2018.3.24 SHISHAMOワンマンツアー2018春「ドキドキしながら手を握ったのは、君には見えないあの娘が大人になるのが怖かったから」 in オリックス劇場

ライブレポ

 というわけで、昨年の大晦日NHK紅白歌合戦にも初出場してますます勢いに乗るSHISHAMOの2018年ツアー初日・大阪オリックス劇場のワンマンに足を運んで来ました。

 オリックス劇場に行くのはでんぱ組.incのワンマン以来3年ぶり。ツアー初日公演に参戦したのは久しく記憶になく、2014年3月の東京女子流以来。そういえば前回見たSHISHAMOのワンマンも偶然ではありますが紅白歌合戦出場が決まった直後。その様子を早速レポ…したいところですがツアーは6月17日まで続くロングラン。加えて今回5月20日の神戸公演にも足を運ぶ予定にしています。というわけで今回はセトリ無し、演出のネタバレも最小限に留める形で書いていきたいと思います。


 昨年行われた神戸ワールド記念ホール公演では、実写のミニシネマが用意されてそれに合わせたセトリ・演出になっていました。今回は上の通り宮崎朝子自ら描いたアニメーションで、廃校を舞台にしたストーリーが展開されていました。事細かな内容は後々書くことにしますが、思わず笑いが起きてしまうストーリーもそれに合わせたセットリストも極めて充実。MCによると、絵だけでなくストーリー・構成なども全て朝子さんが夜を徹して作られたのだとか。歌の上手さ・絵の上手さ・ギターのテクニックに作られる楽曲の素晴らしさ。今回何曲かが元の音源と違うアレンジで演奏されていましたが、その編曲も抜群。間違いなく彼女は、数十年に一人レベルの天才なのだと思います。天性だけでなくこれに裏の努力と仕事に対する姿勢が加わるのが凄いところ。

 アニメーションの演出はライブ全編というわけではなく前半のみ、インターバルではアニメ終了直後に3人が大阪を巡る映像が流れます。おそらくここは各会場それぞれ作られると思われます。ドラムの吉川美冴貴のセリフがなかなかの棒読みっぷりでした。ベースの松岡彩は生でなく映像で見てもやっぱりかわいかったです。内容は3人で走り回りながら道頓堀に行ったりたこ焼きを食べたり、FM802の社屋に入ってDJとバッタリ・番組収録したり…という大変微笑ましいものでした。これを見るために全国ツアーで遠征するというのも、ファンにとっては十二分に大アリなのではないでしょうか。

 今回の公演時間はアンコール含めて3時間、前半は企画のため無しでしたが後半は断続的にMCもタップリ。今年初めてのライブ、久々のライブということで喋ることも多いです。最初は紅白歌合戦に出た時のこと、演奏が終わって吉川さんが号泣していたことに朝子さんがビックリの内容でした。これを見て”気持ち悪い”と形容するところが、朝子さんの良さなのだと思います。

 また、来るたびに必ず話題にはなりますが彩ちゃんは大阪出身。彼女が加入したのは4年前、RUSH BALLの裏方で働いてところを朝子さんにナンパ、もといスカウトされたという話をあらためてしていました。当時は1ヶ月先にツアーを控えていたと同時に、既に前のベース担当の脱退が決定していたとのこと。彼女がいなければ今頃どうなっていたのか…、という話もしていました。いまやベースのテクニックもかなりの上位に入る彼女ですが、考えてみれば1ヶ月ほどの間でライブ演奏する曲を必死に練習して舞台に立ったわけです。この人もこの人で、飄々としていますが末恐ろしい人物です。

 そんな2人がいるせいか、相変わらずドラムの吉川さんは損な役回り。朝子さんのコールに対するレスポンスが極めて早いのに対して、吉川さんが試しにやると半分くらい返るというリアルな結果になったり、”ありがとう”と言うだけで”かわいい”の声援が入る彩さんに嫉妬して、それを真似して客に言わせたり。今回”本当にあった○○な話”的なコーナーはなかったですが、確立されたキャラクターの濃さは相変わらず健在でした。

 本編ラストの曲、そしてアンコールで演奏された曲の前フリでは朝子さんの想いが溢れるほどに語られていました。どういった気持ちを込めて曲を作ったか、どういうことを考えて仕事をしているのか。セットリストが同じなら、おそらく各会場で楽曲含めて聞くことが出来る内容かもしれません。感じたことは、ライブに足を運んでくれているファンも勿論そうですが、それ以上に広く多くの人々に向けて曲やパフォーマンスを届けたいということ。今回地元・川崎の等々力陸上競技場ワンマンに全てを注ぐという理由で夏フェス不参加を表明していました。

 この時ばかりは観客も静まってガッカリしていた人も多かったようですが、個人的にはSHISHAMOという名前をより大きくするためには良い選択ではないかと感じました。3時間、企画から何から非常に考えて作り込まれた今ツアーの内容は、もうよくあるロックバンドのライブの枠を超えたトップアーティストのコンサートと言い切って良いと思います。ガールズバンドという観点から見ると完全に別格の領域に入り、いよいよプリンセスプリンセスと並ぶかそれを超えるかくらいの状況にまで達していると考えて良いでしょう。紅白歌合戦にまで出るアーティストとなると、大体の場合フェスは毎年でなく隔年もしくはここぞという年に出るようになるもの。また学校生活をテーマにした曲の多さ・メロディーの親しみやすさを考えると早くて来年にはNHK合唱コンクール辺りを担当する可能性も高く、映画やCMのタイアップも徐々に増えています。既に昨年ライブを見た時に、いきものがかりに近いポジションに立つのではないかと感じていましたがいよいよその路線に入りつつあるのかもしれません。

 キーボードの音色を増やした新曲「水色の日々」は小林武史プロデュース、今後は外部との仕事も増えてライブにサポートミュージシャンも加わる可能性もありそうです。女性3人組、この領域では追随するものがいなくなりつつあるという点ではPerfumeと共通する部分も出てきているでしょうか。いずれにしてもあまりに素晴らしい内容、今年はもしかすると今まで以上にSHISHAMO中心に動く機会が多くなるのかもしれません。とりあえず昨年末から迷っていた等々力陸上競技場のワンマンはチケット入手しました。

 楽曲やアニメーション演出などの感想・レポは神戸公演終了後もしくはツアー全公演終了後に、あらためて神戸公演の記事に内包する形で書く予定にしています。それにしても、このライブをもう一度違う場所で見ることが出来るというのは非常に幸せですね。再来月に足を運ぶのがまた楽しみです。

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