・スキマスイッチ「吠えろ!」


 テレ朝で放送されている番組『アニマルエレジー』のために作られた新曲。タイトルだけを見るとものすごく激しいサウンドを想像しますが、イントロはそれを逆手に取ったような弦楽器の音。大橋さんがただただ歌い上げるスキマスイッチらしいバラードですが、確かにサビは擬音でしっかり吠える内容になっています。ですので初聴時点でのインパクトは非常に大きいです。もう少し全体をじっくり聴くと、応援歌と称するには少し表現が安くなるくらい言葉の説得力が強い楽曲になっています。この曲を聴く人に少しでも勇気を持って欲しい、そんなメッセージが内包されていますね。そのせいか、大橋さんがいつも以上に歌詞を大事にして歌っているように聴こえます。こういう時世だからこそ、より感じ入る部分が大きい気もしますね。個人的には、ここ5年くらいのスキマスイッチの曲で一番好きな楽曲です。

 PVはアニマル浜口さんが大変目立ち、地味に勇気づけられる会社員役も細かすぎるモノマネでよく体操選手を演じていたオラキオ氏。キャスティングだけ見ると、朝食にトンカツを出されたようなカロリーの高さで、一歩間違えると歌が頭に残らない状況になりがちなシナリオです。ですが不思議なことに、この曲は映像を見た方が曲に入りやすい内容に仕上がっています。映像の濃さが音楽にも強い説得力をもたらす稀有な例で、おそらく2021年を見渡してもトップレベルの名PVとして振り返られるのではないでしょうか。PVだけでも必見作、さらに歌そのものも永く歌い継がれて欲しいと、心から思える名作です。

 

・WANIMA「Chilly Chili Sauce」


 非常に細かいビートで刻まれる、これぞWANIMA!と心から思えるロックサウンド。2分17秒という短い演奏時間ですが、詰め込まれる音の密度が非常に高いです。全国のフェスでロックキッズが、サークルを作って走り回る光景が瞬時に思い浮かびます。ただソーシャルディスタンスの名の元に以前よりも大きく制限される状況は如何ともし難く…。それでもこの状況の中、ブレずに自らの音楽を貫くWANIMAは本当に格好良いです。そしてこれからも、そうであって欲しいと心から願います。