Spotify再生数ランキング・4　安室奈美恵

　第4弾は2018年に惜しまれつつ引退した安室奈美恵を選びました。2023年1月19日にデータ更新しています。

　スーパーモンキーズ時代と小室哲哉プロデュース時代、そして世紀が変わってからのセルフプロデュース時代。20世紀と21世紀で大きく形を変えた音楽活動でしたが、現在のSpotifyにおける人気曲は果たしてどうなっているのでしょうか。というわけで今回調べています。

　配信解禁は引退後1年経った2019年9月20日、したがって再生条件は全ての曲において平等です。ただエイベックスにレーベル移籍前の楽曲は、ベストアルバム『Finally』収録の新録のみ。したがって「Stop the music」など未配信の曲も残っています。その『Finally』は2014年1月の「TSUKI」以前の収録曲が全て新録なので、集計が別となっています。アルバムも含めてSpotifyランキングは1トラックごとと、別ver.もまとめた合算版を今回も作りました。合算版の方は『Finally』新録曲が多いので、合計再生数だけでなくFinallyのみの再生数も併記しています（また『Finally』新録40曲のみでの順位も併記）。インスト・ライブ以外の別ミックスも集計しています。

　MVはApple Musicでストリーミング配信していますが、YouTubeは全て1分ver.のみになっています。そのため今回はSpotifyランキングとマイベストのみ作っています。

　タイアップ情報はアニメ・ゲーム・映画・ドラマ・CM＆企業・報道＆スポーツ・その他で色分けしています。また、紅白歌合戦歌唱曲もカラー表記、こちらは原則赤文字ですが特別枠は紫文字表記にしました。

Spotify再生回数ランキング

Spotify再生回数ランキング（合算版）

　再生数トップはアルバム『Finally』収録の「Hope」でした。CD販売後の2018年2月に配信リリース、とありますが当時からSpotifyにあったという記憶は正直ありません。「Hope」と、3位に入っている「Fight Together」はアニメ『ONE PIECE』のタイアップ。このアニメのプレイリストは1つにつき1万人以上はいいね！している程の人気で、アーティスト単位よりもそこきっかけで再生数を多く稼いでいることが容易に推測できます。5位までは『Finally』合算を含めても、順位はかなりはっきりしています。タイアップを見ると、全体的にドラマ主題歌は再生数が他より伸びている傾向が強いです。なお最新更新分ではライブアルバム2枚の売上も合算に含める形にしました。

　TKプロデュース時代はシングルだけでなくカップリングにもリミックスを入れ、場合によってはアルバムの編曲も変えて…という具合で集計がなかなか大変でした。「CAN YOU CELEBRATE?」は結婚記念シングルが1997年の年末に出ているので、バージョン違いはかなり多いです。活動休止前のベスト『181920』は基本シングルMIXですが「Don’t wanna cry」だけは別で、そこそこの票割れが発生しています。基本的に上位にランクインしているのは結婚前のシングル曲で、「NEVER END」「RESPECT the POWER OF LOVE」などは上位に入ってきていません。

　1999年～2002年までの作品は概ね再生数が低いです。この時期のベスト『LOVE ENHANCED』はかなりミックスを変えた作品ということもあって、オリジナルが他の時代より知られていない可能性もあります。『Finally』単位では「NEVER END」が5位、「Say the word」が7位、「RESPECT the POWER OF LOVE」が16位なので、その時代が特別不人気というわけでは決してありません。

　なお『Finally』収録曲1位はオリジナル未解禁の「TRY ME～私は信じて～」でした。新録に関してはセルフプロデュース期より、TKプロデュース期の方が再生回数は多い傾向にあります。編曲・歌声ともに時期が古くなるほど変化が大きくなることも、その要因として考えられそうです。

　CDセールス的に見ると2003年辺りが底でしたが、そこから盛り返して2008年のカバーシングル「60s 70s 80s」、ベストアルバム『BEST FICTION』で完全にトップの座を取り戻したという印象がリアルタイムでは強いです。メディア露出を控えるようになったのが2006年～2008年辺り、それ以降は紅白の「Hero」くらいで、テレビでのパフォーマンスはほぼありませんでした（ドキュメンタリー出演はありましたが）。ランキングは引退近辺の2015年～2017年のメイン曲がやはり多く、その次に2010年代前半、2000年代中盤～後半くらいの曲が出てきてその合間にTKプロデュース時代の…というのがおおよその傾向でしょうか。

マイベストランキング

　1位は「Chase the Chance」、1997年の楽曲は「CAN YOU CELEBRATE?」より「How to be a Girl」が上位です。2000年も「PLEASE SMILE AGAIN」が「NEVER END」より余程カッコ良い曲という認識ですが、双方『Finally』にも未収録で不遇な印象が非常に強いです。セルフプロデュース期と比べると、TK期はちょっとシングル曲の間で扱いの差が激しい気がします。