8月19日・20日、2日にわたって開催されたサマーソニック。ここでは大阪会場1日目に見たステージについて書いていきます。なおフェス全体の解説や雑感などについては既に記事にしているので、そちらをご覧ください。
milet (MOUNTAIN STAGE)
セトリ。
miletの夏フェスはこれにて終了。
一緒に音楽してくれたみんなありがとう。まだまだ暑いので、どうかお気を付けて。助けあって。フェスは音楽で次のアーティストさんとの繋がりやリスペクトするアーティストへの愛を届けられてたのしいよね。
夏フェスよ、また来年🌻 pic.twitter.com/UNgsBVOer0— milet(ミレイ) (@milet_music) August 20, 2023
今年はMAN WITH A MISSIONとのコラボレーションが話題になっていますが、ステージはその「コイコガレ」からスタート。ただ当然マンウィズのメンバーは出演できないので、コーラスなどは事前録音。ライブはもちろんサポートメンバー参加の生演奏ですが、音源は打ち込みも多いので生音とのミックスは多めです。
歌唱力は言うまでもなく高く、全身を使って声を出すという印象が強めでした。喉よりも体の方により重点を置いた歌唱、地面に対してはいわゆる裸足族。MCでの喋り声とは全く異なる歌声で、憑依型に近いと言って良いかもしれません。ただMCそのものは緩めです。水分補給は大事という流れで、オーディエンス全員と乾杯コールする光景は過去の夏フェスでもあまり見た記憶がありません。
8月30日にアルバム『5am』リリースもあって、セットリストは新しい曲が多めでした。「Living My Life」はこの大阪会場がライブ初披露。「Before the Dawn」はややゆったりとしたテンポですがタオル回し曲、このテンポでグルグル回した経験は過去にないのでやや新鮮でした。あとは当日リアム・ギャラガー出演に際してオアシスの「Wonder Wall」カバー披露、さらに「おもかげ」のソロ歌唱もあり。「checkmate」は次に出演するグループの所属メンバーが出演するドラマ主題歌でした。姿だけでなく、清涼感のある衣装も会場の雰囲気にマッチしていて美しかったです。
ジャニーズWEST (MOUNTAIN STAGE)
🔥SUMMER SONIC 2023 Day1 OSAKA🔥
最高に熱いステージでした!!!!!!!
お越しいただいた方ありがとうございます。
明日のTOKYO MARINE STAGEにいらっしゃる方は
暑さ対策をしてメチャクチャ楽しみましょう!!!!!!! #サマソニWEST #ジャニーズWEST🌈 #サマソニ #summersonic pic.twitter.com/KKBdfb1aIy— ジャニーズWEST / Johnny’s Entertainment Record (@WEareWEST7) August 19, 2023
1日目MOUNTAIN STAGE、このステージ目当ての女性ファンは相当な数でした。アリーナエリアは言うに及ばず、スタンド席もユニフォームデザインの公式シャツを着た人だらけ。先ほど見たmiletの時点で周りは9割以上が女性ファン、スタンド最上段にも多くのファンが集まっています。開演時間が近くなると独特の手拍子のリズムが自然発生、おそらくこれはワンマンだと恒例の行事なのでしょう。そんな彼らのファン名称は、「ジャス民」と言うそうです。
最初に手を上げ下げしてもらって会場を温めた後(「Anything Goes」の序盤)、非常に分かりやすい盛り上げ曲「ええじゃないか」「ズンドコ パラダイス」からスタート。デビュー当時からの曲ということもありますが、最上段から見ると観客席はコールも手の動きも揃いに揃っています。ある意味では地元の祭りに参加するような感覚でしたが、ファンであろうがなかろうが最高に楽しい空間であることに異論はありません。メンバー同士の掛け合いも、特に女性ジャス民の立場なら思わず歓声をあげたくなる場面です。
ただここ最近のジャニーズWESTは少しずつ硬派でメッセージ性のある曲が多くなっています。「週刊うまくいく曜日」「しあわせの花」「サムシング・ニュー」など、ジャス民でなくとも心に響く曲はファン以外にも耳にできるフェス向けのナンバーです。ただ聴かせるだけでなく、ファンと一緒に最高の空間を作り上げるという雰囲気は序盤の盛り上げ曲と同様でした。
メンバーがギターを演奏する曲もあり、バラエティ豊かに披露した曲は11曲。サポートメンバー参加のバンド演奏も魅力的でした。確かに近年台頭している男性ボーカルグループと比べて歌の技術もダンスもそれほど秀でてはいませんが、ファンだけでなく目にした人全てを明るい気持ちにさせるステージはまさに一級品。おそらく今のジャニーズ事務所所属のグループは、彼ら以外でもそのスピリットは徹底しているのでしょう。40年近く業界のトップクラスにいる最大の理由は、こうした方針が自然に支持されているからだとあらためて理解できるステージでした。
女王蜂(SONIC STAGE)
灼熱!#SUMMERSONIC2023
大阪、ありがとうございました💙 pic.twitter.com/H6I8pZx4F1— 女王蜂 アヴちゃん (@qb_avu) August 19, 2023
女王蜂のステージが始まる直前のSONIC STAGEは入場制限がかかるほどの満員、会場になんとか入れたのは何曲か演奏が終わってからでした。
ディープな世界観と、曲によって声を自由自在に使い分けることができる演技力。ラストの「メフィスト」まで世界観は一貫、ひとつの物語を見ているようなステージでした。凄まじい迫力でしたが、個人的には長く野外で歩いた後ということもあって体力的に落ち着いて見られず。次回はもう少し万全の態勢でステージを見たいです。
Awich (SONIC STAGE)
SUMMER SONIC OSAKA ❤️🔥🌏🙏thank you so much for sharing the summer memory with me❤️🔥Love you
明日は東京🗼
よろしくお願いします🙏@mfs_info_ もありがと🤭😍🫶you killed ittttt😭🥵👏👏🔥©SUMMER SONIC All Rights Reserved. pic.twitter.com/WuyUWGt9zq
— Awich (@Awich098) August 19, 2023
日本を代表するラッパーとして大活躍のAwich。ステージはラップだけでなく沖縄出身だからこそ平和を祈るバラード、最新作でコラボしてるラッパー・MFSとの共演など盛り沢山。滑舌だけでなく発声も非常にエモーショナル、抜群の統率力でオーディエンスを牽引する内容。入場規制がかかるのも当然で、あまり予備知識のない自分でも凄さを感じさせる見事なパフォーマンスでした。彼女の心強さに心底惚れるファンも、特に女性は多いのではないかと感じます。
AI (SONIC STAGE)
サマソニ大阪ーーー!!!
最高のお客さんと最高のメンバーとスタッフのおかげで今日も感動でした。
明日は明日でまた全力で行きます🙌@Awich098 @3pylanabby @summer_sonic All Rights Reserved.#AI #Awich #LANA #BadBitch美学Remix #サマソニ #summersonic #明日サマソニ東京でBBBやる!? pic.twitter.com/QkFtTeL0CX
— Ai (@micaholic1981) August 19, 2023
世に知れ渡っている彼女の曲はバラード多めですが、本来はバリバリのヒップホップ系アーティスト。先ほど出演したAwichが尊敬するアーティストとして何度も名前を挙げていましたが、冒頭から「Bad Bitch 美学 Remix」で早々にコラボレーションが実現。ステージにはダンサーも加わり、代表曲のひとつ「VOICE」は彼女たちだけでなく自身の踊りも入るひと味もふた味も違うアレンジ。お馴染み「アルデバラン」の披露もありましたが、この日は激しめのナンバー中心。かなり懐かしい曲も混じっていたようです。最後は「ハピネス」で大団円。ステージは2019年のRADIO MAGICで一度見ていますが、AIの本領が発揮されていたのはやはり今回のサマソニだったでしょうか。歌手としてだけでなく人としてのスケールも非常に大きく、長いこと第一線で活躍している理由があらためてよく分かるアクトでした。
BABYMETAL (MOUNTAIN STAGE)
🏮🏮🏮諸君、踊る準備はできているか!?🏮🏮🏮
Are you ready to Wasshoi in @summer_sonic OSAKA !?🐙#BABYMETAL #summersonic #サマソニ https://t.co/kjl8GFQvNN pic.twitter.com/MpM5T7rplg— BABYMETAL (@BABYMETAL_JAPAN) August 19, 2023
過去に4度足を運んだサマソニ大阪で、個人的に忘れられないステージの1つは2013年のBABYMETAL初登場。現在のMASSIVE STAGEにあたるFLOWER STAGEでは当然のように入場制限、当時他のJ-POPアーティストで見たことのない演奏とパフォーマンスに度肝を抜かれました。その後日本のみならず海外でも大きなステージに幾度も出演、サマソニのMOUNTAIN STAGEのトリは2019年にも経験していて今回が2度目。そのため開演20分前の会場は幾分落ち着いた雰囲気。OCEAN STAGEではリアム・ギャラガーが演奏中、こちらを見る人が多いのもまた当然の流れです。とは言えスタンディングエリアの前方は、既に多くの人で埋まっていました。
雰囲気たっぷりのオープニング映像がビジョンに流れた後、「BABYMETAL DEATH」のパフォーマンス。下手側のアリーナはどうやら常連が多く集まっているようで、早々に大きなサークルが発生します。「ギミチョコ!!」「PA PA YA!!」「Distortion」「BxMxC」と序盤はキラーチューンを立て続けに演奏、1曲ごとにアリーナ下手側ではモッシュ・サークルなどありとあらゆるライブ特有の動きが発生。メンバー3人の運動量も激しく、水分補給などのため曲間の暗転やや長くなるのも十二分に頷ける内容です。
中盤は新しい曲がメインでした。今年3月発表の『THE OTHER ONE』から「MAYA」「Monochrome」、後者はこの時間だからこそ映えるスマホライト演出がありました。そして前日配信開始になったばかりの「メタり!!」に入りますが、これがまた強烈な内容の楽曲でした。
和楽器の演奏が入る編曲、”わっかになって”を連呼する歌詞は「お祭りマンボ」と肩を並べるコミックソング度。このチームでなければネタ曲一直線なのですが、BABYMETAL陣営の手にかかれば異常に完成度の高い曲になります。ギター演奏特別出演はトム・モレロ、彼が所属するバンドの名前はレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン。現場はさすがに本人登場難しく映像と事前録音の処理でしたが、一度聴けば忘れられないインパクトと史上最多レベルと言っていいジャンルのハイブリッドぶりは10年前に初めて聴いた「メギツネ」と双璧でした。
作る側も同じ意識だったのでしょうか、次に演奏されたのは紛れもなく「メギツネ」。祭りを意識した曲であることはどちらも共通しています。これぞ日本の夏祭り、SU-METALはもはやベビメタ教の教祖と言った雰囲気でしょうか。思わず跪いて最敬礼したくなるところですが、アクションは土下座ではなく踊りという形で表現するのが正しいようです。
「ヘドバンギャー!!」で首を前後に動かしてもらい、「Road of Resistance」ではスタンド席で見る人も腕を空に掲げて大合唱。この儀式はおそらく2016年に確立されたものと思われますが、初体験となるとやはり感動モノ。恒例の神事にようやく参加できたという満足感もあります。
アンコールに近い形で最後は「イジメ、ダメ、ゼッタイ」。メンバーもオーディエンスもラストスパートという雰囲気で、最高潮の盛り上がりでした。10年ぶりに見た彼女たちは当時よりも着実に進化して大盛況、あらためてBABYMETALはアーティストとしてだけでなくジャンルとして不滅であると確信できる会心のアクトです。
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