なんだ、ホワイティが来てるじゃないか~。元CHA-CHAもいたぞ~。(第49回・中居正広)
— 平成の紅白名言集 (@kouhakumeigen2) April 6, 2021
前回出川さんの記事でチラッと内村さんに触れたので、今回は彼が紅白歌合戦に初出場した時の様子を一つ。もちろん、総合司会を務めた第68回(2017年)ではなく、ポケットビスケッツ&ブラックビスケッツスペシャルバンドとして登場した第49回(1998年)について触れます。
・両組のヒットのきっかけは『ウリナリ』から
1995年4月、毎週金曜日20時から日本テレビ系で放送開始したウッチャンナンチャンの冠番組。元は金曜23時台の番組『ウンナン世界征服宣言』が枠異動して生まれた形。当初はコント中心だったようですが、1996年にドキュメント主体の番組になってから視聴率も上がったそうです。その最大要因がポケットビスケッツ。同年4月に「Rapturous Blue」でデビュー、9月発売の「YELLOW YELLOW HAPPY」がロングセラーを記録して100万枚超の大ヒット。番組の看板企画として定着します。
年が明けて対抗グループ・ブラックビスケッツも番組に登場。台湾をメインにした活動を経て、「スタミナ」で日本デビュー以降はCDも同様に大ヒットします。両組のCDリリースにおいて対決企画が用意されるなど、人気を呼びました。ただ個人的には裏番組のMステ派だったので、事細かな説明はうまく出来ないのですが…。ちなみにそのMステでも、静止画という形ですがしっかりランキングには入ってはいました。
1998年は対抗企画で勝利してリリースされたブラックビスケッツ「Timing」が大ヒット、一方敗北したポケットビスケッツも100万人の署名を経て「POWER」をリリースしてこちらも大ヒットしました。日本テレビの企画ですが、明らかに番組を超えていた人気にNHKが着目するのも無理もないこと。仲直りするという設定を経て、「ポケットビスケッツ&ブラックビスケッツ スペシャルバンド」としてこの年の紅白歌合戦出場となりました。お笑いから大ヒットして紅白出場はとんねるず(1991年・第42回)、H jungle with t(1995年・第46回)の例がありますが、結果的に彼らはそれに続く形となります。日本テレビ発の紅白出場は生ダラからの憲三郎&ジョージ山本(1996年・第47回)がいるので、前例は存在していました。
・ホワイティも出演
本来『ウリナリ』を見ていないと分からないキャラクターですが、1998年当時は視聴者でない私でも知っていた内村さん演じるホワイティ。番組内のランキングキャラクターライブに出演、その中のバトルトーナメントで3回優勝する人気キャラクターでした。白塗りのメイクに花束を持って女装する姿は、確かに1度見ると忘れられない強烈なインパクトがありました。ここで優勝すると紅白にも一緒に出場できる、という企画があったそうです。
・当日のステージ
1998年の紅白は非常に視聴率が高く、またそれに見合う名ステージが連発した屈指の内容でしたが、このステージもまた後年に残る伝説的なものでした。
後半戦トップバッターとして登場、内村さんのキーボードで「POWER」イントロ生演奏からステージが始まります。後日放送されたドキュメントは私も見たことありますが、本当に尋常ではないレベルで緊張していました。2020年のNHKの番組で内村さんにいきものがかり「YELL」のピアノ演奏をしてもらうという無茶ブリがありましたが、原点はおそらくここにあります。
ウドさんもギターを生演奏、千秋さんが文字通りのパワー溢れるボーカルを魅せた後は、マジック演出でそれぞれ入れ替わるようにブラックビスケッツのメンバーが初登場。これまた南原さんはサックスを生演奏。お笑いの紅白出場はその後も何度かありますが、キーボードやサックスの披露はこの時のウッチャンナンチャンだけです。ギターはテツandトモがいましたが…。
マジックで舞台下に移動した内村さんは、ブラビのパフォーマンス中に必死でメイクしています。この様子も当時のドキュメントとして放送されていました。時間にして1分半ほどですね。せり上がりからジャンプして登場したホワイティ、生で見た当時の自分は勿論大爆笑でした。
ラストに半分ドサクサに紛れるような形で、当時のウリナリメンバーが登場します。勝俣州和、堀部圭亮、よゐこに藤崎奈々子。ただこれだけは本当に急遽のサプライズだったのでしょうか、字幕テロップは全く用意されていませんでした。なお10年後に羞恥心&Paboが登場した際にヘキサゴンメンバーが大挙して登場した時はテロップありでした(さすがに中村仁美アナは別でしたが)。この5年前にようやく民放ドラマのタイトルが出るようになった紅白、民放のバラエティ番組がこれだけ堂々と紅白歌合戦に進出したのは、このステージが初めてです。
今回取り上げた名言は、次に紹介する白組司会・中居正広がステージを目にして出た言葉。バラエティ的な感じで勝俣さんを元CHA-CHA呼ばわりしていますが、SMAPとCHA-CHAは歴史を辿ると無関係とは決して言えない存在。その一言に思わずハッとした視聴者も、少なくはなかったのではないかと思います。
・当日のステージ後
6人はこの年に設けられた紅組ハーフタイムショーにも出演。内村さんはホワイティのカッコのまんまで、南原さんは変な踊りをNHKで披露していました。またブラビはglobeの曲紹介にも登場、自分たちと同様台湾でも人気があるということを話します。
そして藤崎奈々子さんは、ウリナリの応援が全く無かったかのように振る舞いながら、白組のGLAYの曲紹介に、遠藤久美子さんとちゃっかり綺麗どころの女性タレント代表として応援出演していました。ウリナリよりも先に決まっていた出演のはずなので、もしかするとメンバーのサプライズはここ起点で動いた企画だったのかもしれません。そこはまた検証する必要がありそうです。
ポケビやブラビはその後も活動しますが、ムーブメントとしてはこの紅白が一番のピークだったようで、CD売上は減少。そして2002年番組終了とともにユニットも自然に活動休止という形になりました。キャイ~ンはその後も2回紅白に応援出演しています。そして内村さんは第68回以降総合司会。初回と2回目の司会で色々な格好をさせられたのは、やはりポケビ出演時にそれが十分可能だという判断もあったからなのでしょうか…。