モーニング娘。は1月28日でメジャーデビュー25年目を迎えます。2014年以降は末尾に年号をつけて、現在はモーニング娘。’22としての活動になっています。メンバーが入れ替わった現在も人気グループですが、紅白歌合戦に10年連続で出場していた頃の勢いはやはり凄まじいものがありました。
今回の紅白史は、第49回(1998年)~第58回(2007年)まで出場したモーニング娘。について記事にしたいと思います。
モーニング娘。の紅白データ~グループ編
細かくは次の項で書きますが、モーニング娘。はほぼ毎年メンバー入れ替えが発生しました。後年にはAKB48を筆頭にさして珍しい現象ではなくなりますが、当時こういったグループは他にありません。なお同様にメンバー卒業や加入が多かった1980年代後半のおニャン子クラブは紅白歌合戦に1度も出場のないまま解散しています。
メンバー間の年齢差も記録的な大きさです。第51回(2000年)では最年長と最年少で15歳差、第56回(2005年)で参加したOGをメンバーに含めると19の差が発生しています。19歳差は紅組同一グループだと、B.B.クィーンズの近藤房之助(1951年生)と望月衛介(1970年)に並ぶ最長のブランクです。ただ2組が1歌手として出場した例だと、ロス・インディオス&シルヴィア(棚橋静雄(1938年生)とシルヴィア(1958年生))の20歳差があります。現在は、第59回の藤岡藤巻と大橋のぞみが47歳差で圧倒的トップになっています。
メドレーの多さも当時では特筆すべき事項です。10回出演中7回の披露は、11年連続出場の嵐が登場するまで最多記録でした。
また第54回(2003年)では卒業したメンバーがソロとして出場&ソロ歌手の加入が発生、第55回(2004年)と第56回(2005年)では同事務所の他アーティストとのコラボ・OGの加入が発生します。同ステージで同じ組の2グループがコラボして歌うのは、第55回(2004年)のモーニング娘。&Wが初めてでした(ソロは昭和30年代の紅組に数例、紅組白組のデュエットは平成以降既にあり)。また第58回(2007年)の「LOVEマシーン」は、同じグループでありながら発表当時のメンバーが全くいないパフォーマンスになりました。これはAKB48などを含めても、史上唯一の記録です。
なおメンバーの年齢の関係で、曲順は全て前半でした。平成以降に10回以上出場した歌手で、全曲順前半は彼女たちのみです。第51回~第53回は21時直前、前半のメインという位置づけでしたが、進行が押して21時若干過ぎてしまったという例もあります。
モーニング娘。の紅白データ~メンバー編
メンバーごとに紅白出席表?を作ってみました。数字は西暦の末尾2桁を表しています。△は応援出演、◎はOGとして出演、□は同じステージにユニットで出演、■は別のステージにソロもしくはユニットで出演を指しています。
メンバー | 期生 | 生年月日 | ’98 | ’99 | ’00 | ’01 | ’02 | ’03 | ’04 | ’05 | ’06 | ’07 |
中澤裕子 | 1期 | 1973/6/19 | ◯ | ◯ | ◯ | △ | ◎ | |||||
石黒 彩 | 1期 | 1978/5/12 | ◯ | ◯ | ||||||||
飯田圭織 | 1期 | 1981/8/8 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | ||
安倍なつみ | 1期 | 1981/8/10 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | □◎ | |||
福田明日香 | 1期 | 1984/12/17 | ◯ | |||||||||
保田 圭 | 2期 | 1980/12/6 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | ||||
矢口真里 | 2期 | 1983/1/20 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◎ | ||
市井紗耶香 | 2期 | 1983/12/31 | ◯ | ◯ | ||||||||
後藤真希 | 3期 | 1985/9/23 | ◯ | ◯ | ◯ | ■ | ■ | □◎ | ||||
石川梨華 | 4期 | 1985/1/19 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | □◎ | ||||
吉澤ひとみ | 4期 | 1985/4/12 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||
辻 希美 | 4期 | 1987/6/17 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | □ | ◎ | ||||
加護亜依 | 4期 | 1988/2/7 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | □ | ◎ | ||||
高橋 愛 | 5期 | 1986/9/14 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||
紺野あさ美 | 5期 | 1987/5/7 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
小川麻琴 | 5期 | 1987/10/29 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
新垣里沙 | 5期 | 1988/10/20 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||
藤本美貴 | 6期 | 1985/2/26 | ■ | ◯ | ◯ | ◯ | □◯ | |||||
亀井絵里 | 6期 | 1988/12/23 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
道重さゆみ | 6期 | 1989/7/13 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
田中れいな | 6期 | 1989/11/11 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | |||||
久住小春 | 7期 | 1992/7/15 | ◯ | ◯ | ◯ | |||||||
光井愛佳 | 8期 | 1993/1/12 | ◯ | |||||||||
ジュンジュン | 8期 | 1988/1/11 | ◯ | |||||||||
リンリン | 8期 | 1991/3/11 | ◯ |
中澤裕子は卒業後の第52回(2001年)に応援ゲストとして登場しています。ステージには不参加、これはOGが歌手以外で登場する唯一の例になっています。
福田明日香は第49回(1998年)の最年少出場歌手でしたが、早くも1999年1月に卒業を表明。第56回にも参加していないので、1回のみの出演です。また石黒彩は私が記憶している限り、第50回紅白が最後の歌番組出演でした(翌年1月7日に卒業公演)。彼女と市井紗耶香は早期卒業ということもあって、第56回には不出演です。
後藤真希は第54回(2003年)でソロ、第55回(2004年)で後藤真希松浦亜弥のユニット、第56回(2005年)でDEF.DIVAのメンバーとして参加しているので、合計4名義で紅白に出場している形になります。2名義は過去に多数、3名義も小室哲哉に木梨憲武、一部AKB48メンバーにも該当者はいますが、4名義で出場しているのは今のところ彼女と松浦亜弥(ソロと2ユニットの他にGAMもあり)しかいません(特別出演を含めるとYOSHIKI(feat.2名義とYOSHIKISS)も該当しますが)。
第55回の後藤真希松浦亜弥は本来後浦なつみとして出演する予定でしたが、安倍なつみがエッセイ集における自作詩の盗作がスクープされたため辞退。急遽2人の即席ユニットで童謡を混ぜるアレンジになってしまいました。なお第56回はDEF.DIVAとOG参加で普通に出場しています。DEF.DIVAは安倍・後藤・松浦の他に石川梨華も参加、一般のCDシングルリリースは1作のみでした。
4期で一足早く卒業した辻希美と加護亜依は2004年にW(ダブルユー)を結成、モーニング娘。と一緒に出演しました。なお「愛あらばIT’S ALL RIGHT」は、この2人がまだグループ在籍中の楽曲で、モーニング娘。のパフォーマンスにも後半から参加しています。
藤本美貴はソロで初出場した後にグループ加入という極めて珍しいパターンになりました。当然紅白史上唯一であるとともに、そもそも歴代のグループを見渡しても全く例のないケースです(一応GAMの松浦亜弥も該当はしますが、即席ユニットなので…)。なおソロで出演した後再結成されたグループで出場した例は、RATS&STAR(第47回)の鈴木雅之(第42回)の例があります。
道重さゆみと田中れいなが、紅白後期のモーニング娘。のエースでした。この2人は第54回で、平成生まれ初の紅白出場歌手になっています。なお紅白出場経験のあるメンバーで最後までグループに在籍したのは道重さんで、2014年11月に卒業。11年10ヶ月の在籍期間は、現役OG含めて歴代最長です。
今回はモーニング娘。本体のステージ編の他に、ソロや派生グループから出場したステージも振り返ります。また自身のステージ以外の出番も非常に多いので、この企画では何記事かに分けて、それらを全てピックアップしてまとめる予定です。是非楽しみにしてください。
モーニング娘。の紅白データ~10回分のまとめ
表には同じステージで共演したグループ・歌手についても同様にまとめています。また作詞作曲は全曲つんくなので、表記は省きました。
出場回 | タイトル | 歌唱曲 | 発売日 | 曲順 | 主なデータ | 主な受賞 | 他の発売曲 |
第49回 (1998年) | 抱いてHOLD ON ME! | (1曲のみ) | 1998/9/9 | 紅組前半2番手/10組中 | 1998年オリコン年間52位 | ・日本レコード大賞最優秀新人賞 | ・モーニングコーヒー ・サマーナイトタウン |
第50回 (1999年) | LOVEマシーン | (1曲のみ) | 1999/9/9 | トップバッター | 1999年オリコン年間7位 | ・日本レコード大賞優秀作品賞、作曲賞 ・日本ゴールドディスク大賞ソング・オブザイヤー | ・Memory 青春の光 ・真夏の光線 |
第51回 (2000年) | ハッピーサマーウェディング 大晦日スペシャル | ・ハッピーサマーウェディング ・LOVEマシーン ・I WISH | 2000/5/17 1999/9/9 2000/9/6 | 紅組前半12番手/14組中 | 2000年オリコン年間15位 2000年オリコン年間56位 2000年オリコン年間33位 | ・日本ゴールドディスク大賞ソング・オブザイヤー | ・恋のダンスサイト ・恋愛レボリューション21 |
第52回 (2001年) | Mr.Moonlight ~愛こそがザ☆ピ~ス!~ | ・Mr.Moonlight~愛のビッグバンド~ ・ザ☆ピ~ス! | 2001/10/31 2001/7/25 | 紅組前半10番手/13組中 | 2001年オリコン年間42位 2001年オリコン年間20位 | ||
第53回 (2002年) | ここにいるぜぇ! そうだ!We’re ALIVE 2002 Ver. | ・ここにいるぜぇ! ・そうだ!We’re ALIVE | 2002/10/30 2002/2/20 | 紅組前半10番手/13組中 | 2002年オリコン年間84位 2002年オリコン年間17位 | ・Do it! Now | |
第54回 (2003年) | Go Girl~恋のヴィクトリー~ | (1曲のみ) | 2003/11/6 | 紅組前半7番手/15組中 | 2003年オリコン年間117位 | ・AS FOR ONE DAY ・シャボン玉 | |
第55回 (2004年) | 2004年 愛・涙・キッス 紅白スペシャル | ・愛あらばIT’S ALL RIGHT ・涙が止まらない放課後 ・ロボキッス(W) | 2004/1/21 2004/11/3 2004/10/14 | 紅組2番手/13組中 | 2004年オリコン年間89位 2004年オリコン年間152位 2004年オリコン年間318位 | ・浪漫~MY DEAR BOY~ ・女子かしまし物語 | |
第56回 (2005年) | 気がつけば好きすぎて♪ 盛り上がって♪LOVEマシーン! | ・気がつけば あなた(松浦亜弥) ・好きすぎて バカみたい(DEF.DIVA) ・LOVEマシーン | 2005/9/21 2005/10/19 1999/9/9 | 紅組5番手/15組中 | 2005年オリコン年間178位 2005年オリコン年間229位 | ・THE マンパワー!!! ・大阪 恋の歌 ・色っぽい じれったい | |
第57回 (2006年) | Thanks! 歩いてる 2006 Ambitious バージョン | ・Ambitious! 野心的でいいじゃん ・Thanks! (GAM) ・歩いてる | 2006/6/21 2006/9/13 2006/11/8 | 紅組5番手/14組中 | 2006年オリコン年間167位 オリコン週間最高5位 2006年オリコン年間195位 | ・SEXY BOY~そよ風に寄り添って~ | |
第58回 (2007年) | Special LOVE Mix ~幸せの平成20周年 Ver.~ | ・LOVEマシーン ・付き合ってるのに片思い (Berryz工房) ・都会っ子 純情 (℃-ute) ・LALALA 幸せの歌 (ハロー!プロジェクト 10周年記念紅白スペシャル隊) | 1999/9/9 2007/11/28 2007/11/8 2007/12/25 | トップバッター | オリコン週間最高6位 オリコン週間最高3位 | ・笑顔YESヌード ・悲しみトワイライト ・みかん |
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