今週のビルボードチャート~5/5(JO1、Ado、[Alexandros])


 上位にランクインした新曲が今週目立ちます。1位を獲得したのは、CDセールス約28万枚のJO1「Born To Be Wild」星野源「不思議」は未発売のフィジカルと未公開のYoutubeを除いた全てで上位に入る形で総合2位。Ado「踊」はラジオがやや弱いものの、Youtube1000万再生が非常に大きく総合4位。シュガー・ベイブのカバー「DOWN TOWN」Juice=Juiceはフィジカルだけでなく、思いのほかラジオオンエアも伸びて8位でした。それ以外でも12位のラストアイドル「君は何キャラット?」、25位の[Alexandros]「閃光」辺りが、上位の注目作として挙げられます。

 今回も3曲書いていきます。なお源さんの「不思議」は、YoutubeでPV公開後に書く予定にします。

1位 JO1「Born To Be Wild」


 圧倒的な数字を残したCDセールス。その割合は全体の90%近くを占め、リッピングも加えると95%くらいにまで達しているように見えます。Twitterも2位、Youtube再生数も3月24日からの1ヶ月半で437万なのでファンの熱い支持が伺えますが、ストリーミングは100位圏外。Spotifyで現在50.7万という数字は、ほぼ同日配信開始の星野源「不思議」の約半分の数字。とは言え櫻坂46「BAN」が現状37.9万、まだ道半ばではありますが少しずつこちらの指標も伸ばしていきそうな気配はあります。『PROJUCE 101 JAPAN』の枠からどこまで認知されるか、あるいはどれだけこの番組に呼び込めれるかが今後の課題ではないかという気はしますね。

 楽曲はEP『CHALLENGER』リード曲という位置づけ。クオリティーの高い、海外指向も感じさせるスタイリッシュなダンスミュージックです。ファッションのカラフルさも鮮やかで、PVの視覚的効果も相当高いですね。メロディーラインがあまり強くないので、そこを重視するリスナーにはあまり響かないかもしれないですが、その弱点をはるかに超えた魅力がこの曲にはあります。メンバーの特性や番組については見ていないので何も言えないですが、楽曲だけに限って考えると…。間違いなくこの路線で突き進むのが良さそうな気がしますね。

 紅白ウォッチャーとしては出場歌手予想という観点でも彼らを見る必要がありますが、その点で考えると個人的にはあともう少しで出場圏内かなという印象でしょうか。CD売上とファンの熱は間違いないので、あとはファン以外の認知度と、数字だとストリーミングがポイントではないかと思います。もちろんまだ2021年は半年も過ぎていないので、全体的な予想は不可能ですが…。

4位 Ado「踊」


 4月27日公開で現在早くもYoutubeで1000万超えの再生数。公開初週でYoutube指標1位は、かなり珍しい記録ではないかと思います。ダウンロード2位、ストリーミングも12位で好スタートを切っていますね。ラジオが58位止まりなのは、あまり押されていないのでしょうかそれともリリース情報が入っていなかったのでしょうか。

 Adoさんは「ギラギラ」について書いた時点で、「歌詞・単語・言葉遣いの見事さ」「言葉を大切にはっきりと歌うアーティスト」と書きました。要はどう考えても「うっせえわ」だけで終わる人ではないということです。今回の「踊」の反応を見る限り、おそらく大多数の人も同じ想いだったということでしょうね。冒頭20秒でこれだけ完全に圧倒される楽曲も珍しいと思います。半端ない声量に、リズム感の良さもこの曲から味わうことが出来ます。

 今作の作詞担当はDECO*27、作曲とアレンジはGigaにTeddyLoid。話題の「うっせえわ」はsyudou。ボカロP界隈で頻繁に目にした名前です。初音ミクを筆頭とするボーカロイドは2010年代流行音楽史の中で絶対に欠かせない重要なキーワードですが、2021年はそういった方々が実力ある歌い手に曲を提供しているわけです。そう考えると、2020年代中盤の日本の音楽シーンは間違いなく彼らが中心で動かすことになります。既に何年か前から米津玄師さんがそういう存在になっていますが、その割合は更に高まるはず。コロナ禍でライブが思い通りに開催できず、バンドやアイドルが割を食ってる状況なので、その傾向は余計に進むような気がしてなりません。

 そうなると、今後のポイントはやはりテレビなど既存メディアとの付き合い方。これを間違うと一気に人気が下がる危険性もあります。Adoさんは単純に紅白で見たい歌手の1人で、紅白に限らず生ライブを見たいと強く思っていて既に出場条件も完全に満たしていますが、出場発表の方法からステージに至るまで難しい部分もかなりあるような気もしてます。昨年のYOASOBIばりの大物感を11月まで出せるかどうか、がポイントだろうと思ってはいますが。

25位 [Alexandros]「閃光」


 総合では25位ですが、ダウンロードでは3位につけている[Alexandros]の「閃光」。まだストリーミング再生は多くないようですが、ここ数年発表の曲はSpotifyでも再生数多く、CMソングの「月色ホライズン」は「ワタリドリ」に次ぐ数字を記録しています。今年のベストアルバム『Where’s My History?』収録の新曲「風になって」も良かったですね。タイアップになっている車のCMにピッタリの疾走感が表現されていました。

 今回の新曲は『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』主題歌。来週CD発売分が加算されるので、順位は更に高くなると思われます。王道とも言える激しいロックミュージックに、彼ららしい演奏技術を付け加えた内容は、特にギターやベースの音に強い迫力があります。「J-ROCKの王者の風格を感じさせる楽曲」、と書くと少し褒め過ぎでしょうか。

演奏も歌声も、間違いなく日本のロックバンドでトップクラスの実力で、SpotifyやYoutubeの再生数も多く大型ロックフェスでもヘッドライナーを務めています。その割にロックファン以外から過小評価されているように思えるのは、私の気のせいでしょうか…。ですが今回は、どのジャンルからも強い支持を受けられるガンダムタイアップ。これをキッカケにまた、彼らの支持が更に伸びることをおおいに期待したいというのが正直な気持ちです。

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