紅白名言集解説・10~怪我を押してのトリ~

 2020年の紅白歌合戦はMISIAが見事に大トリを務めあげましたが、出場歌手発表直後に番組収録で大ケガして、一時は出場も危ぶまれる記事も見られました。本当に無事ステージに復帰できて何よりです。これと似たような状況が起こったのは1991年の和田アキ子。12月初期に肋骨を骨折するアクシデントを乗り越えて、紅組トリを立派に務め上げたステージでした。今回ピックアップしたのは、その時の曲紹介です。浅野ゆう子の紅組司会も、経験豊富な堺正章と対等に渡り合う軽妙さで見事なものでした。2020年同様、この年の紅白でも見事紅組が勝利を納めています。

 「あの鐘を鳴らすのはあなた」、1972年の日本レコード大賞最優秀歌唱賞に輝いた曲ですが、ベトナム戦争の反戦歌と言われたことをNHKが考慮してその年の紅白では「孤独」を歌唱。19年経ち、1991年にCMソングでリバイバルヒットしたことで、満を持して紅組トリとして選曲されたという経緯があります。その後はアッコさん屈指の名曲として、紅白では合計6回歌唱。計7度紅組を務めたアッコさんですが、4年ぶり2回目のこの時が一番鮮度・経験という点で脂が乗っていた時期だったような気もします。と言いつつも当時まだ41歳。今の1990年代後半デビュー組と比べてより貫禄があるように見えるのは、やはり昭和~平成、平成~令和両元号間の移り変わりの大きさに理由があるのでしょうか…。

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