今週のビルボードチャート~12/29(NGT48、鈴木鈴木、Da-iCE他)

今週のチャート総評

 先週ビルボードチャートは年末年始お休み、今週公開分は12/20~12/26集計で本来なら12月29日にアップされる分です。そのため紅白効果よりもクリスマスソング効果が大きい週となっています。

 1位は『鬼滅の刃』よりAimer「残響散歌」、2位は『呪術廻戦』よりKing Gnu「一途」。ソニーレーベルと繋がりのあるアニメタイアップ曲がそれぞれ上位になっています。King Gnuは24日にエンディングテーマ「逆夢」も配信開始、ダウンロード1位・デジタル指標3位・総合12位に初登場しています。フィジカルは「一途」「逆夢」の両A面で29日発売、次週分は「一途」が1位になる可能性も高そうです。

 年末番組でも披露が多かった優里「ベテルギウス」が3位、ストリーミングだけでなくカラオケでも15位。ビルボードのポイントはストリーミングの割合が高いですが、カラオケで上位に入るのはそれだけ体に楽曲が染みついているのと同義と考えますので、自分としては実際に計上される割合以上に重要視しています。総合5位の「ドライフラワー」はストリーミング6位でやや落ち着き気味ですが、約20%を占めるカラオケ1位がTOP10入りに大貢献しています。

 BUMP OF CHICKEN「なないろ」が返り咲きで4位。22日にCDパッケージ化した約10万枚分の売上が計上されました。ポイントの80%近くがCD売上、その大半は配信で既に楽曲を聴いているはずなので、購入動機はやはり曲ではなくファンアイテムとしての需要がメインだと思われます(ただリッピングの順位も3位で非常に高めでした)。

 上位に初登場は6位のNGT48「ポンコツな君が好きだ」と8位のJuice=Juice「プラスティック・ラブ」、いずれもCDセールスに支えられての上位です。NGT48は相変わらずCDセールス約100%状態ですが、Juice=Juiceはダウンロードやラジオでポイントの15%近くを稼いでます。また12月30日にレコード大賞を受賞したDa-iCE「liveDevil. 木村昴」が25位に初登場。『仮面ライダーリバイス』主題歌ですがCDセールス8位・ダウンロード5位とやや低調なスタートですが、レコ大で知名度大幅アップの結果伸びる可能性もあります。来週分集計は7日に発表予定ですが、こちらにも注目する必要がありそうです。CDセールス5位・約1.5万枚売上の豆柴の大群「昨日は戻らない」がHot100圏外なので、既に10年前でもオリコンで見られた「1万枚程度でもTOP10入り」はもうアピールポイントになりそうもありません。同4位・セールス3.5万枚のボイメンエリア研究生「GO!GO!トレジャーロード!!」は総合39位でした。

 先週28位に初登場したmilet & Aimer & 幾田りら「おもかげ」が総合11位、ストリーミングとラジオオンエアで大きく順位を伸ばしました。ロングセラーの川崎鷹也「魔法の絨毯」は突如ダウンロードが6位に入って総合20位、ストリーミングも37位→28位にアップしています。Hot100入りは66週目ですが、TOP20入りは意外にも今週が初でした。あとは鈴木鈴木「ホワイトキス」も21位で最高位更新、ストリーミングもそうですが今週はラジオオンエアで45位→6位、業界内の注目度アップが高順位に繋がっています。

 集計期間にクリスマスが入るので、今週はこの関連の曲が多いです。back number「クリスマスソング」が7位、マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」が17位、山下達郎「クリスマス・イブ」が29位。桑田佳祐「白い恋人達」が46位、BoA「メリクリ」が47位、ワム!「ラスト・クリスマス」が50位にSEKAI NO OWARI「silent」も51位、拾い上げるとキリがありません。

 ラジオ2位のWurtS「サンタガール feat. にしな」がHot100圏外なので上位進出はあくまでストリーミング再生が多い結果ですが、今週のラジオランキングは上位がクリスマスソングだらけです。時節柄そうなるのは仕方ないとしても、これだけ並ぶと壮観としか言いようがありません。

今週のピックアップ曲

6位 NGT48「ポンコツな君が好きだ」

 もはやアイドルソングの大作曲家と言って良い杉山勝彦の楽曲提供。ゴタゴタが起こる前の「青春時計」などは楽曲評価も高かったことを思い出しますが、青春を想起させるメロディーの作り方はやはり絶品です。”ポンコツ”という単語がいかにも秋元康的リリックなので、そこが曲を好きになれるかどうかの境目になるのではないかと思いました。なおYoutubeのMVはドラマ仕立て、楽曲再生は4分の所から始まります。

 

8位 Juice=Juice「プラスティック・ラブ」

 80’sシティポップ色が強い入りだと思いましたが、何のことはありません。竹内まりやの名曲のカバーです。ここ最近ストリーミングで海外再生数が増え、2021年11月には本人のフルMVまでアップされています。Juice=Juiceのメンバーは歌声がしっかりしているので、作品そのものは原曲と違う味があって良いのですが、3曲A面でこれを表に出さざるを得ない状況だとしたらややしんどさも感じます。

21位 鈴木鈴木「ホワイトキス」

 R&Bの強いツインボーカルのウィンターバラードです。いつの時代でもこういった楽曲は一定の層に支持されるという楽曲だと思いましたが、意外と久々に聴く直球ラブソングという印象もあります。若いカップルがターゲットであることは明白ですが、意外と30代~40代くらいでも聴きやすい楽曲のような気もしました。

 

25位 Da-iCE feat. 木村昴「liveDevil」

 Da-iCEの力強い歌声に、木村昴のラップが大きなアクセントとして加わっています。木村さんはドラえもんの剛田武という印象が強いですが、実はヒプノシスマイクやアイドリッシュセブンにも参加している実績があります。ある意味ジャイアンはミスキャストかもしれないと一瞬思いましたが…。「CITRUS」とは違う種類の格好良さが全編にわたって展開されていて、非常に聴き応え・見応えのある楽曲です。ヒットして欲しいとともに、メディアでも多くパフォーマンスして欲しいという印象を強く持ちました。

59位 Saucy Dog「あぁ、もう。」

 小気味良いバンド演奏と柔らかい歌声が聴いて心地良いラブソングです。森永製菓DARSコラボ楽曲のようで、MVにも随時登場します。男性2名女性1名という編成が目に入りますが、ドラム担当のせとゆいかはコーラスも担当。全体として穏やかな気持ちになる癒しの曲ですが、彼女の声が果たしている役割も少なからず大きいような気がしました。

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