1位のAKB48「根も葉もRumor」は約1年半ぶりのフィジカルリリースになりました。当時はコロナ禍になるかならないかの時期だったので握手会開催が前提・140万枚を超えるセールスでしたが今作の数字は約40万枚。系列グループ不参加で握手会がオンラインお話会になったという事情が大きいですが、それでも色々なことがあった中で40万枚しっかり売り上げるのは大したものだと思います。当然ポイントの内訳はCDセールスが9割近く占めていますが、意外とラジオオンエアも30位で少なくありません。ルックアップも9位です。ただストリーミングの少なさはやはり如何ともし難く、Spotifyだけで見るとまだ20万にも達していません。Youtubeでも日向坂46の1/3、櫻坂46の1/2ほどの再生回数で、100万は超えているもののなかなか大変です。

 2位のback number「黄色」はフィジカルセールスもあり、カラオケ以外の全要素でランクインしました。「水平線」もストリーミング1位が物を言って総合4位、今年の下半期もっとも好調なアーティストになっています。先日はCDTVライブライブで90分16曲のパフォーマンスを敢行。「青い春」のヒットが9年前なので第一線に立ってからも長いですが、もしかするとこれまでで一番ヒットが目立っている年かもしれません。

 5位にINI「Rocketeer」が突如ランクアップ。ストリーミング2位・YoutubeとTwitter1位でかなりの数字を稼いでいます。『PRPDUCE 101 JAPAN SEASON 2』からのユニットで、JO1の後輩にあたります。CDデビューは11月3日の予定ですが、前段階でこの数字は凄いですね。JO1やBE:FIRSTなどと並んで、今年末~来年の音楽シーンの台風の目になりそうです。男性ダンスグループは数年前までほぼジャニーズ事務所の独壇場という雰囲気もありましたが、もうその考えは捨てた方が良さそうです(これは特にメディアとそれを支えるスポンサーに対して強く訴えたいところ)。

 その他、先週レビューしたaiko「食べた愛」が24位にランクアップ、CDセールスで6位につけてます。同様にL’Arc~en~Ciel「FOREVER」がCD7位で総合42位、風男塾「生きることは尊いに決まってんだろ」がCD8位で総合96位、『ラブライブ!スーパースター!!』の「常夏☆サンシャイン」がCD5位で総合30位。

 あとは31位の葛葉「コントレイル」がほぼダウンロードのみでランクイン、この要素で1位になっています。『にじさんじ』というアプリ?発のアーティストのようですが、全くの守備範囲外なので全然分かりません。楽曲についてももう少し実態を調べてから書きたいと思います。今後順位がどう動くかも読めないので、その意味では一番の注目曲になるのかもしれないです。

1位 AKB48「根も葉もRumor」


 ダンスに力を入れた楽曲は3年前の「NO WAY MAN」の時点で既に見られた傾向ですが、新生AKB48としてはやはりパフォーマンスで勝負ということでしょうか。彼女たちは握手会のイメージが一般的に強いですが、ひと昔前に数字を伸ばしたきっかけは「大声ダイヤモンド」~「ヘビーローテーション」までの楽曲の質の高さでした。もしこれが無ければ、おそらく一過性のグループとして2010年くらいには解散していたと思います。紅白もアキバ枠でまとめられた2007年のみで終わっていたことでしょう。

 これまでのような握手会が難しく、系列グループの不祥事もあって個々のメンバーに対する支持は低下しています。その意味でAKB48は初心に帰る必要があると思っていますが、本作はその決意が非常に伝わる楽曲になっています。メンバーで最もパフォーマンス力が高い岡田奈々をセンターに置く人選もハマっています。往年のAKB48らしい曲ではないですが、将来のことを考えると守りに入っていないのは非常に良い選択。少なくともCD売上の低下だけで、曲に価値がないと断ずる作品では決してありません。

 モーニング娘。などのハロプロ勢も一旦人気低下後はパフォーマンスの質を底上げして、現在の評価を得ています。アイドルはルックスや人柄も非常に重要な要素ですが、音楽をメインに活動する以上一番重要なのはやはり楽曲・パフォーマンスだと思います。「パフォーマンスは裏切らない」、これはアイドルに限らず全てのアーティストに共通している言葉ではないでしょうか。

2位 back number「黄色」


 ラブソングは究極の人間表現を歌った歌、と言われると異論はあるかもしれませんが、back numberの曲を聴くとついそう形容したくなります。今回の新曲「黄色」もラブソングですが、歌詞をよく見ると”好き””愛してる”という言葉は一切出てきません。ただ自分が好きだという感情が相手に伝わっていない、相手に伝えたいという気持ちは歌を聴くと・歌詞を見ると本当によく分かる内容だと思います。そのうち清水さんは作家デビューして何かしらの賞を取るのではないかと、そんなことも感じさせる内容ですが、メロディーやバンド演奏があるからこそより伝わる楽曲であることも確かです。

 今作はAbemaで放送されている恋愛リアリティー番組『虹とオオカミには騙されない』主題歌です。私は見たことありませんが女子中高生には大人気の番組で、ここきっかけで他番組出演が増えたタレントもいるようです。今も昔も、流行を最も作るのは10代~20代の若い女性です。そう考えると、back numberの人気がここに来て伸びているのも必然と考えて良さそうです。

5位 INI「Rcoketeer」


 2010年代以降のジャパニーズ・ダンスミュージックを振り返ると、従来の日本の流れを元にしたJ-POPと積極的に日本にも展開したK-POPのせめぎ合いといった構図があったように思います。2010年頃のK-POPは多少日本に寄せた音楽という印象もありましたが、年を経るごとにそういった意識を減らして自分たちが得意とする路線をそのまま出すようになっていった…そんなような気もしています。

 昨年のNiziU辺りから感じる新しい傾向として、J-POPとK-POPの融合があるように思います。PRODUCE 101という番組がそれを象徴していますが、少なくとも当事者間に日本対韓国という意識は既に無くなっているような気がしてなりません。政治的な外交面はよく分かりませんが、少なくとも文化面においてはお互い刺激を入れつつ協力して一緒に良いものを作り上げる、その局面に既に入っているように思います。日本と韓国どちらが優れているとか、そういった話ではありません。お互いどちらにもそれぞれの良さがある、ということです。

 本題から随分話がそれましたが、INIのデビュー曲はやはりこれまでのジャパニーズポップスよりK-POPの色の方が強い楽曲という印象です。メロディーラインや歌詞よりもリズム・フィジカル面を重視している、といった所でしょうか。MVを見ていると最初から迫力十分で、惚れ惚れします。落ちサビからラストサビのフェイクが、歌唱面の聴きどころでしょうか。この部分のパフォーマンスで感じられる迫力が、そのままINIの凄さに繋がるのではないかと思われます。11月にCDリリース、JO1以上の旋風が起こることを期待したいです。