Spotify解禁記念・高田みづえベスト5選

 昨日の1月20日に高田みづえさんの過去曲183曲が一斉にストリーミング解禁されました。1970年代に活躍した女性歌手はかなりストリーミング化が進みましたが、全部となるとまだ少しあります。紅白出場歌手だとちあきなおみ、藤圭子、森昌子、あべ静江、小坂明子、朱里エイコなどが残っています。とは言え相当進んだことは確かです。男性は郷ひろみ、西城秀樹、フォーリーブス、北島三郎、内山田洋とクールファイブなどまだ結構残っていますが…。

 というわけで、今回の記事は高田みづえ特集。プロフィールとか功績とかはWikipedia他で簡単に調べられるので、ざっと初心者にもおすすめできそうな曲をピックアップしていくことにしましょう。

「私はピアノ」「そんなヒロシに騙されて」

 まず一番有名なのはサザンオールスターズのカバー曲。シングル発売よりもサザンのアルバムリリースの方が先なので、提供曲という表記は厳密に言うと違います。原曲はどちらも桑田さんでは原坊のボーカル。好みはそれぞれあると思いますが、声の厚みと色気を求めるとすればやはり高田さんの歌声をオススメしたいですね。両曲とも、第31回(1980年)と第34回(1983年)それぞれの紅白歌合戦で披露されています。

「硝子坂」

 1977年3月発売のデビュー曲。これが早々と売れた理由は曲の良さもありますが、おそらく前年『君こそスターだ!』グランドチャンピオンに輝いたことが理由ではないかと思います。フジテレビの番組なので、『夜のヒットスタジオ』も早いうちに出演が叶いました。実はこの曲もカバーで、最初は1ヶ月前に木之内みどりさんが歌った楽曲。作曲は当時山口百恵さんへの楽曲提供で一気に株が上がった頃の、ダウンタウンブギウギバンド・宇崎竜童さんでした。デビュー1年目ではありますが、この年の第28回紅白歌合戦にも初出場を果たしています。

 高田さんがカバーすることでオリジナル以上にヒットした曲は、他にも「秋冬」「愛の終りに」などがあります。「潮騒のメロディー」も、「愛のオルゴール」のメロディーに日本語詞を乗せた曲なのでオリジナルとは少し違いますね。彼女ほどカバー曲が立て続けにヒットした歌手は大変珍しいです。それだけ歌声が愛され、また人柄も愛される存在だっという証ですね。

「女ともだち」

 1977年デビューの3人、高田みづえ・榊原郁恵・清水由貴子でフレッシュ3人娘と当時は呼ばれていたそうです。ただ後々のキャリアも含めて考えると、個人としては岩崎宏美・太田裕美・高田みづえで若手女性実力派アイドルボーカルトリオと名付けたい気持ちになります。デビューから数年はアップテンポの明るい楽曲主体でしたが、1978年9月に発売されたマイナー調の「女ともだち」で一気に活動の幅が広がったのではないかと推測します。

 松本隆・筒美京平の黄金コンビ、”ねえ真知子”というサビの歌詞が大変耳に残りますね。松本さんは言うまでもなく男性ですが、歌のストーリーはまさしく女性ならでは。これだけ女心に説得力を持たせる男性作詞家は、本当に他にいない稀有な存在だとあらためて感じます。筒美さんの楽曲提供はシングルだとこの曲とラストシングルの「チャイナ・ライツ」のみで、意外と少ないです。

 

「原宿メモリー」

 ラストは1984年、引退直前の曲から。原宿を舞台にした歌謡曲は、軽快なメロディーに大人の香りが入ったインパクトの強い仕上がりです。1980年代に入るとアイドルと呼ばれることはほとんど無くなって、親しみやすい実力派ボーカルとして世間に認識されています。「親しみやすい」というのは、歌番組やコンサートでもそうだと思いますが、やはり『8時だョ全員集合』や『カックラキン大放送』等のコントにも積極的な姿が大きいですね。

 世代を超えて広く愛される存在だった高田さんは1985年に、同郷・鹿児島の大関・若嶋津関と結婚して引退。その後は松ヶ根部屋から二所ノ関部屋の女将さんとして日々奮闘しています。苦労も相当多いと思いますが、それでも時折テレビに出演する際は笑顔を見せています。今回紹介した曲以外にも名曲は多数あり、どの曲を聴いてもみづえさんの歌声は心に染み渡ります。昔聴いていたファンの方も初めて知る方も、この機会に是非聴いてみてはいかがでしょうか。

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