1位はHey! Say! JUMP「ネガティブファイター」。CD売上は約21万枚で、前作および先週のジャニーズWESTと同等で安定しています。フィジカルが90%以上占めるのも、やはりといったところでしょうか。楽曲はYoutubeで聴きましたが、こちらは以前と比べてサウンドが進化している印象があります。バタくささが無くなって、洗練された格好良さを表現出来るようになったと言うべきでしょうか。2コーラス後のCメロだけは例外ですが…。売り方はともかく、楽曲が守り一辺倒とあまり感じない部分は個人的に好感が持てます。

 2位のHKT48「君とどこかへ行きたい」、CD売上は約19万枚で売れていますが、90%以上がその指標でリッピングさえその1/10もないのは如何なものかと…。CD売上とリッピングの割合のアンバランスさは、ジャニーズは勿論JO1やSEVENTEEN、櫻坂46やハロプロ勢でさえも見た事ないくらいの比率です。内容は、PVがつばめ選抜とみずほ選抜に分かれる形で、九州の鉄道ファンには強くオススメできます。楽曲はずばり言うと手堅い作りで、そこまで印象的な内容とまでは言えないですが決して悪くはありません。むしろ個人的には好きな部類です。ただ2つ合わせて再生回数が60万台というのは、少し寂しい気がしますね。なお先日IZ*ONEから宮脇咲良と矢吹奈子が戻ってきて、咲良さんはすぐに卒業発表しましたが、この2人は今作に参加していないようです。

 CD発売のタイミングでTWICE「Kura Kura」が3位にランクアップ。指標の約60%を占めるCD売上は9.6万枚、既に先行リリースしている関係でダウンロードは20位でストリーミングは37位。ただ各指標のバランスを考えると、HKT48とTWICEどちらが世間的にヒットしているかと言われると明らかに後者のような気はしますね…。配信解禁しないジャニーズをどう考えるかにも拠りますが、48系が圧倒的にストリーミングが弱いことを考えると、全体におけるCD売上の比率はもう少し下げた方が良いような気もしないではなく…。

 

4位 YOASOBI「もう少しだけ」


 「怪物」「優しい彗星」に続く2021年YOASOBI第3弾「もう少しだけ」が4位に初登場。めざましテレビのオープニングテーマとしてオンエアされています。ダウンロードは初登場1位、ストリーミングも早々に4位。しっかり結果を残しています。「怪物」がまだ7位にランクイン、「群青」も15位。「夜に駆ける」に至っては61週目ですがいまだに11位です。Hot100には現在10曲ランクインという状況。後々コロナ渦の中で流行った音楽が振り返られるとしたら間違いなくいの一番に挙げられること間違いないでしょう。

 今回の楽曲はミディアムテンポで美しい歌声を聴かせる内容。タイアップに合わせて爽やかな朝をイメージして作ったことがよく分かります。この曲のポイントは歌詞で、ただ明るくポジティブに頑張ろう!ではなく、”もう少しだけ”と少し背中を押す程度で無理をさせない内容になっています。メロディーもそれに合っていて、高音で押すような部分が一つもありません(技術はかなり高いものが要求されていると思いますが)。『めざましテレビ』は帯番組の中でも特に流行を伝えることが要求される番組なので、そういう意味ではタイアップ先の内容・現在の空気に大変よく合っているナンバーだと思います。楽曲のハイクオリティーさだけでなく、要求に合わせて作るという意味で考えても、YOASOBIの高人気が非常に分かる1曲ですね。

 

14位 あいみょん「愛を知るまでは」


 土曜ドラマ『コントが始まる』主題歌として、今作は少し早い段階でフルコーラスのPVがアップされています。現在ダウンロード5位、ラジオ7位。CD発売は前回の配信曲「桜が降る夜は」と両A面シングルで、来週26日発売予定になっています。

 今回の楽曲は「君はロックを聴かない」「マリーゴールド」から続く傾向の王道サウンド。説得力のある歌詞と、その言葉を伝える歌声の上手さと美しさが直に伝わるような、いわゆる外しようのない名曲に仕上がっています。複雑なサウンドではないので他にも似たような曲を作る人はいるのではないかと一瞬思うのですが、同じようなテーマで無数のミュージシャンに課題を与えたとしても圧倒的にあいみょんが一番の出来に仕上げてくるような。この曲を聴いていると、ふとそんなことを感じてしまいます。魅力的な楽曲をいくつも生み出せるのは才能に努力が合わさった賜物ですが、個人的にはやっぱり声質が天才的だと聴くたびに思います。

 ちなみに彼女に関してはアーティスト別データブックで既に取り上げていますが、データ更新はもう少し数値が落ち着くであろう6月末を予定しています。

 

24位 変態紳士クラブ「YOKAZE」


 63位から24位、今週大きくランクアップした変態紳士クラブ「YOKAZE」。この曲が収録されているアルバム『ZURUMUKE』は今月14日に配信開始ですが、楽曲は2020年4月のミニアルバム『HERO』で収録済。突然のランクアップの背景はやはりテレビが大きいようで、Mステやシブヤノオトでちょうど披露されたタイミングのようです。またTHE FIRST TAKEも1週間で400万再生、そのため急上昇中のアーティストを抽出したHeartseekers Songsでも1位を記録しています。

 アーティスト名から連想する音楽はどうしてもグループ魂辺りを想像しがちですが、この曲は全く変態性を感じさせないミクスチャー・シティー・サウンド。応援歌という大層な物ではないですが、この歌詞を聴いて勇気づけられるというリスナーはYoutubeのコメント欄を見る限りかなりいるようです。サウンドのタイプは違いますが、発想としては「トモダチ」などを歌っていたブレイク初期のケツメイシに近い部分もあるでしょうか。また、2000年代後半には「純恋歌」「そばにいるね」辺りのバラード系ラップミュージック(これは私が勝手に命名しただけですが)がよく売れていたので、若干の懐かしさを感じさせる部分もあります。そう考えると、今回の曲は少しばかりの反響を狙って作った部分も正直あるのではないか、とも思えます。もっとも普段の彼らの作風を私は知らないので、それはただの穿った見方でしかないのかもしれません。

 したがって、30代以上にとってはややヒットが実感しにくい曲かもしれません。逆に言うと、そんな昔など知らない若い子にとってはやはり響く歌詞で、自然に共感しやすい内容に仕上がっているように思います。ですのでアーティストとしての今後の人気を図るには、他の曲もしくはMCなどから垣間見られる人間性を知らないと何とも言えない面がありますね…。