こんばんは、夜のちょいワルおじさん・港カヲルです。今宵グループ魂、平均年齢38歳、オリコンチャート最高42位の彼らが、紅白討ち取ったりーーー!ウォーーー!それではお聴きください、歌はもちろん、仮面ライダー!(第56回・港カヲル/グループ魂)
— 平成の紅白名言集 (@kouhakumeigen2) May 17, 2021
毎年マスコミや番組ファンを中心に、紅白歌合戦の出場歌手予想は恒例となっています。慣れていけば大体の年で7割くらいは当てられるものですが、全てを的中させるのは至難の業です。NHKがそれを見越しているのかどうかは不明ですが、特に第38回(1987年)以降ほぼ必ず誰も予想できない出場歌手が登場します。近年でもベテラン中心に時折出てきますが、以前と比べるとやや少なくなっている気がします。
さて今回クローズアップするのは第56回、2005年のグループ魂。おそらく当時、彼らの紅白出場を的中した人はほぼいなかったものと思われます。
2005年当時のグループ魂
2005年のグループ魂は結成10周年の年。メジャーデビューは2002年アルバム『Run魂Run』でちょうど3年前。オリコンチャートはアルバムでも30位が最高で、ヒットはしていません。ロックフェスでも前年にライジングとCOUNTDOWN JAPANに初出演という段階でした。ただやはり異彩の残るステージは音楽ファンから注目されていたようで、11月23日のアルバム『TMC』発売のタイミングでMステに初登場しています。またCDJは2005年で既に最大のEARTH STAGEを任される立場になっていました(この年は12月30日に出演)。もっとも当時のロックフェスは2010年代~現在ほどメジャーとまでは言えない状況なので、多少割り引く必要はあります。
メンバーに目を向けると、宮藤官九郎さんはこの時点で『池袋ウエストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』『タイガー&ドラゴン』などで売れっ子作家になっています。ただNHKとはこの当時『蝉しぐれ』などで俳優として少し出た程度で、深い縁はまだありません。阿部サダヲさんはこの時期クドカン作品の常連にはなっていましたが、まだ主演級ではありませんでした。三宅弘城さんや村杉蝉之介さん、皆川猿時さんといったところもまだ舞台やチョイ役が多く、決して知名度の高い俳優ではありません。
ですので当時の感覚で言いますと、確かに注目はされていたものの紅白出場など本人たちも想像していない、という段階だったのではないはずです。もっとも2005年の紅白は前年の不祥事からの信頼回復とリニューアルが至上命題。「今までのNHKでは考えられないことをやる」というのは念頭に入っているはずで、実際メインの司会に選んだのは高視聴率を稼げるとは言えNHK出演がほとんどないみのもんたさん。その感覚で選んだ、と考えると大変納得のいく出演ではあります。
グループ魂の曲紹介
「竹内力」「本田博太郎~magical mystery UPAAAAAAAAA!!!!!~」などの楽曲がありますが当然それを選ぶはずもなく、選曲されたのは当時の最新シングル「君にジュースを買ってあげる」。彼らにとっては初のアニメタイアップ(『ケロロ軍曹』のOPテーマ)で、それを根拠に司会者の方々には子どもたちに人気という紹介がなされました。いや、ケロロ軍曹は確かにそうかもしれないのですが、少なくともステージはとてもじゃないけど子どもに見せられな…、いやなんでもありません。もっともYouTubeにアップされた公式MVのコメントを見る限り、ケロロ軍曹をきっかけに彼らを知った今の20代は実際かなりいるみたいです。なお当該アニメの主題歌が紅白で歌われたのは、後にも先にもこの曲のみ。
港カヲルさんの前説も、フェスやワンマンだとはるかに過激でアダルティーでふざけていると思われますが、紅白では自虐ネタからしっかり仮面ライダーに繋げるという形。綺麗に破壊(阿部サダヲ)さんのスリッパツッコミも決まりました。ステージの内容は、これはこれで深掘りできる名言が生まれていますので、またそれを取り上げる際に記事にして書こうと思っています。
その後のグループ魂
この紅白歌合戦きっかけと言うより、一つ一つのステージでのパフォーマンスが要因だと思いますが、知名度は年々上がっていきました。ロックフェスでもメインのステージ中心に数多く呼ばれ、現場には欠かせないバンドとなっていきます。もっともCDセールスに関してはオリコン10位に入ることもロングセラーになることも一切無く、ストリーミングの再生数も全然伸びていません。記録よりも記憶に残る存在を、地で行くようなバンドとなっています。
もっとも個別の活動は明らかに活発になっています。宮藤官九郎さんは完全に売れっ子作家、阿部サダヲさんは主役級、三宅弘城さんや村杉蝉之介さん、皆川猿時さんもドラマ・映画に欠かせないバイプレーヤーとしていまや欠かせない存在です。富澤タクさんもサポートミュージシャンや作曲家として活躍していますね。紅白でもクドカンさんが第64回(2013年)ゲスト審査員と『あまちゃん』コーナー脚本、阿部さんが第69回(2018年)ゲスト審査員、三宅さんが第66回(2015年)に『あさが来た』キャストの一員として出演して村杉さんも『あまちゃん』コーナーに紛れるような形で出演しています。このように各人それぞれ多忙で近年活動は休止気味でしたが、今年始めにTHE FIRST TAKEのパフォーマンスがアップされて来年には再始動となるようです。またうっかり紅白に出ることもつい期待してしまいますが、まあその可能性は限りなく低そうですね…。
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