第72回(2021年)NHK紅白歌合戦曲順・出演者表(後半)

 個人的に毎年曲順が発表されるタイミングで、紅白歌合戦ガイドブックを作っています。ただ1記事にまとめると大変な長文になるのが常です。というわけで今年からは前半・後半で分けて記事を作成する形にしました。

 今年はこの記事を最終更新として、大晦日までにリハーサルで得た情報を追記していく形になります。また前回の玉置浩二のように、急な出演発表があっても独自に記事を作らずそのまま追記という形にします。そのため事前のネタバレを見たくないという人は、読み進めない方がいいかもしれません。その点留意して頂くようお願いします。

  当記事では後半21時~23時45分までのステージを紹介します。前半についてはこちらをご覧ください。また司会者やゲスト審査員については前半に書いたので、ここでは省略します。

  1. 企画3(全体22):明日への勇気をくれる歌
  2. 紅10(全体23):AI(4年ぶり4回目)
  3. 白11(全体24):関ジャニ∞(10年連続10回目)
  4. 紅11(全体25):BiSH(初出場)
  5. 白12(全体26):三山ひろし(7年連続7回目)
  6. 白13(全体27):平井 大(初出場)
  7. 企画4(全体28):ケツメイシ(初出演)
  8. 紅12(全体29):Perfume(14年連続14回目)
  9. 紅13(全体30):millennium parade×Belle(初出場)
  10. 白14(全体31):宮本浩次(3年ぶり2回目)
  11. 紅14(全体32):乃木坂46(7年連続7回目)
  12. 企画5(全体33):細川たかし(6年ぶり40回目)
  13. 紅15(全体34):坂本冬美(19年連続33回目)
  14. 白15(全体35):藤井 風(初出場)
  15. 紅16(全体36):YOASOBI(2年連続2回目)
  16. 白16(全体37):鈴木雅之(2年連続4回目)
  17. 白17(全体38):ゆず(7年連続12回目)
  18. 白18(全体39):星野 源(7年連続7回目)
  19. 紅17(全体40):あいみょん(2年連続3回目)
  20. 白19(全体41):BUMP OF CHICKEN(6年ぶり2回目)
  21. 企画6(全体42):さだまさし(2年連続21回目)
  22. 紅18(全体43):東京事変(2年連続2回目)
  23. 紅19(全体44):薬師丸ひろ子(7年ぶり2回目)
  24. 紅20(全体45):石川さゆり(38年連続44回目)
  25. 白20(全体46):氷川きよし(22年連続22回目)
  26. 白21(全体47):布袋寅泰(初出場)
  27. 白22(全体48):福山雅治(13年連続14回目)
  28. 紅21(全体49):MISIA(4年連続6回目)

企画3(全体22):明日への勇気をくれる歌

東京都交響楽団~ドラゴンクエスト~
LiSA「炎」~鬼滅の刃~
高橋洋子「残酷な天使のテーゼ」~新世紀エヴァンゲリオン~

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 後半は企画コーナーから始まります。全員合唱と朝ドラ特別編以外で出場歌手以外のステージから始まるのは、平成に前後半制を導入して以来初めてのことです。

 「ドラゴンクエスト」は今年逝去された作曲家・すぎやまこういちさんを追悼する意味合いがあるとともに、東京オリンピック開会式で「序曲」が使用されたことも話題になりました。交響楽団単独の演奏は、第42回(1991年)のN響による「モーツァルト・交響曲第40番より第1楽章」以来30年ぶりです。
 「炎」は興行収入の記録を作った『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』主題歌として大ヒット、前回の紅白歌合戦でも「紅蓮華」とともに披露されました。したがって紅白歌合戦では2年連続歌唱、もちろん今回もLiSAが歌唱を担当します。
 「残酷な天使のテーゼ」は1995年、『新世紀エヴァンゲリオン』のTVアニメ版第1作のOPテーマに起用。歌唱する高橋洋子は1991年ソロデビュー、当初は日本レコード大賞新人賞も受賞するなど期待されていましたが、ブレイクはやはりこの曲でした。エヴァンゲリオンは今年も映画『シン・エヴァンゲリオン』の公開があり、非常に長く愛されるシリーズになっています。紅白での披露は『アニメ紅白』で石川さゆりmiwaがサビを歌って以来6年ぶりですが、高橋さんは今回が初出場です。

 各ステージ、見どころは歌唱や演出もそうですが、スクリーンいっぱいに広がる映像もそうだと思います。第66回(2015年)の企画コーナー『アニメ紅白』でも映像をふんだんに使っていましたが、この演出がどこまで進化しているかも今回のポイントになりそうです。

紅10(全体23):AI(4年ぶり4回目)

・2000年デビュー、第56回(2005年)初出場
・1981年11月2日生 鹿児島県鹿児島市出身
・楽曲:「アルデバラン」(2021/11/
1 配信)
・詞・曲:森山直太朗
・今年の漢字…金

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 4年ぶりの紅白復帰、その間に第2子の誕生がありました。「アルデバラン」は現在放送中の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』主題歌、森山直太朗が楽曲提供しています。
 昨年の『エール』での好演が記憶に新しい直太朗さんですが、第56回(2005年)では『風のハルカ』主題歌「風花」を紅白で歌っています。AIさんは同年に「Story」で初出場、紅白でバラードを歌うのはその時以来16年ぶり。そう考えると不思議な縁を感じます。
 年末の各歌番組で素晴らしいステージになることは実証済み、ただヒロインの上白石萌音が横にいると予想される紅白はさらに特別。バックのスクリーンには連続テレビ小説に関するスペシャル映像も流れるようで、今年屈指の名場面になりそうです。なお後半トップバッターで歌うのは今回が初めて、朝ドラ主題歌に関して言うと第66回(2015年)、『あさが来た』のNMB48「365日の紙飛行機」以来6年ぶり。

白11(全体24):関ジャニ∞(10年連続10回目)

・2004年デビュー、第63回(2012年)初出場
・36歳~40歳・5人組
・楽曲:「Re: LIVE」(2020/8/19 CD)
・詞:Eight × Eighter
・曲:zero-rock
・今年の漢字…始、全、生、声、再

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 第63回(2012年)、第68回(2017年)に続いて白組後半トップバッターは3回目。これは白組最多記録です(紅組は浜崎あゆみが4回あり)。また同時に、今回ジャニーズ事務所からは唯一の後半出演。さらに21時台前半までに出場を終えるのは、TOKIOのみが白組トップバッターで出演した第55回(2004年)以来実に17年ぶりとなります。

 今回選曲された「Re: LIVE」は、ファンからエピソードを募集して歌詞に盛り込んだ楽曲です。したがってこれまで以上に「絆」が強調される内容に仕上がっています。毎年熱いステージを紅白で見せてくれる関ジャニ∞ですが、今年はさらに力のこもった内容になるのではないでしょうか。

紅11(全体25):BiSH(初出場)

・2015年結成・デビュー
・全員年齢非公表・6人組
・楽曲:「プロミスザスター」(2017/3/22 CD)
・詞:松隈ケンタ、JxSxK 曲:松隈ケンタ
・今年の漢字…笑

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 「楽器を持たないパンクバンド」をキャッチフレーズに活動している、2015年デビューの6人組女性ユニットです。所属事務所のWACKは2010年代前半にBiSを手掛け、破天荒な活動と楽曲でアイドルシーンに革命を起こしました。2014年に解散後、「BiSをもう一度始める」という名のもと結成されたのが彼女たちです。当初のメンバーで残っているのは3人、現在の6人体制になったのは2016年8月以降となります。歌声はメインボーカルを務めることが多いアイナ・ジ・エンドのハスキーボイスが特に魅力的で、多くの作品に客演参加しています。

 楽曲面・パフォーマンスともに広く評価されるきっかけは、2016年の「オーケストラ」と2017年にメジャー2ndシングルとして発売された「プロミスザスター」。今回紅白ではYoutubeでも再生回数が最も多い「プロミスザスター」を歌います。今回の曲でソロパートを多く担当するのはアイナ・ジ・エンドセントチヒロ・チッチ、ステージではこの2人の歌声に是非注目して欲しいと思っています。

 先日2023年中の解散が発表になりましたが、逆に言うと2年連続紅白出場のチャンスもあるということです。清掃員と呼ばれるファンだけでなく、来年の活動にも繋がるような多くの人々の心に残るステージを期待したいです。なお初出場の記者会見ではいつもやってる円陣で放送禁止用語を叫びましたが、囲み取材によると「本番は迷惑はかけない」とのこと。

白12(全体26):三山ひろし(7年連続7回目)

・2009年デビュー、第66回(2015年)初出場
・1980年9月17日生 高知県南国市出身
・楽曲:「浮世傘~第5回 けん玉世界記録への道~」(2021/7/28 CD)
・詞:いではく 曲:影山時則
・けん玉:けん玉ちばちゃん、けん玉ヒーローズ2021、ず~まだんけ
・今年の漢字…忍

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 5年連続となったけん玉ギネス世界記録への挑戦、今回は126人連続と2年連続の成功がかかっています。うまくいくことを願いたいです。

 今年もけん玉ちばちゃんけん玉ヒーローズ2021ず~まだんけが企画に参加。そしてDJ KOOは第67回(2016年)からこの企画出演で6年連続、TRFの3回どころかコロッケの5年連続応援出演も更新しています。芸人界からはぺこぱ松陰寺太勇が初参加、そしてなんとフジテレビからポンキッキーズのマスコットキャラクター・ムックが参加します。アニメ関連を除く民放番組のマスコットキャラクターが紅白に登場するのは、今回が初めてです。

 楽曲は1月発売の「谺」ではなく「浮世傘」、下半期発表の曲が紅白で選曲される初めてのケースになりました。また、これまで作曲を担当した三山さんの師匠・中村典正氏が2019年に逝去されているので、7回目にして作曲家が代わっています。今回「浮世傘」を作曲した影山さんは、第57回(2006年)に長山洋子とのデュエットでステージに立った方です。曲調もこれまでよりやや重く、演歌らしい重厚さに満ち溢れた内容になっています。どうしても注目はけん玉になるかと思いますが、今回ソロの演歌で新曲が披露されるのはこのステージのみ。是非曲も多くの人に耳を傾けて欲しいです。

 なおメッセージ動画や事前番組など、今回三山さんは金色のけん玉を持参して登場しています。衣装との一体化は近年著しく、前回はついにエンディングでけん玉を首にかける事態になりました。メインの出番以外でもけん玉をアピールしているかどうかも、細かい注目点として挙げることができそうです。

白13(全体27):平井 大(初出場)

・2009年デビュー・2013年メジャーデビュー
・1991年5月3日生 東京都出身
・楽曲:「Stand by me, Stand by you.」(2020/9/9 配信)
・詞:EIGO (ONEly Inc.)、Dai Hirai 曲:Dai Hirai
・今年の漢字…愛

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 2011年に「祈り花」が注目されて以来、夏のイベントには欠かせないアーティストとして君臨。CDシングル発売はほとんどないものの、アルバムと配信で長く実績を残しています。今年は実に15曲が、配信シングルとしてリリースされました。

 今回披露される「Stand by me, Stand by you.」はTikTokなどでも多くカバーされ、ビルボードでも年間17位のヒットを記録。飄々とした行動が初出場の記者会見で話題になっていましたが、紅白のステージも緊張というよりはリラックスした表情を見せてくれるのでしょうか。Mステ出演はありますが頻繁に歌番組でパフォーマンスしている印象でもないので、その点でも今回非常に期待したいです。

企画4(全体28):ケツメイシ(初出演)

・1993年結成、1999年デビュー
・44歳~49歳・4人組
・楽曲:「ライフ イズ ビューティフル」(2007/8/29 Al.『ケツノポリス5』)
・詞・曲:ケツメイシ

 12/27の午前0時に突如出演が発表されました。スポーツ紙のスクープもなかったので完全に青天の霹靂でしたが、普段あまり音楽番組に出演しないアーティストなので非常に嬉しいです。「さくら」「夏の思い出」「友よ~この先もずっと…」などヒット曲・名曲多数の彼らですが、なんとNHKのテレビ出演自体が今回初めて。その事実も大変意外で、ビックリしました。

 今回披露する「ライフ イズ ビューティフル」は、2007年のアルバム『ケツノポリス5』に収録。ファン中心に隠れた名曲として愛されていますが、今年2月に新しくMVが作られてYoutubeに公開されました。ゆる過ぎるライブのMCとくだけた楽曲も人気ですが、感動的な楽曲も多く発表しているのが彼らの大きな魅力。純粋にただひたすらに、楽しみなステージです。

紅12(全体29):Perfume(14年連続14回目)

・2002年デビュー、第59回(2008年)初出場
・32歳~33歳・3人組 広島県出身
・楽曲:「ポリゴンウェイヴ」(2021/7/2配信)
・詞・曲:中田ヤスタカ

 14年連続出場は間違いなく大記録で、回数は紅組歴代26位・初出場以来の連続となると紅組歴代12位。グループに限定すると16回連続のザ・ピーナッツと15回のDREAMS COME TRUEに次ぐ紅組3位の出場回数、白組を含めてもPerfumeの出場回数を上回るグループは5組しかいません。さすがに近年の曲はストリーミングなどの再生数が減っているものの、そもそもこれだけ長い間人気が続くこと自体、特にボーカルグループではほとんど前例のないことです。

 「ポリゴンウェイヴ」は今年発表の新曲、単体でその年発表の曲を歌うのは第68回(2017年)の「TOKYO GIRL」以来4年ぶりになります。Amazon配信の『ザ・マスクド・シンガー』テーマソングですが、その番組では大泉洋がMCを務めていて3人もパネリストとして出演しています。そうなると、パフォーマンス前に予想される彼とのやり取りも見どころの一つになりそうです。

紅13(全体30):millennium parade×Belle(初出場)

・2019年結成・デビュー Belle(中村佳穂)は2021年~参加
・常田大希:1992年5月15日生 長野県伊那市出身
・中村佳穂:1992年5月26日生 京都府出身
・楽曲:「U」(2021/8/18配信)
・詞・曲:常田大希
・今年の漢字…人

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 常田大希を中心とするプロジェクトとして2019年発足、これまで数多くのクリエイターやミュージシャン・ゲストボーカルを迎え入れてきました。今年は中村佳穂をゲストボーカルに迎えた「U」が細田守監督の映画『竜とそばかすの姫』メインテーマとして大ヒット。また中村さんは声優として主人公・すず/ベルの声も担当、テレビの歌番組で初のステージにもなっています。常田さんは第70回(2019年)にKing Gnuのメンバーとして出演しているので、2年ぶり2回目の出場です。

 フジロックフェスティバルではパフォーマンスの凄さとともに、演出も大きな話題になりました。アニメの映像演出が今回入ると思われますが、どういったステージを見せてくれるのかが非常に気になります。リハーサルによると、常田さんはチェロも演奏、太鼓や管楽器も入る紅白用のスペシャルアレンジになるということです。非常に楽しみです。

白14(全体31):宮本浩次(3年ぶり2回目)

・2019年ソロデビュー(正確には童謡歌手として1976年)、第69回(2018年)ソロ初出場
・1966年6月12日生 東京都北区出身
・楽曲:「夜明けのうた」(2020/2/25 配信)
・詞・曲:宮本浩次

 2017年・第68回にエレファントカシマシのボーカル、翌年に椎名林檎と「獣ゆく細道」を歌って以来3年ぶりの紅白出場となりました。今回はメイン会場ではなく、東京湾の上から中継出演すると発表されています。船上か埋め立てのステージかはまだ分からないですが、船上で歌う形になるとしたら紅白史上初となります。いずれにしても夜景をバックにした映像が見られることは間違いなさそうです。

 楽曲は2020年のアルバム『宮本、独歩。』収録曲で、テレビ東京『ガイアの夜明け』主題歌として起用されています。3回目の紅白ですが、歌う曲は完全に三者三様という形となりました。力の入った歌声・演出が見られそうです。

紅14(全体32):乃木坂46(7年連続7回目)

・2012年デビュー、第66回(2015年)初出場
・17歳~29歳・37人組
・楽曲:「きっかけ」(2016/5/25 Al.『それぞれの椅子』)
・詞:秋元 康 曲:杉山勝彦
・今年の漢字…繋

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 結成10周年はシングル表題曲センターが全て3・4期生、そして7人のメンバーが卒業。明確に世代交代を象徴する1年でした。そして12月31日を最後に生田絵梨花が卒業するので紅白が完全ラストステージ、さらに新内眞衣星野みなみの卒業も既に発表されています。なお第69回(2018年)の西野七瀬もその年大晦日限りの卒業でしたが年明け2月24日に卒業コンサート開催、一方生田さんは既に卒業コンサートが終了しているので、今回彼女は乃木坂46で初めて紅白でグループ活動を終えるメンバーとなります(僅かにCDTVスペシャルがラストになる可能性も残っていますが)。

 「きっかけ」は結成5周年を迎えた2016年、アルバム『それぞれの椅子』に収録。シングル曲ではありませんが、グループの足跡と未来をテーマにした楽曲はファンからの人気が非常に高いです。いやファンだけではなく、リリースしてすぐにMr. Childrenの桜井和寿が自身が出演するイベントでカバーしたというエピソードもあります。今年は4期生、5年前はグループに所属していない中学生だった遠藤さくらがTHE FIRST TAKEで歌ったことも話題になりました。11月の東京ドームでは、メンバー1人ひとりが順番に歌い繋いだというエピソードもあります(参考:Real Soundの記事)。これを選曲した今回のスタッフは非常に粋であるとともに、かなり坂道グループに思い入れが深いことがよく分かります。

 リハーサルによると、今回生田さんがついに紅白で初めてピアノ演奏を披露するようです。いわゆるアイドルと呼ばれる出場歌手が紅白でピアノを演奏するのは、第37回(1986年)の河合奈保子以来35年ぶりです。パート分けも1期生から4期生に歌い継ぐ形のようで、グループ史において特に後世に語られるステージになることは間違いなさそうです。

企画5(全体33):細川たかし(6年ぶり40回目)

・1975年デビュー、第26回(1975年)初出場
・1950年6月15日生 北海道虻田郡真狩村出身
・楽曲1:「望郷じょんから」(1985/8/21 レコード)
・楽曲2:「北酒場」(1982/3/21 レコード)
・詞:里村龍一(望郷じょんから)、なかにし礼(北酒場)
・曲:浜 圭介(望郷じょんから)、中村泰士(北酒場)

 第66回(2015年)を最後に紅白卒業を表明しましたが、縁あって6年ぶりの出演。ただその間もNHK番組出演は多く、OBとして紅白歌合戦の事前番組出演もありました。

 「望郷じょんから」は1985年発表、この年日本レコード大賞最優秀歌唱賞受賞。第36回(1985年)紅白では当時制定されていた個人賞である銀杯を受賞しています。以降第46回(1995年)・第51回(2000年)・第60回(2009年)と合わせて計4回歌唱。第46回はデビュー20周年を飾る大トリ、5分以上存分に歌い上げるステージを展開していました。民謡の要素を取り入れた楽曲は、細川さんでしか表現できないような魅力に満ち溢れていて、数ある演歌でも特に高い歌唱力を必要とする楽曲です。

 「北酒場」は1982年発表、『欽ちゃんのどこまでやるの!』で毎週のように歌われた結果デビュー曲「心のこり」を超える大ヒットを記録、日本レコード大賞受賞曲にまでなりました。盛り上げ系の明るい楽曲ですが、そういったキャラクターが認知されたのもこの番組がきっかけです。紅白では第33回(1982年)と第56回(2005年)で歌唱、16年ぶり3回目の披露となります。

 なお白組歌手としては後年前半での出演が多くなったため、21時以降の時間帯で登場するのは第55回(2004年)以来17年ぶりとなります。また会見では「歌詞を間違えないように」とコメントしていますが、「浪花節だよ人生は」で2度そういったハプニングがあったものの、この2曲では少なくとも紅白でミスしていません。久々の紅白、通算では40回目のステージとなります。70歳を超えても圧倒的な歌唱力は健在、おおいに期待したいです。

紅15(全体34):坂本冬美(19年連続33回目)

・1987年デビュー、第39回(1988年)初出場
・1967年3月30日生 和歌山県西牟婁郡上富田町出身
・楽曲:「夜桜お七」(1994/9/
7 CD)…3年ぶり8回目
・詞:林あまり 曲:三木たかし
・今年の漢字…幸

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 歌手デビュー35周年を迎えた、紅白には欠かせないベテランです。「夜桜お七」は紅組トリ(第47回)、画面いっぱいに舞う花吹雪(第63回)、菅原小春のダンス(第67回)、アクロバットな演舞(第69回)など紅白でも多くの名ステージを生み出した名曲です。今年はどんな演出が待っているのでしょうか。非常に楽しみです。

 なお「夜桜お七」は前半大トリの第58回と紅組トップバッターの第69回以外、全て後半での歌唱となっています。前半で2度歌った際も重要な曲順を任されているので、それだけ紅白で特別な意味合いを持つ楽曲と考えて良さそうです。

白15(全体35):藤井 風(初出場)

・2010年活動開始・2019年メジャーデビュー
・1997年6月14日生 岡山県浅口郡里庄町出身
・楽曲:「きらり」(2021/5/3 配信)
・詞・曲:藤井 風

 他の出場歌手より一足遅れて、12月24日の発表になりました。その際曲目は未定でしたが、曲順発表の段階で「きらり」の歌唱が発表されています。

 2019年メジャーデビューですが、YouTubeでは2010年からピアノなどの演奏動画を投稿していました。多くの支持を集めるアーティストになった現在ですが、その当時から注目しているファンも多くいるものと思われます。音楽関係者からの評価も非常に高く、昨年の時点でブレイクは時間の問題という印象でしたが、今年は完全に音楽ファン以外にも広く知られる存在になりました。

 「きらり」はHonda「VEZEL」のCMソングとして大ヒット、爽やかなサウンドとメロディーが非常に耳に残る楽曲です。テレビ番組はNHKで特集番組が組まれ、テレビ朝日『報道ステーション』でもパフォーマンスしていますが、生の音楽番組については初。その点でも注目が集まるステージです。

紅16(全体36):YOASOBI(2年連続2回目)

・2019年デビュー、第71回(2020年)初出場
・21歳~27歳・2人組 東京都、山口県宇部市出身
・楽曲:「群青」(2020/9/
1 配信)
・詞・曲:Ayase
・今年の漢字…挑

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 前回やや遅れて初出場を発表、紅白で歌番組初登場となったYOASOBIですが、今回は似たような形で初出場となる藤井風の直後に歌います。双方とも2021年のJ-POPシーンを牽引するアーティストで、出演する時間帯以上に2組連続の曲順にしたことが非常に大きな意味を持つ形となっています。

 今回歌う「群青」は前年の発表曲ですが、全国高校生ダンス部応援企画のテーマソングに起用されたのは今年6月でした。ビルボードでも「夜に駆ける」「怪物」に次ぐ年間8位を記録しています。今年の顔が2組続く展開は、2021年の紅白で一番見逃してはいけない部分ではないでしょうか。

白16(全体37):鈴木雅之(2年連続4回目)

・1986年ソロデビュー、第42回(1991年)初出場
・1956年9月22日生 東京都大田区出身
・楽曲:「め組のひと」(1983年4月1日 ラッツ&スター)
・詞:麻生麗二 曲:井上大輔
・今年の漢字…伝

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 1986年ソロデビュー、それ以前はシャネルズ→ラッツ&スターのメインボーカルとして活動していましたが、意外にも1980年代に紅白出場は一度もありませんでした。ラッツ&スターとしては再結成した1996年・第47回に出場していますが、その時に歌ったのはカバー曲を再結成時のシングルで発売した「夢で逢えたら」。したがって今回の選曲は、ラッツ&スターのオリジナルが紅白で歌われる初めてのケースとなります。

 「め組のひと」は1983年改名後初のシングル、資生堂のCMソングとして大ヒットしました。また2010年に倖田來未がカバーしますが、近年になってTikTokでの使用例が増加。そのため当時の人々だけでなく、ラッツのリアルタイムを知らない若者にもよく知られている楽曲となっています。

 メンバーの1人による度重なる逮捕のためグループの再結成は絶望的ですが、今回ラッツのメンバーである佐藤善雄桑野信義が再集結、限りなくそれに近いステージとなります。桑野さんはガンの闘病中でもありますが7月には鈴木さんのコンサートにゲスト出演、ステージ復帰を果たしています。非常に楽しみです。フルコーラスで3分半の短い曲なので、出来ればこちらもカット無しで見たいです。

白17(全体38):ゆず(7年連続12回目)

・1997年デビュー、第54回(2003年)初出場
・44歳~45歳・2人組 神奈川県横浜市出身
・楽曲:「虹」(2009年9月2日 CD)
・詞・曲:北川悠仁

 ゆずの代表曲の一つで、ストリーミングの再生数も非常に多い楽曲ですが、発表された2009年に出場した紅白では「逢いたい」を選曲。そのため今回紅白で初めて披露する形になります。日本生命のCMソングとして作られた、非常にスケールの大きい楽曲です。

 今回はフラワーアーティストの東信さんとのコラボが発表されています。カラフルにステージを彩る形になります。ゆずとはアルバム&ツアーのメインビジュアルやライブステージのアレンジなども担当していて、非常に縁深い方のようです。間違いないステージが期待できます。

白18(全体39):星野 源(7年連続7回目)

・2010年ソロデビュー、第66回(2015年)初出場
・1981年1月28日生 埼玉県川口市出身
・楽曲:「不思議」(2021年4月27日 配信)
・詞・曲:星野 源

 今年の曲順における大きなポイントは、3組同組の曲順が後半に連発することです。これは白組で2回・紅組で1回登場します。1対1の対戦形式が原則であった頃と比べると、隔世の感があります。紅白の対戦にこだわる時代はかなり前に過ぎているので、その点では”ようやく”、もしくは”ついに”という感想が個人的に思い浮かびました。

 楽曲はTBS系ドラマ『着飾る恋には理由があって』主題歌としてヒット、川口春奈が主演を務めた作品です。過去のJ-POPにはあまりないタイプの聴かせる楽曲で、紅白でもあまり聴くことのなかった曲のような気がします。ここ2回は事前収録生演奏のステージが続いていますが、今回それがどうなるのかも注目点の一つになりそうです。

紅17(全体40):あいみょん(2年連続3回目)

・2015年デビュー、第69回(2018年)初出場
・1995年3月6日生 兵庫県西宮市出身
・楽曲:「愛を知るまでは」(2021/5/
7 配信)
・詞・曲:あいみょん
・今年の漢字…弾

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 今年発表された3曲はドラマ主題歌とAbemaTV恋愛リアリティーショーのタイアップですが、紅白で歌う「愛を知るまでは」は日本テレビ系ドラマ『コントが始まる』の主題歌でした。映画『花束みたいな恋をした』と同様、菅田将暉と有村架純が共演しています。前回紅白で歌った「裸の心」はバラードですが、今回はどちらかというと初出場の時に歌った「マリーゴールド」に近い曲調です。

 今回は「猫」を提供したDISH//が初出場を果たしています。彼らとのやり取りがあるかどうかも注目したいです。源さんとあいみょんの曲順がそれぞれの組のトリ4つ前、この辺りから曲順で言うと終盤戦に入ります。

白19(全体41):BUMP OF CHICKEN(6年ぶり2回目)

・1999年デビュー、第66回(2015年)初出場
・全員42歳・4人組 千葉県佐倉市出身
・楽曲1:「なないろ」(2021年5月18日 配信)
・楽曲2:「天体観測」(2001年3月14日 CD)
・詞・曲:藤原基央

 6年ぶりの紅白出演、前回は幕張メッセで開催されるCOUNTDOWN JAPANのEARTH STAGEから生中継でした。今年は上半期に放送された連続テレビ小説『おかえりモネ』主題歌を担当。ゲスト審査員に清原果耶坂口健太郎、さらにKing & Princeから永瀬廉も歌手として出場しているので、久々に3人が勢揃いする姿を見ることが出来そうです。

 12/28に追加発表、キャストが再集結してSP企画をやるようです。紅白で新たに朝ドラ特別編のドラマをやる場合、第69回の『ひよっこ』以来3年ぶりとなります。キャストはほとんどが紅白初出演ですが、浜野謙太は第70回(2019年)で椎名林檎のステージに参加、でんでんは第64回(2013年)あまちゃんSPステージの出演が過去にあります。1970年代のアイドル時代、あるいは『カーネーション』で紅白に出場していそうな夏木マリも、意外に今回が初登場だったりします。

 バンプとしてはとある事情でベースの直井由文がリリース当時活動休止していたので、つい先日再レコーディングして12月22日にパッケージ化しました。さらに今回は「天体観測」の披露もあります。もちろん当日は4人揃っての演奏、非常に楽しみです。

企画6(全体42):さだまさし(2年連続21回目)

・1976年ソロデビュー、第30回(1979年)初出場
・1952年4月10日生 長崎県長崎市出身
・楽曲:「道化師のソネット」(1980/2/25 レコード)
・詞・曲:さだまさし

 2年連続の紅白出演ですが、今回は終盤での登場となります。コンサートが行われる両国国技館から生中継。22時台前半に日本武道館で開催のももいろ歌合戦にも中継出演予定、2番組をまたいでの出演も2年連続です。21時開演予定、コンサート本編中での中継となります。もちろん年明けは0時20分からNHKで『年の初めはさだまさし』、こちらも同所から中継の予定になっています。

 「道化師のソネット」は1980年に大ヒット、以降もファンから長年にわたって愛される名曲ですが、紅白では意外に歌われたことがなく今回初歌唱。来年70歳を迎えるさださんですが、歌手としてはまだまだ健在です。

紅18(全体43):東京事変(2年連続2回目)

・2004年デビュー、第71回(2020年)初出場
・43歳~57歳・5人組
・楽曲:「緑酒」(2021/3/
30 配信)
・詞:椎名林檎 曲:伊澤一葉

 2回目の出場ですが、第62回(2011年)と第67回(2016年)では椎名林檎のステージで演奏を担当しているので実際は4回目の紅白です。今年は10年ぶりのフルアルバム『音楽』が発表されましたが、「緑酒」はその先行シングルとして配信されました。

 和をテーマにしたMVは大変風情のある作品で、おそらくステージもこれに準じた内容になるのではないかと予想します。ソロを含めると9回目の出場になる林檎さんですが、第62回(2011年)と第70回(2019年)以外は全て和装。いまや紅白で着物を歌う歌手は、石川さゆり坂本冬美以外だと彼女の名前がまず挙がるはずです。演出も毎回工夫を凝らした内容にしているので、今回も期待して間違いありません。

 なおこの後まだ6ステージありますが、2021年発表の楽曲はこのステージがラストです。前回それにあたるステージは星野源「うちで帰ろう(大晦日)」で、6ステージ残した状況というのは同様です(ただサプライズで当時未音源化の松任谷由実 with スモール3「きみのためにSuperman」がありました)。その年発表の楽曲を入れないという点では、今回も終盤はやや残念な曲順と言えます。

紅19(全体44):薬師丸ひろ子(7年ぶり2回目)

・1981年デビュー、第65回(2014年)初出場
・1964年6月9日生 東京都港区出身
・楽曲:「Woman “Wの悲劇”より」(1984/10/
24 レコード)
・詞:松本 隆 曲:呉田軽穂
・演奏:東京フィルハーモニー交響楽団

 デビュー40周年を紅白歌合戦のステージで飾る形になります。「Woman “Wの悲劇”より」は歌手として初出場した第65回で歌唱していますが、今年は松本隆の作詞活動50年という節目を祝う意味合いもありそうです。

 前回複数のステージでスタジオから東京フィルハーモニー交響楽団の演奏がありましたが、今回はこのステージで登場。指揮は下野竜也が担当、また前回この曲を歌唱した時と同様松任谷正隆がピアノ演奏、さらにオーケストラアレンジも手掛けています。松任谷さんは前回出演していないので今回2年ぶり、確認できる限り通算5回目の紅白参加となっています。

紅20(全体45):石川さゆり(38年連続44回目)

・1973年デビュー、第28回(1977年)初出場
・1958年1月30日生 熊本県熊本市出身
・楽曲1:「津軽海峡・冬景色」(1977/1/
1レコード)…2年ぶり12回目
・楽曲2:「火事と喧嘩は江戸の華」(2020/2/19 Al.『粋~iki~』)
・詞:阿久 悠(津軽海峡・冬景色)
・曲:三木たかし(津軽海峡・冬景色)
・詞曲:石川さゆり・KREVA・亀田誠治(火事と喧嘩は江戸の華)
・ゲスト:KREVA, MIYAVI
・今年の漢字…考

・リハーサル記事はこちら(ナタリー)

 「津軽海峡・冬景色」が紅白で歌われるのは2年ぶり12回目。単純に回数でも「天城越え」と並ぶ最多記録ですが、今回は1970年代~2020年代まで6年代連続本人歌唱で披露される史上初の楽曲になりました。おそらくこれは今後2度と出てこない記録ではないかと思われます。
 今回は44回目の出場で初めて持ち歌を2曲歌います。KREVAMIYAVIがゲスト出演して、「火事と喧嘩は江戸の華」を歌うというアナウンスがありました。「津軽海峡・冬景色」「天城越え」以外をステージで歌うのは、第57回(2006年)の「夫婦善哉」以来15年ぶりです。ただ曲順発表を見る限り別ステージではない様子なので、1ステージ2曲歌唱の場合「津軽海峡・冬景色」が1コーラスに短縮される可能性もありそうです。これに関しては正直、実際見ないことには分からない部分が多いような気がします。

 なお今回は紅組トリ前の曲順になりました。直後に白組のステージが3つもあるので実感はないですが、トリ前歌唱は5回目となります。トリ9回と比べると、さゆりさんがトリ前で歌う回数は意外と少ない印象もあります。

白20(全体46):氷川きよし(22年連続22回目)

・2000年デビュー、第51回(2000年)初出場
・1977年9月6日生 福岡県福岡市出身
・楽曲:「歌は我が命」(1976/5/29 美空ひばり)
・詞:吉田 旺 曲:井上かつお

 22年連続出場、五木さんの卒業で今年の紅白出場歌手最長の連続出場記録保持者となりました。ここ2年は「限界突破×サバイバー」で派手なステージを展開していましたが、今年は22回目で初となる美空ひばりカバーを紅白で歌います。
 「歌は我が命」は1976年発売のアルバム『歌は我が命第10集~私と影~』に収録。データだけで言うと知られざる名曲ですが、本人の愛唱歌としてコンサートの定番になっていました。発表された1976年の大晦日は、新宿コマ劇場でコンサートを開催。紅白の真裏にテレビ朝日で生中継もされています。

 氷川さんは今年の夏にNHKで放送された『ライブ・エール』で歌唱、素晴らしいステージを展開していました。またアニメソングを多く手掛けている沢田完が編曲を担当します(本人Twitterより)。オリジナル曲ではありませんが、もしかすると22回中最も後世に語り継がれる伝説のステージになるかもしれません。それくらい期待は高く、またそれを超えるステージを見せてくれそうな気がします。

白21(全体47):布袋寅泰(初出場)

・1982年BOOWYのメンバーとしてデビュー、1988年ソロデビュー
・1962年2月1日生 群馬県高崎市出身
・楽曲:「さらば青春の光<紅白SP>」(1993/7/28 シングル)
・詞・曲:布袋寅泰

 BOOWY結成から今年で40周年、節目の一年になった今年は東京パラリンピック開会式でギターパフォーマンスを披露しました。紅白歌合戦には第57回(2006年)で妻の今井美樹、第69回(2018年)で石川さゆりのステージにギター演奏でゲスト出演していますが、歌手としての出場は今回が初となります。

 楽曲は1993年のヒット曲である「さらば青春の光」、そして曲順は白組トリ前になりました。初出場でトリ前の曲順は第67回(2016年)の宇多田ヒカル以来5年ぶり、白組単独では第38回(1987年)の谷村新司以来34年ぶりです。非常に楽しみであるとともに、楽曲そのものにもタイトル通り再び輝かしい光が当たるようになってほしいと願います。

白22(全体48):福山雅治(13年連続14回目)

・1990年デビュー、第44回(1993年)初出場
・1969年2月6日生 長崎県長崎市出身
・楽曲:「道標~紅白2021ver.~」(2009/5/20 シングル)…11年ぶり2回目
・詞・曲:福山雅治

 前回初めて白組トリを務めましたが、今回も同様にトリを務めます。「道標」は2009年のシングル「化身」のカップリング曲でしたが、当初から『NEWS ZERO』EDテーマとして知名度の高い曲でした。翌年『THE BEST BANG!!』リリース時に早くも「道標 2010」として再レコーディングされて、第61回紅白ではこのバージョンでライブ会場のパシフィコ横浜から生披露しています。

 命をテーマにした楽曲は、福山さんの数ある楽曲の中でもトップクラスの名曲です。過去13回紅白歌合戦に出場していますが、個人的に紅白ベストアクトを1つ挙げるとしたら迷わず第61回のステージを選びます。それくらいに当時は感じ入る部分の多い内容でした。今回はライブ会場ではなくメイン会場の東京国際フォーラムからの披露、11年前とはまた違った形になります。ただ当時と同様あるいはそれ以上に名ステージになることは、間違いないように思います。

紅21(全体49):MISIA(4年連続6回目)

・1998年デビュー、第63回(2012年)初出場
・1978年7月7日生 長崎県対馬市出身
・楽曲:「明日へ 2021」(2011/4/
27 配信)…9年ぶり2回目
・詞:MISIA 曲:松本俊明

 紅組では松田聖子以来、史上4人目の2年連続大トリになりました。歌唱力だけでなく今年の活動(東京五輪開会式で国歌斉唱)・SDGsへの取り組みという点で考えても、今回の紅白歌合戦を締めくくるのは彼女以外有り得ないと言っても過言ではない人選です。
 今回歌唱する「明日へ」は2011年3月に発生した東日本大震災の復興への祈りを込めて作られた楽曲です。同年4月にLive ver.が配信リリース、7月にアルバム『SOUL QUEST』に収録されました。翌年第63回紅白に特別出演という形で出演、アフリカのナミブ砂漠から「Everything」とともにこの曲も披露されています。

 東日本大震災からの復興は着実に進んでいますが、特に福島県の原発周辺は人口が激減、復興が成ったとは言い難い状態です。被災地の人々は日常を取り戻しつつありますが、津波で家を流された人々は住居の変更を余儀なくされているのが現実です。復興どころか復旧さえも叶えられない人が多いのではないかと思いますが、ここ2年のコロナ禍でもそういった人がかなり出ているのではないでしょうか。更に言うとこれは日本に限らず、世界中で起こっている現象です。

 そういった人々へのメッセージソングとして、今回大トリとしてこの曲が選曲されたのではないかと理解します。夏の『ライブ・エール 2021』でもトリとしてこの曲が歌われました。前回の「アイノカタチ」も素晴らしいステージでしたが、今回も同様もしくはそれ以上の内容になりそうです。ラストのロングトーンは第63回紅白で20秒にわたる長さになっていましたが、今回もそうなることは間違いなさそうです。

 後半は全部で28ステージとなります。現在交渉中の歌手もいるらしいので、もしかすると1組か2組追加発表があるかもしれません。ただステージは既に前回と同数となっています。特別出演を含めるとやや男性アーティストに偏りがちな現状ですが、ステージがこれ以上増えると歌唱時間で割を食うアーティストが発生することも考えられるので、難しいところです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました