが、あとは大きく変わりありません。「ちちんぷい」の部分は会場によって別の曲になることも多いですが。「まっすぐ」も本当に素晴らしい楽曲です。7人とも本当に歌が上手くなったなぁと、あらためてしみじみ。

 「コミックガール」は歌前に各キャラクターの決め台詞を披露して始まるのが恒例でしたが、いつの間にかちょっとした寸劇になっているようです。残念ながら自分が見た時は元ネタが分からなかったですが…。センターのぁぃぁぃの声色使いも見事ですが、柏木ひなたの犬のモノマネも異常に上手いです。音源だけで聴くとSEとしか思えないレベルでした。

 バラエティー度満点の楽曲の後にクールな「お願いジーザス」という選曲もなかなかのギャップ。「君のままで」は『エビクラシー』収録曲ですが、あらためて見るとライブで一番良くなるのはこの曲のような気がしました。冒頭で書いた通りこの会場の音響はあまり良くないので、激しい曲だと歌詞が聴き取れないことも多いのですが、この曲を始めとする『エビクラシー』収録曲はほとんどそういうことがなく。一つ一つの言葉を、丁寧に大切に歌っているという印象が非常に強かったです。続く「日進月歩」はツアー途中から披露されている新曲。タイトルで軽く想像はつきましたが、聴いてみるとやはり。今のエビ中が歌うからこそ強い説得力がある、聴かせる楽曲でした。

 後半は以前に書いた通り『エビクラシー』収録曲中心。アンニュイなテクノポップ「藍色のMonday」を経て「さよならばいばいまたあした」。この曲はラスト以外全てソロパートですが、真ん中のりったんの歌パートは少なめ。その代わりに、下手側にある台から紙飛行機を飛ばします。大阪1日目ではほとんど飛ばなかったですが、この曲では割と遠くまで飛ばしていました。「ポップコーントーン」は以前からある楽曲で、新曲以外では数少ない全公演共通演奏曲。嵐のように駆け抜ける振り付けと歌声が圧巻の「春の嵐」を経て、いよいよ大詰め。「紅の詩」「なないろ」「感情電車」。あらためて考えると、本編ラスト4曲は『エビクラシー』の中でも特に完成度の高い楽曲を並べている印象があります。「なないろ」は紙テープ演出、「感情電車」は後ろで手作り感のあるイラストの電車が走ります。紙飛行機や紙テープの演出は大阪でも確実にありましたが、電車はもしかすると見落としていたかもしれません。ぽーちゃんのソロパートがあまりに印象的だったので…。

 さてアンコールですが、6月10日の大宮公演以降『エビクラシー』のソロ曲が順々披露されています。残るはぽーちゃんの「感情電車」とりったんの「制服”報連相″ファンク」。ぽーちゃんソロも聴きたいところですが、この日は先述した通りりったんが超のつくくらいに絶好調。どちらになっても非常に楽しみでしたが、演奏された楽曲は「制服”報連相″ファンク」のソロver.でした。そういえば昨年足を運んだ公演で、ぁぃぁぃがりったんの覚醒っぷりが凄いということを話していましたが、その時よりも確実にパワーアップしています。

 ソロver.はおそらく誰がセンターでもワンマンショーに近くなるとは思いますが、この曲は特に圧巻でした。もしかするとこのソロがあるからいつもよりアドレナリン全開だったのかもしれないですが…。続く「未確認中学生X」は、自分が初めてエビ中学芸会に行った時の新曲&ツアータイトル。あの当時はメンバーも違う9人組でしたが、ライブで見るのはそれ以来。懐かしい気持ちと、なぜか最近個人的に思い出したように口ずさむことが多かったのでこれ以上なく嬉しい選曲でした。

 全公演で演奏されている「ハイタテキ!」、今日は特にりったんが印象に残る展開なので、”惚れた?”と言われるとそう答えるしかありません。ラストは「サドンデス」。例のダンスバトルは、相変わらず彩さんが真っ先に敗退します。自己紹介のごとくグルグル回り続ける美怜ちゃん、敗退する時だけでなく励ます場面でも食べながら歌うひなたさんなど、細かく小ネタも入れてます。提案者なのに興味ないと言いながら敗退するりったんは、今回興味なくはないと少し変化球を入れていました。真山さんが最後にぬけてぁぃぁぃが勝つという展開、なお岡崎体育とは7月25日のめざましライブで共演するらしいです。

 今回は初の愛媛公演、過去にも昨年の香川でしかない数少ない四国での学芸会。非常に盛り上がりましたが、集客は後ろの方に若干空きがありました。笑顔でファンに応える7人ですが、”次はこの会場をいっぱいにできるように、もっと大きい会場でできるように”と喋る美怜ちゃんの表情には、若干の悔しさも伝わりました。関東ではアリーナでも埋めるほどの集客ですが、地方での知名度はまだまだこれからなのでしょうか。これは今ツアー各会場、共通の課題になっているようです。

 というわけで全国ツアーはいよいよ7月16日・東京国際フォーラムでファイナル。既に何度も書いていますが、この日は松野莉奈・りななんが19歳を迎える誕生日になるはずでした。ツアー日程が決まったのは今年の1月だったかと記憶しているので、そういう意味では本当に予想もしない形。全国ツアー以降も5年ぶりのTOKYO IDOL FESTIVAL出演など、今年は例年以上に夏イベントが多く入っているようです。

 8月26日には恒例の野外イベント、ファミえんもあります。「感情電車」の歌詞にある通りどこにも止まれない、進み続ける今のエビ中のストーリー。来月のファミえんにも初参戦、おそらく年内他に現場が決まれば足を運ぶ可能性も高いです。すっかりNegiccoと同様かあるいはそれ以上に、足を運ぶ機会が多いアイドルになりました。そして当分の間は、彼女たちにより注力することになるのは間違いなさそうです…。

 

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