今週のビルボードチャート~6/15(SixTONES、BTS、あいみょん他)

今週のチャート総評

 今週はフィジカルで勝るSixTONES「わたし」が順当に1位を獲得。約48万枚の売上、これは前作「共鳴」を7万枚上回る結果になっています。CD売上+リッピングは当然ですが、ラジオ・ツイート指標でも1位をなっています(圏外でも順位に影響はない程度ですが)。なおCDは初回盤2つと通常盤の3種ですが、セット売りもあるようでした。



 モーニング娘。「Chu Chu Chu 僕らの未来」が4位。「大・人生 Never Been Better!」との2曲A面で12万枚売り上げています。SixTONESと比べるとリッピングが極めて少なく、同要素15位・全体の1%あるかないかの数字です。3種発売、A, Bと異なるSP盤には名曲「I WISH」のカバーも収録されています。


 5位はBTS「Yet To Come (The Most Beautiful Moment)」が初登場。3枚組のアンソロジーアルバム『Proof』収録曲でDL2位ST6位、動画指標3位となっています。なお先日、グループとしての活動休止を発表。当面はソロ活動に専念という報道がなされています。Spotifyデイリーは日本のみでも現在1位、当面の間上位に入りそうな雰囲気です。アルバムは6月10日金曜日発売で日本では13日から集計対象、そのためダウンロード集計のみでチャートはSEVENTEENとNCT DREAMに次ぐ3位スタートとなりました。同作品からは、「Run BTS」も68位に初登場となっています。

 9位のAdo「新時代 (ウタ from ONE PIECE FILM RED)」は、映画『ONE PIECE FILM RED』のキャラクター・ウタとしての作品です。8月10日にアルバムリリースが決定、中田ヤスタカやVaundyなど同人系とは別の非常に豪華なメンバーの楽曲提供があるようです。CDには特典もつく予定ですが、その内容は未定とのこと。ダウンロード1位、ストリーミングも28位スタートで現在Spotifyデイリー13位という好調な滑り出しを記録しています。

 35位の三浦大知「燦燦」は配信開始時にランクインしていましたが、今週からフィジカルが加算されました。CD売上自体は同指標10位で高くなく、ポイントの半分は指標5位を記録したラジオになっています。CDはAmazonだとプラス500円でオリジナルポストカードの特典有り、DVD/ブルーレイはMVとオーケストラつきライブが主な内容でした。

 44位の菅田将暉「惑う糸」は配信リリース、『news zero』のテーマソングになっています。ダウンロード11位スタート。なおこれに合わせて、YouTubeでは「見たこともない景色」「呼吸」などshort ver.のみ公開のMVがフル公開開始となっています。

 48位のKing & Prince「ichiban」はアルバム『Made in』リード曲となっています。6月29日発売予定ですが、5日にYouTubeでフル公開のMVは動画指標で2位を記録。KREVAが楽曲提供した異色作となっています。

 89位麻枝准&やなぎなぎ「Burn My Universe」「Before I Rise」に続けて2週連続配信、ダウンロード5位につけています。92位はLittle Glee Monster「magic!」、「生きなくちゃ」の両A面シングルです。3人での作品でかなり大変な状況ですが、CD売上は6位・ラジオでもポイントを稼いでます。

 SEKAI NO OWARI「Habit」がついにOfficial髭男dism「ミックスナッツ」を抜きました。「Habit」は6350→8811にポイント爆上がりで、留まることを知りません。特に凄いのは動画指標で25%を占める約2200pt、10日にはHIKAKINのパロディーまでアップされた影響で再生数は更に増えそうな気配です。来週は両作品ともにCDが発売予定、特典はセカオワがMV+メイキング or 写真集で髭男はツアー映像9曲分とその裏側。再来週のポイント数はおそらく2曲とも大変なことになりそうで、おおいに注目されます。

 先週急上昇のUru「それを愛と呼ぶなら」は15位→14位をキープ。CD売上やダウンロードは下げましたが、ストリーミングが34位→17位で大幅アップしています。ただデイリーはApple Musicなどは強いもののSpotifyでなぜか51位でした。Novelbright「愛とか恋とか」は少し順位を下げたものの、ポイントはまだ僅かに上昇が続いています。あいみょん「それを愛と呼ぶなら」は今週からフィジカル加算開始、それに伴い順位も38位から16位にアップとなっています。先週1位の日向坂46「僕なんか」はLINE MUSICキャンペーンもあって、降下は最小限の19位に留まりました。きゃない「バニラ」は32→24位で最高位更新、ストリーミングだけでなくカラオケも少しずつ順位が上昇し始めています。

 有華「Partner」は99位→76位→51位→45位、YOAKE「ねぇ」は82位→53位、さとうもか「melt better」は99位→61位。ここ最近当サイトでもレビューを書いたロングセラー候補がしっかり順位を上げています。[Alexandros]「無心拍数」CHEHON「韻波句徒」も大きく順位上昇、今後の動きに注目です。

今週のピックアップ曲

SixTONES「わたし」

 SixTONESは京本大我・ジェシー中心に歌唱力で聴かせるグループという認識が現在でも強いですが、今作はその歌唱力に総振りしたようなバラードに仕上がっています。単純に上手いという以上に美しい男性ならではの色気が全編に満ち溢れていて、聴き惚れる女性ファンは相当数いることは間違いなさそうです。切ない感情がいっぱいに入った高音が耳に入りやすい中で、個人的にはCメロハモリの低音が一番の聴きどころではないかと考えています。

 素晴らしい楽曲です。今年は全体的にジャニーズ所属グループのシングル表題曲の完成度が高いような気がします。ストリーミングが無理なら、せめてMVもフル公開して欲しい所ですが…。

BTS「Yet To Come (The Most Beautiful Moment)」

 広々としたロケーションで、7人の美しい歌声が響き渡るバラードです。活動休止の報道後に聴くと、どうしても寂しげと言いますか一旦のラストを示唆していると言いますか…。そんなことをつい感じてしまうナンバーでもあります。当然非常に惜しむ声は多いですが、活動休止の原因は人気沸騰による多忙もその一つということらしいので、複雑なところです。

あいみょん「初恋が泣いている」

 最初から泣きながら居酒屋でビールを飲むMVが非常にインパクト強いです。奥田民生「野ばら」やMr.Children「しるし」が超シンプルMVの傑作として挙げられますが、今作はこの系統にあたる作品です。居酒屋で泣きながら飲むだけで一つの映像作品を仕上げる、その発想に脱帽します。

 楽曲は雰囲気のあるイントロやサビでタイトルをガツンと歌う構成にちょうどいい4分ほどの長さなど、多くの人が共感してヒットするJ-POPのお手本として教材にすべきナンバーです。もちろん彼女の歌声に拠る部分も大きいのですが、1度聴いただけで耳に残る曲を作れるというのはやはりなかなか出来るものではありません。2022年の代表作の一つになるべき作品で、夏~秋以降の曲が余程バズらなければおそらく紅白歌合戦でも歌われる曲になるような気がします。

三浦大知「燦燦」

 連続テレビ小説『ちむどんどん』主題歌、普通ならこれだけで紅白歌合戦出場も確実ですが、あいにく今作はネットを見る限りかなり評判悪いのが辛いところ。紅白歌合戦でも、反響があまり大きくない作品は意外とスルーされることもあるのですが、果たしてどうなるでしょうか(過去のデータ記事はこちらに掲載)。MVは5月9日公開で200万再生ですが、先週のTHE FIRST TAKE歌唱が現在140万。おそらくそちらの方が最終的には再生数多くなるものと思われます。

 今作はダンス要素全く無しの、沖縄の海をイメージしたようなバラードです。とは言え三浦さんは歌唱力だけで考えても抜群の実力があるので問題はありません。優しい人柄同様に、リスナーを包み込むような美しい声が印象的な作品、朝ドラ抜きにしても紅白で見たいと思わせるには十二分の仕上がりになっています。

King & Prince「ichiban」

 SMAPの頃からジャニーズの提供先は固定観念にとらわれないノンジャンルな印象もありますが、さすがにヒップホップ方面のクリエイターによる提供はあまり無かったような気がします。KAT-TUNは昨年AK-69とコラボしていましたが、キンプリは王道のイメージ強めなのでこういう曲を歌うこと自体まず驚きです。KREVA側にしてみたら一昨年石川さゆりとコラボするほどなので、そんなに大げさな話ではないと思いますが。

 映像を通して見るとやはり凄いです。「シンデレラガール」「恋降る月夜に君想ふ」を歌うグループには全く見えない、別種類のカッコ良さが溢れまくってます。シングル表題曲にしないのが勿体ないくらいですが、この攻め具合はアルバムのリードナンバーだからこそ活きているようにも聴こえます。

 そんなキンプリは本日TikTokアカウントを開設。#ichibanでハッシュタグチャレンジ、彼らのファン層を含めて考えると相当バズる予感がします。ビルボードチャートでは配信・さらにアルバムなのでフィジカル抜きの状況ですが、もしかすると動画指標だけでしばらく結構な順位をキープするかもしれません。新たな代表曲になる可能性も高そうで、要注目です。

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