【今週の総合ソング・チャート“JAPAN HOT100”】
1位 Aimer
2位 NMB48
3位 優里
4位 ENHYPEN
5位 Saucy Dog
6位 King Gnu
7位 マカロニえんぴつ
8位 King Gnu
9位 優里
10位 back numberhttps://t.co/ynTVsdWD3S pic.twitter.com/RF0dEsEEOh— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) March 2, 2022
今週のチャート総評
Aimer「残響散歌」が今週も1位で7週連続、合計で9週目に突入しました。LiSA「炎」が通算8週1位だったので、今週ついにこれを抜く形になります。現在の歴代最長記録は星野源「恋」の11週、いよいよこちらも視野に入り始めました。ポイントは10000超キープ、配信3部門だけでなくラジオオンエアやCDリッピングまで1位になっています。
CD1位のNMB48「恋と愛のその間には」は19.0万枚・6500ptで総合2位。CD売上は前作「シダレヤナギ」を僅かに上回っています。なおポイント比率は相変わらずCD売上が95%以上でした。LINE MUSICキャンペーンなどもやっている様子は無さそうです。
一方4位のENHYPEN「Always」は当然キャンペーン実施中、ストリーミング6位です。ただダウンロード3位ラジオ2位、Spotifyも既に166万再生で決して低過ぎる数字ではありません(トップ50は圏外ですが)。ファンの頑張りによって順位を押し上げた所で本当のヒットと言い難い面もありますが、とはいえ順位を上げないとヒットしているというアピールにもなりません。ファンの気持ちも十分理解できるだけに、難しい部分もあります。
上位のロングセラー組は今週いずれも横這い~微減傾向、その中で3位→12位の米津玄師「POP SONG」の低下が目立ちます。評判は良い方だと思うのですが…。アップが目立ったのは最高位更新となる19位のTani Yuuki「W / X /Y」と25位のVaundy「裸の勇者」。後者は今週CDシングルリリースあり、そちらの要素では9位でした。またAI「アルデバラン」はアルバム『DREAM』(今週11位)発売の影響でダウンロード・ラジオの順位が急上昇、総合39位でHot100に再ランクインしています。
今週の初登場はCD発売組が48位のBiS「DA DA DA DANCE SONG」(2位)、59位のpredia「DRESS」(3位)、87位のfine「Feathers of Ark」(5位)。ダウンロード開始組が50位のSKY-HI「JUST BREATE feat. 3RACHA of Stray Kids」(15位)でした。ダウンロードの方は他部門のポイントがほとんどない2位の蝋梅学園中等部1年3組「はじまりのセツナ」が100位圏外、単独のヒット指標としてはやや使い辛い状況になっています。あとは65位にFANTASTICS from EXILE TRIBE「サンタモニカ・ロリポップ」、86位にNMIXX「O.O」が初登場。
アルバムはCDが発売された宇多田ヒカル『BADモード』が1位。THE ALFEE『天地創造』が2位です。4位のSUPER BEAVER『東京』はタイトルナンバーがラジオオンエア7位。鈴木雅之『DISCOVER JAPAN DX』は「怪物」カバーが話題になっています。その他miwaや花澤香菜にiriなど、こちらはソングスチャートと比べて初登場作品が多い形になっています。
今週のピックアップ曲
NMB48「恋と愛のその間には」
センターは5期生の上西怜と梅山恋和、世代交代がどんどん進んでいます。昔からいるメンバーは、いよいよ渋谷凪咲と加藤夕夏くらいになりました。最近バラエティ番組で大活躍中の渋谷さんを見てると、10年くらい前の道重さゆみや嗣永桃子に重なる部分があります。SKE48の須田亜香里も近い存在ですが、今の渋谷さんは須田さん以上に活躍しているような気がします。
NMB48のシングルは通算26作目ですが、その中にはメロディアスで聴かせるナンバーも多くあります。今回の新曲はまさしくその系統で、「魅せる」振付をうまく作っているダンスも上出来です。
国民的ヒットが出なくなってからのモーニング娘。はパフォーマンスの精度を年々上げていって、いまやハロプロは女性アイドルグループでも特に一目置かれるパフォーマンス軍団という印象もありますが、48グループもその路線を少しずつ指向しているような感想をこの曲から持ちました。今は大ヒットという数字ではないですが、後年になって価値が高くなる楽曲のようにも見えます。
BiS「DA DA DA DANCE SONG」
2019年10月から現在の3期メンバーの活動になったBiS。4人組でしたが、今回1人新メンバーが加わって初の5人体制作品になっています。
WACK系お得意のロック色強めなナンバー。こういった音楽は演奏に負けない迫力の歌声が必須ですが、実際現場でどう聴こえるかは気になるところ。キャッチーなタイトルからサビの振付まで比較的憶えやすい楽曲で、ライブだと確実に盛り上がりそうです。
predia「DRESS」
2022年6月に解散決定、この作品がラストシングルになります。それと同時に、PASSPO☆から続いたプラチナムパスポートの女性アイドルグループ部門も終焉となります。10年以上の活動で一定の成果を間違いなく残したグループですが、何度かステージを見た限りでは間違いなくもっと広く知られるべきアーティストであったことは間違いありません。それだけ他のグループにない大人っぽい雰囲気と、リードボーカル・湊あかねの高い歌唱力は魅力的でした。
ラストを飾る楽曲はやはりprediaのイメージそのものという内容。ルックス・衣装はもちろんですが、歌声でセクシーさを表現できるのは間違いなく強い武器でした。今回の楽曲でも、あらためてそれを堪能することができます。メンバーの入れ替わりもあるグループなので継続も考えられたと思うのですが、現場の減少や同事務所のアイドルが次々解散している状況を考えるとやはり難しかったのかもしれません。2010年代中盤のアイドルイベントに足を運んだ立場からすると、非常に寂しい気持ちでいっぱいです。
SUPER BEAVER「東京」
THE FIRST TAKEでは緑黄色社会の長屋晴子とコラボレーションしていましたが、こちらはSUPER BEAVER単体の音源です。ストーリー性抜群の楽曲は歌詞も具体的、歌声も一言一句丁寧かつ感情も直に伝わる内容です。マカロニえんぴつやSaucy Dogみたいな売れ方をしても不思議ではない楽曲ですが、なかなかそうもいかないのは若さの差でしょうか。説得力は間違いなく素晴らしいのですが…。
鈴木雅之「怪物」
YOASOBIの大ヒット曲のカバーです。先日はこのカバーをきっかけに、YOASOBIのオールナイトニッポンにゲスト出演しました。そういえば紅白歌合戦でも「ツバメ」のパフォーマンスに参加、他の出場歌手と一緒に踊っていました。
服部隆之の編曲、ダンディーな雰囲気でYOASOBIとはまた違う魅力がよく出ているカバーです。今回のアルバムでは他に「明日への手紙」「エイリアンズ」「熱き心に」「道化師のソネット」などジャンルや年代を問わず約30曲を歌唱。本物のミュージシャンはジャンルへの拘り無く何でも歌える、という証明にもなっています。
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