演奏時間&構成表 3(第30回・1979年)
演奏時間・構成は紅白歌合戦で実際に披露したステージを指しています。フル再生時間はSpotifyの音源基準、オリジナル未配信曲は手持ちのCDからインポートしたiTunes音源を基準としています。
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
35(特1) | 藤山一郎ヒットメドレー | 藤山一郎 | 3分6秒 | |
丘を越えて | 1分20秒 2コーラス |
3分25秒 2コーラス |
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長崎の鐘 | 1分1秒 1コーラス |
3分35秒 3コーラス |
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青い山脈 | 0分45秒 1コーラス |
3分20秒 4コーラス |
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36(特2) | 美空ひばりヒットメドレー | 美空ひばり | 4分45秒 | |
ひばりのマドロスさん | 1分0秒 1コーラス |
3分18秒 3コーラス |
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リンゴ追分 | 2分2秒 1コーラス |
3分13秒 1コーラス半+台詞 |
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人生一路 | 1分43秒 2コーラス |
3分56秒 3コーラス |
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37(白18) | 北国の春 | 千 昌夫 | 2分20秒 2コーラス |
4分4秒 3コーラス |
38(紅18) | おもいで酒 | 小林幸子 | 2分24秒 2コーラス |
3分49秒 3コーラス |
39(白19) | 昔があるから | 内山田洋と クール・ファイブ |
2分18秒 1コーラス半 |
4分1秒 2コーラス |
40(紅19) | 命燃やして | 石川さゆり | 2分23秒 2コーラス |
3分39秒 3コーラス |
41(白20) | 新宿・みなと町 | 森 進一 | 2分19秒 2コーラス |
3分34秒 3コーラス |
42(紅20) | ためいき橋 | 森 昌子 | 2分28秒 2コーラス |
3分25秒 2コーラス半 |
43(白21) | 人生峠 | 村田英雄 | 2分30秒 2コーラス |
4分2秒 3コーラス |
44(紅21) | 盛岡ブルース | 青江三奈 | 2分11秒 2コーラス |
3分24秒 3コーラス |
45(白22) | 与作 | 北島三郎 | 3分39秒 2コーラス |
4分5秒 2コーラス |
46(紅22) | さよなら海峡 | 都はるみ | 2分33秒 2コーラス |
4分30秒 3コーラス |
47(白23) | おまえとふたり | 五木ひろし | 2分41秒 2コーラス半 |
3分27秒 3コーラス |
48(紅23) | 舟唄 | 八代亜紀 | 3分6秒 2コーラス+小唄 |
3分58秒 2コーラス半+小唄 |
各ステージ・補足
この年は紅白30回を記念した特別ゲストが2人登場、それぞれ3曲メドレーで歌います。藤山一郎は「丘を越えて」「長崎の鐘」「青い山脈」、「丘を越えて」は歌以外の部分が非常に多い2コーラスなのでメドレーながらフルコーラス歌唱でした。毎年「蛍の光」指揮担当で自ら調整役を買って出た部分もあるでしょうか、「長崎の鐘」「青い山脈」は原曲よりややテンポの速い演奏です。
満を持して登場の美空ひばりは初出場の歌唱曲「ひばりのマドロスさん」と、「リンゴ追分」「人生一路」を歌唱。「リンゴ追分」は1952年発表当時よりキー下げ・テンポ遅め・タメ多め、この時期の再録音は概ねこういった歌唱です。1番・3番歌唱の「人生一路」は原曲より相当速め、その演奏が会場にさらなる一体感を生みました。3分演奏で4分45秒の演奏時間、「関白宣言」のさだまさしを1秒上回る当時の紅白歴代最長ステージです。
千昌夫はこちらも紅白史上初、3年連続同曲歌唱の「北国の春」でした。ただイントロ間奏などはカット部分が多め、演奏時間は前回より5秒短くなっています。
小林幸子の「おもいで酒」は1979年オリコン年間チャート第3位の大ヒット、曲紹介も含めて感動的なステージでした。1番と3番を歌唱。初出場から終盤ブロックの曲順ですが、以降も豪華衣装がよりクローズアップされる第40回(1989年)まで11年間番組終盤での歌唱となっています。
内山田洋とクール・ファイブは1コーラスが長い曲ということもあって、2番はサビとラストフレーズ繰り返しのみでした。間奏もやや短めです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・内山田洋とクール・ファイブの軌跡)
石川さゆりは間奏短めの2コーラス、1番と3番の歌唱。1番サビで歌詞間違いが1箇所ありました。テンポはなぜか原曲より相当遅め、軽快さがやや薄くなっています。
森進一はナベプロ独立からの苦難を越えて、「新宿・みなと町」をヒットさせた年でした。1番と3番の歌唱、特に3番の歌詞は歌う本人にも感じ入る部分が多かったのではないかと感じます。
森昌子は「ためいき橋」を2コーラス。もうこの時期は歌唱力の高さが評価されていましたが、レコードセールスにはなかなか繋がらない頃でもありました。さゆりさんと対照的に、こちらはほんの少しだけ原曲よりテンポが速いです。
1970年代は過去曲歌唱が多かった村田英雄ですが、この年の紅白で歌った「人生峠」は久々の大ヒットになりました。1番と3番の歌唱、間奏では”女なんかに負けられるか!”と上着を投げるパフォーマンス。ただ最後は”愛の花咲け”と歌っています。
青江三奈は『NHKあなたのメロディー』から生まれた「盛岡ブルース」を歌唱。「あんな娘がいいな」「空よ」「与作」「海猫」が、当番組から紅白歌唱曲になっています。1番と3番の歌唱。
前回の紅白で歌唱した「与作」はロングセラーを記録、北島三郎はこの曲を2年連続歌う形になりました。”ホーホー”と歌い上げる部分は今回カット無しでラストは原曲より長くスキャットを披露、前回3分25秒の歌唱時間がさらに伸びる贅沢な内容です。年代を超えた代表曲ですが、『あなたのメロディー』からのヒット曲で有名作詞作曲家ではない故でしょうか、この2年以外の紅白では一度も歌われていません。ちなみによく聴くと、2年とも演奏テンポは原曲より速めです。
都はるみはおなじみの市川昭介演歌を2コーラス、1番と3番の歌唱です。こちらも若干原曲より演奏テンポは速めでした。(ステージレビュー→紅白歌合戦・都はるみの軌跡)
五木ひろしの「おまえとふたり」は紅白での披露後さらにヒット、最終的には自身最大のレコードセールスを記録する曲になりました。演歌は原則2コーラスですが、白組トリということもあって3番も間奏無しでBメロ以降歌唱あり。最後はトリ仕様のアウトロです。(ステージレビュー→紅白歌合戦・五木ひろしの軌跡)
大トリは八代亜紀の「舟唄」、八代さんだけでなく演歌そのものの代表曲として取り上げられる機会も多い名曲です。この年は紅白史上初めてラスト各6組が演歌で占められましたが、その最後を飾るという点でも価値の高いステージでした。ダンチョネ節ありの2コーラス、2番歌唱後にトリ仕様のエンディングが挿入されます。
第30回(1979年)・まとめ
演奏時間ランキング
順位 | 曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 |
1 | 36(特2) | 美空ひばりヒットメドレー | 美空ひばり | 4分45秒 |
2 | 16(白8) | 関白宣言 | さだまさし | 4分44秒 |
3 | 45(白22) | 与作 | 北島三郎 | 3分39秒 |
4 | 35(特1) | 藤山一郎ヒットメドレー | 藤山一郎 | 3分6秒 |
5 | 48(紅23) | 舟唄 | 八代亜紀 | 3分6秒 |
6 | 25(白13) | 君は薔薇より美しい | 布施 明 | 2分43秒 |
7 | 27(白14) | カサブランカ・ダンディ | 沢田研二 | 2分42秒 |
44 | 30(紅15) | 涙を抱いた渡り鳥 | 水前寺清子 | 2分4秒 |
44 | 33(白17) | 東京午前三時 | フランク永井 | 2分4秒 |
46 | 24(紅12) | アメリカン・フィーリング | サーカス | 2分2秒 |
47 | 7(紅4) | たとえば…たとえば | 渡辺真知子 | 1分54秒 |
48 | 8(白4) | 大阪ものがたり | 角川 博 | 1分52秒 |
美空ひばりのメドレーとさだまさし「関白宣言」、昭和の紅白史上に残る長時間記録が生まれた年でした。そのため全ステージの平均はおよそ2分29秒で1972年以降の最長記録、特別出演2組を除いても2分25秒で前回より3秒増えています。
フルコーラス歌唱(間奏・アウトロ・フェイドアウトは除く)
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
16(白8) | 関白宣言 | さだまさし | 4分44秒 3コーラス |
5分55秒 3コーラス |
31(白16) | 知りたくないの | 菅原洋一 | 2分23秒 1コーラス |
2分48秒 1コーラス |
45(白22) | 与作 | 北島三郎 | 3分39秒 2コーラス |
4分5秒 2コーラス |
長尺のステージになった「関白宣言」「与作」以外はほぼフルコーラス無しです。
テンポアップが目立ったステージ
曲順 | 楽曲 | アーティスト | 演奏時間 構成 |
フル再生時間 構成 |
5(紅3) | シングルガール | 太田裕美 | 2分11秒 冒頭+1コーラス+サビ |
4分53秒 冒頭+2コーラス半 |
11(紅6) | 万華鏡 | 岩崎宏美 | 2分23秒 冒頭+1コーラス+ラスト |
4分44秒 冒頭+2コーラス半+ラスト |
19(白10) | YOUNG MAN (Y.M.C.A.) |
西城秀樹 | 2分40秒 2コーラス+サビ |
4分44秒 3コーラス+サビ2 |
高速演奏はここ2年と比べると少なめです。ただ単純にテンポが安定していない印象もあって、布施明や石川さゆりなど明らかに原曲より遅い演奏も存在していました。
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