今週のビルボードチャート~4/7(NiziU、BTS)


 今週は1位と2位が初登場。両曲とも本題の新曲レビューで、じっくり取り上げていきます。双方ともCD未発売、ストリーミング・ダウンロード・動画再生数の順にメイン要素となっています。

 CDセールス1位は総合15位に入ったジェジュン「BREAKING DAWN」、2位は総合24位のOWV「Roar」。OWVはPRODUCE 101 JAPANから生まれた若手男性ボーカルグループのようです。これらはいずれもストリーミング・ダウンロード双方100位圏外でした。ストリーミングが今ほど普及する3~4年前だと、もう少し高い総合順位になっていたような気もします。ヒットの指標を図る点で考えると今の方が圧倒的に信頼度高いチャートですが、以前のようにレコード会社主導で新人を売り出すのは本当に難しい時代になったとも感じます。

1位 NiziU「Take a picture」


 ダウンロード・ストリーミング・Youtube配信解禁とともに一気にランクアップして首位獲得。CD発売は来週からの集計なので、この勢いだと今年も快進撃は続きそうです。Youtubeの再生数は1週間あまりで3000万回、「Make you happy」が現在2.4億なのでそれにどこまで迫れるかという所ですが、現在約9000万回再生の前作「Step and a step」は早くも追い越されそうな状況です。CDシングルは「Poppin’ Shakin’」と両A面、こちらは早くから総合でも上位にランクインしていましたが、本日0:00にPVがアップされています。再生数は21時間で350万、このペースだと3日で1000万超、1ヶ月ちょっとで1億に到達する勢いです。

 楽曲についてですが、まず「Take a picture」はテーマを作成した時点でヒットが約束されたようなものです。メインターゲットになっている今どきの10代~20代女性の傾向を考えると、このテーマで売れないわけがありません。マーケティングをする以前にまず売れるかどうかの勝敗は決まった、と言い切って良いと思います。では完成された作品はどうかと言いますと、サビのポーズは一発で憶えられるかつごくごく自然な動き、タイトルが出来上がっているのだから歌もキャッチーで憶えやすい、Cメロ~ラストサビにかけてのラップ~ロングトーンもバッチリ。親しみやすさと簡単に真似できない職人芸が見事に同居しています。NiziUが人気だけでなく、とんでもなく高い実力を持つグループであることを証明しているような楽曲ですね(制作陣含め)。もう間違いなく2021年の音楽シーンで外せない曲になるとともに、今後も幾度となく各所で振り返られる楽曲になるはずです。私の中では、「Make you happy」を超えました。

17位 NiziU「Poppin’ Shakin’」


 一方「Poppin’ Shakin’」、サビの振付は縄跳びダンスを更に発展させたような感じで目まぐるしい動き。その分見応え・踊り甲斐は双方とも非常に高いレベルにあります。「Take a picture」が凄すぎるのでそれと比べると若干グレードはダウンしますが、それでも高いレベルの作品であることは間違いありません。カッコ良さもかわいさも最上級でこれまた文句無しの作品です。

 新しいグループですが、意外と楽曲の構成が複雑でないのも色々とうるさい年頃になるオジさん的には?とても良く、10代~20代女性限定でなく本当にどの年代から見ても素晴らしいと心から思えるグループですね。今後さらに凄いグループが同じようなプロジェクトから生まれる可能性もありますが、それまで彼女たちの時代は長く続くような気がしますね。

2位 BTS「Film out」


 今週の総合2位も配信開始後一気に初登場したBTSの新曲。それにしてもK-POP系は例外なくダウンロード・ストリーミング・フルサイズの動画が一気にアップされるのがいいですね。これはもう本当に冗談抜きで、日本の一部の事務所・レーベルは見倣って欲しいです。

 BTSくらいになるとどんな系統の楽曲でも優れた内容になっていることは容易に推測できます。今作はコーラスワークに長けた聴かせるバラード系の内容。もう彼らクラスになると、日本語詞の楽曲を作らなくても日本のファンは十分満足できると思うのですが、それでもわざわざ作ってくれるのは嬉しいことですね。勿論それだけ日本の音楽市場が世界の中でも大きいと言えるからではあるのですが…。K-POP歌手が歌う日本語詞の不自然さは一部で言われていますが、少なくともこの曲に関しては違和感なく自然に聴くことはできます。この話題はもう1970年代までの日本人歌手が歌う日本語詞の洋楽カバーでも多くあったことなので、日本語の構造的問題のような気もするのですが…。

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