第59回(2008年)NHK紅白歌合戦~その6~

紅16(全体33):絢香(3年連続3回目)

・2006年メジャーデビュー 第57回(2006年)初出場
・1987年12月18日生 大阪府守口市出身
・楽曲:「おかえり」(2008/5/14 シングル)
・詞:絢香 曲:西尾芳彦、絢香
・歌唱前テロップ:「帰る場所」がある幸せを歌う
・演奏時間:2分45秒

 再びテリー伊藤が登場、2階席にあるラジオ実況席を紹介。テリーさんはまたお召し替えして、白いアフロのカツラを被ったりしています。背中にヒラヒラがついた上着はエルビス・ブレスリーの衣装をモチーフにしているのでしょうか。ラジオ中継の素晴らしさを語った後、仲間さんが「家族を離れて一人でラジオを聴いている人々の心に染み入る曲」「この一言があるから頑張れる」という内容で曲紹介。

 バンドメンバーにストリングスも加わって、9名のミュージシャンが演奏に参加します。温かい曲紹介があったからこそ歌詞があらためて心に響く、といった内容のステージだったように思います。まだ3回目の出場ですが、早くも常連と言っても差し支えないほどに安定感のある歌唱を見せていました。オレンジを基調とした、どこか温もりを感じさせる照明も良い味を出していたのではないでしょうか。

 

(解説)
・この曲はフジテレビのドラマ『絶対彼氏~完全無欠の恋人ロボット~』の主題歌。同じ研音に所属している、水嶋ヒロが出演している作品でもありました。それ以前から交際していたかどうかは不明ですが、水嶋さんとは翌年に結婚。以降頼れるパートナーとして時を過ごすことになります。

・この年6月に発売されたアルバム『Sing to the Sky』も内容・セールスともに好調。順調な活動が続いていると思われた中で翌年、結婚とバセドウ病の治療の為歌手活動休業を発表。したがって翌年の紅白は、過去3回までになかったほど注目されるステージとなりました。

・この年のラジオ実況担当は山田康弘アナと神田愛花アナ。お目付け役的な存在で、小田切千アナの姿も見えました。ラジオ中継席からその魅力を届けるリポートは第56回(2005年)のみのもんたの例がありましたが、舞台裏中継とともにこの演出も第59回以降しばらく恒例になります。

白16(全体34):德永英明(3年連続3回目)

・1986年デビュー 第57回(2006年)初出場
・1961年2月27日生 福岡県柳川市出身
・楽曲:「レイニー ブルー」(1986/1/21 シングル)
・詞:大木 誠 曲:德永英明
・歌唱前テロップ:原点!86年デビュー曲「レイニー ブルー」
・演奏時間:2分48秒

 ステージを前に、德永さんとトーク。「3年カバーやって本当に色んな物をインスパイアさせてもらったし、来年のオリジナルに向けて今年はベスト盤を出しました」「自分の作品である以上は全てがオリジナルだと思っています」と話します。スタンバイ後、横にいた布施明にもコメントを求めます。2008年にカバーアルバムを発表した布施さんは、「名曲をカバーしますとまた違った景色や物語が見えてきて、すごく緊張して楽しかったです」「いい意味で刺激になりました」とコメント。

 真っ青なスーツで、左胸に黒い薔薇をつけた衣装で歌います。タイトルに合わせて、照明が基調としている色もやはり青色。カバーアルバム同様、オリジナルの楽曲でも德永さんの声にはやはり癒されます。その上に、ラストで畳み掛けて歌う熱唱も入ります。癒しの中にも胸を打たれるシーンが印象的な、非常に素晴らしいステージでした。

 

(解説)
・「レイニー ブルー」は1986年1月に発表されたメジャーデビューシングル。発売当時のセールスは低かったですが、翌年のブレイク以降続く歌手活動の中で広く知られていくスタンダード・ナンバーに成長していきます。

・セルフカバーされる機会も多く、1997年にはCDシングル化までされます。この年はベストアルバム『SINGLES BEST』をリリース、『VOCALIST』シリーズの新作はありませんでした。自身の持ち歌が選曲されたのは、これが大きな理由です。

・德永さんの『VOCALIST』シリーズ大ヒットを受けてでしょうか、この時期はベテランのカバーアルバムリリースが相次ぎました。布施さんもこの年『Ballade』というカバーアルバムを発表、「I LOVE YOU」や「SAY YES」といった名曲が収録されています。

紅17(全体35):倖田來未(4年連続4回目)

・2000年デビュー 第56回(2005年)初出場
・1982年11月13日生 京都府京都市出身
・楽曲:「TABOO」(2008/10/8 シングル)
・詞:倖田來未/HIRO 曲:HIRO
・歌唱前テロップ:セクシー&クール前回のダンスチューン
・演奏時間:2分26秒

 沢村一樹が紅組を応援してくれるということで、審査員席の前に表れます。例のテーマソングが流れ、総合司会の松本アナが実況する通り、セクスィー部長・色香恋次郎の姿です。勿論会場の照明はピンク色。そのまま曲紹介エリアの方向に向かっていって、そこに立っている藤あや子、伍代夏子、坂本冬美、吉岡聖恵(いきものがかり)、千紗(GIRL NEXT DOOR)が次々とセクスィー部長の色香にメロメロになります。「匂いだけで倒れるわけないじゃないですか」と呆れる中居さんですが、こちらも右手を差し出されると「あぁ~なんだこれ~」とノリます。一方仲間さんは「わたし別に何ともないですねぇ」、サラリーマンNEOと違う流れを作ります。これでは面目丸潰れ、というわけで曲紹介の間も必死に仲間さんに色香を投げつけるセクスィー部長でした。

 京都出身ということを意識して、紫の着物姿で登場。ただここ最近の2回と違って思いっきり踊る曲なので、早々に黒を基調としたドレスに早替り。長いスカートの横から足がそのまま見える衣装は、やはりセクシーです。首のアクセサリーなど、細かい部分にも相当お金をかけています。オカッパ頭の黒い着物調のドレスを着たバックダンサーも目をひきます。彼女たちが身につける丈の短いスカートからは、うっすらと下着も見えます。

 激しいダンスだけでなく、随所に紅白に向けたこだわりも見せていて、過去3回とはまた違った味の良いステージでした。

 

(解説)
・『LIFE! ~人生に捧げるコント~』以前のNHKを代表するコント番組といえば、『サラリーマンNEO』。その中で特に人気を博していたコントが、このセクスィー部長でした。監督の吉田照幸は番組終了後に『あまちゃん』の演出、脚本担当は一部現在の『LIFE!』にも関わっています。ちなみに沢村さんは第68回(2017年)にも連続テレビ小説『ひよっこ』ヒロイン・有村架純の父親役を務めた縁で応援に登場しますが、この役の印象が強い私としましては何かやらかさないか少しハラハラしました。

・倖田さんはこの年に羊水についての発言が世間を騒がします。もちろんこれは当時持っていた知識に問題があっただけで悪意は全くなかったのですが、なぜかマスコミ他のバッシングは激しめ。当時リリースされたアルバム『Kingdom』のプロモーション自粛という形になったのは、甚だ気の毒でした。

・それもあって、CDセールスの数字などでよく表れていた爆発的な人気は一旦落ち着きます。同時に、明らかに過多気味だったシングル発売のペースも多少少なめになっています。現在ならば配信のみで可能な話でそこまで大きい負担にはならないですが、2005年末~2006年には12週連続CDシングル発売などもありました。

白17(全体36):五木ひろし(38年連続38回目)

・1964年デビュー(1971年再デビュー) 第22回(1971年)初出場
・1948年3月14日生 福井県三方郡美浜町出身
・楽曲:「凍て鶴」(2008/11/19 シングル)
・詞:喜多條忠 曲:三木たかし
・歌唱前テロップ:作曲家・三木たかしが贈るメッセージ
・演奏時間:3分22秒

 「凍て鶴」を作曲した、闘病生活を送っている三木たかしからのメッセージを中居さんが代読。

「凍て鶴
 届けられた歌詞の原稿詩に向かった途端に、突然空からキラキラ光りながら沢山の音が降ってきました。それは降りしきる雪の音みたいだし、飛び去った鶴の羽音のようでもありました。僕はその音のシャワーをそのまま五線譜に写し取りました。
 手術で声を失い、歌作りを手探りする中で、もしかすると僕の胸の中には音楽の歌の欠片が降り積もっていたのかもしれません。レコーディングスタジオで僕は涙が止まらなくなりました。五木さんと火花が散るような心の触れ合いがありました。人と人の出会いの尊さを僕は学んだ気がしています。 三木たかし」

 五木さんにしては非常に出番が早いですが、ドライアイスや紙吹雪の演出・冒頭に流れるイントロ・サビのコーラスなどはまるでトリで歌う曲のような雰囲気です。いつも以上に感情が入り、手を震わせつつ歌う五木さんの歌唱も素晴らしいですが、何より闘病生活で声が出なくなっても全くセンスが失われていない三木たかしのメロディーが絶品。このメロディーだからこそ、上に書いた演出がさらに映えるといった印象を持てた楽曲でした。出番が早いからこそ、余計に例年より印象に残ったステージでもあったように思います。

 

(解説)
・闘病生活がこの年の紅白でクローズアップされた三木さんですが、翌年5月11日に亡くなります。64歳の若さで亡くなったのは、日本の歌謡界にとって極めて大きな損失でした。五木さんには第38回(1987年)に大トリを務めた「追憶」を提供しています。

・この年の五木さんはシングルリリースの多い1年で、「この愛に死んでも」「橋場の渡し」「江戸の手毬唄」「凍て鶴」にセルフカバーや洋楽カバーまでもCDで発売されました。「江戸の手毬唄」は五木さんが歌う前に「江戸の手毬唄Ⅱ」としてハロープロジェクトの℃-uteが新曲として発表、話題になりました。

・五木さんが白組後半5番手という曲順は当時としては極めて異例。1972年の第23回以降は、36年間ずっとトリ~早くてもトリの5つ前という最終盤が定位置。曲順が発表された当時は、非常に驚いた記憶があります。

紅18(全体37):アンジェラ・アキ(3年連続3回目)

・2005年デビュー 第57回(2006年)初出場
・1977年9月15日生 徳島県板野郡出身
・楽曲:「手紙~拝啓、十五の君へ~」(2008/9/17 シングル)
・詞・曲:アンジェラ・アキ
・歌唱前テロップ:全国感動!合唱コンクールから生まれた名曲
・演奏時間:4分21秒(うち朗読42秒)

 仲間さんのナレーションをバックに、「手紙」を歌う中学生の合唱の映像が流れます。番組でアンジェラさんと中学生が触れ合う姿もありました。

 1番の歌詞は草彅剛が朗読します。これは曲紹介した後に始まり、読み終えた直後にアンジェラさんが弾くピアノの演奏に始まります。したがって歌は、2番の歌詞から始まります。テロップは歌のステージだけでなく、朗読する歌詞も表示されます。

 演奏はアンジェラさんが弾くピアノのみで完全弾き語り。大きなスクリーンには、合唱コンクールなど日々の課外活動に取り組む中学生の写真がスライドショーで表示されます。過去2回の紅白では自分の年齢を背番号にしたシャツを身につけていましたが、今回はチェックのシャツにGパンという衣装です。

 何度聴いても涙が出て来そうになる歌詞には、やはり強いメッセージ性が存在しています。文句なしに素晴らしいステージでした。

 

(解説)
・NHK全国学校音楽コンクール・中学校の部課題曲が定番になったのはこの曲が大ヒットしてから。その2年前に森山直太朗も「虹」を提供しましたが、自らのシングルとして発表したのはこの「手紙~拝啓、十五の君へ~」が初めてでした。

・1番の歌詞を代読して2番から歌うという演出は紅白だとこの曲しか見られません。歌い出し1番でない歌詞から始まる事例は他にもありますが、朗読つきとなると本当にレアケースです。

・この年歌唱曲は「愛のままに…」「海雪」、そしてこの曲も紅白で2年連続歌唱になりました。こういった選曲が3つも生まれるケースは、他にありません。

白18(全体38):森山直太朗(3年ぶり3回目)

・2001年デビュー、2002年メジャーデビュー 第54回(2003年)初出場
・1976年4月23日生 東京都渋谷区出身
・楽曲:「生きてることが辛いなら」(2008/8/27 シングル)
・詞:御徒町凧 曲:森山直太朗
・歌唱前テロップ:「いのち」を正面から見つめた心のうた
・演奏時間:3分54秒

 冒頭の歌詞の1フレーズを中居さんが読み上げます。その後「この歌を、この歌詞を最後までじっくり聴いてもらいたいと思います。命に対する前向きで真剣な思い・メッセージがしっかりと込められております」と、これから歌われる曲を、この紅白歌合戦で披露する意義を心を込めて話します。

 舞台を暗転させて、ギターの弾き語りで楽曲を披露します。本当にじっくりと歌詞を噛みしめてほしいという、強い意図が込められています。アンジェラ・アキ同様、こちらも全く文句のつけようのない完璧なステージでした。冒頭の歌詞に否定的だった人は、全体の歌詞を聴いてあらためてどう感じたのでしょうか…。

 

(解説)
・この曲のセールス自体は高くなく、オリコンCDランキングの週間は最高23位。ただ冒頭の歌詞は、非常に大きな反響を呼びました。批判的な意見もありましたが、この紅白で歌唱されたことと日本レコード大賞作詞賞という評価はしっかり受けています。首都医校・大阪医専のCMで、発売前から耳にする機会は多かったナンバーです。

・直太朗さんの白組歌手としての紅白出場はこの年以降ありませんが、連続テレビ小説『エール』の企画で第71回(2020年)に復帰。堀内敬子と「長崎の鐘」を歌ったシーンは、記憶に新しいところです。

紅19(全体39):aiko(6年連続7回目)

・1997年デビュー、1998年メジャーデビュー 第51回(2000年)初出場
・1975年11月22日生 大阪府吹田市出身
・楽曲:「KissHug」(2008/7/23 シングル)
・詞・曲:AIKO
・歌唱前テロップ:映画「花より男子ファイナル」ラブソング
・演奏時間:2分56秒

 再び中居さんが審査員席の前に移動して、フェンシングの太田雄貴にコメントを求めます。次に歌う曲が「KissHug」ということで「(ハグ)されそうになったことはあるんですけどね、母親に。回避してしまいました。」その後ろで笑っているのが、彼の母親でした。そのまますぐに曲紹介。3人くらいの男性が声を揃えて声援。

 イントロで原曲にはないハミングが入ります。紫の縞模様の半袖のシャツに短パンというカジュアルなスタイルですが、左の手首に装着した白と紫の花が高級感を演出しています。演奏は両サイドにいるバックバンドの他に、ストリングス隊も階段と3段式のセットに配置されています。ラブバラードを美しい声で聴かせてくれた、安定した内容のステージでした。1コーラスと原曲が長い関係上、どうしても歌番組になると1コーラスだけ収まってしまい、短く聴こえるのが難点です。

 

(解説)
・『花より男子』は映画・ドラマ・原作コミック全てにおいて1990年代~2000年代を代表する作品です。韓国でもテレビドラマ化されて大ヒットしました。日本のテレビドラマで放送されたのは2005年と2007年で、特に後者の反響は非常に大きなものでした。主題歌の「Love so sweet」は、翌年の紅白で満を持してメドレーの1曲として歌われます。

・その「KissHug」は当時のCDセールスでも高い数字を記録しました。楽曲人気も間違いなく確かで、この表にある通りSpotify, YouTubeともにaikoの作品においても相当高い順位に入っています。

太田雄貴選手はこの年の北京オリンピック・男子フルーレ個人で銀メダルを獲得。フェンシングでメダルを獲得するのは日本初の快挙でした。そういったマイナー競技と見られていたため当初はBS1録画中継の予定だったところ、太田選手の決勝進出で急遽生放送に切り替えたというエピソードもあります。この後白組のある大物歌手のステージにも参加しますが、それについては後述。

白19(全体40):羞恥心 with Pabo(初出場)

・羞恥心:2008年結成・デビュー 27~33歳 3人組
・Pabo:2007年結成・デビュー 21~24歳 3人組
・タイトル:「羞恥心~陽は、また昇る 紅白スペシャル」
・楽曲1:「羞恥心」
・楽曲2:「陽は、また昇る」
・詞:カシアス島田 曲:高原 兄
・歌唱前テロップ:ニッポンの応援団!ヘキサゴン大集合!
・演奏時間:4分28秒

 いよいよ登場する羞恥心とPaboのメンバー。今年1年を四字熟語で振り返ってもらいます。ほぼ大喜利の世界です。

 ユッキーナは「天上天下」、付け足しで「唯我独尊」…仏教の言葉、ということにしておきましょう。里田さんは「集団行動」、会場から笑いが入ります。 スザンヌさんは「賛否両論」と正解の回答。野久保さんは「顔面集中」…何を言っているのでしょうか。つるのさんは「紅白出場」、綺麗に決めたところで上地さん。野球をやっていたので「一曲入魂」としますが、すかさず「今日2曲歌うんですけど」とツッコミ。イマイチ締まりません。というわけで中居さんが「わたくし、疲労困憊でございます」と全部持っていきました。

 まずは「羞恥心」のパフォーマンス。燃え盛る火や夕陽や荒ぶる海の映像の中で毛筆の歌詞表示は、前回のTOKIO「青春」の映像を引き継いでいます。まだ1曲目ですが、サビで早々に紙吹雪の噴射演出。1コーラス終了後、中央の階段セットが開いてPaboの3人が登場して「陽は、また昇る」のイントロ演奏スタート。わずかな時間の間に、羞恥心の3人は舞台袖に引っ込んで「羞恥心」の衣装から赤青黄のワイシャツにネクタイという軽装に着替えて再登場。

 2回目サビに入って、大きな旗を持ちながらヘキサゴンオールスターズが登場。観客はペンライトを持って手を回しています。これは事前の練習もあったようです。ヘキサゴンオールスターズの顔ぶれは岡田圭右、小島よしお、クリス松村、金剛地武志、品川庄司、ダンディ坂野、波田陽区、FUJIWARA、そしてテロップに表示されていませんが(フジテレビマーク)代表と書かれた白いTシャツを着たフジテレビの中村仁美アナウンサー。波田さんが途中目の前でこけるので、Paboのメンバーが思わず噴き出してしまいます。岡田さんと金剛地さんはエアバンドの格好、ダンディや波田さんは紅白の応援にも出てきて売れていた頃の衣装、クリス松村さんはユニット同様ラクダ、FUJIWARAは会社員、品川庄司はカジュアルな格好でした。

 紙吹雪が再び噴射され、グランドフィナーレかと思いきや再び転調した「羞恥心」の音が流れます。登場したのは、なぜか羞恥心の格好をしたアンガールズ。誰かが「帰れー!」ってヤジ飛ばしてます。気がつけば小島さんは衣装を脱ぎ、仕事着と化して「そんなの関係ねぇ!」とやっております。ほとんど映っていませんでしたが…。

 最後は記念写真見たくステージ上で全員集合。中村アナが前に出てきて必死でTシャツをアピールしています。これでもかと言う位に大暴れして爆笑のステージでした。

 中居さんは「フジテレビ代表、ありがとうございましたー」「品川映ってなかったよ」「ダンディも波田陽区も」と歌終わりに話しかけます。もっとも時間は相当押している模様で、あまり絡みのないまま終了。歌手たちがはけている裏で、急いで掃除しないといけないスタッフの大変そうな姿が映り込みます。

 

(解説)
・『クイズ!ヘキサゴン2』の司会と言えば島田紳助ですが、当日はフジテレビの裏番組に出演。その番組では、紅白のこのパフォーマンスが同時中継されていたそうです。音楽番組はかつて日本テレビの『ザ・トップテン』で司会を務めていましたが、司会としての出場も予想された紅白歌合戦への出演は結局1度も無し。そもそも、NHKの出演が極めて少ないタレントでした。

・アシスタントの中村仁美アナウンサーは、非公式ながらNHK以外の民放アナウンサーが紅白歌合戦に登場する初めてのケースとなりました。もっとも翌年、公式で堂々と登場するシーンが発生しましたが…。

・ヘキサゴンオールスターズで過去の紅白出演実績があるのはダンディ坂野(第54回)、岡田圭右(同・ますだおかだとして)、波田陽区(第55回)、アンガールズ(第56回)。またクリス松村はその後もウラトークちゃんねるゲストやオネエ軍団の一員として紅白には2度登場します。アンガールズはコンビで3回出ているので、常連とまではいきませんが紅白には定期的に呼ばれています。

・作曲の高原兄は「完全無欠のロックンローラー」でお馴染みのアラジンのボーカル。以前から関西ローカル番組で、紳助さんとはよく共演していた仲でした。したがってこのステージに登場したアラジンは、それを引き継いだ2代目という形になります。

・本来の番組コンセプトが変わった結果視聴率が上がり、CDデビューさせて紅白出場を目指すプロジェクトは実を言うと、ヘキサゴン以前にも紳助さんの番組でしばしば見られたパターンです。CDデビューに関してはことごとく外していましたが、この番組に関しては本当に思わぬヒットになったという印象でした。一大プロジェクトになったヘキサゴンファミリーはコンサートも開かれて大盛況でしたが、2011年に紳助さん引退・番組終了とともに解散。その後は各自タレント活動を継続しています。

・里田まいは言わずと知れたカントリー娘。の一員で、第57回(2006年)にはハロー!プロジェクトの一員としてバックダンサーでも登場しています。思わぬ形での初出場になったと同時に、モーニング娘。を筆頭とするハロー!プロジェクトはこの年紅白落選。その後2012年に田中将大選手と結婚します。

 

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