第61回NHK紅白歌合戦~イントロダクション~

 9月に入りました。紅白歌合戦まであと3ヶ月ということで、当ブログもボチボチ更新していきたいと思います。

 第58回(2007年)から第60回(2009年)まで「歌力」という共通テーマのもと大晦日に放送された紅白歌合戦ですが、この3年の間に日本の音楽界は相当変化がありました。CDが売れなくなり、音楽ソフトの売上が減少する中でロックフェス等など大型音楽フェスティバルの増加、携帯電話・パソコン等でのダウンロードの普及、楽曲よりアーティストの個性が重視されるプロモーションと購入者の意向、アニソンやニコニコ動画発の自作曲の台頭等さらなる音楽の多様化など枚挙に暇がありません。

 その中で音楽は「家族」「集団」ではなく「個人」でより楽しまれ、消費される傾向が年々増しているように感じます。ましてやテレビ番組においては1990年代で既に「一家で一台」ではなく「一人に一台」という時代となり、家族で見ている番組が違うのも当たり前のことになりました。特にここ数年はCS、更にはパソコンの普及によりその傾向には拍車がかかっています。

 しかし大晦日の夜に放送される紅白歌合戦。これだけは独特の雰囲気があるように思います。もちろん普段の日と同様に一人で見る人も多いと思いますが、それでも年末に帰省して家族と一緒に見る、普段家庭でバラバラに見ている人たちでもこの時ばかりはテレビの前であーだこーだ言って盛り上がる…。

 そうです。この時代からこそ紅白歌合戦の持つ意味は強くなっているのです。先ほどの文章では家族という一例を持ち上げた、いわゆるありきたりな内容なんですが音楽業界・番組という観点で見ても全く同じこと。はっきり言わせて頂きますと、全世代・性別・個々の歌手およびジャンルのファンとか、そういうこと関係なく共通して多くの人が見ている音楽番組は今や紅白歌合戦しか存在しません。もとより音楽界・芸能界において紅白歌合戦が持つ重要性は非常に高いものがありますが、現在はさらに高いものになっている、と言わざるを得ません。特にここ数年は「また君に恋してる」「地上の星」などに代表されるように、国民的ヒットは紅白をきっかけにさらに大ブレイクする、と言っても過言ではないでしょう。少なくとも昭和、いや20世紀の頃の紅白でこういった例が見られるのは非常に稀なパターンではなかったかと思います。

 ネットを見渡す限り、今年は例年と比べて紅白の話題で盛り上がるのが早い傾向が見られます。また紅組が5連敗中ということもあって、そういった視点から紅白を展望するという方々も見受けられます。当ブログは今年も予想やらレビューやら何やらで紅白歌合戦について色々書いていきたいと思っています。あらためてよろしくお願いします。

 最後にちょっとだけ私の予想を。おそらく今年は演出・出場歌手など相当なリニューアルが考えられます。特に紅組司会は間違いなく変わることになるでしょう。常連歌手の落選がそこまで多くなるとは考えにくいですが、出場当たり前と思われる人物が出なくなる、という可能性はあるかもしれないですね。その辺りは次の記事でもう少し詳しく書くことにしましょう。




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