・今週のビルボードチャートはこちら

 今週は強い新作がない週で、TOP10の顔ぶれは概ね変わらず。先週2位にランクインした宇多田ヒカル「One Last Kiss」が首位獲得するという形になりました。それにしてもTOP10のうちCDリリースが得点に反映されているのはLiSA「炎」とKAT-TUN「Roar」のみ。これは今に始まったことではありませんが、2000年代に入って毎週次々ランクイン曲が入れ替わるオリコンランキングとは一体なんだったんだろうという印象もあります。ストリーミングが大きく傾向を変えた、と言われたらそれまでですが…。

 

・神はサイコロを振らない「未来永劫」


 今週39位に初登場した神はサイコロを振らないは、アミューズから昨年メジャーデビューを果たした4人組ロックバンド。「夜永唄」のリリックビデオでYoutube2000万回再生という実績を作りました。新曲「未来永劫」はアニメ『ワールドトリガー』のエンディングテーマで、CDにはメジャー1stシングル「エーテルの正体」収録の1曲として扱われています。ラジオオンエア指標1位でかなり推されていますが、割合としてはそれが80%近くを占めている形。CDセールスは一応10位ですがダウンロード・ストリーミングに関しては全く振るわず、正直現状の結果は期待したほどでは…という状況。Youtubeも1ヶ月で10万に満たない再生回数で、ビルボードの総合順位は高いですが内情はなかなか苦しいものがありそうです。

 曲を聴いたところ、歌唱力や演奏力、楽曲に至るまで悪い要素の全くない良い曲ではありますが、目新しさ・面白さがもう少しあってもいいかな…という印象です。少なくともこの1曲を聴く限りでは、ターゲットを絞らず広くどの世代・性別問わず支持を集めるバンドを目指しているのかな…という気がしました。それを仮に目指すとしていたらそうする気持ちは分かりますが、最初から随分とてつもなく高くて難しい目標を掲げているようにも感じます。彼らみたいな実直さを感じさせるバンド、ここ10年でハネた例はかなり少ないようにも思うのですが…どうなるでしょうか。

 

・DA PUMP「Dream on the street」


 DA PUMPのデビューは1997年、3年前の「U.S.A.」を除くと概ね人気のピークは2000年近辺ですが、意外とCDシングルチャートでのオリコン1位は過去になく、今作が初めてになったようです。ところが今のビルボードチャートだと総合で48位にしかなりません。それだけヒット指標におけるCDの存在感が低下している典型例と言っていいのではないでしょうか(リリースが少なく売上が低くても自然に高順位になる、という現象があるにしても)。全体の分布ではCD売上が60%近くを記録、既に解禁しているストリーミングは圏外さえも計上されていません。そもそもあれだけ大ヒットした「U.S.A.」(ビルボード年間2位)もストリーミング中心で、オリコンだと最高7位でしかないのですよね…。ただYoutubeの再生回数は1ヶ月で100万超。もちろん大ヒットと言えるほど多いとは言えないですが、少なくともヒットしている実感は上で紹介した神はサイコロを振らないの新曲よりはあるように感じます。

 楽曲は彼らの長所を活かしに活かしたダンスナンバー。くっきりとしたメロディーは90’sから続くJ-POPの流れでアラフォー~アラフィフには大変聴きやすく、若い人にはもしかすると物足りなくて古いと感じる部分もあるかもしれません。前者の立場である私としては当然好きな部類に入ります。U.S.A.以降は何かしらキャッチーなフレーズがついているDA PUMPですが、今回そういった類の物は特に無し。個人的にU.S.A.はある意味ハプニングに近い部分もある売れ方だったので、そういう点で考えるとようやく落ち着いて今DA PUMPが一番やりたいことを作品で表現出来たと考えて良さそうです。キャリアやメンバーの年齢層を含めて考えるとターゲットはやはり最低でもアラサー以上になるはずで…。PVを見る限りダンスもかなりライブ映えしそうで、盛り上がりそうです。ただハプニングに近い売れ方とは書きましたが、以前と比べて安定して作品をリリースできるのもU.S.A.の高評判があったから。そこは聴く側としても一応頭に入れておく必要はありそうです。