今週のビルボードチャート~1/12(Official髭男dism、Kep1er、上白石萌音他)

今週のチャート総評

 1月第1週は例年新譜は少なめです。基本的に上位はほとんど先週と変わらない結果になります。ただ下の方まで見渡すと、注目曲は例年より多いかもしれないという印象でした。

 King Gnu「一途」「逆夢」が強い状況は今週も変わらず、「逆夢」の1ランクアップで1位2位独占という結果になりました。双方ともポイントはストリーミングが約半分を占め、こちらでも1位2位という状況です。3位のAimer「残響散歌」も含め、まずはこの3曲にどこまで迫れるかが2022年1月の見どころになりそうです。

 4位以下の顔ぶれに大きな変化はないですが、全体的にポイントは伸びている傾向にあります。7位から9位にランクダウンのDa-iCE「CITRUS」もポイントはアップ、マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」藤井風「きらり」YOASOBI「群青」などレコ大紅白効果はまだしっかり出ているようです。優里「ベテルギウス」「ドライフラワー」も引き続き上位、「ドライフラワー」は2020年11月25日付以降60週連続でHot10入りという形になりました。カラオケに至っては49週連続1位という状況です。

 初登場は15位にOfficial髭男dism「Anarchy」、今週14日公開予定の映画『コンフィデンスマンJP 英雄編』主題歌になっています。「ノーダウト」「Pretender」「Laughter」と2018年以降同シリーズのタイアップは継続。7日配信開始なので集計は3日分、ダウンロード4位・ラジオ1位ではありますが、ストリーミングで100位以内に入るのは次週以降になりそうです。なお「Pretender」は現在も41位にランクイン、先週よりポイントも少し伸ばしています。

 20位に初登場したのはKep1er「WA DA DA」。1月3日にデビューした、オーディション番組『Girls Planet 999』発の女性9人組です。日中韓でオーディション開催&放送、メンバーは韓国6:日本2:中国1という組成になっています。まずはミニアルバム『FIRST IMPACT』で韓国からデビュー、いずれ日本語詞のシングルも出るのではないかと思われます。サバイバルオーディション番組からグループ結成というのはTWICEとも共通、すっかりスタンダードになりました。彼女たちも来年の今頃には広く名前が知られている存在となる可能性が高そうです。各指標の順位はまだ特別高くないですが、Youtubeでは早速1位。ストリーミングも26位なので十分な好スタートです。また韓国からはGOT the beat「Step Back」も69位に初登場、こちらはBoAやテヨン(少女時代)を筆頭とする強力なメンバーが揃う女性7人組のようです。

 50位にSixTONES「Rosy」が初登場、5日発売のアルバム『CITY』に収録されています。ストリーミング未配信・アルバムの売上も加算されないので上位進出がなかなか厳しいところですが、ラジオオンエア2位とYoutube17位がしっかり拾い上げられました。もちろん『CITY』は今週アルバムチャート1位、47万枚もCDを売り上げているそうです。SixTONESは1月2日にTHE FIRST TAKEで「Imitation Rain」の披露が話題、本日もう1曲22時に配信される予定です。おそらく今回のアルバム収録曲、この曲の可能性が高いのではないかと思われます。それに伴うチャートアクションが見られるかどうかも注目です。

 58位に緑黄色社会「Landscape」が初登場。再来週26日に発売予定のアルバム『Actor』からの先行配信が始まっています。昨年テレビ披露の多かった「Mela!」が37位にランクイン、71週目のHot100でロングセラーになっていますが、今年は「Mela!」以上に素晴らしい楽曲を期待したいです。

 70位に上白石萌音「懐かしい未来」が初登場。第100回全国高校サッカー選手権テーマソングになっています。楽曲提供は現在AIに提供した『カムカムエヴリバディ』主題歌がヒット中の森山直太朗、タイミングとしてはまさにドンピシャといったところです。前回の紅白歌合戦のステージは大変素晴らしかったですが、今年は女優だけでなく歌手としてもさらに大きく羽ばたく一年になるのでしょうか。

 83位のAlie The Shota「AURORA TOKIO」は今年デビューしたばかりの新顔、『THE FIRST』参加組でSKY-HIのレーベルBMSGからのデビューです。85位のVaundy「裸の勇者」はアニメ『王様ランキング』OPテーマ。95位のマカロニえんぴつ「ブルーベリー・ナイツ」は2019年の楽曲ですがHot100初登場、CDTV年越しライブでの披露がありました。Spotifyでは「恋人ごっこ」の次に再生数の多い楽曲です。

今週のピックアップ曲

Official髭男dism「Anarchy」

 彼らクラスになると、イントロのベース演奏からもう間違いありません。ダークでミステリアスな雰囲気は、意外とこれまであまり聴くことのなかったタイプの楽曲ですが、初めて聴いた後に「凄い」と思わせる感覚はこれまでと同様。各パートごとの変幻自在っぷりはやや複雑な印象もありますが、それゆえにより聴き応えのある楽曲とも言えます。いずれにしても、2022年もOfficial髭男dismの大活躍が続くということが、この1曲だけをもってしても確信できる内容の1曲でした。

Kep1er「WA DA DA」


 今年からは日本発リリースでないK-POPにも積極的に目を向けたいと思います。韓国語は分からないので、その観点から書くことは出来ないことをご了承ください。この曲は全体的にクール系ですが、”oh, oh, oh…”が聴こえるサビだけ他パートと違うファンシーな雰囲気がポイントになっているように聴こえました。キャッチーさをうまく出している部分は、過去のヒット曲と共通しています。K-POPグループは脚がポイントというのが自分の見方ですが、どちらかと言うとこの曲は上半身や手の動きに力を入れているように見えました。これは1曲だけだと何とも言えないので、パフォーマンス含めて見極めるにはもう少し追う必要がありそうです。

GOT the beat「Step Back」

 コラムでは刺激的な歌詞…という評がありました。実際どうかは何とも言えないですが、ルーキーのKep1erの後に聴くと10年20年選手は声の出し方が全く違うことがよく分かると思います。重みのある曲調で、動きこそ若手ほど激しくありませんが、とは言え振付は複雑です。TWICEやNiziU、そして先ほど例にあげたKep1erも、出来れば10年20年後彼女たちのように現役バリバリで格好良いパフォーマンスを続けて欲しいと、あらためて感じさせる内容でもあります。

上白石萌音「懐かしい未来」


 全国高校サッカー選手権テーマソングは歴代スケールの大きいバラードが多いのですが、この曲もまさにそんな内容です。彼女のロングトーンはカバー曲のパフォーマンスだとなかなか活きていなかった印象もありますが、この曲では思いっきり綺麗な声で歌い上げています。人柄を感じさせる柔らかい歌声が終始耳に残るからこそ、力強く歌う部分がクローズアップされるような気がするのです。ストリングスがガンガンに入るバラードはいまやひと昔前のヒット曲という印象もありますが、この曲のヒットによって復権して欲しいと思わせるには十分の内容だと感じました。

Alie The Shota「AURORA TOKIO」


 いわゆるハイセンスなシティポップ的路線の楽曲ですが、こういうトラックではあまり聴けない声質という印象もあって、そこが大きなポイントという気がしました。ルックスもオシャレするために無理をしていないように見えて、この路線にマッチし過ぎていないのがかえって好感を持てます。ネクストブレイク候補であることは間違いありませんが、果たしてどこまで伸びるのでしょうか…。この路線以外の楽曲も、可能なら聴いてみたいです。

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