2021.2.15 Billboard CHART(SKE48、Awesome City Club)

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 松井珠理奈卒業シングルとなるSKE48「恋落ちフラグ」が1位獲得。CDセールスは前作34万から19万に大きく落としているようですが、それでも総指標の9割以上を占めるくらいにはCDセールスが大きくものをいう結果であることは変わりありません。ちなみに先週の1位の乃木坂46は今週10位、その前の1位Snow Manは19位までランクダウンしています。ロングセラー傾向の15曲ほどは今週も大きく変わりありません。TOP20内には菅田将暉「星を仰ぐ」が15位に初登場、そしてAwesome City Club「勿忘」が20位に大きくランクアップしています。

SKE48「恋落ちフラグ」

 SKE48結成はもう約10年前、松井珠理奈が「大声ダイヤモンド」で選抜メンバーに抜擢されたのは2008年。当時11歳という若さです。つまり言うと、彼女の人生の半分以上をアイドル活動が占めている形になります。と言いつつもまだ23歳でもあるので、なんだか卒業が想像つかないといいますか、こういう時だからこそまだまだSKE48を支えて欲しいと言いますか、でも総選挙1位になった時の反応やその後の活動休止を考えると仕方がないことなのかもしれないという気持ちもあります。色々複雑な面もありますが、ラストとなる新曲は本来のSKE48の持ち味であるカッコ良いダンスが印象的なナンバー。あまり複雑なメロディーでないからこそ、余計にパフォーマンスが光る楽曲のようにも感じます。良い意味で、珠理奈さんラストに相応しい内容に仕上がっているように思いました。あらためて彼女にはお疲れさま、ありがとうというメッセージを贈りたいです。

Awesome City Club「勿忘」

 5年前からずっと音楽ファンには評価の高いグループでしたが、今回この曲でいよいよ広く世に知られる形になりそうな予感がします。これまでのYoutube再生回数最多は「アウトサイダー」の約300万回ですが、今回の楽曲は2週間で約160万回。まず間違いなくこれまでの数字を更新する形になりそうです。その最大の要因はやはりタイアップ。菅田将暉と有村架純主演の『花束みたいな恋をした』インスパイアソング、そりゃ話題性も絶対的に大きくなります。ただ話題性が大きくても、曲が良くなければヒットはしないですし、ましてやロングセラーにはなりません。

 というわけで今回紹介する楽曲は1番男性・2番女性で聴かせるバラード。これまでの楽曲や2年前に見たビバラロックのステージも思い出しながら聴きましたが、この曲に関して言うと一番印象に残るのは音ではなく2人の歌声。何と言いますか、センスの良い音を作るのはもはや前提条件なのが制作側も理解しているかのような。それくらいに今作は、歌を聴かせることを相当念頭に置いた楽曲のように見えました。

 音のセンスの良さは耳の肥えたリスナーには有効ですが、分からない人には分からないものです。一方歌・言葉で伝えるメッセージや気持ちは、そういった音よりも万人に伝わりやすいのではないかと思うのです。ただそれを伝えること自体は、おそらくセンスの良い音楽を鳴らすよりも遥かに難しいことではないかと思います。今回のAwesome City Clubの楽曲は、映画タイアップという要素も加わってのことだと思いますが、あえてその一番難しいことに向き合った作品なのかなという気はしました。そしてその思いは、何度も聴くことでより鮮明にこちらにも伝わるかのような。ですので結論を言うとやはり素晴らしい楽曲で、ヒットして然るべき楽曲だと思います。そのままロングセラーコースに入って欲しいなぁと気持ちにもなりますが、どうなるでしょうか。

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