2019.10.27 Negicco MAXI SINGLE RELEASE TOUR“MAXI” in 下仁田町文化ホール

 2019年9月24日に、3曲収録のマキシシングル「I LOVE YOUR LOVE」をリリースしたばかりのNegicco。Nao☆ちゃんの結婚やKaedeソロプロジェクトなど、グループ全体以上に個人のニュースも目立つ2019年ですが、やはり自分にとってNegiccoはアイドルという以上にライブアーティスト。全国ツアーは2018年の夏以来約1年ぶり、15周年記念の朱鷺メッセや今年夏の佐渡などここ最近の単発ライブには全然行けず、そもそもステージを見るのもエビネギ以来9ヶ月ぶり。ですので2019年の中でも非常に待ち遠しかった一日のひとつです。更に言うとネギの産地としても有名な群馬県甘楽郡下仁田町は過去に足を運んだことのない土地。その意味でも非常に楽しみな一日でした。今回はライブレポに加えて、ちょっとした旅行記もインスタ投稿とともに書いていきます。

 公共交通機関で下仁田に行く場合、アクセスはやはり上信電鉄上信線。その前に高崎に出る必要があります。今回関西からの旅として選んだのは、東海道新幹線から高崎線経由でもいいのですが、個人的に乗ったことのない北陸新幹線で金沢から長野乗り換えで移動。

 台風で大きな被害を受けた北陸新幹線、全線での運転再開はこの2日前。車両基地での被害が大きく、完全な平常運転にはまだ時間がかかりそうですが、まずは思いのほか早期の再開に漕ぎつけたことに敬意を表したいです。ただ長野~東京は2/3程度の本数ということもあって、自由席はかなりの混雑。指定席も軽井沢出発辺りでほぼ満席状態でした。高崎からは上信電鉄で約1時間。製糸場で有名な富岡辺りまではそこそこの片田舎といった印象でしたが、下仁田手前辺りに入ると思いのほか山奥の景色に入って少しビックリ。

 この上信電鉄はSuicaなどの交通ICカードどころか自動改札もなく、駅舎も途中駅含めてレトロな印象がありました。降り立った下仁田駅周辺あるいは街並みも木造の古い建物が多く、唯一とも言える大手チェーンのドラッグストア・ウエルシアが異彩を放つほど。鉄道好きとして過去多くの町を回りましたが、北海道の増毛や島根県の川本町ほどではないですが自分が訪れた中でもかなりの田舎町です。日曜日ということもあってか、シャッターが降りている店もかなり多く、人通りはお世辞にも多くなく、正直言って相当過疎化している印象は否めなかったです。

 駅から5分ほど歩いてたどり着いた下仁田文化ホール、グッズ販売の30分前に着きましたが相当な行列です。既に100人ほどはいました。

 この下仁田でNegiccoがライブを行うのは4年連続4回目。ホールのキャパは大体400ほどですが、昨年は100くらいでネギ券(公演後の握手会に参加できる券)が切れてしまったのだとか。ですので販売開始時点では200~300くらいまで膨れ上がっていたような気がします。そして更に特徴的だったのは、町がじかじかに地元のグッズ販売を実施しているということ。地元との連携は滋賀のイナズマロックフェスや徳島のこなそんフェス、茨城のRIJなどでも見られましたが、ワンマンのツアー会場で見た記憶は過去にありません。調べてみるとこの下仁田文化ホール、演歌は稀にあるようですが(例:昨年12月2日の松川未樹)J-POPとなると本当にNegiccoしか公演実績がないようです(Livefans調べ)。2016年・2017年とネギの産地でこんにちネギネギというタイトルで全国ツアーが秋に行われましたが、2018年は単発でこのワンマンが開催されました。時期も10月後半~11月前半で統一されているようで、4年連続となるともはや町の恒例行事と言っても差し支えなさそうです。新潟だけでなく、この下仁田もすっかりNegiccoと縁深い土地になったと言って間違いないでしょう。

 16時15分開場、町長から直々に花輪が贈られるのも異例。会場はステージだけを見ると、ホールと言うよりも体育館に近い雰囲気。様々な色の紙で作られた装飾が、手作り感を演出しています。両脇には下仁田ネギを模したオブジェも。先週足を運んだLINE CUBE SHIBUYAのReframeとは、何もかもが真逆の雰囲気でした。ちなみに購入した席はまさかの最前列。個人的に遠征のワンマンでは比較的良席に当たることが多いですが、今回はその中でも更に異例の良席でした。

 17時になりライブスタート。最初に演奏されたのは、デビュー初期からの盛り上げ曲「ねぎねぎRock~私をお家に連れてって~」。続く「完全攻略」では3人ともステージから降りて、会場中の通路を動き回って多くの観客とハイタッチ。そういえばこの曲、古くから演奏されている割にセトリとして個人的に遭遇するのは初めてです。続く「15」は昨年のアルバム『MY COLOR』ラストに収録されている曲。こちらもアルバムリリース直後あまり現場に行けなかったこともあって、ライブでは初めて見る形。

 3曲終わってMC。今回のツアーはコーナーと言えるものがほとんどないようで、したがって普段以上に自由です。Nao☆ちゃんを筆頭に3人ともそこそこに天然なので、話題もどんどん飛びます。おかげでものすごく面白かったという部分以外は正確に伝えにくい部分もあったり…。ただこの時間帯はちょっとした物販紹介もありました。ここで取り上げたのはなぜか今回のツアーグッズではなく、7月の佐渡ワンマングッズである”SADO!”という文字が描かれたキャップ。どう見てもここのデザインと被っていますが、一応公式に許可を取ってパクらせて頂いてる…のだそうです。その他、例の今でしょを筆頭にNao☆ちゃんによる観客へのムチャぶりも健在。ただ車なり上信電鉄なりでわざわざ群馬の奥地まで遠征して来た人が大半の会場、鍛えられている人ばかりなので皆さん瞬時に対応できます。今回のツアーでは決めポーズがどうやらあるようです。ラストの東京江戸川公演のみ参加するバックバンドをみんなで驚かせよう!という話ですが、果たしてどうなるでしょうか。

 楽曲披露に戻って、「そして物語は行く」「ノスタルジア」「She’s Gone」と『MY COLOR』からミディアムテンポの楽曲が続きます。前回足を運んだワンマンが昨年6月、アルバムリリースより少し前だったのでかなり新鮮な気持ちで聴くことが出来ました。歌声も良いですが、それ以上にしなやかな振り付けが印象的でした。足の使い方は一見自然に思えますが、じっくり見るとなかなかに複雑です。もう1曲続く形で披露されたのは新曲「I Am A Punk!」。クラムボンのミトが提供した楽曲は、まさしく彼女のボーカルで脳内再生が余裕で出来るふんわりとした内容。タイトルとのギャップがとても大きいですが、サビの振り付けは拳を交互に前に出す形。攻撃的なパンチ、というより「渚にまつわるエトセトラ」のサビに近いような(曲調は違いますが)、いずれにしても大変味があって完成度高い楽曲に仕上がっています。この曲調でライブ映えする、というのもあまりないような気がしますね。バンド演奏が入ると、Cメロが特に聴き応えありそうです。

 2回目のMCは”ネギの知識を植え付けよう”のコーナー。次月の11月23日・24日に通算10回目となる全国ねぎサミットに応援大使として出演するNegiccoが、松戸の矢切ねぎを紹介します。なんだかあまり紹介できていなかった箇所もあったような気はしますが、多分本番は大丈夫なのだと思います(汗)。ちなみに会場では矢切ねぎを挟んだランチパックも発売されるそうです。このコーナーではねぎサミットの法被を着ていましたが、なぜかそれを着たまま「愛、かましたいの」に突入。もっとも、ラストサビ前に寸劇っぽい形で脱ぐことにはなりました。connieさん提供の新曲「夢・Dreamer」、ラストは3人とも客席内を周りながら「トキメキ★マイドリーム」「ときめきのヘッドライナー」。時間そのものも1時間ちょっとですが、体感としてはそれ以上に速く本編が終了しました。

 やや長めのアンコールまでの間、再登場したぽんちゃは髪型がクマさんのようなお団子ヘアーに変わっています。Nao☆ちゃんが早業でセットしたのだとか。今回のツアーは各公演ごとにメンバーがセットリストを決める形のようで、この日はぽんちゃの選曲ということ。序盤のラインナップに、彼女らしさがよく表れていました。アンコールはお馴染み「さよならMusic」「圧倒的なスタイル」、ラストは新しいシングル表題曲「I LOVE YOUR LOVE」で締めました。

 各所で様々な形でNegiccoのライブをこれまで見てきましたが、街ぐるみで一つのアーティストのライブをこれだけ盛り上げる光景は初めて見ました。他にあるとしたら、おそらく離島で時折行われるB’zのライブくらいでしょうか。Negiccoは言うまでもなく新潟がホームグラウンドですが、この下仁田もそれと同等あるいはそれ以上の土地になっていると言って良さそうです。ライブも素晴らしかったですが、今回はそれ以上に街を挙げて応援する光景に心を大きく動かされました。手作り感溢れるステージも含めて、まさにNegiccoでしか実現できない内容だったように思います。新曲を聴いた時にも感じましたが、もしかするとNegiccoの本当の全盛期はこれからなのかもしれません。パフォーマンス全体としての感想はすぐ6日後に大阪箕面スパガーデン公演を見ているので、またその時に書いていきます。

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