今週のビルボードチャート~1/19(Aimer、BLACK IRIS、ENHYPEN他)

今週のチャート総評

 『鬼滅の刃』vs『呪術廻戦』の構図がすっかり出来上がっている2022年初頭ですが、今週はAimer「残響散歌」返り咲き・EDテーマの「朝が来る」6位初登場で『鬼滅の刃』がリード。「残響散歌/朝が来る」のCDシングル発売週で「残響散歌」のポイントが底上げされ、「朝が来る」は1/10ダウンロード開始。ダウンロードは「朝が来る」「残響散歌」で1位・2位独占となっています。

 一方King Gnuも勢い止まらず、EDテーマの「逆夢」がポイント上昇で「一途」の順位を上回りました。こちらはストリーミング・動画再生で1・2位独占、双方とも「逆夢」の方が順位高くなっています。「一途」はフィジカルポイントも約10%含まれていますが、4位のポイントを見る限り順位に影響は全くない状況です。

 優里は今週も「ベテルギウス」4位、「ドライフラワー」7位で相変わらず強いです。今週アルバム『壱』がリリース、新曲の「ミズキリ」も81位にランクインしていますが、アルバム売上が約4万枚で3位止まりというのはやや気になる所です。シングルでのCD発売が「インフィニティ」のみで、ファンにCDを買う習慣がない、というイメージもありますが…。ダウンロードは14位ですが、リリース週にも関わらずラジオオンエアでランクインしていないのもやや意外でした。その他マカロニえんぴつ「なんでもないよ、」back number「水平線」藤井風「きらり」などがロングセラー継続中。

 先週15位初登場のOfficial髭男dism「Anarchy」はストリーミングが31位止まりで、総合12位でした。一方Kep1er「WA DA DA」は20位→16位、ポイントも上昇しています。こちらはストリーミング10位、少しずつ知名度を上げている段階と言って良いでしょうか。Vaundy「裸の勇者」も85位から33位に大幅アップしています。

 初登場はまずBLACK IRIS「Head Shot」が10位。5.9万枚売り上げたCD売上がポイントの100%を占める偏重ぶりです。2018年結成の11人組男性ダンス&ボーカルグループ、キャリアはここ最近デビューして上位に入る方々よりも長いです。楽曲の再生回数はまだ多くないですが、現時点で1番稼いでいるのが最新曲の「Head Shot」なので、上り調子であることは間違いなさそうです。

 29位のV「Christmas Tree」はダウンロード4位。BTSのメンバーの1人で、既にアメリカのHot100にも登場しています。

 32位のENHYPEN「Blessed-Cursed」はアルバム『DIMENSION:ANSWER』収録ナンバー。ストリーミング再生が75%を占めていますが、アルバムもCD約12万枚を売り上げて今週の1位になっています。

 55位のBiSH「FiNAL SHiTS」は今月から始まる12ヶ月連続リリースの第1弾。CDは1.8万枚売り上げています。今のところストリーミング再生も圏外で初動型の域は出ていない状況ですが、果たしてどうなるでしょうか。

 58位の木村拓哉「I’ll be there」はほぼラジオオンエア1位のみでHot100初登場。本日発売のアルバム『Next Destination』収録曲です。今年で50歳になりますが、この年齢で楽曲・アルバムをヒットさせていた先輩は過去にいないので、その点では大きな注目に値する作品のような気がします。またラジオチャートからは2位のI Don’t Like Mondays.「PAINT」も74位に初登場、『ONE PIECE』主題歌なのでストリーミング再生の伸びが今後期待できそうです。その他ヒグチアイ「悪魔の子」Tani Yuuki「W/ X/ Y」ザ・ウィークエンド「サクリファイス」和ぬか「進め!そっちだ!」がHot100に初登場しています。

今週のピックアップ曲

Aimer「朝が来る」

 「残響散歌」は過去にもAimerさんに多く提供している飛内将大の作曲ですが、こちらは「炎」「明け星」「白銀」など鬼滅への提供実績も多い梶浦由記の楽曲提供(Aimerには過去「花の唄」「I beg you」などを提供しています)。エンディングテーマとなるこちらは歌い出し重い曲調を予想しましたが、意外とテンポ速めのアップテンポ。ただスケールはこれまでの鬼滅関連と比べても同様の壮大さで、迫力もAimerさん史上トップクラスという印象です。『鬼滅の刃』は原作・アニメとも大変強い支持を受けている作品ですが、音楽面での貢献も非常に大きいことが今回の曲を聴いてもあらためて感じる内容でした。「残響散歌」と同様、この曲も2022年の音楽シーンで外せない楽曲になることは間違いありません。

BLACK IRIS「Head Shot」

 リズムを重視して作られたナンバーで、サビ以外はラップの印象がやや強いです。聴いている間も聴いた後も爽快感が相当あり、時間が経つのがあっという間と感じさせる楽曲です。退屈させない構成は間違いなく好印象ですが、MVだけだとメンバーの動きの凄さはまだ分からないです。とりあえずまずは早いうちに、ラジオや深夜番組からでもいいのでメディア露出が多くなることを目指して欲しいところです。今回は正直に言うと、まだメンバーとファンだけが頑張った結果にも見えるので…。

 

ENHYPEN「Blessed-Cursed」

 冒頭全員の膝を曲げて踊り始めるスタートが「さぁいくぞ!」と宣言している印象で、楽曲への引き込み方が非常に上手いです。ダイナミックな振付もメンバー1人の1人の表情もツボを抑えていて、まずはMVの作り方が優れているように感じました。サビだけでなく、AメロBメロでも勢いを落とさずそのまま突っ走る楽曲構成は、一言でいうと「気持ちが盛り上がる」という内容です。激しい腕の動きは思い浮かべると日本の男性音楽グループであまり見られない振付で、歌声も迫力抜群。日本でも人気が高いことが納得できるパフォーマンスで、K-POPファン以外からの知名度も今後さらに上がるのではないでしょうか。

BiSH「FiNAL SHiTS」


 2023年の解散前の12ヶ月連続新曲発表、ということを考えると、イントロ無しの歌い出しは「めちゃ大きく出たな」というのが率直な感想。楽曲は昨年一昨年の一連のナンバーよりも優れていて、それこそ「オーケストラ」「プロミスザスター」を思い出させるクオリティーです。真っ直ぐな歌声が大変好感度高い楽曲だと思いましたが、あと11曲このテンションで続けられるのかという率直な疑問もあります。要は解散前のロケットスタート、ということで…。あとは本来BiSHはアイナ・ジ・エンドとセントチヒロ・チッチがボーカルのメインですが、それ以外の4人のボーカルがこれだけ前に出ている楽曲もやや珍しいと感じました(今作は特にリンリンのパートが目立っている印象です)。

 

木村拓哉「I’ll be there」

 尋常ではなく壮大なスケールの楽曲です。聴いた瞬間に大物ミュージシャンの楽曲提供だろうと思いましたが、やはり調べるとその通りで今作はMAN WITH A MISSIONのメンバー提供でした。SMAP時代は格好良さを強調したボーカルになることもありましたが、この曲に関して言うと自然なボーカルが強い印象に残っています。カッコつけていない部分が余計にカッコ良い、その好例を大々的に示している作品だと思いました。ストリーミング解禁はしないのでしょうか。だとしたら機会損失がものすごく大きい気がしてならないのですが…。

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