第60回(2009年)NHK紅白歌合戦~まとめ~

 最後に今回の紅白について全体的な感想とか次回に向けての意見などを色々と。

 

・ステージ演出

 60回全部を見たわけではないですが、一応第14回(1963年)以降映像に残っているほぼ全ての紅白は複数回見ています。それを踏まえて考えても今回は一番良かったんじゃないでしょうか。バックの映像、編曲、カメラ割り、挙句の果てには歌詞テロップ。出場歌手から感じる「歌の力」自体も素晴らしかったですが、スタッフの力でよりそれに磨きがかかったという印象です。毎年紅白のスタッフは大変な仕事を立派にこなしていて凄いとは思いますが、ここまでスタッフの凄さを感じさせたのは間違いなく今回が初めてです。本当に素晴らしかったです。

 

・演奏時間

 一つ一つのステージ内容自体は良かったですが、あらためて見ると特に後半の最初の方で演奏時間の短いステージが非常に目立ちましたね。降ってわいたような形で入ったような企画もあって、その企画自体の内容は全く問題ないのですが放送時間という制約が存在する以上煽りを食った歌手は結構いたんだろうなぁ、ということは思いました。TOKIO中島美嘉辺りはその典型例でしょう。全体的に短いというよりも大物・目玉とそうでない歌手との間でその差が例年以上にあった、という印象です。

 

・司会

今回は紅組司会、白組司会というよりは仲間由紀恵中居正広のW司会でそのサポート役が阿部渉といった感じでしたね。もうほとんど紅組も白組も2人一緒に紹介している印象がありました。コンビの息も抜群でほとんど滞りなく進んでいて極めて好印象でしたが、もうこのコンビも3回目。次回は紅組司会だけでも変えた方がいいかもしれません。個人的には菅野美穂上戸彩が理想。関根麻里ベッキー辺りに任せるのもいいかもしれません。一方白組は嵐の櫻井翔が一番良さそうですが、今回も東京ドームのジャニーズカウントダウンの司会を務める関係で蛍の光の時にはもうNHKホールにいなかったので、その辺りは事務所との駆け引きになるでしょう。あるいは今田耕司なんていう人選もありでしょう。今田・上戸コンビだと完全にM-1グランプリになってしまいますが、息が合っていることは間違いないのでそれも一興かと。そういえばこの世代でバラエティの司会を務めるタレントは大半がコンビのような気が…(爆笑問題くりぃむしちゅー雨上がり決死隊…)。

 

・出場歌手選考

第60回と第61回ではコンセプトがかなり違ってくると思います。もちろん歌を前面に出す選出に変わりはないと思いますが、区切りのいい回ということである意味常連を入れ替えるには良い機会であることも確か。今回布施明が紅白卒業を宣言しましたが、それ以外にも長年紅白に出場し続けている歌手の落選が多く出る可能性もあります。
演歌はともかく、J-POPに関しても毎年比較的入れ替わりの多い白組に対して紅組はここ数年メンツがかなり固定され過ぎている印象があります。審査方法以外で紅組が勝てない理由はひとえにそれが最大の原因ではないでしょうか。もちろん2010年のヒット具合がどうなるかにもよりますし、男性ほど「まだ出場していない大物」が女性にいないこともあってなかなかうまくはいかないかもしれないですが、そろそろドラスティックな入れ替えを行使してもいい時期なのかもしれません。

 

・曲目、曲順

 曲目はとりあえず2回や3回ならともかく6回も7回も同じ曲を歌わせるのはやっぱり避けた方がいいと思います。4年連続「さそり座の女」の美川憲一、アレンジは毎年変えていて趣向を凝らしていると言えどもネットではやはり「またかよ」との声が多数を占めていたように思います。正直若い人に限らず高齢の方でもそう感じる人は多いのではないでしょうか。いやむしろ一年一年のサイクルが早い分ある程度年を重ねた人の方がそう感じているのかもしれません。これまた2009年みたいにビックリするくらいヒット曲がなければ仕方のない面はありますが、やっぱり若手だけでなくベテランの歌手でも「新曲を歌いたい」「ヒットを出して紅白で歌いたい」という人がスポーツ紙の記事で見る限りでもほとんどだったように思います。結果的に昔の曲を歌うことになるとしても、実力や今までの紅白に対する貢献度以上にそういう面を踏まえて出場歌手選考するのも一つの方法ではないでしょうか。
 曲順はこの10年の間で大きく改善されました。今回の大トリは北島三郎でしたがこれは記念碑的な面もあるので良いでしょう。トリもSMAP氷川きよしDREAMS COME TRUEなど「毎年同じ人ばかり」という印象からはある程度脱したように思います。こういう大胆さは次回以降もどんどん出してもらえればと考えています。




・審査方法

 携帯電話にワンセグがつくのはもう当たり前になりました。とりあえずケータイ審査員はもう廃止していいんじゃないかと思います。審査員限定の待ち受け画面ダウンロードは確かに魅力的ではありますが、別にそこはもう自由にやってもいいんじゃないかなとも思ったり。
 10年前の審査方法だと今回は紅組勝利でした。でも国民の声は圧倒的に白。いくら紅白の勝ち負けはどうでもいいとは言えさすがに5年連続となるとちょっと考えもの。ただデジタルTVやワンセグの場合は一応ある程度番組を見ている人ではあるのでその辺りは判断の難しいところ。ファンの票数でSMAPなどのジャニーズ勢や氷川きよしに対抗するとしたらAKB48とか水樹奈々とか?だとすると紅組に声優枠を増やせば何とかなるんでしょうかね?

 

・最後に

 とにかく今回は大盛況だった紅白です。はっきり言って今年の紅白担当は例年以上に大変だと思います。おそらく今回以上の内容に仕上げるのは困難でしょう。というわけで制作サイドにはそういうことを意識せず、それこそ全く新しい内容の紅白を作るつもりでやっていけばいいんじゃないかな、と個人的には思います。今年の紅白まであと361日。本番を楽しみにしています。




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