今週のビルボードチャート~12/8(NiziU、Saucy Dog、MISIA)


 Snow Man「Secret Touch」が今週の1位。CDセールスは今作も非常に高く、75万枚を売り上げています。なお2022年度集計に入った今週から指標係数変更のアナウンスがされています。今週の15706ポイントのうちCDセールスが占める割合は60%ほどで約9000ptといったところですが、Snow Manほど高い数字だと間違いなくそういった調整が入っているものと思われます。個人的にはYoutubeが指標11位でありながらポイントに占める確率3%ほど、ここの比率をもう少し上げてもいいのではないかとも少し思いますが…。これだけのCDを売り上げているのでリッピングもかなり稼いでいて、全体の約25%・推定3700ptほど集計されている計算になっています。

 宇多田ヒカル「君に夢中」が今週も強く総合2位、ダウンロード1位・ストリーミング3位につけています。21000ダウンロードで大体2100pt程度でしょうか。ストリーミング3位が3700pt…。この合算5800ptはCDセールスだけでいうと25万~45万は売り上げる必要のある数値と置き換えができそうです(まだ1週目なので大まかな推定しか出来ません)。

 マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」が総合5位、ついにストリーミング1位に躍り出ました。年末は日本レコード大賞出演でまた跳ね上がる可能性があるので、今後もしばらくは注目です。

 King Gnu「BOY」はCD発売のタイミングで10位にアップ。Youtubeでは既に1640万再生の大ヒット曲になっています。セールスは2.1万枚で約1600pt分でした。総合17位・CDセールス2位の刀剣男士 formation of 心覚「問わず語り」は4.6万枚で3500ptほどなので、係数の比率が変わるのは少なくとも5万枚以上であることが分かります。また総合15位・CDセールス6位のなにわ男子「初心LOVE」はリッピング2位。発売から4週経っていることを考えると、購入の割合はファン中心から徐々に一般消費者(もしくは新規ファン)メインに移り変わっていることがよく分かる結果になっています。逆に配信で聴ける環境があればCDセールスは長く続かず、総合12位のLiSA「明け星」はセールス22位・リッピング4位でした。そう考えるとポイントに占める比率は高くないですが、CDリッピングの要素もロングセラー度を測る点では有用であることがよく分かります。

 22位にSaucy Dog「シンデレラボーイ」が躍進、ストリーミング14位。Youtubeは今週22位ですが、累計では880万再生まで来ています。23位に元キンプリの岩橋玄樹「My Lonely X’mas」が初登場、CDセールス3位で4.0万枚、2900pt稼いでます(リッピングは15位で僅かでした)。35位のYOASOBI「もしも命が描けたら」はダウンロード3位、今週アルバムチャート1位の『THE BOOK 2』収録曲です。その他THE RAMPAGE from EXILE TRIBESEVENTEENIVEサカナクションsumikaなどが初登場。

11位(アルバム4位) NiziU「Chopsticks」


 個人的には年末番組でTwitterでも触れているのですが、そういえばここでは触れていなかったのであらためて書きます。11月24日発売の1stアルバム『U』のリード曲で、アルバムチャートでは先週1位・今週も4位にランクインしています。

 誰もが知っているピアノ練習曲のカノンをベースにした楽曲なので、一度聴けばまず間違いなく憶えられるのが最大の長所です。MVもピアノが重要なテーマになっていて、メンバーが弾く場面も随所に見られます。実際の腕前がどうなのかは分かりませんが、出来上がったダンスパフォーマンスはやはり流石の一言です。ステップの踏み方など脚の動きがこの曲は特に複雑で、高いフィジカル能力が無いとなかなかマネするのも大変な楽曲という印象を持ちました。

 親しみやすい振付も良いですが、ダンスパフォーマンスの真骨頂はやはり難しい踊りがいとも簡単そうにこなすことではないかと思います。日本の女性ダンスグループのトップはやはりPerfumeだと個人的に考えていますが、そのメンバーがNiziUにハマっているという事実だけでその凄さが証明されているのではないでしょうか。

22位 Saucy Dog「シンデレラボーイ」


 ストリーミングで注目度上昇中のこの曲は、8月リリースのミニアルバム『レイジーサンデー』に収録されています。Spotifyでは既に10曲以上が100万再生数を記録、2017年の「いつか」は2200万を突破。来年6月には日本武道館や大阪城ホールの単独公演も決定しているので、既に一定以上の人気は獲得しています。

 ボーカル・石原慎也は独特の高い歌声を持っているようで、骨太とは遠い声質です。だからこそ優しさを感じさせる面が強く、今回のような切ないラブバラードが非常にハマっています。切ないメロディーと、激しさを少し意識したようなCメロが大きなポイントになっていて、コミック調のMVも良い味を出しています。

 こういった楽曲はいつの時代も愛されるスタンダードナンバーになりやすく、ストリーミングでも再生数が多くなる傾向が強いですが、その条件にはピッタリ合致した内容と言えます。今回はあくまでこの曲を聴いただけでの感想ですが、そのうち画面越しでもいいので実際のパフォーマンスを確認する必要は当然ありそうです。

アルバム5位 MISIA「Higher Love」


 1年ビルボードチャートから新曲をピックアップして分かったことですが、どうしてもアルバム収録曲や遅めのフルMV解禁曲は取り上げる機会を逃しがちになります。ストリーミングで上位に入るのも基本は若手メインで、中堅~ベテランのアルバム曲がどんなに良い内容でも取り上げる機会を作れないまま過ぎていくことがありました。これは先日東京事変の「緑酒」を聴き直した時に感じたことです。

 というわけで今週からは出来る限りアルバムチャートからも引っ張ってピックアップしようと考えています。第1弾はアルバム『HELLO LOVE』をリリースしたMISIA。3週間前に「Higher Love」が先行配信されていますが、総合チャートではなぜかここまで100位に入っていません。ラジオチャートでは今週3位でここ3週間上位にランクインしていますが、他要素もダウンロードで初登場30位が最高でした。なお先日THE FIRST TAKEでもパフォーマンス、こちらは150万再生を達成しています。

 何と言ってもこの曲はいま最も注目されている藤井風の楽曲提供です。確かにこのメロディーは藤井さんが歌っても十分しっくり来ますが、ゴスペルが入るほどのスケールの大きさはMISIAさんが歌う方がやはり相応しいです。なおLoveというタイトルがついていますが、この曲は恋愛ソングではなく人間愛を歌っています。藤井さんもキャリアで言えばかなり若手ではないかと思いますが、その若さでこの歌詞を書けることは、それだけで尊敬できる存在です。参考までに、「精霊流し」「無縁坂」を発表した時のさだまさしや「心もよう」「傘がない」を発表した時の井上陽水と今の藤井さんが同年代です。

 歌手・MISIAの人間力(歌唱力ではなくあえてこう書きます)とクリエイター・藤井風のハイセンスがコラボレーションした作品は、名前が示す通りもしくはそれ以上に2021年を締めくくるに相応しい楽曲だと思います。出来れば個人的にはこの曲で、紅白歌合戦のラストを締めて欲しいと番組ファンとしても考えていますが、どうなるでしょうか。

コメント

タイトルとURLをコピーしました