【今週の総合ソング・チャート“JAPAN HOT100”】
1位 米津玄師
2位 BE:FIRST
3位 AKB48
4位 Official髭男dism
5位 Tani Yuuki
6位 SEKAI NO OWARI
7位 Saucy Dog
8位 星野源
9位 優里
10位 優里https://t.co/QKb8ClXC1U pic.twitter.com/LQf0LApw46— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) May 25, 2022
今週のチャート総評
配信指標だけで総合2位につけた米津玄師「M八七」は今週フィジカルも加わり堂々の1位獲得。CD売上も約24万枚(ツアー先行抽選券あり)でAKB48に及ばずともBE:FIRST以上、20881ポイントという極めて高いポイントを記録しました。カラオケ指標以外、ほぼ全部門でTOP5に入る安定ぶりです。なおCDには既に先行配信された「POP SONG」も収録、こちらは58位に再登場しています。もう1曲のカップリング新曲「ETA」も75位に初登場しました。
2位のBE:FIRST「Bye-Good-Bye」は先行配信された3/16時点で総合1位、楽曲レビューもその時に済ませましたが、それでもCD売上は約16万枚で相当な数字です。ポイントに占める割合は高くないですが、リッピング3位はAKB48を上回っています。ストリーミングも3位で高く、カラオケ以外全部門でTOP3に入りました。ラジオオンエアに関しては1位になっています。
AKB48「元カレです」は3位。CDセールスは約42万枚、さすがにもう握手券で毎回100万枚は難しそうです。とは言え42万という数字は決して低くなく、前作「根も葉もRumor」と比べても大きく下がってはいません。この水準を今後も保てるかどうかが焦点ではないかと思われます。なおストリーミングは圏外、LINE MUSIC等のキャンペーンも実施していない様子でした。
他の初登場はまず21位のStray Kids「MANIAC」。6月に神戸ワールド記念ホール・代々木第一体育館でのワンマンが控えているK-POPグループです。Japanese ver.配信開始に際してLINE MUSICキャンペーン開催はありますが、応募要件は500回なので多くはありません。ストリーミング指標も16位でした。
61位はCHEHON「韻波句徒」。THE FIRST TAKE効果によるランクアップです。ここ最近これきっかけのランクインが以前と比べても多くなっているような気がします。同様に幾田りら「スパークル」も94位→43位に大幅アップ。両曲とも、動画指標でそれぞれ6位・13位という結果になっています。
69位はチェインスモーカーズ「アイ・ラヴ・ユー」、70位はNissy(西島隆弘)「Trippin」が初登場。76位は早くもINIの新曲「Yummy!!」がランクイン。78位はアニメ『パリピ孔明』のQUEENDOM「チキチキバンバン」、92位はWANIMA「眩光」。さらに97位~100位が全て初登場、平井大・SixTONES・有華・GReeeeNと続きます。
先週1位のOfficial髭男dism「ミックスナッツ」は今週4位ですが、ポイントは僅かに上昇しています。Tani Yuuki「W / X / Y」やSEKAI NO OWARI「Habit」も順位だけで見るとダウンもしくはキープですが、ポイントは先週と比べて大幅にアップとなりました。また優里も新曲「うぉ」の影響でしょうか、「ベテルギウス」「ドライフラワー」「シャッター」「レオ」ともにポイント上昇。肝心の新曲はまだ79位→54位ですが、そのうちまた上位に入るのではないかと思われます。
先週39位だったケツメイシ「友よ~この先もずっと…」は13位にアップ。上島さんの報道が水曜日だったので、実質集計期間がフルになった分順位が上昇したという形になっています。なお2018年公開のHD版は一旦非公開化、現在はオリジナルの動画のみが8877万再生という形になっています。1週間でおよそ400万再生、もちろん動画指標は1位です。
ここ2週LINE MUSICキャンペーンが凄すぎて係数処理されていた状態のめいちゃん「ラナ」は、今週はストリーミング10位なので集計されています。そのため総合チャートでは63位から19位にアップという、極めて不自然な推移になっています。異常値を省いて正しいヒットランキングを作るという意図は同意しますが、突出した部分だけを除くことでかえって不自然になっている状況は改善の余地大アリだと思います。チャートの信頼性に関わる重大な事案なので、早期に考え直して頂きたい所です。
Novelbright「愛とか恋とか」が45位→26位、きゃない「バニラ」が49位→37位。注目の2曲が着実に順位・ポイントを伸ばしています。Uru「それを愛と呼ぶなら」が43位→38位、SUPER★DRAGON「Brand New Music」も64位→41位と今週はランクアップする曲がやや多い印象です。
今週のピックアップ曲
AKB48「元カレです」
韓国で鍛えられた本田仁美がセンター、作曲担当は「freebird」「シンクロニシティ」など長年にわたって多数のヒット曲を手掛けるシライシ紗トリ。
光をイメージしたMVですが、編曲もその映像によく合った音色が多く使われています。「根も葉もRumor」ほどダンス推しという印象ではないですが、サビの動きを筆頭に運動量は今作も多いです。体力以上に高い身体能力を必要とする振付に見えました。テンポが速い曲でない分、一つ一つの動きが良い意味で重く、細かい部分で精度をより高く磨いていることも分かります。
全体的にクールな楽曲で完成度は高いですが、歌詞は秋元さんなのでやはり目新しくはありません。令和風の編曲といにしえの歌詞のギャップを観察するのも、一つの楽しみ方ではないかと感じます。そういう意味では一度、20代~30代のクリエイターが作詞した楽曲も経験させて良いのではないかと思います。
The Chainsmokers「I Love U」
普段あまり洋楽について書かないので、細かいことは全く分からないですが…。今作は最新アルバム『So Far So Good』に収録されているうちの1曲です。
冒頭まさかの日本語セリフから始まります。もっとも曲と日本語の内容に関係は全く無さそうで、語呂とリズム重視でこのフレーズになったのではないかと思われますが…。楽曲はダンディーなボーカルで聴かせるメロディアスな内容。ドライブで思わず流したくなるような楽曲で、洋楽に馴染みがない人でも全く抵抗なく入れるナンバーに仕上がっています。
WANIMA「眩光」
ドラマ『ナンバMG5』主題歌、4月13日に配信開始の楽曲がここにきてようやくHot100にランクイン。MVは現時点で存在しない様子、CDリリースの予定もないようなのでこのタイミングで記す形とします。
ドラマ主題歌ということと、やはりキャリアを経たこともあって楽曲はポップ色強めで落ち着いてます。歌詞やバンド演奏よりもメロディーの方が耳に残る点は、WANIMAだと珍しいタイプのような気がしました。ただライブになると、もっとスピリット全開の演奏に進化するだろうと思います。
今年は全国の夏フェスもおそらく開催されそうな雰囲気、ライブで大きくなった彼らにとってはあらためて再評価される大きな機会になるはずです。既に各所への出演と9月には熊本で主催フェス開催も決定、活躍がおおいに期待されます。
有華「Partner」
3ヶ月連続リリースとのことですが、ビルボードのランクインはこの曲が初めてです。配信開始も4月29日なので、純粋にプレイリスト登録などで再生数が上がったものと思われます。実際ストリーミングチャートは71位、ただSpotifyの再生数はまだ38.9万です。ちなみにTikTokソングチャートで先週9位初登場からランクアップして今週4位、そこを起点に盛り上がっている可能性が高そうです。
楽曲は2分51秒の短い曲、広末涼子の「大スキ!」を思わせる”アイ”の使い方が初っ端から印象に残ります。程よいテンポでポップに明るく、かと言ってギラギラ感は少なく等身大な印象が強め。ギャル系よりも確実に人口が多いと思われる、ナチュラルメイクな自然体を好む若い女性に人気が出そうな曲という印象は確かにあります(いかにもそこそこ年いった男性から見た感想で恐縮ですが)。メインターゲット以外にどれだけウケるかが今後ロングセラーに至るかどうかの分かれ目だと思いますが、果たしてどうなるでしょうか…。
GReeeeN「自分革命」
シーブリーズは新進気鋭の若手アーティストの起用が多いイメージですが(あくまでイメージです)、今年はキャリア15年に近いベテラン・GReeeeNが起用されたようです。
さすがに過去多くのタイアップを手掛けたGReeeeN、今回もシーブリーズのイメージと全く違わない爽やかで明るく聴きやすい曲になっています。それでいてGReeeeNらしさもしっかり保たれていて、いわゆる安心して聴ける楽曲という印象でしょうか。
青春が似合う音楽というのは「愛唄」「キセキ」からずっと続くイメージですが、10年以上経ってもそのままキープされているのは素直に凄いことです。顔出しNGだからこそ成せる業かもしれないですが…。
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